塩野七生のレビュー一覧
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塩野先生といえば「ローマ人の物語」「海の都の物語」ほか、イタリアの歴史物語で数々の名作を残してきましたが、今回のシリーズは小説。
16世紀のヴェネツィア共和国で、名家タンドロ家の当主である外交官マルコと、元首の庶子アルヴィーゼ、出自の違う幼なじみの二人を巡る物語。
詳しい話はぜひ「海の都の物語」を読んでいただきたいですが、中世のヴェネツィアは西にカトリックのスペイン(ハプスブルク家)、東にイスラムのトルコと異なる大国に挟まれた中、人口も国土も小さい中で海洋国家として軍事力・交易、そして統治機構と外交力、いわゆるインテリジェンスを強みに、巧みに独立を保ってきました。
元首の息子ながら、ギリシ -
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ローマはやはり法皇を中心としたキリスト教の中心地。そこに地を移したマルコだったが、すぐにその法皇の孫に当るファルネーゼ枢機卿と仲良くなる。そこで本来の地に戻ったオリンピアとも仲が戻るが、ただそこにはオリンピアの過去が。
ファルネーゼ枢機卿は実はオリンピアの息子で合ったことが最後にわかる。 特にこの地で余生を過ごすには若すぎたところにベネティア出身のコンターニ枢機卿からベネティア海軍がトルコに負けたことを聞いたマルコがまた故郷を思い再度政治の世界に立ち向かうことを決意する。 そこにオリンピアを連れて行こうとしたが、ファルネーゼ父がオリンピアを愛するあまり殺してしまった。 失意のマルコはベネティア -
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Netflixでオスマン帝国を観て興味を持ち、文字でも読みたくてこちらを。世界史に疎い自分もこれは小説のようで楽々読み進められた。(国名や人名などの表記が若干異なるので少々戸惑ったがすぐ慣れた)
軍医、商人、側近、小姓、留学生、それぞれの視点からコンスタンティノープルが落ちていく様子を詳細に記録している。
歴史的な転換点となった出来事の中身もかなりドラマティック。単純に、オスマン帝国のマホメッド2世がビザンチン帝国の都・コンスタンティノープルを手にする物語と一言では言えないような、登場人物全員に敬意を払いたくなるような、そんな感じ。
本当に登場人物全員に感情移入してしまう。なかでもビザン -
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元のタイトルは『緋色のヴェネツィア』。1993年の作品。元のタイトルは『緋色のヴェネツィア』。1993年の作品。舞台はヴェネツィア。カルロス1人が統治するスペイン・神聖ローマ帝国。アジアの大国オスマントルコ。海軍強国とはいえイタリアの1都市国家に過ぎない国。選択できる手段、は微妙で繊細なものにならざるを得ない。支えたのは国を思う心と知恵。その渦の中起きる悲劇。小説であるが故の架空の人物、史実と異なる描写。しかし、この時代とこの国のリアルは伝わってくる。バブル崩壊直後、まだ余力が十分があった日本。しかし、ここに描かれているような教訓は生かすことができなかった。
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塩野七生 「海の都の物語」ヴェネツィア共和国の通史
ヴェネツィア の千年の歴史を振り返り、戦争の英雄がいないのに、なぜ千年の長い間を生きのびたのかを紐解いている。
著者は、ヴェネツィアの私企業のような国家経営観に目付けしている。カリスマ的英雄で彩られるローマ史と比較すると、ヴェネツィア史は 地味であるが、その地味さが生きのびた理由であるとする論調
ヴェネツィア の国家経営の特性
*宗教やイデオロギーの違いに重きを置かず「はじめに商売ありき」の商業至上主義
*初めから自給自足を諦め、不足の経営資源は交換する〜自給自足を目的とすると 植民地主義に進む
*国家の意思決定において、マクシミン