塩野七生のレビュー一覧

  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    単行本全15巻の第1巻。ローマ建国からイタリア半島統一までの約500年。何故ローマは栄えたか。如何に栄えたかと共に描かれる。この先長い物語が続く。

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    2023年12月26日
  • ギリシア人の物語2―民主政の成熟と崩壊―(新潮文庫)

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    どこのポリスも繁栄と衰退を繰り返す戦争は一時的な手段に過ぎず結果的には負の概念しか生み出さない。 
    国家を築き上げるため民衆を生かすため戦争は避けては通れない事態背景がある事もあり人間の愚かさもあり、それを繰り返さないためには自分達がそこから学ぶしかないんだと思った。
    その代表的な偉人として大哲人であるソクラテスが度々、登場するが精神や知的に豊かで優れても
    先導する者がいなければ成り立たないのも国家だと感じた。

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    2023年12月23日
  • ギリシア人の物語2―民主政の成熟と崩壊―(新潮文庫)

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    塩野七生のすごいところは、要約能力の高さと文章のライトさだと思っています。
    つまり、600ページ以上あるこの2巻を読んで、長いとは感じないんです。

    古代ギリシアについては、歴史、哲学、文学、芸術などでたくさんの本が書かれてきているので、ネタには事欠かないはずです。
    そんな中で寄り道したのは、プラトン『饗宴』を通じてアルキビアデスに触れたり、悲劇や喜劇を若干取り上げた程度で、あとは戦争と政治の話ばかりです。
    その上、登場人物がかなり少ない。歴史ものは群像劇になりがちなのですが、極力一本道で語っていきます。

    そんなふうに強力に要約されている反面、600ページもかけているので、ギリシア史について

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    2023年12月17日
  • ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)

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    紀元前数百年前から現代に繋がる政治体制の根幹やギリシア、アテナの民主制など学べて面白かった。こんな時代から政治や軍事、市民の生活の
    基盤が構築されていて驚嘆したし、歴代の統括者の性質や能力によって特色は出るが、どの歴代の人物も我が国のために実直に良い国家にしようと精力的だし現代の日本の一部の政治家達と違い
    自分の至福ばかり肥やそうとせず汚職には塗れずに誠実だった。
    ペルシア戦争についても知れて、数よりも質で優ったギリシア軍からは学ぶべき事も多かったので勉強になりました。

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    2023年12月14日
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

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    暗黒の時代と呼ばれるローマ後の世界。巻末の年表はオドアケルによるローマ帝国滅亡から始まっている。
    内容はシチリアを中心にしたイスラム海賊史がメイン。

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    2023年12月10日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)

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    フリードリッヒ二世の生涯をテーマにしてるのに十字軍を上巻で終わらせて下巻どうするんだろうと心配したが、下巻のほうが面白かった。

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    2023年12月06日
  • ギリシア人の物語4―新しき力―(新潮文庫)

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    21歳で東征に立つ。軍勢3万5千。敵の数はその何倍もいる。軍資金はか細いもの。緻密な戦術。自らが先頭で切り込む。連戦連勝の中、何度も負った重傷。未知の道。命の保証のない砂漠行。当たり前のように生き延びる。はるか東のインダス河。従う兵士が限界。南下してアラビア海の河口まで。海沿いを帰る。謀反の兆し。父王以来の側近の処分。その一方で敗者同化の融和策。親友を亡くし自らも病に倒れる。駆け抜けた33年足らず...壮大な世界史。わずか一つの各々の人生。こんな生涯もあったのだ。そして女史が筆を置く。通史はこれで終わる。

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    2023年11月22日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    初代皇帝アウグストゥスの生涯が書かれています。
    カエサルの後継者でありながら、慎重で、戦いに弱く、才能よりも血にこだわるなど、カエサルとは異なるところが多かったようですが、カエサル以後のローマを平和に導いた功績は大きいと思われます。
    カエサル以後の割と平和な時代には、アウグストゥスのような人物がローマを率いたことはローマにとって良かったのではないでしょうか。
    アウグストゥスはカエサル程、才能には恵まれてはいませんでしたが、統治能力、慎重さ、平和裏に帝政へ移行する忍耐力等は優れており、自分に才能がないところは、アグリッパ、マエケナス2人の友に支えられながら、ローマを平和にしていきました。
    カエサ

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    2023年11月18日
  • 完全版 ローマ人への質問

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    古代のローマとギリシア世界を研究し物語として綴ってきた著者による、古代ローマに対する様々な疑問が纏められた一冊。
    古代ローマにおける個人的なものから国家としての課題などが扱われています。
    この時代のこの場所で確立された物事が現代でも通じる点の多いことに驚きを隠せませんが、さてしかし何故これほど高度な文明は終わってしまったのでしょうか。
    その理由が最後の話題として語られていますが、今の日本にも当てはまるものに思えます。
    我々は黄昏にいるのかもしれないと、残念ではありますが考えさせられました。

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    2023年11月15日
  • ローマ亡き後の地中海世界(下)

    A

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    地中海の島や都市はなかなか馴染みがないのですが
    適宜地図が掲載されているので
    とても読みやすかったです。
    現代はキリスト教側が優勢な印象ですが
    イスラム教側が優勢な時代もあったのだと
    勉強になりました。

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    2023年11月01日
  • ロードス島攻防記

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    ネタバレ

    『コンスタンティノープルの陥落』が面白かったので、第二弾を。いつか行ってみたいマルタのマルタ騎士団が、ロードスにいた聖ヨハネ騎士団だったのかと、勉強にもなった。スレイマンもかなり寛大。

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    2023年10月31日
  • ギリシア人の物語3―都市国家ギリシアの終焉―(新潮文庫)

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    ペロポネソス戦役。敗れたアテネ。デロス同盟が崩壊。経済大国としての機能も失う。落ちていく一方の市民生活。人材が輩出されない。凋落を受けいれるだけ…唯一の覇権国となったスパルタ。頑なに守り続けた古い政体がその立場に耐えられぬ。地位は維持できず…二頭政治で一時台頭したテーベ。2人亡きあとを継ぐ者がおらず衰える…主役交代。マケドニアへ。フィリッポス二世。満を持してのカイロネアの戦い。勝利の喜び。息子との確執。暗殺…都市国家たちの栄枯盛衰。一つ舵取り誤れば命取り。栄えた国も滅びるのが歴史。それは現代にも続く。

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    2023年10月19日
  • ギリシア人の物語2―民主政の成熟と崩壊―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    民主政の最盛期を迎えたペリクレス時代と、ペリクレス以後。
    「貧すれば鈍する」では無いが、状況が悪くなると冷静さを失い、間違った判断を繰り返してしまうのは、個人でも集団でも変わらないなと思う。
    ペリクレスの死後、間違え冷静さを失い、また間違えるのループに陥り、まさに坂を転げ落ちるように衰退するアテネを見ていると、現代民主主義でも盤石とは言えず、冷静に政治を見ていく必要があるなと考える。

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    2023年10月19日
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

    A

    購入済み

    面白かった

    あまり馴染みのないテーマだが
    面白かった。
    イスラム対キリスト。
    キリスト側の防戦一方だったんだな。
    何があったのかは書いてあるけれど
    なぜそうなったのかはちょっとわからない
    というのが私の感想です。

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    2023年10月08日
  • ギリシア人の物語2―民主政の成熟と崩壊―(新潮文庫)

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    戦後の高度成長。絶頂期を迎え、バブル。その後の失われた30年。落ちていく悔しさ、惨めさ。経済学を称するいい加減な説が蔓延る。緊縮財政。官から民へ。世界一の純資産国が何故か外資に依存する。ガラパゴスと揶揄して成功の源を捨て去る…ペルシア戦役に勝利した後、エーゲ海の盟主となるアテネ。絶頂期はペリクレスの死後に終焉する。ポピュリズムの台頭。やめられぬペロポネソス戦役。無謀なシチリア増派と惨敗。崩壊するデロス同盟。スパルタへの全面降伏…民主主義が衆愚政治になるのは宿命なのか?いや、衆が愚にならなければよいのだ。

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    2023年10月06日
  • ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)

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    塩野七生さん最後の歴史長編が待望の文庫化。第一巻は民主政の始まり。リクルゴス憲法をどこまでも遵守するスパルタ。ソロン、ペイシストラトス、クレイステネスと適宜改革が行われるアテネ。ペルシア戦役。対照的な両国が協力する。テミストクレスの深謀遠慮。数年後を構想しての海軍強化。予想は的中し、サラミスの海戦を勝利に導きギリシアを救う。凡将は先例に基づく想定内でしか戦術を立てない。名将は想定外のあらゆる事態も考慮する。現代日本に名将はいなかった。原発事故。想定外は言い訳にならない。凡将以下に政治を委ねてはいけない。

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    2023年10月01日
  • ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)

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    1巻のメインはペルシャ戦役。
    時代は紀元前5世紀。ウチらが、弥生時代で、定住できるぞコメ作れるぞ、ってやってた頃――って気付いて彼我の差に呆然とする。

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    2023年10月01日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    登場人物が次々紹介されて覚えられない…諦めて読み進めたけど、主要人物はすぐ覚えられるし、誰か思い出せない人が時々出てきても、それほど支障はありません。
    宗教や民族や帝国や文明…知識もないし理解できなくて苦手意識があったけど、登場人物のそれぞれの立場の感情がわかって面白く読めた。

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    2023年09月24日
  • 誰が国家を殺すのか 日本人へⅤ

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    塩野七生せんせのエッセイ。淡々と時事について語られておりますが、非常に勉強になります。賢者は歴史に学ぶと申しますが、ローマの歴史に精通しているだけに、今の日本への提案には重みを感じます。せんせには是非首相になってもらいたいくらいです。
    イタリア人って漫画『ヘタリア』のイメージどおりのおおらかさで人種差別の少ない国なんですね、今回のエッセイで初めて知りました。結果難民が押し寄せてえらいこっちゃになっているのもアレですが・・・

    読み始めたらあっと言う間で、終わってしまうのが惜しい、まだまだ話を聞きたい、できればどっかの新聞にでも毎日連載してくれんかなと、80歳過ぎとご高齢ですがこれからも素敵な話

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    2023年09月15日
  • 完全版 ローマ人への質問

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    ロムルスの建国は紀元前753年。共和制から独裁制。ギリシア、カルタゴを征服しガリア遠征。領土拡大が落ち着き、パクスロマーナへ。キリスト教を迫害した後、国教にする。東西分裂。西ローマ帝国の滅亡は476年。千年以上続いた巨大国家も滅びた。多神教にお風呂好き。他民族のよいものを柔軟に取り入れ我が物にする。規模と位置は違えども日本との共通点も探せなくはない。昔の昔に栄えたその国に興味を持つのは、単なる道楽か、あるいは歴史の必然を学ぶためか?古代ローマの夏に彷徨い込んだ「私」が行うインタビュー。答えは如何にある?

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    2023年09月11日