塩野七生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カエサルのカリスマ性を持った天才ではなかったが、偽善という性質は持っていたアウグストゥスが帝政を築き上げていく物語。自分が見たい現実しか見ない人間が多くいる中、アウグストゥスは見たくない現実も直視した。それ故、見たい現実しか見ない阿呆の相手をするには苦痛を伴ったが自己制御能力が抜群であったため、長時間かけて段階的に帝政を完成させていく。合法に見えるやり方でも、つなぎ合わせれば非合法の帝政を達成させた。しかしこれらの成功の影には常にカエサルが現れた。
1.統治前期
自らが持っていた特権を廃止し、共和政復活を宣言するも、内実は手放した方が利益になる特権を廃止したにすぎず、浅はかな元老院は上っ面し -
ネタバレ
人間社会に生きること
一部ご紹介します。
・愛情の介在する関係が甘美な決闘ならば、贈り物は武器の役目を果たす。
毛皮、宝石、花、チョコレート、知的な映画、ハイブロウな本、香水など。女にはなんでも贈ったらよい(ただし下着はNG)。女は贈られたものに対して、様々に変身してみせるものだから。
・「めんどくさい」という考えは、おしゃれだけでなく全てにつながりやすい。それは感受性や好奇心の欠如をカムフラージュする言い訳。
・原則に忠実であろうとする者が、しばしば家庭でも職場でも、不運に泣くことが多いのは、相手のことを考える想像力に欠けているからだ。
他人の立場になって考えるとは、不幸になりたくない者にとって、良書を