ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

小説・文芸
1,760円 (税込)

8pt

紀元前3世紀後半、イタリア半島統一をなしとげ、興隆の途についたローマ人が初めて大きな危機に直面した。北アフリカの強国カルタゴとの直接対決。象を伴ってアルプスを越えた規格外の名将ハンニバルと、ローマの全権を託された若き執政官スキピオ。地中海の覇権を賭けたポエニ戦争はいかなる結末を迎えたのか――。 ※当電子版は単行本第II巻(新潮文庫第3、4、5巻)と同じ内容です。

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ローマ人の物語[電子版] の一覧

1~15巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~15件目 / 15件
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I
    1,254円 (税込)
    知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルトやゲルマン人に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るローマ人だけが、なぜ巨大な世界帝国を繁栄させることができたのか? ささやかな建国伝説から始まる一千年の興亡史がいま幕を開ける。もはや古典といっても過言ではない歴史大作シリーズの電子版が待望の配信開始! ※当電子版は単行本第I巻(新潮文庫第1、2巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II
    1,760円 (税込)
    紀元前3世紀後半、イタリア半島統一をなしとげ、興隆の途についたローマ人が初めて大きな危機に直面した。北アフリカの強国カルタゴとの直接対決。象を伴ってアルプスを越えた規格外の名将ハンニバルと、ローマの全権を託された若き執政官スキピオ。地中海の覇権を賭けたポエニ戦争はいかなる結末を迎えたのか――。 ※当電子版は単行本第II巻(新潮文庫第3、4、5巻)と同じ内容です。
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III
    1,210円 (税込)
    カルタゴを滅亡させ、地中海の覇者となったローマ人。しかしローマには停滞と内乱の世紀が訪れる。敵は自らの内にあり――。護民官となって既得権階層の代表であった元老院と対決したティベリウスとガイウスのグラックス兄弟。国政改革に着手したガイウス・マリウスとルキウス・コルネリウス・スッラ。岐路を迎えるローマ帝国の行く末を案じた改革者たちの物語。 ※当電子版は単行本第III巻(新潮文庫第6、7巻)と同じ内容です。
  • ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV
    1,859円 (税込)
    前人未到の偉業と底知れぬ人間的魅力で、古代から現代まで人々を魅了してやまない英雄ユリウス・カエサル。ローマの共和政に幕を引き、偉大なる世界帝国への道筋をつけた天才はいかにして生まれ、長じたのか。ポンペイウス、クラッススとの三頭政治を経て執政官へ。さらなる野望を抱き、ガリアへと旅立つカエサルが見た夢とは何か。 ※当電子版は単行本第IV巻(新潮文庫第8、9、10巻)と同じ内容です。
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V
    1,903円 (税込)
    ガリアを制圧したカエサルは、軍の即時解散と帰国を命ずる元老院の最終勧告を突きつけられ、国賊と呼ばれるのを覚悟でルビコン河を渡った。その勢いのままかつての盟友ポンペイウスを制し、イタリア半島、ついで地中海のほぼ全域を掌握。迫りくる暗殺を予知したかのように、新秩序樹立のためにあらゆることを為しとげたカエサル。彼のみた帝政という理想――、その真の姿を描き出す意欲作。 ※当電子版は単行本第V巻(新潮文庫第11、12、13巻)と同じ内容です。
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI
    1,650円 (税込)
    志なかばに倒れたカエサルの跡を継いだオクタヴィアヌスは、共和政への復帰を宣言。元老院は感謝の印として「アウグストゥス」の尊称を贈ったが、彼の構造改革の真の意図は別のところにあった……。半世紀をかけて静かに帝政を完成させ、広大な版図に平和をもたらした初代皇帝の栄光と苦悩を、あますところなく描いたシリーズ最高傑作。 ※当電子版は単行本第VI巻(新潮文庫第14、15、16巻)と同じ内容です。
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII
    2,332円 (税込)
    広大な帝国の安全保障、千万の人々を養う食糧の確保、そして金融危機や大災害への対処。アウグストゥスから帝国を引き継いだ四人の皇帝は、その責務を果たせたのか。「恐るべき」と形容された第二代皇帝ティベリウス、愚政の限りを尽くし惨殺されたカリグラ。悪妻に翻弄され続けたクラウディウス。「国家の敵」と断罪されたネロ。悪名高き皇帝たちの治世の実態とはいかなるものだったのかが明かされる。 ※当電子版は単行本第VII巻(新潮文庫第17、18 、19、20巻)と同じ内容です。
  • 危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII
    1,683円 (税込)
    紀元68年、ネロを最後に神君アウグストゥスの血統が絶え、ローマは大混乱に陥った。1年あまりのうちに3人の軍人が帝位に就くも、次々に殺されるか、失脚した。血で血を洗う内乱が繰り広げられるローマ帝国。これが同じローマ人なのか? 未曾有の危機からローマを救い、さらなる繁栄へと向かわせたのは、出自にも輝ける才能にも恵まれなかったヴェスパシアヌスとその息子たちだった。危機を糧として発展を続けるローマ帝国の神髄が描かれた一書。 ※当電子版は単行本第VIII巻(新潮文庫第21、22、23巻)と同じ内容です。
  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX
    1,716円 (税込)
    紀元2世紀初頭、ダキアとメソポタミアを併合して帝国の版図を最大にした初の属州出身皇帝トライアヌス。帝国各地をくまなく視察巡行し、統治システムの再構築に励んだハドリアヌス。穏やかな人柄ながら見事に帝国を治めたアントニヌス・ピウス。世にいう五賢帝の中でも、傑出した3人の業績を浮彫りにし、なぜ彼らの時代が「まれなる幸福な時代」たりえたのか検証する。 ※当電子版は単行本第IX巻(新潮文庫第24、25、26巻)と同じ内容です。
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X
    1,386円 (税込)
    歴史上比類なき一大強国を築き上げ、数百年以上にわたり、維持・発展させたローマ帝国。その統治の基礎はどこにあったのか。帝国をすみずみまで繋いだ街道、橋、水道などのハードなインフラ、そして医療、教育などソフトなインフラまで、「インフラの父」と呼ばれたローマ人の最大の強みを解明したシリーズ番外編。 ※当電子版は単行本第X巻(新潮文庫第27、28巻)と同じ内容です。
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI
    1,771円 (税込)
    広大な版図を誇り、平和と安定を享受した五賢帝時代。その掉尾を飾り、「哲人皇帝」としても名高いマルクス・アウレリウスの治世は、配慮と協調を尊んだことで、後世からも高い評価を得てきた。しかし、その彼の時代に、ローマ帝国衰亡への序曲が始まっていたのだとしたら……? 現代にも通じる鋭い洞察に裏打ちされた、一級の指導者論。 ※当電子版は単行本第XI巻(新潮文庫第29、30、31巻)と同じ内容です。
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII
    1,617円 (税込)
    紀元3世紀、もはやローマは幾多の危機を乗り越え発展しつづける「栄光の覇者」ではなくなっていた。経済は低迷し、蛮族の侵入が相次ぐ中、皇帝捕囚という未曾有の国難にも見舞われる。皇帝たちの懸命の努力とは裏腹に、帝国は衰退の階段を着実に下り始め、キリスト教の台頭が始まる……。「危機の三世紀」、その現実を描き尽くした力作。 ※当電子版は単行本第XII巻(新潮文庫第32、33、34巻)と同じ内容です。
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII
    1,540円 (税込)
    蛮族の侵入や政変が相次ぎ、未曾有の危機に陥った帝国に現れた2人の皇帝。ディオクレティアヌスは皇帝4人による領土の分割統治を実施し四頭政治を導入。跡を継いだコンスタンティヌスは、ローマ帝国に幅広く浸透していたキリスト教公認に踏み切った。しかし、帝国復権を目指した彼らの試みは、皮肉にも衰退を促す結果を生んでいく――。塩野版「ローマ帝国衰亡史」、いよいよ佳境に! ※当電子版は単行本第XIII巻(新潮文庫第35、36、37巻)と同じ内容です。
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV
    1,617円 (税込)
    キリスト教を公認した「大帝」コンスタンティヌスの死後、その親族を襲ったのは血なまぐさい粛清であった。生き残ったコンスタンティヌスの甥ユリアヌスは、多神教の価値観に基づく寛容の精神とローマ的伝統の復活を目指した。だが、その治世は短命に終わり、キリスト教は遂にローマ帝国の国教の座を占めるに至るのだった……。西洋人とは異なる視点で激動の時代を描く必読の巻。 ※当電子版は単行本第XIV巻(新潮文庫第38、39、40巻)と同じ内容です。
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV
    2,079円 (税込)
    教科書によれば、紀元476年に西ローマ帝国は滅亡し、一方で東ローマ帝国は1453年まで続いたとされている。しかし、地中海世界全体に高度な文明をもたらした空前絶後の大帝国は、本当にそのような「瞬間」に滅びたのか? 古代ローマ1300年の興亡を描き切ったアジア発、前人未到の偉業がここに完結。「永遠の都」よ、さらば。 ※当電子版は単行本第XV巻(新潮文庫第41、42、43巻)と同じ内容です。

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ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    1巻よりもとーっても読みやすくて面白かった。
    キングダム、ローマ版。笑
    頭の中で自作のアニメーション流れてた。

    話の本筋では無いけど、歴史を振り返っていく中で先人に学ぶこととか大切な考え方に気づくこととかあって、
    ところどころ、わあ、この考え方すごい分かる、って記述があったから引用する。

    286ページ
    ⭐︎優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。率いられていく人々に、自分たちがいなくては、と思わせることに成功した人でもある。持続する人間関係は、必ず相互関係である。
    一方的関係では、持続は望めない。

    参考文献
    ⭐︎ 人間の性格は、容説より以上に彼や彼女の書き言う言葉にあらわれる(プルタルコス)ということを。

    すごく面白かった、本当に。

    0
    2024年04月22日

    Posted by ブクログ

    題材が良いのもあるだろうが、とんでもなく面白い。史実に忠実で、なおかつ兵士の数や年月などの数字の情報が決して少なくないのに、ハンニバルやスキピオなどの名将達の息遣いまで聞こえてきそうな、臨場感のある文章に引き込まれた。

    0
    2023年04月17日

    Posted by ブクログ

    ローマ人の物語第ニ作。紀元前264年のポエニ戦役の始まりから、紀元前146年のカルタゴ滅亡まで、歴史舞台を眺めるがごとく再現されている。
    ポエニ戦役とは、フェニキア人の植民都市カルタゴとの戦いであり、三次にわたって繰り広げられた。第一次のシチリア島を巡る戦いで、ローマは海戦を経験し、シチリア島全島とその周囲の領海権を獲得する。第二次はカルタゴの勇将ハンニバルがスペイン経由でアルプスを超えてローマに侵攻、ローマを追い詰める。ローマはスキピオの登場によって劣勢を跳ね返し、カルタゴ本土まで押し返す。この勝利により、カルタゴの戦力を大幅に削ぐが、この後、カルタゴは不幸な出来事により、意図に反した経緯で自滅する。
    ローマとカルタゴでは戦いの指導者に対する扱いが真逆である。ローマでは敗将になっても学んだことがあるだろう、ということを重視し、再登板の機会が与えられるのに対し、カルタゴでは敗将には死が待っている。現代でも考慮すべき考え方があると言える。

    0
    2023年03月17日

    Posted by ブクログ

    地中海の覇権を争うローマとカルタゴ。
    ローマは名将ハンニバルに現在のスペインからアルプス超え、イタリア半島への侵入を許してしまう。
    3回に渡るポエニ戦争、ローマの危機をハンニバルとスキピオを中心に描く。

    0
    2022年11月30日

    Posted by ブクログ

    第二巻はハンニバル戦争と呼ばれる第二次ポエニ戦役を中心として、ローマが地中海の覇権国家となるまでを描く。それにしてもよくこれだけ面白く魅力的に歴史を叙述できるものだと感心してしまいますよ塩野さん。

    元々はローマでのシチリアへの勢力拡大のためだったけど、その流れでカルタゴでローマの天敵、稀代の天才戦術家ハンニバルを誕生させてしまう。一時期は首都ローマまで侵攻する勢いで、滅亡の危機にあったけれども、柔軟なローマはあの手この手、スキピオのようにハンニバルを師とした戦術を駆使することで軍事力を高めてハンニバルをくだす。そこからマケドニア、シリア、カルタゴと強国を打ち負かして地中海覇権国家となっていく。
    ハンニバル戦争、ひとつひとつのエピソードが詳しく面白い。ローマ人が大切にしていた誇りがよくわかる。柔軟な思考、共和制による市民主権をどれだけ大切にしていたのかもよくわかる。これからなぜローマが帝国と変化していくのか、続きが楽しみだ。

    0
    2022年08月21日

    Posted by ブクログ

    このシリーズで一番お気に入りの巻 戦争は武器を使う外交 外交は武器を使わない戦争 どちらか一方では国家は成り立たない。二千年の時を隔てたものだが、心動くものがある。

    0
    2021年05月19日

    Posted by ブクログ

    起伏があまりない語り口調により、歴史を語る上で重要と思う客観性を感じることができる一方で、塩野七生の主張が適切に散りばめられている。
    本巻では、ハンニバルと、その弟子と評しているスキピオとの対決が見どころ。また、巻中2度も記されている、ロードス島で交わされたというハンニバルとスキピオの会話も面白い。

    0
    2021年01月20日

    Posted by ブクログ

    ローマ人の物語、第2巻はハンニバルの物語から。

     “プロセスとしての歴史は、何よりもまず愉しむものである”

    塩野さんの、歴史に対する一つのスタンスが見て取れます。
    そして、大学で歴史を学んだ一人としても、肚落ちするものです。

    私の学生当時、物語として歴史を紡いでいくことは、
    司馬史学なんて揶揄も込められの扱いが主流でした。

    最近の動向はわかりませんが、広く社会に還元していくのであれば、
    人が生きていくための道標となるのであれば、一つの在り様としては、とも思います。

     “現代の研究者でも、古代=奴隷制社会=搾取、ゆえに悪、と断定して疑わない幸福な人”

    ここ最近ではあれば、行き過ぎたポリティカル・コレクトレス、との言葉が合致するでしょうか、
    個人的には、機会の均等ではなく、結果の均等を強奪しようとしているようにしか、見えませんが。

    その上で、共和制から帝国制への萌芽、端緒を見て取ることができると、
    このハンニバルとの戦いの過程から見出しているようにも、感じます。

     “人間も、そしてその人間の所産であるシステムも、時代の求めに応じて
      変化する必要があることを訴えつづけたマキアヴェッリに賛成なのだ”

    さて、そんな歴史を愉しむための素材となるのは、
    紀元前264年から133年に渡る約130年間との、なかなかに長い年月、

    ポエニ戦役から、マケドニア、そしてカルタゴ滅亡までの事象、
    このうち主軸となるのはやはり、三度に渡った「ポエニ戦役」でしょうか。

    ローマ人にとってはポエニ戦役を中心とした対外戦争の時代、であったのでしょう。

    主役を担うのは、副題にもなっているカルタゴの将・ハンニバル、
    それに対するはスキピオ(アフリカヌス)、そんな二人の宿命的な生き様です。

     “アレクサンダー大王の最も優秀な弟子がハンニバルであるとすれば、
      そのハンニバルの最も優れた弟子は、このスキピオではないか”

    といっても、ハンニバルとスキピオには1世代ほどの開きがあり、
    スキピオの父がハンニバルに敗れた際、スキピオ自身はひよっ子でした。

    その後、ハンニバルは10年以上もローマ勢力圏内を、数万の兵を率いて戦い続け、
    その戦役の規模も20年単位とのスパンでもあるので、なかなかに壮大ですが、、

     “優れたリーダーとは、優秀な才能によって人々を率いていくだけの人間ではない。
      率いられていく人々に、自分たちがいなくては、と思わせることに成功した人々でもある。”

    史実としては、カンネの会戦でのハンニバルの圧倒的な勝利、
    ザマの会戦でのスキピオのリベンジ、が有名とは思いますが、

    ポエニ戦役は3度にわたり、幾度かの休戦期を挟みながらも、
    当然それ以外の小競り合いも含めての戦闘はあったわけで、

    その過程で「国家としての結果」を担保していくには、、
    旧来の方式にとらわれず、敵からすらも学んで刷新していく、

    これもまた、寛容の在り様の一つでしょうか。

    それにしても、将官クラスの人材の、カルタゴというかハンニバル側と、
    ローマ側での人材の差が、いかんとも、、ローマ側は枯渇しませんね、本当に。

    ローマ元老院のハンニバルをイタリア内に孤立させるとの戦略もあったのでしょうが、
    この、人材輩出システムは、やはりローマに国家としての軸、国体がしっかりしていたからでしょうか。

     “共和制ローマの魂(スピリット)は、この重装歩兵に体現されていた”

    そういえば日本について、

     “われらが日本の特色が和の精神であるとすれば、それを国際化時代では通用しないとして
      全面的にしりぞけたりすれば、日本は日本でなくなる”

    と述べられているのも、なかなかに興味深いです、塩野さん。

     “真に優秀な弟子ならば、師のやり方の全面的な模倣では終らない。”

    長年に渡り、ハンニバルに苦杯をなめ続けたローマですが、
    その敵からすら学ぶとのことの積み重ねから、ザマにつながります

    とはいえ、ポエニ戦役が終わった時点では、カルタゴやマケドニアに滅亡の気配はなく
    どちらかというと、ハンニバル、スキピオが表舞台から退いてから、その色が強まります。

     “歴史を後世から眺めるやり方をとる人の犯しがちな誤りは、
      歴史現象というものは、その発端から終結に向かって実に整然と、
      つまりは必然的な勢いで進行したと考えがちな点”

    結果から今の価値観で訴求すると、いかにも、カルタゴやマケドニアの滅亡ありきで、
    「覇権的な帝国主義」への道筋をつけるための動きであった、、ともなりますが、

    その時代の動きの中に入ると、意外とそうでもなさそうで、特に、、

     “カルタゴの滅亡は、二重にも三重にも重なり合って起ってしまった、
      不幸な偶然がもたらした結果であった”

    なんてカルタゴの滅亡を位置付けている一方で、
    マケドニアやギリシャのそれについては、、

     “何ごとにおいてもおだやかなやり方は、
      相手もそれに同意でないと成立しえないという欠点をもつ”

     “ローマ人に、寛容主義の限界を悟らせた。”

    なんて風に評価しているように、複層的な要素が交わりあっての、
    それぞれの理由に基づいて、国家滅亡との結果につながっていたのか、とも。

    とはいえ、結果としては、

     “(カルタゴ、スペイン、ギリシャの属州化で)地中海は、ローマ人にとって、
      「われらが海(マーレ・ノストゥルム)」となったのだ”

    との派遣を成立したからこそ、

     “ローマ人の地中海制覇は、カルタゴの滅亡までふくめて、
      「ハンニバル戦争」の余波なのであった”

    なんて風にも言いまわせるのでしょうけど、、学界では余波なんて許されないでしょうねぇ。

    歴史とは事実を積み重ねただけでは意味がない、とあらためて思います。
    数多ある事実に対して、自分の言葉で理解して、どう真実として昇華していくのか、

    そして、それをどう伝えていくのか、また、伝えていくのには、
    ただ無味乾燥な事実を並べるよりは、血沸き肉躍る方が記憶にも残るでしょう。

    かといって、何もそれを頭から無批判に信じる必要はない、伝えられる内容に、
    自分の言葉で批判を加えていくことが、学問としての第一歩でしょうから。

    なんてのは、歴史学であればこそ、一番最初に叩き込まれる基本姿勢とは思うのですが、、
    どうやら、ここ最近の、息子たちの世代の歴史教科書などを見ると、怪しさがぶり返してますかね。

    最後にやや耳に痛く残ったのは、以下のフレーズ。

     “血も流さずにいて、何を言いたい!”

    日本にしてみれば、湾岸戦争時のトラウマも記憶に新しいところ。

    さて、われらが日本にとっての「日本らしさ」、いわゆる国体とは、と、
    あらためて考えていきたいですね、そして自分の子供たちに伝えていきたいところです。

    0
    2024年05月18日

    Posted by ブクログ

    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。この巻では、ポエニ戦争での、ハンニバル対スキピオが描かれます。手に汗を握ってしまうほどの迫力です。

    0
    2018年10月23日

    Posted by ブクログ

    ハンニバルも良いけど、やっぱスキピオですよね。戦術大好きになりました(前からそうだけど)。包囲作戦は爽快。しかし悲惨。

    0
    2012年06月12日

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