塩野七生のレビュー一覧
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古代ローマのインフラについて取り上げた巻。
街道、橋、水道、医療、教育といったハード・ソフト両方の基盤を紹介してくれる。
特にハードなインフラの方はレベルの高さに驚かされる。今から2000年以上前とは思えないクオリティで作られ、維持されていたとのこと。
例えば水道は長いもので全長90キロメートル以上で、場所によって高架橋であったり地下を水が流れる。垂れ流しにすることで腐らないようにしていて、水質が良かったとのこと。そして一人当たりに供給される量は現代の主要都市と変わらなかったらしい。
こんなことを当時やっていたのはローマ人だけで、属州への普及には骨が折れたらしい。
こういったインフラを大事にする民族性が、長きに渡る帝国を作り上げたのかもしれないと思った。 -
Posted by ブクログ
塩野七生のすごいところは、要約能力の高さと文章のライトさだと思っています。
つまり、600ページ以上あるこの2巻を読んで、長いとは感じないんです。
古代ギリシアについては、歴史、哲学、文学、芸術などでたくさんの本が書かれてきているので、ネタには事欠かないはずです。
そんな中で寄り道したのは、プラトン『饗宴』を通じてアルキビアデスに触れたり、悲劇や喜劇を若干取り上げた程度で、あとは戦争と政治の話ばかりです。
その上、登場人物がかなり少ない。歴史ものは群像劇になりがちなのですが、極力一本道で語っていきます。
そんなふうに強力に要約されている反面、600ページもかけているので、ギリシア史について詳しくなった気になれます。
この長さは、結構大事です。
ペロポネソス戦争でアテネが凋落していくこと自体は読む前から知っていましたが、読書前は腑に落ちないところがありました。
しかし、本書はシラクサ攻防戦やエーゲ海の東における戦いについて、順を追って語っていくので、分かった気にならずにいられない。
ただ、普通長い文章を読むのは苦痛なんですが、要約とライトさで読ませてくる。
文体は、時々変な執着(作者がスパルタのエフォロスを嫌いすぎなことなど)があったり、違和感のある日本語になっているところはあるのですが、全体的にはスラスラ流れていくので不思議です。
作者はローマの衰退に文庫にして43巻をかけたわけですが、ギリシアについては4巻ということで、スピード感も高まっているかもしれません。
ところで、スパルタにおけるエフォロスと王による政体は長続きしているし、個人的にはアテネのデマゴーグも同じくらい有害だと思います。
アテネが凋落していく過程で使われるようになった、ストラテゴスに対する弾劾裁判は死刑直行も多いからアルキビアデスのように逃げるしかないし、議論をふっかけるだけのデマゴーグに有利すぎるといいますか。
とはいえこの問題は、程度の差こそあれ、現代でも解決できていないことでもあります。 -
Posted by ブクログ
初代皇帝アウグストゥスの生涯が書かれています。
カエサルの後継者でありながら、慎重で、戦いに弱く、才能よりも血にこだわるなど、カエサルとは異なるところが多かったようですが、カエサル以後のローマを平和に導いた功績は大きいと思われます。
カエサル以後の割と平和な時代には、アウグストゥスのような人物がローマを率いたことはローマにとって良かったのではないでしょうか。
アウグストゥスはカエサル程、才能には恵まれてはいませんでしたが、統治能力、慎重さ、平和裏に帝政へ移行する忍耐力等は優れており、自分に才能がないところは、アグリッパ、マエケナス2人の友に支えられながら、ローマを平和にしていきました。
カエサルとはまた違った魅力を感じる人で、苦労した人生を見ると親近感が湧く人物でもあります。 -
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新潮文庫 塩野七生 マキアヴェッリ 語録
「君主論」「政略論」などマキアヴェッリ箴言集
〈君主篇〉
君主は、悪しき者であることを学ぶべきであり、それを必要に応じて使ったり使わなかったりする技術も会得すべきなのである
君主には、運命の風向きと事態の変化に応じて、それに適した対応の仕方が求められるである
征服国と被征服国の言語や風習が共通している場合、次の二点さえ守れば、征服者は被征服者と融合できる
一.昔からの君主の血統を根絶やしにする
二.そこの法律や税制に手をつけない
征服国と被征服国の言語や風習が異なる場合
一.征服者自身がその地域に移り住む
ニ.被征服国の重要拠点に移民の共同体を創設する
君主にとっての敵は、内と外の双方にある。敵から身を守るのは〜防衛力と友好関係である
人の上に立つ者が尊敬を得るには
一.大事業を行い、前任者とは違う器であることを示す
二.敵に対する態度と味方に対する態度を、はっきりと分けて示す
中立を保つことは、あまり有効な選択肢ではない〜中立でいると、勝者にとっては敵になり、敗者にとっては助けてくれなかったことで敵視される
優秀な指揮官は、必要に迫られるか、好機に恵まれるかしなければ、決して勝ちを急がない
指揮官は一人であるべき〜指揮権が複数の人間に分散されているほど、有害なことはない
人の運の良し悪しは、時代に合わせて行動できるか否かにかかっている
君主は、民衆がなにか誤りを犯したとしても苦情を言うことはできない〜大衆は統治者を模倣する
歴史は、われわれの行為の導き手である。とくに指導者にとっては師匠である
〈国家篇〉
改革の必要性は、初心に戻ることにある
国家が秩序を保ち、国民が自由を享受するには、清貧が最も有効
〈人間篇〉
運命は変化するものである〜自分流のやり方を続けても時勢に合っている間はうまくいけば、時代の流れにそわなければ失敗するしかない〜慎重であるより果敢である方がよい
人間は、運命に乗ることはできても逆らうことはできない
好機というものは、すぐ捕まえないと、逃げ去ってしまう
忍耐と寛容により人間の敵意を溶解できるなど思ってはならない
報酬や援助を与えれば、敵対関係を好転しうると思ってはならない
他者を強力にする原因をつくる者は、自滅する
人物を評価する最も簡単で確実な方法は、その人物がどのような人々と付き合っているかを見ることである
中くらいの勝利で満足する者は、常に勝者であり続ける
天国に行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである
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購入済み
地中海の島や都市はなかなか馴染みがないのですが
適宜地図が掲載されているので
とても読みやすかったです。
現代はキリスト教側が優勢な印象ですが
イスラム教側が優勢な時代もあったのだと
勉強になりました。