【感想・ネタバレ】人びとのかたちのレビュー

あらすじ

虚実皮膜の間について。正義なるものの落し穴について。愛されたいと望むことの度胸について。官能という名の死について。品格とは何かについて。永遠に解決できない問題について。そして、地中海世界の圧倒的な魅力について。……数多の現実、事実と真実を、映画が教えてくれた。銀幕は人間万華鏡、人生の奥深さを多様に映し出す。だから私は語ろう、私の愛する映画たちのことを――。 ※新潮文庫版に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。

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ネタバレ

映画は人生の参考書

一部ご紹介します。
・「つかの間の幸せ、それを捉えるんだ」
・詩とは、理解するものではなく感じ取るもの。
・すべてのことには多方面からのアプローチがあって、一面からとらえて分かった気になるのは、頭脳の怠慢である。他人の考えを疑いもせずに受け入れれば、悪い意味での大衆に成り下がってしまう。
十分な理解を求めれば求めるほど、与えなければならない情報は増えてくる。
・人は、理解されていると感じさえすれば正道に戻れ、能力も発揮できるものだ。
・人間性への洞察力とは、人間性を優しく見ることと、人間性を直視することである。
・休暇を魅力的になるために使う。山のように映画を観まくるのもいい。読書も慣れだから、やがて面白くなる。地図や美術書を持ち出して、これらを参照しながら読むとなお良い。この方法は読み返しにも効果ありだ。
・ときには何もかも忘れて夢を見るのは、子供よりも大人に必要だ。
・有効に使った一日の終わりには、快い眠りが訪れるのに似て、有効に使った一生の終わりには、快い死が訪れる。
・無理しない範囲で求められる家に満足して、それ以外の機能は他で求めた方がいい。庭が無ければ、素晴らしい庭園を持つ旅館に泊まる。広い書斎が無ければ、近くの公営図書館を活用する。大帝国ローマの都会の住民もウサギ小屋に住んでいた。ローマの公衆浴場テルマエは、銭湯のみならず、プール、マッサージ、スポーツジム、遊技場、そして書斎を兼ねていた。

#深い #タメになる

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2022年09月30日

Posted by ブクログ

映画評を中心にした、エッセイ。少し前の映画や俳優さんについて七生さん節で書かれて面白い*
特にイタリア映画!!
観たことあるものばかりだけど観点が違ってもう一度観返してみたくなった*

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2012年01月31日

Posted by ブクログ

映画のガイドブック。歴史の面白さを教えてくれた大好きな塩野七生さん。あまりに大きな遠い存在ですが、貴重な意見を教えてくださる先輩のようでエッセイを読むと少し身近に感じられます(そういう書き方ができるところがまた素晴らしい)。その中でも何度も読み返した一冊です。

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2012年01月29日

Posted by ブクログ

映画の感想から塩野七生の恋や仕事、生き方に対する美学が描かれていた。マリーネ・ディートリッヒ、ゲーリー・クーパー、オードリー・ヘップバーンなど、彼らが演じた役や、演じる彼ら自身についてのコメントが渋い。古い映画を見たくなった。そして、渋い人間になりたい!

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

有名な映画俳優をピックアップし、「人として、こうあるべき」と語っている。塩野七海さんの視点が非常に奥行きがあり面白い。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

映画好きなので、塩野さんの映画話が讀めるこのエッセイはとても楽しく嬉しい。映画評ではないです。映画から、人間や社会、世界、くらしのことに話が広がって、なんというか、カフェで、教養のあるすてきな大人の女性と楽しくお話をしているような。エスプリに富んだすてきエッセイで、愛讀しています。

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2009年10月14日

Posted by ブクログ

映画評論…ではなく、映画にまつわるエッセイ。
興味をそそられるものも有れば、
著者の感想には共感できたりできなかったりと言った具合。
映画好きは読んでみてもいいかも。

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2021年05月13日

Posted by ブクログ

映画評論ではなくそれにかこつけた随筆
作者は司馬遼太郎と同じような位置にあるので
(といってもそれをみとめないひともまた多いだろうが)
嫌うひともたくさん有るのはよくわかるが
同じ意味できらくに楽しく読める
司馬遼太郎がそうであったように
歴史小説家の随筆を国家日本の指標と真剣丹念に読まれても困るという意味で

そういうふうに思うわけだが
こういうように思うのも鏡に映して区別の付かないことでもあろう
そのことにわらえる程度に変わらずあって欲しいが
そんな風に思えるのは「歴史」にとっては長くもあり短くもある

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2018年12月09日

Posted by ブクログ

塩野女史がおそらく50代の頃に書かれたと思われる。映画についてのエッセイで興味深かった。昔の映画の紹介が多かったが、スタローンのランボーやダイ・ハード、プラトーンの紹介もあった。

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2015年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

塩野さんの映画評論をまとめた本。映画自体はほとんど見たことの無いものばかりでしたが、塩野さんの映画・俳優・演技に対する観察眼・姿勢・ポリシーが良く伝わってくる本でした。
そうか、そういう見方もあるのか!とか、そうは考えたこと無いな、とか、新しい考え方に触れることができる一冊だと思います。

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2014年08月28日

Posted by ブクログ

これは単なる映画の解説ではない。節々に現れる塩野節に、微苦笑・爆笑を禁じ得ない。
それでいて、その作品への興味がむくむく沸いてくる。

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2011年10月02日

Posted by ブクログ

塩野七生の映画に関するエッセイ集。映画評以上に内容的には膨らみがある。イタリア映画中心なのかなと思って読み始めたが、一昔前のハリウッド作品を取り上げているのが多い。ほとんど見たことのある作品なので楽しめた。 306頁

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2010年03月04日

Posted by ブクログ

映画論+エッセイ。豊富な知識を持つ人物の書物は、ただその知識を並べ立てているものではない限り、抜群におもしろい。1つの映画に対して、関連映画を紹介しつつ関連書物を紹介しつつ著者自身の生活を暴露しつつ持論を主張展開する。著者のズバリ切り込む物の言い方も心地良い。しっかりと輪郭を整えた言葉をたくさんもらった。私には到底受け売りできない著者自身の感覚が溢れている。あそこまで堂々と美学を語れるなんてかっこいい。ローマ人の物語にも是非挑戦したい。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

思い出深い映画、有名な映画、有名人が出ている映画、話題になったが好きにはなれない映画。いろいろありますが、著者の辛口?の批評でさっくりと斬っていく もう1つの映画評をあなたも気持ちよく楽しめるはず。痛快。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

雑誌『フォーサイト』に連載された、著者の映画にかんするエッセイをまとめた本です。

著者の多くの歴史小説にも記されている人間観、とくに男に対する見方が、俳優たちにそくして語られていて、興味深く読みました。シドニー・ポワチエとエディ・マーフィについて論じた文章では、現在のハリウッドでくり返し論じられている差別の問題にも踏み込んで、著者の考えが率直に語られています。

ただ、多少不満に感じたのは、他の作品で示された著者の人間観の枠組みのなかに映画評がとどまっているように思われたことでしょうか。

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2019年05月10日

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