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紀元3世紀、もはやローマは幾多の危機を乗り越え発展しつづける「栄光の覇者」ではなくなっていた。経済は低迷し、蛮族の侵入が相次ぐ中、皇帝捕囚という未曾有の国難にも見舞われる。皇帝たちの懸命の努力とは裏腹に、帝国は衰退の階段を着実に下り始め、キリスト教の台頭が始まる……。「危機の三世紀」、その現実を描き尽くした力作。 ※当電子版は単行本第XII巻(新潮文庫第32、33、34巻)と同じ内容です。
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Posted by ブクログ
まさに迷走。なぜ皇帝を殺害するかすらあやふや。立ち直れるんだろうか、と思うが、すでに歴史なので、結末は知っている。それなのになお読ませる塩野さんに拍手。
紀元211年、皇帝カラカラから紀元284年、皇帝カリヌスまで。 ローマ帝国「3世紀の危機」次から次へと皇帝が謀殺される危機の時代、筆者の調査力・筆力に感嘆するばかり、「塩野ローマ」に引き込まれている。 「属州民へのローマ市民権・・・人間はタダで得た権利だと大切に思わなくなる」 「人間は所詮、全員...続きを読む平等でいることには耐えられず、何かで差別しなければ生きていけないのかもしれない」 「ローマ市民権・・・誰でも持っているということは、誰も持っていないことと同じ、ブランドは死んだ」 「「人間とは、事実だから信ずるのではなく、事実であって欲しいと思う気持ちさえあれば信じてしまうもの」 「人々を一つの運動に巻き込むには、合理を唱えていては成功は難しいのが人間性の一面でもある。ユダヤ民族は1800年前の自分たちの土地に帰ることに固執したからこそ、国家イスラエルは誕生できた」 「健全な国家と不健全な国家の違いは、その国が持っている軍事力が国の外を対象にしているか、それとも国内を向いていらかを見れば分かる」 「なぜ宗教には金が集まるのかと言う、古今東西普遍の原理」 「宗教は純粋な信仰のみでは組織としては成り立たない。純粋な信仰と冷徹な組織力と言う二つの車輪が不可欠であり、そしてその両輪をまわすのに必要な油も欠くことは許されない」 「ローマ皇帝ペルシャに捕らわる・・・権威失墜の後に訪れるのは、残された者同士の団結ではなく、分裂である場合が圧倒的に多い」 「実力主義化か貴種主義か・・・生まれや育ちが自分とはかけ離れている人に対して、下層の人々が説明のしようのない敬意を感ずるのは、それが非合理だからである。多くの人にとってより素直に胸に入ってくるのは、合理的な理性よりも非合理的な感性のほうなのだ」 「ローマ帝国に対するキリスト教徒の罪とは、何を信じていたかではなく、それを信ずることを通して反国家的な組織を形成している、ということのほうにあった」 キリスト教の台頭の要因 ギボン「ローマ帝国衰亡史」 ドッズ「不安の時代の異教徒とキリ スト教徒」 キリスト教に帰依することが、現 実の生活でも利益をもたらしてい たこと。多くの人がそれなくして は生きることが難しい帰属心を与 えるのに成功した。 「不安の時代にはかえって不寛容な教えのほうが力強く見える」 「ユダヤ教とローマ帝国は正面から激突したが、キリスト教はローマ帝国内にいつのまにか浸透していた。キリスト教会がローマ帝国に歩み寄ったのではないか」 「キリスト教への入信の儀式として洗礼を考えた人は、天才であったと私は思っている」 「人間とは、明確な白から明確な黒に移る場合、ためらいを感じて立ち止まってしまうものだ。中間に広いグレーゾーンを持たせ、変わるといってもたいした変化ではないかと思わせることくらい、善男善女を動かすのに有効な戦術もない」 「キリストの神は人間に、生きる道を示す神である。一方ローマの神々は、生きる道を自分で見つける人間を、かたわらにあって助ける神々である」 「ローマの神々は全力をつくす人間を守護する、繁栄の時代に適した宗教。キリスト教の神は、悲惨な現状も神の与えた試練になり、苦悩も人間の魂の浄化に役立ち、死後の平安も保証してくれる」 「キリスト教徒は、ローマ帝国の打倒は意図していなかった。あえて言えば、乗っ取りを意図していたのだ」
著者の文章からなる歴史物語が楽しいのはもちろん、そこに書いていないことにも思いを馳せたくなる。知的刺激を受けるとは、こういうことなんだろうな。読む幸せを感じさせてくれる本だ。 あれこれマーカーをつけたり、抜き書きしたくなる部分があった。
ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。ローマの迷走振りは、現在の日本とかぶる?
2010/06/14 なんかもう見てられなくなってきた。めまぐるしすぎる時代なのに、明晰な文章で呑み込めることに感服。
ローマ帝国 混迷の3世紀についてです この時期は一時期ガリア帝国、パルミラ、ローマ帝国と3つに分裂した。 北方の蛮族やパルミラ、ササン朝ペルシアなどの侵入などもあった。 多くの皇帝が短期間で入れ替わった不安定な時期。
ユリウス・カエサルが暗殺されてしまった。領土拡張、市民権を与え征服民の人気も獲得、政治改革断行、結果を残したのにも関わらず・・・カエサルを殺害した張本人は内々のローマ市民。既得権益が損なわれる反発からの犯行。カエサルが持っていた先を見据えたアイデアは素晴らしく、一生の中でここまで変化を具現化した/具...続きを読む現化しようとした人物はそうはいないだろう。が覆さるのはお膝元からということが皮肉に感じる。仕事でも家庭でもいいが、足元をしっかりしないと痛い目に合うことを示唆してくれる歴史本。
皇帝が次々と変わり、滅亡への道をたどる。よそ事とは、感じられない。 阿部政権は、踏みとどまれるかと思いつつ読み終えた。 やはり、ユリウス・カエサルのような英雄の話に比べると、面白味に欠けてしまう。
ローマの衰退が書かれる。ただただ衰退していくだけ。ある意味単調だが、ある意味展開がめまぐるしく、記憶には残らなかった。
3世紀の危機を描いている。 元老院は力を失い、軍団から支持されて皇帝になってもすぐに殺され、 蛮族の侵入は激化し、まさに満身創痍といった雰囲気。 拡大期と衰退期では国民性から違ってきてしまうんかなぁ。 今の日本も衰退期にある気がするから、この先心配。
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