塩野七生のレビュー一覧

  • 逆襲される文明 日本人へIV

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    "ローマ人の物語"で有名な塩野七生のエッセー集。政治・社会問題から女性論・天皇陛下や日本人への想いまで、歴史知識に裏打ちされた現実主義的で冷徹な視線で話を進める。もちろんそれだけでなく、"尖閣にガンダムやゴジラを"というウィットにとんだ提言もあり、また、日本を語るときのある種のウェットさ、切なさも文章からは伝わってくる。

    それにしても彼女の語る欧米事情や政治論・女性論は、日本のマスコミの論調とは大きく違って聞こえる。個人的には彼女の方がしっくりくるのだが。
    彼女のような人に国を率いてもらいたいと思ったりもするけれど、たぶん今の日本人にはそれを受け入れる

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    2023年02月02日
  • 小説 イタリア・ルネサンス3―ローマ―(新潮文庫)

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    シリーズの中で最も悲劇的ではある。舞台が宗教都市ローマということで季節の変わり目を気候ではなく宗教行事で感じているローマの描写が面白い。マルクス・アウレリウスについての描写が今作品と上手くリンクさせていて感動する。

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    2023年01月19日
  • 小説 イタリア・ルネサンス2―フィレンツェ―(新潮文庫)

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    シリーズの中では一番面白かった。フィレンツェならではの芸術の描写も多いため芸術好きには楽しい。
    アルヴィーゼとロレンツィーノ、どっちもやりたかったことは同じなのでは?と、1とのデジャブ感は否めない。

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    2023年01月19日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    塩野七生の本なので面白くないはずがない。と言う訳で、題名の通り中世ヨーロッパで中世ヨーロッパから外れた傑物の神聖ローマ帝国皇帝 フリードリッヒ2世の生涯を好意を持って描いた本。そもそもフリードリッヒ2世という人を全く知らなかったが、中世において、絶大な権力を誇った神の使いであるローマ法王に真っ向から対立した(勝負を挑んだというほどには勝負はしていない)フリードリッヒ2世という人を全く知らなかったの発見の連続。もうあと200年くらい遅くに生まれていたら時代の寵児になっていたと思うが、残念ながらキリスト教(ローマ法王)的には全く容認できず、死後に歴史上から抹殺された感が強いのであまり知られていない

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    2023年01月11日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    国家のレベルで議論することが出来なくなった 塩野七生さんは最後の論壇者
    「ローマ人の物語」最初の頃は日本の官僚が議論に来た→なぜ居なくなった
    安倍・菅両氏は見事に日本の中枢から「人材」を一掃したモノだ 「人事パワー」

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    2023年01月11日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    とうとう最後まで読みました。年内に読み終えることができて良かったです。ローマの滅びる直前と今の日本に共通点があるかも!?減税して子どもを安心して育てられる世の中になってほしいです。

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    2023年01月05日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    ローマ人の物語、ギリシア人の物語で有名な塩野氏のエッセイ集。
    根底にあるのは、二千年前のローマ人に出来た事が、何故いま出来ないのか。
    二千年前にかけられた橋がまだまだだいしなのに、何故50年前にかけられた橋が崩落するのかである。 
    民族は、興隆した後に必ずすいたいを迎えるものであるという。いまそのときを迎えつつあるのだろうか。

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    2022年12月12日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    文藝春秋に連載されている日本人へをまとめた新書の5冊目です。タイトルは「誰が国家を殺すのか」ですが、それに関係する内容が多かったと思います。「誰が」という問いは難しいですね。特定の個人ではないと思いますが、読みながら考える材料になっていると思いました。
    塩野さんがこれまでおっしゃっていた内容と重複するような内容もいくつかありましたが、立場が変わったこともあり、それらについて考えるのも、いろいろと違う要素や視点から考えますね。特に印象に残っているのは、「責任を取る」ということやリーダー像、そして現場体験を通じたカンの重要性ですね。普段からそういうことをあれこれ考えているからでしょうか。

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    2022年11月20日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    登場人物の中で教皇が一番血の気が多い。
    数世紀後にイラク戦争やアラブの春がどう扱われるのか。
    今後オリエントの復権はあり得るのか。

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    2022年11月13日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    専門家や歴史好きの一部からは批判されているが、私はこのシリーズが好き。単純に面白いから。正確な歴史を知るというより、ローマ人に想いを巡らせる上で、とても役に立つと思っている。
    「悪名高き皇帝たち」では、ローマ帝国第二代皇帝ティベリウスから第五代皇帝ネロまでの治世が描かれている。カエサルが道を開き、アウグストゥスが作り上げた帝政を、次代の皇帝たちがどのように治めていくのかがテーマになっている。
    ローマ帝国の面白いところは、皇帝があくまで市民の中の第一人者であるところ。強大な権力が付与されるが、それには元老院と市民の支持が必要なのである。冠を被ったステレオタイプの王様とは全くの別物だ。どちらかとい

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    2022年11月15日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    ローマ人のことを素晴らしいと思っていたのだけど、この巻だと、その素晴らしい点がなくなっていくようで残念。

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    2022年11月01日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)

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    塩野七生節によって中世イタリアにどっぷりと浸ることができる素晴らしい物語。相変わらず句読点の打ち方が気にはなるが・・。しかし、塩野七生さんはカエサルにしろ英雄の浮気には寛容過ぎるのでは?世の一般女性も塩野さんと同じ考えだと勘違いして「よし、俺も愛人でも作るか」などとはユメユメ思わない事だ。自分は英雄でも無いし。

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    2022年07月31日
  • ロードス島攻防記

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    登場人物みんなかっこいい
    アントニオとオルシーニの間に微かなブロマンスを感じ取りながら読み進め、最後は本を閉じて天を仰いだ。防衛側も熱いが侵略側のスレイマンがまた魅力的。勝者が敗者に敬意を示す瞬間はフィクションでもリアルでも、感慨深い気持ちになります。

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    2022年06月18日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    カエサルのカリスマ性を持った天才ではなかったが、偽善という性質は持っていたアウグストゥスが帝政を築き上げていく物語。自分が見たい現実しか見ない人間が多くいる中、アウグストゥスは見たくない現実も直視した。それ故、見たい現実しか見ない阿呆の相手をするには苦痛を伴ったが自己制御能力が抜群であったため、長時間かけて段階的に帝政を完成させていく。合法に見えるやり方でも、つなぎ合わせれば非合法の帝政を達成させた。しかしこれらの成功の影には常にカエサルが現れた。

    1.統治前期
    自らが持っていた特権を廃止し、共和政復活を宣言するも、内実は手放した方が利益になる特権を廃止したにすぎず、浅はかな元老院は上っ面し

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    2022年04月17日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    ルネサンス期イタリアの梟雄チェーザレ・ボルジアの生涯を描く。ボルジアの行動目標がイタリアの統一であるという前提のもと、その軍事行動や政略を描いていく。毒殺や妹との関係という噂で名高くなってしまったボルジアを、むしろマキアヴェリの『君主論』に引きつけて解釈し、野心的な政治家として描写している。父アレクサンデル6世の死去という天に見放されたかのごとき事件のあとも、復権に向けて駆け引きを繰り返すボルジアの姿、そしてその結末は一抹の哀愁を漂わせる。

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    2022年04月10日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)

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    著者にとって本当に書きたかった本。

    過去の200頁程度の掌編ではなく渾身の歴史小説。これをどう捉えるかは読者の自由だが素晴らしい仕事であることに疑いはない。

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    2022年04月01日
  • 小説 イタリア・ルネサンス4―再び、ヴェネツィア―(新潮文庫)

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    主人公マルコダンドロの人生をとおして、
    ヴェネチアという国の人生も垣間見ることができた気がする。
    西方と東方の狭間で、1000年以上共和国として生き抜いてきたヴェネチアのドラマは壮大だなぁと思った。
    旅行でヴェネチアを訪れた時、華やかさと美しさにとても感動したが、とても長く深い歴史を背負っていることに改めて感動を覚えた。
    またヴェネチアを旅したいなぁ!トルコにも行きたい!

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    2021年11月25日
  • イタリア遺聞

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    積んでおいた塩野七生を手にする。
    これまでの小説の舞台裏を覗くような、云い足りなかったことを小耳にするようなおもしろみがある。
    作者も気楽さからか、感じた内容がそのまま伝わってくる。
    解説も、佐々淳行というのも、ポリティカルな塩野氏のテーマにそっていて笑えた。

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    2021年10月21日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    他の「日本人へ」シリーズよりも、穏やかな内容と思えるのは、大作「ローマ人の物語」を書き終えた喜びだろうか。

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    2021年10月04日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    最初なかなか進まなかったが、イスラムや諸侯、教皇とどう渡り合うかが楽しくなり、途中から読むスピードが上がりました。

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    2021年09月19日