塩野七生のレビュー一覧

  • 小説 イタリア・ルネサンス1―ヴェネツィア―(新潮文庫)

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    元のタイトルは『緋色のヴェネツィア』。1993年の作品。元のタイトルは『緋色のヴェネツィア』。1993年の作品。舞台はヴェネツィア。カルロス1人が統治するスペイン・神聖ローマ帝国。アジアの大国オスマントルコ。海軍強国とはいえイタリアの1都市国家に過ぎない国。選択できる手段、は微妙で繊細なものにならざるを得ない。支えたのは国を思う心と知恵。その渦の中起きる悲劇。小説であるが故の架空の人物、史実と異なる描写。しかし、この時代とこの国のリアルは伝わってくる。バブル崩壊直後、まだ余力が十分があった日本。しかし、ここに描かれているような教訓は生かすことができなかった。

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    2020年12月29日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    フリードリヒが誕生してロンバルキア同盟を打ち破るまで。
    中世の人なのにとても合理的。
    もっと仲良く宗教出来ないものか。悪名高き異端裁判所の成り立ちがこんなんだったなんて。

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    2020年12月24日
  • 小説 イタリア・ルネサンス1―ヴェネツィア―(新潮文庫)

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    ベネティアの歴史の話かと思ったら、そうではなくて、元首(ドーチェ)の息子がとその親友のマルコの話であった。 トルコ帝国の中で元首の息子のアルヴィーゼの活躍が中心に動く。なかなかストーリとしては良かった。かつ、その時代の歴史がわかるので、良かった。次は?

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    2020年12月20日
  • 絵で見る十字軍物語

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    ローマ法皇がエルサレム奪還したらみんな
    天国に行けると扇動し食糧を奪い殺戮を繰り返し
    てゆく第一回十字軍。
    その後約200年に渡たる一神教を信仰する
    キリスト教VSイスラム教が争いが
    野蛮な西ヨーロッパの人達の狂気と
    内紛ばかりのイスラム世界が
    ドレの絵を通して知れました。

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    2020年11月29日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    第6次十字軍。外交で獲得したイェルサレム。当時の評価は低かったが、今ならノーベル平和賞もの。権威や武力ではなく法で統治する、学問を尊重し大学を設立する。学術会議問題最中の今考える。過剰な防衛力を合理化するための中央集権化。防衛予算は伸びているのに、一極集中し過ぎた東京で思う。教皇との対立。物語は敵役がいなければ盛り上がらない。相手の立場も考えないと歴史は評価できない。そこは差し引いても革新的な人物だったことは間違いないだろう。絶頂期で終わった上巻。下巻はどんな展開になるのか。楽しみ。

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    2020年10月22日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    初の塩野作品 今まで縁遠いヨーロッパの歴史だったので読むのに苦戦するかと思いきや、
    当時の風景や人物像が頭に浮かんできて読みやく、フリードリッヒ二世の凄さも伝わったが、それとともに、作者に対してヨーロッパの歴史の知識の深さ、膨大な資料を綿密に調査して書かれていることを感じて、他の作品も読みたくなった。次は十字軍物語かな

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    2020年10月16日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    コンスタンティノープルが陥落するまでを、修道士や商人、医師など、複数の現場にいた人たちの物語を合わせたお話。
    臨場感があるのと、と歴史の勉強になる。

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    2020年10月06日
  • 海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(上)―塩野七生ルネサンス著作集4―

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    塩野七生 「海の都の物語」ヴェネツィア共和国の通史

    ヴェネツィア の千年の歴史を振り返り、戦争の英雄がいないのに、なぜ千年の長い間を生きのびたのかを紐解いている。


    著者は、ヴェネツィアの私企業のような国家経営観に目付けしている。カリスマ的英雄で彩られるローマ史と比較すると、ヴェネツィア史は 地味であるが、その地味さが生きのびた理由であるとする論調


    ヴェネツィア の国家経営の特性
    *宗教やイデオロギーの違いに重きを置かず「はじめに商売ありき」の商業至上主義
    *初めから自給自足を諦め、不足の経営資源は交換する〜自給自足を目的とすると 植民地主義に進む
    *国家の意思決定において、マクシミン

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    2022年08月12日
  • サロメの乳母の話

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    イエスやユダ、アッシジのフランチェスコ、サロメ、ネロ帝など、有名な歴史上の人物の伝聞を「ほんとうはこうだったんじゃないか?」といろんな視点で語る物語です。
    真面目な話もあり、思わず笑っちゃうような展開もあり…
    ユダの母親の話が一番面白かったです。

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    2020年08月22日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    イスタンブール 旅行の前に、歴史を知ろうと思い手に取った小説。結果、一夏をどっぷり塩野七生小説に充てるほど、どハマりした。
    時代背景をかなり緻密に調べた上のフィクション。
    コンスタンティノープルがオスマン帝国に滅ぼされるまでの緊張した時代を描いたもの。
    イスタンブール 旅行中、あぁ、この遺跡はあの時のか、、等感慨深い想いをした。

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    2020年08月14日
  • ルネサンスの女たち―塩野七生ルネサンス著作集2―

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    塩野七生29歳ののデビュー作であり、この後の数々の著作の原点である。小国をその器量で守り抜いたイザベッラ・デステから始まるルネッサンスの女たちの物語は、「歴史家にも許された想像がある」と師に言われたことを数々の考証を重ねて展開していく手法に彩られている。見事なデビュー作であり、その後の活躍を予感させるに十分だ。

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    2022年12月19日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    面白かった!
    ルネサンスとは何であったのか?をフィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアから見て考える。

    「異教徒の遺物であろうと学ぶ価値があれば学ぶべきと考えるようになったルネサンス時代」

    ルネサンスとは、遠い国のキリスト教徒の問題で、現代のましてやキリスト教徒でもない私には関係のないこと、ではない!!!ということ。

    やっぱり塩野七生さんの本は分かりやすくて読みやすい。もっともっと知りたい。読みたい本がありすぎる。

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    2020年08月01日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    11世紀末から約200年間にわたって、聖地エルサレムを奪還すべく8回もの十字軍遠征が行われ、最後は惨憺たる結末。
    第7回の神聖ローマ帝国フリードリッヒ二世が交渉だけで一番上手にやってくれたと思うのだが、戦わなかったから駄目だったなんて、これが宗教なんでしょうかねぇ。一神教同士の戦いは壮烈でした。

    キリスト教は、その後宗教改革もあって、まぁお付き合いも出来る宗教になってきたけど、イスラム教はどうなんだろ?

    それにしても、50年前の高校で習った世界史に欲しかった書であった。

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    2020年07月05日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    やっと上巻読み終わったー!自粛中にたくさんの本を買って乱読しておりました。そのうちの一冊です。

    私がフリードリッヒ2世に興味を持ったのは、デル・モンテ城がきっかけでした。イタリア南部にあるデル・モンテ城は、八角形尽くしで築かれたミステリアスな建物です。この不思議な城を建てたのがフリードリッヒ2世。調べてみると「早く生まれすぎた」人らしい…

    ここから本の感想です。
    フリードリッヒさんかっこいいよ!一国のリーダーたるやこういう人でないと。フリードリッヒは一国どころか、シチリア王であり神聖ローマ皇帝でありエルサレム王であります。「席の暖まる暇もないくらいに移動を繰り返す人であった」ほど各国を飛び

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    2020年07月04日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    ネタバレ

    チェーザレ・ボルジア。目的のためには手段を択ばない。非常で残酷なことも厭わない。
    武将であるが、実際の戦闘は少ないように思う。戦闘の前に戦いを決している。
    自前の軍隊を持たないところから始まり、わずかの期間でイタリアの中央部を支配した。あと何年かあればイタリアの多くを手にしたに違いない。あるいは、さらに領土を広げたかもしれない。
    父の死とともに一気に凋落する。あっけないほどの逆転。最期が謀略によるものではなく、戦死であったところが救いのように感じる。

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    2020年06月15日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    以前何かの番組で、小泉進次郎が塩野七生さん(の小説)が好きで・・・ということをおっしゃってて、その時初めて存在を知ったのだけど、読まれていた題材が中世の歴史関係でなんだか難しそうと思った印象しかなかった。
    世界史は好きだけど、詳しくはない。十字軍って名前はよく知っているけど、どこに何しに行ったんだっけ?という感じ。(単純にヨーロッパの雰囲気が好きなだけ・・・)
    それが、たまたま書店の平積みで本書を見かけて、あ。この人かと手に取ったのがきっかけ。
    フリードリッヒ、、、聞いたことあるようなないような。(おそらく知らないのだろう)。帯を見ると「武力行使なしに聖地を奪還」や「独、伊、仏、ラテン、ギリシ

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    2020年05月31日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    これも十数年ぶりの再読。巻頭のイタリア地図と付き合わせながら読み進めました。塩野ファンとしては、初期作品としての読みにくさは多少感じたものの、素朴さ、荒々しさが逆に主人公に合ってた気がします。駆け足なので、もっと一つずつのエピソードを楽しみたい気がします。巻末の沢木さんの解説も秀逸。塩野さんが主人公に惚れていることが良く分かります。

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    2020年05月22日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    塩野さんの著書は何度読んでも飽きない。塩野さんのイタリアの歴史に対する愛情を感じる。チェーザレ・ボルジアはかなりの冷酷、暴君として通常は描かれているが、塩野さんの人間愛によるチェーザレは、彼も所詮は命に限りある生身の人間であったことに気づかされる。
    彼と同時期に日本では織田信長がいて、妹のお市の方がやはり兄の暴政で自分の運命を翻弄されていた事実は非常に面白い。

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    2020年05月02日
  • レパントの海戦

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    ヴェネツィアをはじめとしたキリスト教国が勝利を収めつつも、地中海世界の時代の終わり、十字軍の終焉、ヴェネツィアの落日を止めることにはならなかった、オスマン帝国とのレパントの海戦を描く。
    海洋国家の栄光と落日というテーマは、やはり面白い。
    人々の個性にもおおきくよって織り成されるダイナミックな文明と歴史のなかにおける国家を描きつつ、そこに生きる人間のことも忘れない、壮大でありつつも暖かく細やかな目配りが感じられる素晴らしい作品。
    読みながら、翻って我が国は、私は、と考えたときに、歴史のなかの今、歴史のなかのわれわれということを意識させられる、歴史観の涵養にまさにふさわしい作品を書かれる作家である

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    2020年04月25日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    変質したローマ帝国

    一部ご紹介します。
    ・アウグストゥス帝の時代は、「先に納税者あり。国家は税収が許す範囲のことしか手掛けない」という小さな政府であった。
    ・だが、ディオクレティアヌス帝の時代になると、「先に国家あり。国家に必要な経費が、税として納税者に課せられる」という大きな政府になった。そして、元首政から絶対君主政へ移行した。
    ・軍事力の増強、官僚機構の肥大化は、必要経費の増大(国庫から給料を払う人間の数が増える)と組織や人材の硬直化(縄張り意識の肥大化による流動性の断絶)を招かないでは済まない。
    ・ローマ帝国をまとめていたのは、「ローマ法」「ローマ皇帝」「ローマの宗教」であった。コンスタンティヌス帝

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    2022年09月30日