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Posted by ブクログ
ヨーロッパの歴史ができる様子を眺めているように本書に引き込まれる
歴史の事実が著者により、現代の出来事、人物に感じられるように描く著者に脱帽
神君アウグストゥスの後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4皇帝時代の物語。
ネロを最後にカエサルから続くユリウス・クラウディス朝は終焉する。
後の歴史家タキトゥスによって悪評ばかりが目立つこれらの皇帝を暖かい目で再評価した作品、と感じた。
文中ではタキトゥスの悲観的な記載に対する苦言が散見される。
ティベリウスは立派で非常に共感できる部分が多い
ネロが暴君ネロとして歴史上、有名な理由には納得がいかない
各皇帝とも個性的で、本人の意思とは裏腹に、それぞれの理由で元老院や人民の支持を失っており反面教師として学ぶに良い教材。
Posted by ブクログ
第7巻は紀元14年、第2代皇帝ティベリウスの即位から、紀元68年第5代皇帝ネロの自死まで。
「追従かそれを言われた人を不快にするのは、そのようなばかげたことを言われてイイ気になる程度の人と値踏みされた事が不快なのである」
「人事権を手中にしているのは権力を手中にしているのと同じだが、その施行となると簡単ではない。当事者に加えて周辺も納得させねばならない」
「外交は平和裡の解決ではない、軍事力を使って脅した後こそがもっとも有力な外交であると歴史が証明している。人間とは、理で目を覚ます場合は少ないのに、武力を突きつけられれば目を覚ますものだからだ」
「多神教の神は、一神教の神がそれを信ずる人々の生き方まで定めるのとは違って、人々を保護する役割しか持たない」
「情報収集の重要性とは絶対的な速度にはなく、他の誰よりも早くそれを得て、得た情報を基にしての判断を他の誰よりも早く下し、そしてそれによる指令を他の誰よりも早く発することにある」
「カリブ島の干菓子の端の崖の上に立てられたヴィラを南の海上から眺めたことのある人ならば、ロードス島中部のリンドスの崖の上に建つ神殿を思い出すのではないか・・・リンドスのアクロポリスの遺跡を訪ねたときは、小石が散乱する細く曲がりくねった田舎道をロバの背にゆられながら、やっとの想いで着いたものだった」
「人間は、常にニュースを求める。大事に関心を持つ必要がなければ、小事に関心を持ってしまう」
「カリグラ・・・すべてを所有する人にとっての最大の恐怖は、現に所有しているものを失うことである」
「ユダヤ教・・・一神教の神は非寛容な神にならざるをえない。多神教の世界で、弱者の立場で守り抜こうとすれば、神から選ばれた民族であるという選民思想が、唯一の拠りどころになる」
「常に弱者の立場にあり続けた民族は、被害者意識から自由になることが難しい・・・強者に対しては過敏に反応しがちである」
「テロ行為とは、文明が未熟であるから起きるのではない。権力が一人に集中しており、その一人を殺せば政治が変わると思えるから起きるのである」
「歴史に関心を持つということは、懐古趣味などではまったくない。人間性に関心を持つか否か、がそれを決める」
「歴史に関心を持つことは、自分を含めた個々の人間の独創力に全面的な信を置かないことでもあるからだ」
「理を解してそれを了承する人は、常に少数派である。多数派には、脅しのほうが効果的な場合が多い」
「皇妃メッサリーナの放縦は、虚栄欲と物欲と性欲という、考えてみれば実に女らしい欲望を満足させることに向かう」
「多くの人の人生は、喜劇と悲劇の繰り返しで成り立っている」
「誠心誠意やっていれば分かってもらえるのか?人間とは心底では、心地良くだまされたいと望んでいる存在ではないか」
「人間は問題がなければ不満を感じないというわけではない。枝葉末節なことであろうと問題を探し出しては、それを不満の種にするのは人間性の現実である」
「勝気な女が逆上すると、言葉は洪水のごとくにほとばしり出る」
「ネロには、問題の解決を迫られた場合、極端な解決方法しか思いつかないという性癖があった。本質的にはナイーブであったゆえ・・・」
「マキャベリ・・・悪事を働かなければならない場合は一気にやるべし。他民族侵略という悪行は短期に済ませ、戦後処理を充分にしたほうが、征服者にとっても被征服者にとっても好都合。歴史は侵略の歴史でもあり、人間の悪業の歴史でもある」
「戦争は、武器を使ってやる外交であり、外交は、武器を使わないでやる戦争である」
「新しい運動は、もっとも身近な人々からの反発をまず浴びるものである。エルサレムのユダヤ教会の敵意が、イエスの処刑の真因であった」
「ユダヤ教の選民思想・・・他民族への布教には不熱心」
「キリスト教・・・キリスト教の神の前には人間はみな平等、その神を信じない人は真の宗教に目覚めないかわいそうな人だから、その状態から救い出してやることこそがキリスト者の使命と信じている」
Posted by ブクログ
専門家や歴史好きの一部からは批判されているが、私はこのシリーズが好き。単純に面白いから。正確な歴史を知るというより、ローマ人に想いを巡らせる上で、とても役に立つと思っている。
「悪名高き皇帝たち」では、ローマ帝国第二代皇帝ティベリウスから第五代皇帝ネロまでの治世が描かれている。カエサルが道を開き、アウグストゥスが作り上げた帝政を、次代の皇帝たちがどのように治めていくのかがテーマになっている。
ローマ帝国の面白いところは、皇帝があくまで市民の中の第一人者であるところ。強大な権力が付与されるが、それには元老院と市民の支持が必要なのである。冠を被ったステレオタイプの王様とは全くの別物だ。どちらかというと大統領に近い。そして大統領と同じく、高度な統治能力が求められるわけだが、皇帝になる誰もがこの能力を持ち合わせているわけでもない。というのも、カリグラ、クラウディウス、ネロの3名は実力というよりは血統と都合により祭り上げられて皇帝になっているからだ。なので能力を測られもせず国のトップに立っている。その割にクラウディウスは優秀だったのがローマにとっては幸いだったかもしれない。カリグラみたいな皇帝が三連続してたら流石に帝国も崩壊していたかも。。いや、流石にその前に手は打たれただろう。何故ならネロ帝のヤバさを痛いほど感じた軍団や元老院は彼の殺害を画策したのだから。この時代のローマ人には、悪い状況を修正する気概と能力があったのだ。そして修正力は血統主義から能力主義への移行に生かされたようだ。
このシリーズの面白さは扱う時代に左右される。正直なところ、ハンニバル戦役を描く2や、カエサルを描く4、5の方が手に汗握って面白い。平和なローマとなると、どうしてもハラハラする展開が少なくなる。それでもそこそこ面白いヒューマンドラマが楽しめるので、これからもこのシリーズを読んでいきたいと思う。
Posted by ブクログ
ティベリウスからネロまで。
正直アウグストゥスの時代をややかったるく読んでしまったのでどうかな…と思ってたんですが、読んでみると案に相違して面白かった。
印象的なのはティベリウス、クラウディウスの堅実な代わりに華のない治世のあとのカリグラ、ネロの即位時の市民や元老院の熱狂。
特にネロの即位時はカリグラを彷彿とさせて、華々しいことばかりに終始しティベリウスの黒字財政を破綻させた、かつてのマスコットだった若き皇帝のことは思い? 出さな?? かったのか??? と首をひねってしまうのだけど、当時に生きるということはそういうことなのかもしれないなあ。
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