【感想・ネタバレ】ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月19日

ギリシア人の物語1
文庫版
新潮文庫 し 12 46
民主政のはじまり
著:塩野 七生

第1巻は、スパルタ、アテネの改革に始まる、統治機構の説明
二度にわたるペルシャとの戦闘と、その終焉まで

マケドニアが登場するまでのギリシャは、スパルタと、アネテを中心とした2大強国の時代なのです

ペロポネソ...続きを読むス同盟 スパルタを中心とした、ペロポネソス半島を守る安全保障条約
デロス同盟 アテネを中心とした、エーゲ海の海上交通を確保する安全保障条約

この2つの同盟を基軸として、ペルシア戦後のギリシア世界は回っていく

■オリンピック
 BC776~AD393 1169年間 192回に及ぶ
 いざこざが多い、ギリシアの都市国家が4年に1回、戦闘をやめて仲直りをするためのスポーツの祭典がオリンピック、ギリシャの神へ捧げるものであった

■スパルタ
  スパルタ人:スパルタ市民
  ペリオイコイ:手工業・商業従事(市民ではない)
  ヘロット:農奴
  2人の王(バシレウス)
  監督官庁:エフォロス:5人の監督官
  長老会議(ゲルーシア)
  市民集会(アペッラ)

  リクルゴスの改革

■アテネ

  ソロンの改革

  収入で4つの階級に分かれている:すべて市民で兵役の義務がある
  第1階級:騎兵 
  第2階級:騎兵
  第3階級:重装歩兵
  第4階級:軽装歩兵、船乗り、プロレターリ

  ペイシストラトス

  クレイステネスの改革

  都市部 1区から10区
  沿岸部 1区から10区
  内陸部 1区から10区
  各1区をまとめて、第1トリブス(行政区) ⇒ 10のトリブス
  さらに、トリブスを、3つのトリッティウムに分ける
  さらに、トリッティウムを5つのデモスに分ける
  都市国家アテネの国土であるアッティカ地方は、
  10のトリブスに、30のリッティウムに、150のデモスに分かれる
  1トリブスに3000名の兵役名簿を⇒ アテネ全体で30,000人の兵士を確保
  
  各トリブスから、ストラテゴスを選ぶ 10名の内閣
  各トリブスから、50人ずつを選ぶ、 500人委員会
  20歳以上の青年男子全員からなる 市民集会

■第1次ペルシア戦役(BC492)

  ダリウス大王とミリティアデス(アテネ)の戦い
  
  マラトンの会戦(BC490)

  テミストクレス

  アテネ海軍の創設

■第2次ペルシア戦役(BC480)

  クセルクセス大王とテミストクレス(アテネ)、レオニダス、パウサニアス(スパルタ)の戦い

  テルモピュレーの戦闘 スパルタ(レオニダス)300人隊の壊滅、ペルシア軍も1割の2万人を失う
  サラミスの海戦 アテネ海軍のペルシャ海軍400隻の壊滅、大王の弟の死
  プラタイアの戦闘 スパルタ、パウサニアスの圧勝

  そして、ギリシアの戦後処理 

目次
読者への手紙
第1章 ギリシア人て、誰?
第2章 それぞれの国づくり
第3章 侵略者ペルシアに抗して
第4章 ペルシア戦役以降
年表
図版出典一覧

ISBN:9784101181127
出版社:新潮社
判型:文庫
ページ数:580ページ
定価:1100円(本体)
発売日:2023年08月01日

全体の構成

1巻
第1章 ギリシア人て、誰?
第2章 それぞれの国づくり
第3章 侵略者ペルシアに抗して
第4章 ペルシア戦役以降

2巻
第1部 ペリクレス時代
前期(紀元前四六一年から四五一年までの十一年間)
後期(紀元前四五〇年から四二九年までの二十二年間)
第2部 ペリクレス以後
前期(紀元前四二九年から四一三年までの十七年間)
後期(紀元前四一二年から四〇四年までの九年間)

3巻
第1章 アテネの凋落
第2章 脱皮できないスパルタ
第3章 テーベの限界
第4章 マケドニアの台頭

4巻
第1章 息子・アレクサンドロス
第2章 ヘレニズム世界

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Posted by ブクログ 2024年02月10日

1巻からクライマックスのようなペルシャ戦争に突入してとても面白かったです。
レオニダス、テミストクレス、パウサニアスと英雄の活躍にとても熱くなりました。

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購入済み

さすが塩野先生

2023年12月08日

ローマ人より覚えにくい名前と入り組んだ地形。これでも面白く読ませるのは素晴らしいです。ハンニバルを上回るアレキサンダーの活躍が読める4巻が一番楽しみです。

#深い #タメになる #スカッとする

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Posted by ブクログ 2023年11月04日

副題の「民主政のはじまり」というフレーズからは想像できない種類の面白さ。
塩野先生の代表作は『ローマ人の物語』だが、文庫43冊に及ぶ大作である。手を出しかねているという人に本シリーズから読んでみることを勧めたい。
ギリシアが大国ペルシアにいかに対峙したのか。
サラミスの海戦の勝敗を決めたのは戦闘力だ...続きを読むけではないことが実感できた。次巻も楽しみ。

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Posted by ブクログ 2023年10月13日

「ローマ人」の愛読者であればハマること間違いなしの良書。
事実と想像と感想が入り乱れる独特の文体も、「ローマ人」を経験済みの人であればなんの抵抗もなく引き込まれていくと思う。
世界史で習った懐かしのフレーズが、当時の歴史の最先端(生きている人にとっては常にそう)のお話として、臨場感をもって楽しめる。...続きを読む
アテネのテミストクレスとスパルタのパウサニアスのそれぞれの最期が対照的で感慨深い。いずれも歴史に残る英雄の最後としては寂しい限りではあるが、悠々たる老後生活と餓死の違いは大きい。。

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Posted by ブクログ 2023年10月10日

歴史解説書としてとても面白いし、わかりやすい
スパルタの専兵主義、アテネの民主主義の対比
テミストクレスを始めとする先見の明を持った進歩的な政治家たち
アテナの士農工商(違うけど)に見られ始めたメリトクラシー
テミストクレスがとても良かった

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Posted by ブクログ 2023年12月14日

紀元前数百年前から現代に繋がる政治体制の根幹やギリシア、アテナの民主制など学べて面白かった。こんな時代から政治や軍事、市民の生活の
基盤が構築されていて驚嘆したし、歴代の統括者の性質や能力によって特色は出るが、どの歴代の人物も我が国のために実直に良い国家にしようと精力的だし現代の日本の一部の政治家達...続きを読むと違い
自分の至福ばかり肥やそうとせず汚職には塗れずに誠実だった。
ペルシア戦争についても知れて、数よりも質で優ったギリシア軍からは学ぶべき事も多かったので勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2023年10月01日

塩野七生さん最後の歴史長編が待望の文庫化。第一巻は民主政の始まり。リクルゴス憲法をどこまでも遵守するスパルタ。ソロン、ペイシストラトス、クレイステネスと適宜改革が行われるアテネ。ペルシア戦役。対照的な両国が協力する。テミストクレスの深謀遠慮。数年後を構想しての海軍強化。予想は的中し、サラミスの海戦を...続きを読む勝利に導きギリシアを救う。凡将は先例に基づく想定内でしか戦術を立てない。名将は想定外のあらゆる事態も考慮する。現代日本に名将はいなかった。原発事故。想定外は言い訳にならない。凡将以下に政治を委ねてはいけない。

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Posted by ブクログ 2023年10月01日

1巻のメインはペルシャ戦役。
時代は紀元前5世紀。ウチらが、弥生時代で、定住できるぞコメ作れるぞ、ってやってた頃――って気付いて彼我の差に呆然とする。

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Posted by ブクログ 2023年08月30日

 この本は「ローマ人の物語」と同じくらい力が入っている。ただ読む方は第3章が区切れも無く長いので、くじきかけそうになった。だが、ローマ人の物語くらい読む価値のある本だと思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月28日

うーん、「ローマ人の ...」のときは圧倒的な資料で客観的な記述(たまに主観的な部分が出てくるけど)に努めていたと思うんだが、こちらのほうは主観的なお気持ちが前面に出ていて歴史書というより歴史に関するエッセイ色が強まったような...
まぁその辺を考慮したうえでギリシアに関する読みやすい通史として読む...続きを読むのがよいのかも。

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