2000年に及ぶ歴史のなかで、ローマ帝国は何度となく重大な危機に陥り、そのたびに大胆な方法で危機を脱した。日本には、なぜ古代ローマ皇帝カエサルのような、リスクをとる真のリーダーが現れないのか? いま、この国になにが一番必要なのか? 文明の栄華と衰退を知り尽くした塩野七生だから語れる、危機の時代を生きるための深い智恵。小林秀雄や司馬遼太郎がそうであったように、歴史と対話しながら、この国のあり方を根本から論じるエッセイ集。
Posted by ブクログ 2014年07月24日
おそらく塩野七生さんが文藝春秋にて執筆されたコラム投稿の集まりだと思われる本。時期は2006年前後。日本では小泉政権の郵政民営化討論時、またアメリカのブッシュがイラク戦争を仕掛けた時期である。今から読むとちょっとした近代史であるが今読むと七瀬さんの見解が何ともしっくりくる。時間がたっても納得できる見...続きを読む
小泉首相の時代のエッセイを10年後に読むことになります 自民党が下野し民主党が崩壊しまた自民党が勢いを取り戻す時代にもヒントになることが多く書かれています 国際関係がきな臭い今だからこそ歴史という人類の知恵に触れるのは有意義ではないでしょうか?
Posted by ブクログ 2012年09月10日
芯が一本通ってる人の論って、やっぱり読みやすい。あんまり丸々書き写すのもマズいとは思いつつ、このレベルの本を要約できる能もないので、背景が分からないと真意が伝わらないかもしれないとは思いつつ、琴線に触れたところを抜き書きしてみます。少しでも気になるところがあったら、手に取る価値はある。
「意思を持...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月14日
塩野さんの「ローマ人の物語」を3分の2ほど読み終えたのですが、いつも思うのは歴史から学ぶことは多い、と言うことです。この本は彼女が10年ほど前に書いた著書で、まだ「ローマ人の物語」が完結していない時に書かれたようです。執筆中の心境なども綴られていて興味深いのですが、なんと言っても国の在り方や政治につ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月15日
文藝春秋連載のエッセイ集。イタリアに住む著者の視点から、日本への鋭い批判、提言が面白い。印象に残った記述を記す。
「ユリウス・カエサルは、言っている。「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」
「なぜか、危機の時代は、指導者が頻繁に変わる...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年06月26日
イタリア在住の執筆家。
文藝春秋に連載されたエッセイをまとめたもの。
海外からみた日本の状況をローマの歴史や錯綜する欧米の歴史などを踏まえ、提言・分析している内容。
客観的に分析しているので内容は信用できる。
カエサルの言葉
人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。
多くの人は、...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年09月21日
週刊誌に連載されたエッセイをまとめた1冊なので、全体を通してのメッセージがあるわけではなく、本書のタイトルには少し違和感もある。ただ、各エッセイともに、ローマを中心とした歴史をベースに日本の現状をみると、こういうふうに感じられる、という姿勢がベースになっていて、なるほど、という鋭い指摘も多い。エッセ...続きを読む