塩野七生のレビュー一覧

  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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    十字軍とは何だったのか?
    なぜ始まったのか?

    とても面白かったです。
    作者がキリスト教徒では無いので、
    中立性があったかと思います。
    日本人だからかヨーロッパ寄りでしたが。
    それでも、物語としてとても面白い物になってます。

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    2020年01月05日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    ☆☆☆2020年1月☆☆☆


    「ルネサンスとは何?」
    高校の世界史では絶対に答えの出ないもの。
    作者の名前と作品を暗記するだけでその意義なんて授業では習わない。


    物事をキリスト教というフィルターを通してではなく、「ありのまま」に見ようという意識の高まり。
    「見たい・知りたい・わかりたい」という欲求が下地として存在し、芸術はその表現方法の一つであるといえる。
    ルネサンスこそが、中世から近代への移行の始まりであり、大航海時代や産業革命につながっていく。


    歴史は暗記科目ではない!!
    そのことを改めて教えてくれた一冊。

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    2020年01月03日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

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    9巻までの共和制から帝政までの為政者たちの歴史から打って変わり、ローマ街道、上下水道、医療、教育などインフラに特化した作品。

    街道も水道も2000年前に作られたとは思えない、とてつもない距離だ。しかも、ピラミッドのように為政者の権威を示すものではなく、人々が暮らしのために使う機能的なものとして作られていることが古代でありながら新鮮に感じる。

    ローマ皇帝の責任である食と安全、その前提となる平和を維持達成するための必要最小限の軍隊、自治を認める形での属州化と文明化。そのための手段としてインフラの確立とメンテナンスがあった。現代の国家の枠組みがとても小さく、遅れていると感じるほど先進的な考え方で

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    2019年12月09日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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     第六次十字軍は、カトリック的には無かったものとされている。
     神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒは全く戦わなかったのだ。
     フリードリッヒはイスラム側のスルタンとの交渉によって、聖墳墓教会はキリスト教、岩のドームはイスラム教というイェルサレムの分割統治という方法で聖地を奪還した。

     しかし、戦わず講和によってイェルサレムをキリスト側に取り戻した功績を、ローマ法王が許さなかった。
     キリスト教、イスラム教それぞれが互いを不信神の徒と罵り合っていた中で、その不信神の相手と講和するなどもってのほか。
     聖地イェルサレムはキリスト教徒の血によって解放されねばならぬ。

     その信条を貫いたフランス王、

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    2019年12月08日
  • 十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)

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    サラディンという名前だけは知っていた程度。
    クルド人だったのか。
    もうこの頃から、イスラム原理主義との対立とかあったんだね。

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    2019年12月05日
  • 十字軍物語 第三巻―獅子心王リチャード―(新潮文庫)

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     三巻目。第三次から第五次まで。

     花の十字軍といわれる第三次十字軍には、神聖ローマ帝国王バルバロッサ・フリードリッヒ一世、フランス王オーギュスト・フィリップ二世、そして本命はイギリス王獅子心王・リチャード一世の三人がイェルサレム奪還を目指して出発する。
     そのうち、バルバロッサはあっけなく死に、オーギュストは地領拡大のために十字軍を放棄してフランスへ帰る。
     残る獅子心王リチャード一世がイスラム下にあったパレスティーナ沿岸の町を解放しつつ南下する。

     対するイスラム側はサラディンを中心にまとまっていた。
     ダマスカスとカイロを手中にしたスルタン・サラディンは十字軍と相対する。
     そして戦

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    2019年12月04日
  • 十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)

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     エデッサの陥落の報によりヨーロッパ社会は震撼した。
     エデッサ陥落の報を受け、神聖ローマ帝国皇帝とフランス王直々に攻めた第二次十字軍は完全な失敗に終わる。

     第一次十字軍のち、イェルサレム王国を中心とする十字軍国家は停滞していた。
     慢性的な兵力不足が原因だった。
     それでも王国が保たれていたのは、対するイスラム側にまとまりがなかったからだ。
     シーア派とスンニ派に分かれ、部族、領主は領土拡大で敵対しあい、まとまってキリスト側に反撃することがなかったのである。

     しかし、ついにイスラム側にも英雄が現れる。
     ゼンギ、ヌラディンに続き、イスラム社会をまとめ上げたのは少数部族クルド出身のサラ

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    2019年11月24日
  • レパントの海戦

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    ネタバレ

    西欧の連合艦隊がトルコを破った歴史的海戦。
    この一戦で大きく歴史が転換したわけではないが、西欧がトルコに一矢を報い、結果として歴史のキーポイントとなった。

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    2019年11月24日
  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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     神がそれを望んでおられる。

     後世で悪名高き十字軍、キリスト教によるイスラム教への宗教戦争とは何だったのか。
     11世紀ヨーロッパは東ローマ帝国、西ローマ帝国に分かれ、それぞれギリシア正教、カトリックと内紛を起こしていた。
     西ローマ帝国皇帝ハインリヒ4世のカノッサの屈辱から、ローマを追われたローマ法王グレゴリウス7世の後任、法王ウルバン2世は自らの権威を示すため、キリスト教の共通的を作り出す。

     聖地イェルサレムを解放せよ。

     この言葉に共鳴したキリスト教徒は十字軍編成を待たずしてオリエントへと旅立ち、そして斃れていった。
     その後構成された第一次十字軍はわずか5年弱で地中海沿岸にイ

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    2019年11月19日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    従来のチェーザレのイメージとは異なり、マキャベリの「君主論」に近い英雄的な姿を表した書。
    読んでいて半世紀遅れて日本に現れる織田信長にとても酷似していると感じた。手向かうものには容赦なく冷酷に対峙するが、能力を認めた者(この場合、ダビンチ)は登用し、近くに侍らす(マキャベリ)。
    30歳そこそこで死んだチェーザレは時代を駆け抜けた英雄であったことには間違いない。

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    2019年11月13日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    本当はどんな人だったのか、とても気になる人物。

    謀殺、守る気なしの講和条約、降伏→安全を保証→1年後に謎の死、、そういう仕事ばかりと言えばそうだけど、傭兵からの脱却(→徴兵)やイタリアの統一など新しいことも見えていて、何より、いずれに対してもたくさん行動してきた。それをマキャヴェリが話し相手として観察し、のちに有名な作品として残したことで、彼の一生も少しは、単なる悪役として以外にも、きちんと刻まれることになった。
    この人とは絶対同盟とか組みたくないし、どこに魅力があるのかわからない。でも魅力がない訳ではない。どこにかわからないけど、妙にある。マキャヴェリさんは彼をどういう風に説明したのか、読

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    2019年10月27日
  • ロードス島攻防記

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    「キリストの蛇の巣」をオスマン帝国が攻める話。騎士団と言うより日本で言う村上海賊みたいなものだったのかというものであったのかと思いました。
    しかしこの騎士団が現在でも「国家」として存在しているのには衝撃を受けました。

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    2019年10月18日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    人みなコンスタンティノープルへ
    絶望的な状況の中でイタリア人達はコンスタンティノープルへ少数ながらも入る。
    それは海洋国家というか島国の域を出ない日本人にはイマイチ分かりにくい感覚でしょう

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    2019年10月15日
  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    ☆☆☆2019年10月☆☆☆


    ルネサンス期の法王の物語。
    法王は、俗界にかかわりを持たない聖なる存在ではなく、欲望むき出しの人間らしい人間が多い。純粋に信仰心から行うことが、世の中を混乱させてしまう事もあり、なんか滅茶苦茶だ。そんな法王たちの物語。


    「最後の十字軍」 ピオ二世
    「アレッサンドロ六世とサヴォナローラ」 アレッサンドロ六世
    「剣と十字架」 ジュリオ二世
    「ローマ・十六世紀初頭」 レオーネ十世

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    2019年10月14日
  • ロードス島攻防記

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    ネタバレ

    コンスタンチノープルの陥落に続いて、今度はスレイマン1世、ロードス島の攻防。オスマン帝国の最盛期に、大軍の包囲に4か月耐えたヨハネ騎士団の物語。
    戦闘そのもの以上に背景や戦いの準備が丁寧に描かれている。
    ヨハネ騎士団がマルタ騎士団になって、さらに現代にも残っていることに驚き。「マルタの鷹」もここから来たのか。

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    2019年10月06日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    ルネサンス期、初めてイタリア統一の野望をいだいた一人の若者――父である法王アレッサンドロ六世の教会勢力を背景に、弟妹を利用し、妻方の親族フランス王ルイ十二世の全面的援助を受け、自分の王国を創立しようとする。チェーザレ・ボルジアの生涯。

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    2019年09月08日
  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。
    過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。
    教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。
    芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世…。権力の中枢を生きたローマ法王を描き出す

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    2019年09月08日
  • 十字軍物語 第三巻―獅子心王リチャード―(新潮文庫)

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    ☆☆☆2019年9月☆☆☆



    第三次十字軍、いわゆる花の十字軍。
    リチャード獅子心王、フリードリヒ、フィリップら錚々たる顔ぶれ。いきなりフリードリヒが川で溺死してしまい「何やってんだ!」だと思った。それにしてもリチャード獅子心王は格好いい!! こんな人がいたんだな。
    第四次十字軍は、ラテン帝国。中東に向かうはずがコンスタンティノプルを攻略した、これはヴェネツィアの利害による。必ずしも批判しているわけではない。

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    2019年09月07日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    十字軍の最後の物語。そしてその後について書かれています。十字軍側の知将とイスラム側の知将が揃い、現代ならばそのまま平和へと至るような結果に導かれていた。それなのに、この時代ならではの不幸がそれを捻じ曲げてしまいます。そしてその時代の宗教的な不幸が、さらに事態を悪化させてしまいます。全てが終わった後に残ったものが何だったのか。時代はそのあと、キリスト教とイスラム教の争いが吹き飛ぶような、激動の時代に入って行くところまで書かれています。
    最後まで、なかなか熱く読ませていただきました。この時代を好きになることができる一冊です。

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    2019年08月28日
  • ロードス島攻防記

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    聖ヨハネ騎士団によるトルコ帝国からロードス島を守る戦いを描いた作品。
    1522年に行われた戦いを主に騎士団側から描いている。
    コンスタンティノープルの陥落と同様に複数人の視点で描かれているが、登場人物が少ないからか本作は読みやすい。
    史実なのでネタバレしても構わない気もするけど、本作品も他の作品と同様に物語性が強いので避けますが、
    ・ロードス島は歴史が古く、気候が良く、バラの花が咲く島
    ・聖ヨハネ騎士団は今も続いている
    ・ほんの少しだけキリスト教的な奇跡の話が盛り込まれている
    十字軍の物語を読んだ人におすすめです。

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    2019年08月22日