塩野七生のレビュー一覧

  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    「桜を見る会」「原発事故」「憲法改正」云々、政治絡みのご提言も多い。中曽根元首相と面会していたり、月刊Hanadaを読んでいたりするのでわりと保守の人?今となっての地雷を踏んでいないかと序盤はハラハラ。が、頁を進め様子がわかると微笑ましくなってくる。1937年生まれ。御年85歳。ご高齢女子のお茶のみ相手をしてるつもりで読むと楽しく感じる。他愛もない言説を利用する政治勢力もなかろう。PCもスマホも頑に使わない女史相手に遠くイタリアからの原稿取り。編集者も大変だっただろう。読者としては面白ければそれでよい。

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    2023年03月20日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    カエサルはついにルビコン川を渡り、ポンペイウス擁する元老院派との対決に臨む。決意を決めたカエサルとは対照的に、国賊認定をしてカエサルを追い込んだ元老院派はルビコン川を越えたカエサルの行動は予想できていなかった。冬季であったため、軍勢を整えるためにも春まで待つだろうと予想をしていたからであった。準備ができていないポンペイウス陣営は、早々にローマを捨て南伊ブリンディシに向かい、イタリアをも捨てギリシャへと渡る。ポンペイウスは地中海の海賊一掃作戦を通して地中海全域に渡り多数の「クリエンテス」を有しており、イタリア内での決着よりも地中海全域を盤面とした方が有利とみたからであった。カエサルは当然この展開

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    2023年05月31日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    いつものように、イタリアで見たイタリアや日本の政治、社会がストレートに語られている。民主主義や国の軍備についても、生の状態を追うだけでなく、歴史から学べること、分かることという塩野さんらしい視点が効いていて面白いし、報道が繰り出すマンネリな批判よりある意味プラクティカル。
    今回は旅のお供でキンドル版。旅しながら読むにもちょうどいい読みやすさだった。

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    2023年03月13日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV

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    ローマの歴史における英雄中の英雄ガイウス・ユリウス・カエサルについての叙述がいよいよ始まる。カエサルは紀元前100年の生まれという事で覚えやすい。項羽と劉邦の時代のおよそ100年後、カエサルの100年後にキリストの時代となるのでなんとも贅沢な時代である。
    カエサルの少年期は、マリウス(民衆派)とスッラ(元老院派)の抗争の時代と重なる。母方の伯父にあたるマリウスがカエサルの伯父2人を処刑するという凄惨な出来事を13歳の時に経験している。16歳で父親を亡くしたカエサルは家長となり、政略結婚を経て当時の政争に巻き込まれていく。マリウスのバトンを受けとった執政官キンナは、オリエント平定を終えたスッラを

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    2023年05月31日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    第二次ポエニ戦役に勝利し、地中海の覇権を不動のものとしたローマであるが、大きくなりすぎた反動が自身を襲う。属州となったシラクサから安価な農産物が入るようになり、ローマの農業者は葡萄畑などに転換するしかなくなったが、この転換には多額の投資が必要であった。投資能力のない者は土地を富裕層に譲渡せざるを得ず、格差が拡大したのである。
    このような背景の中、グラックス兄弟が登場する。兄のティベリウス・グラックスは、大規模農地の所有権を放棄させる農地法を護民官として提案し民衆に支持されるも、これが富裕層が多くを占める元老院の反感を買う。護民官への再選を期した集会において、反対派(背後には元老院が控えている)

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    2023年02月20日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    北アフリカの強国カルタゴとローマの激戦が描かれる。シチリアの覇権をめぐる「第一次ポエニ戦役」、主戦場をイタリアとしたカルタゴの英雄ハンニバルによる侵略戦争である「第二次ポエニ戦役」がメインのテーマ。
    第一次ポエニ戦役は地中海の制海権が重要となることから、当時は海軍を持っていなかったローマより沿岸国であるカルタゴが有利かと思いきや、そうならないのが面白いところ。「カラス」という回転する梯子のようなものを船に装着し、カルタゴの軍船に橋をかけローマの強みである重装歩兵を活用し戦闘を陸戦化するという発想の転換は学ぶ部分が多いなと感じた。
    第一ポエニ戦役での敗戦の将となったハミルカルであるが、その長子で

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    2023年02月19日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    紀元前753年の建国から500年、イタリア半島をローマ人が統一するまでの物語。この歴史物語を読み刮目したのは次の2点だ。
    1.ローマ人が敗者を隷属したのではなく、「共同経営者」にするという、当時では他に例を見ない政略を取ったこと。
    2.紀元前4世紀には「12表法」という成文法をもっていた、つまり紀元前においてローマが法治国家であったこと。
    我々の先祖が草深い山野で弥生式土器を作っていた時代なのだ。恐るべしローマ、今後どのように共和国から帝国に脱皮して行くのか、次巻以降が愉しみだ。

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    2023年02月11日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    ローマの事を全く知らない人間が読んでも、グイグイ引き込まれる文章で、漫画を読むような感覚で歴史理解を深める事ができた。長丁場になるが全巻読んでみたいと思う。ローマ建国からカルタゴ(現 北アフリカ)との戦争であるポエニ戦役勃発前までが描かれる。ローマに最初に拠点を築いたのは所謂「ならず者集団」で、サビニ人の女性たちを拉致して結婚して子孫を残したというのは驚きであった。共和制移行後のパトリキ(貴族)中心の政治から平民を取り入れた政治体制の確立(リキニウス法)や同盟国出身の者に違和感なく最高権力であるコンスル(執政官)の地位を与えるなど、外部リソースの活用の上手さがローマが今後ライジングしていくこと

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    2023年02月08日
  • 逆襲される文明 日本人へIV

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    "ローマ人の物語"で有名な塩野七生のエッセー集。政治・社会問題から女性論・天皇陛下や日本人への想いまで、歴史知識に裏打ちされた現実主義的で冷徹な視線で話を進める。もちろんそれだけでなく、"尖閣にガンダムやゴジラを"というウィットにとんだ提言もあり、また、日本を語るときのある種のウェットさ、切なさも文章からは伝わってくる。

    それにしても彼女の語る欧米事情や政治論・女性論は、日本のマスコミの論調とは大きく違って聞こえる。個人的には彼女の方がしっくりくるのだが。
    彼女のような人に国を率いてもらいたいと思ったりもするけれど、たぶん今の日本人にはそれを受け入れる

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    2023年02月02日
  • 小説 イタリア・ルネサンス3―ローマ―(新潮文庫)

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    シリーズの中で最も悲劇的ではある。舞台が宗教都市ローマということで季節の変わり目を気候ではなく宗教行事で感じているローマの描写が面白い。マルクス・アウレリウスについての描写が今作品と上手くリンクさせていて感動する。

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    2023年01月19日
  • 小説 イタリア・ルネサンス2―フィレンツェ―(新潮文庫)

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    シリーズの中では一番面白かった。フィレンツェならではの芸術の描写も多いため芸術好きには楽しい。
    アルヴィーゼとロレンツィーノ、どっちもやりたかったことは同じなのでは?と、1とのデジャブ感は否めない。

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    2023年01月19日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)

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    塩野七生の本なので面白くないはずがない。と言う訳で、題名の通り中世ヨーロッパで中世ヨーロッパから外れた傑物の神聖ローマ帝国皇帝 フリードリッヒ2世の生涯を好意を持って描いた本。そもそもフリードリッヒ2世という人を全く知らなかったが、中世において、絶大な権力を誇った神の使いであるローマ法王に真っ向から対立した(勝負を挑んだというほどには勝負はしていない)フリードリッヒ2世という人を全く知らなかったの発見の連続。もうあと200年くらい遅くに生まれていたら時代の寵児になっていたと思うが、残念ながらキリスト教(ローマ法王)的には全く容認できず、死後に歴史上から抹殺された感が強いのであまり知られていない

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    2023年01月11日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    国家のレベルで議論することが出来なくなった 塩野七生さんは最後の論壇者
    「ローマ人の物語」最初の頃は日本の官僚が議論に来た→なぜ居なくなった
    安倍・菅両氏は見事に日本の中枢から「人材」を一掃したモノだ 「人事パワー」

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    2023年01月11日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    とうとう最後まで読みました。年内に読み終えることができて良かったです。ローマの滅びる直前と今の日本に共通点があるかも!?減税して子どもを安心して育てられる世の中になってほしいです。

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    2023年01月05日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    ローマ人の物語、ギリシア人の物語で有名な塩野氏のエッセイ集。
    根底にあるのは、二千年前のローマ人に出来た事が、何故いま出来ないのか。
    二千年前にかけられた橋がまだまだだいしなのに、何故50年前にかけられた橋が崩落するのかである。 
    民族は、興隆した後に必ずすいたいを迎えるものであるという。いまそのときを迎えつつあるのだろうか。

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    2022年12月12日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    文藝春秋に連載されている日本人へをまとめた新書の5冊目です。タイトルは「誰が国家を殺すのか」ですが、それに関係する内容が多かったと思います。「誰が」という問いは難しいですね。特定の個人ではないと思いますが、読みながら考える材料になっていると思いました。
    塩野さんがこれまでおっしゃっていた内容と重複するような内容もいくつかありましたが、立場が変わったこともあり、それらについて考えるのも、いろいろと違う要素や視点から考えますね。特に印象に残っているのは、「責任を取る」ということやリーダー像、そして現場体験を通じたカンの重要性ですね。普段からそういうことをあれこれ考えているからでしょうか。

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    2022年11月20日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    登場人物の中で教皇が一番血の気が多い。
    数世紀後にイラク戦争やアラブの春がどう扱われるのか。
    今後オリエントの復権はあり得るのか。

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    2022年11月13日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    専門家や歴史好きの一部からは批判されているが、私はこのシリーズが好き。単純に面白いから。正確な歴史を知るというより、ローマ人に想いを巡らせる上で、とても役に立つと思っている。
    「悪名高き皇帝たち」では、ローマ帝国第二代皇帝ティベリウスから第五代皇帝ネロまでの治世が描かれている。カエサルが道を開き、アウグストゥスが作り上げた帝政を、次代の皇帝たちがどのように治めていくのかがテーマになっている。
    ローマ帝国の面白いところは、皇帝があくまで市民の中の第一人者であるところ。強大な権力が付与されるが、それには元老院と市民の支持が必要なのである。冠を被ったステレオタイプの王様とは全くの別物だ。どちらかとい

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    2022年11月15日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    ローマ人のことを素晴らしいと思っていたのだけど、この巻だと、その素晴らしい点がなくなっていくようで残念。

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    2022年11月01日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)

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    塩野七生節によって中世イタリアにどっぷりと浸ることができる素晴らしい物語。相変わらず句読点の打ち方が気にはなるが・・。しかし、塩野七生さんはカエサルにしろ英雄の浮気には寛容過ぎるのでは?世の一般女性も塩野さんと同じ考えだと勘違いして「よし、俺も愛人でも作るか」などとはユメユメ思わない事だ。自分は英雄でも無いし。

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    2022年07月31日