塩野七生のレビュー一覧

  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    やっと最終巻にたどりつきました。「盛者必衰」の通りの結末となりました。紀元476年西ローマ帝国滅亡であったが、その滅亡の月日がわからず、だれからも気に留められず、ひっそりと帝国がなくなったのは、もの悲しさを感じました。無能の皇帝達が、有能な戦士達を次々と死に至らしめる経過を読んで、滅びるべくした滅んだ帝国だったという気がします。これは、現代社会の組織にもあてはまっていて、上にたつ人の、困難に立ち向かうときの統率力、リーダーシップ力、人材活用力の大切さをしみじみ感じた。

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    2012年03月09日
  • わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡―塩野七生ルネサンス著作集7―

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    愛すべきマキァベリ!
    本題からは逸れますか、有名なゴンドラの唄のルーツは、ヴェネツィアではなく、フィレンツェの偉大なるロレンツォに辿られるとのこと。
    勉強になりました。
    またルネサンスの都フィレンツェに行きたくなる一冊。

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    2012年03月05日
  • 絵で見る十字軍物語

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    11世紀半ば、聖地エレサレムをイスラム教徒の手から取り返そうと
    ヨーロッパのキリスト教徒たちが行軍を開始した。
    これが、有名な『十字軍』である。

    キリスト教もイスラム教も、
    自分たちの信じる神以外の神は認めないとする共通点があった。
    だからこれは、お互いの神を旗印に掲げた、宗教戦争だったのだ。

    「神がそれをのぞんでおられる」という言葉をかわきりに、主に民衆が集結した「第一次十字軍」が始まり、武装した騎士団を中心とした第2次、第3次、第4次と何年かごとに、十字軍の遠征は続く。その間の数多いエピソードや英雄伝、文化の交流など、十字軍の果たした役割は大きいようだ。
    また、宗教に没頭する人々のエネ

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    2017年11月09日
  • 人びとのかたち

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    映画評を中心にした、エッセイ。少し前の映画や俳優さんについて七生さん節で書かれて面白い*
    特にイタリア映画!!
    観たことあるものばかりだけど観点が違ってもう一度観返してみたくなった*

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    2012年01月31日
  • 人びとのかたち

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    映画のガイドブック。歴史の面白さを教えてくれた大好きな塩野七生さん。あまりに大きな遠い存在ですが、貴重な意見を教えてくださる先輩のようでエッセイを読むと少し身近に感じられます(そういう書き方ができるところがまた素晴らしい)。その中でも何度も読み返した一冊です。

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    2012年01月29日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    食わず嫌いの塩野七生でしたが、この作品は最高!
    ローマの500年にわたる歴史を、こんなにリズムよくしかもユーモラスな文体で書ききるとは!
    恐れ入りました!
    知識の量も常人ではなく、エピソードも満点。
    とにかく情報量が多いので、一回読んだだけではとてもじゃないが咀嚼できない!
    手元に置いて、ことあるごとに開いて目を通したい一冊!
    名将ピュロスとローマの戦い面白かったな。
    文学的であり、理知的で、サービス精神旺盛!
    キリスト教の考え方や、近代啓蒙主義的な思想を背負っていないところが、非常に好感がもてる!
    古代ローマの時代性を的確に捉えようとする、澄んだ眼差しが非常に素晴らしく、歴史を書く方は、斯く

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    2012年01月17日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    ルビコン川を渡る。
    サイは投げられた。
    ブルータスお前もか。
    来た、見た、勝った。
    クレオパトラの鼻が。。。
    ガリア戦記。
    などなど、昔から聞いていた有名な言葉がすべて
    ユリウス・カエサルに起源している。
    古代ローマが生んだ最高の天才。
    これまでのカエサルを見る目がガラッと変わった。
    カエサルの言葉で印象に残ったものをもうひとつ。
    「人は見たいものしか見ない」
    そうであってはならないという逆説的言葉だ。

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    2012年01月12日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

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    現代では約2,000年前のローマ人を『インフラの父』と呼んだりするらしい。

    そしてこの巻では、色んな本の中では地味であまり出てこない、『全ての道はローマに通ずる』の語源とも言える、『街道の建設』『上下水道の建設』などの生活のインフラについてのみ、書かれた本。

    はじめ書きには、著者が自ら読みづらい本。しかし、どこにもない著者著しての挑戦の本でもあるということ。

    現在でも道や水の確保が難しい地域がある中で、約2000年前に何も無い状態からこれを作り整備したのはとても凄いと思います。

    これに近い方法を行なったのは、織田信長で楽市楽座や道を大きく広げた所が似ています。
    まず『街道』には、戦略上

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    2012年01月06日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    ルネッサンスってなんだったんだろう?

    それを考えるとき、よくこの本を手に取る。
    もう何回読んだかな。
    対話形式で読みやすく、内容も微に入り細に入りすぎず、俯瞰的なものの見方を指し示してくれる。それでいてその根は深い。

    イタリアを旅する時の格好の相棒。

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    2012年01月05日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    ローマ人の物語15巻を読み終えた。

    紀元395年、テオドシウス帝の死、東ローマ帝国と西ローマ帝国への分割から、紀元476年西ローマ帝国の滅亡、帝国滅亡後のイタリア、紀元613年、預言者モハメット布教を始める…

    長いながいローマとローマ人の物語、

    なぜ、どのようにしてローマは興隆し、繁栄し、衰退し、滅亡していったのか・・・人間が、社会が、宗教が、自然が、広大な空間と時間の中で折り重なっていく物語だった。

    機会があればもう一度読み直してみたい物語だ…

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    2011年12月25日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    誰も見なかった、新しい世界観を見据え、ルビコンを渡ったカエサル。彼の身上であった「寛容」故に暗殺されたが、後継者を含め先を見通すカエサルは死後も自らの構想した世界を実現していく。

    心に残ったのは、「何ものにもましてわたしが自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである。」というキケロへの手紙の彼のコトバ。

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    2011年12月04日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    「なぜリスクをとるリーダーが出ないのか―危機の時代こそ歴史と向き合え!」この台詞をテレビに映っている政治家にぜひとも言いたい。

    この本を最初に読んだのは「日本人へ 国家と歴史編」とあわせて読んでいたような気がします。最近、この人の書いた大作、『ローマ人の物語』を読んでみようと思っています。しかし、あの量の多さが僕に二の足を踏ませている、というのもまた事実でございます。ここに書かれているのは「リーダー論」としての時事評なんですけれど、ぜひとも喧々諤々と不毛な政治闘争を繰り広げている日本の政治家センセイの方すべてに読んでいただきたいと、大マジメに思っております。

    彼女の時事評はローマの歴史を

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    2011年11月18日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    日本の政治についてよりも、ローマの歴史に興味を持った。また、ちょっとは政治家を信じて任せてみようと思うようになった。

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    2011年10月05日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    ネタバレ

    ローマとカルタゴの3期に亘る戦いと、ギリシャ、シリアでの戦い
    執政官制度の堅持
    ハンニバルとスキピオ
    ギリシャ芸術文化の尊重とギリシャ人への蔑み
    緩い帝国支配から厳しい帝国支配への変化
    カルタゴの滅亡

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    2011年09月02日
  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

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    文庫本を購入し休日に一気に読破しました!!。
    この本はローマ時代の「五賢帝」のうちトライアヌス、
    ハドリアヌス、アントニウス・ピウスの3人を取り上げています。

    これらの皇帝時代がもっともローマ帝国が繁栄していた
    そうです。是非、興味のある方はお読みください。

    またこの塩野さんの本からするとアメリカはハリウッド映画でローマ帝国を批判するが国の制度はそっくりですね。

    □中央政府と州(ローマとその他の属州の関係)
    □大統領と議会(皇帝と元老院)
    □だれでもアメリカ人になり権利が保障される

    などなど。アメリカの国旗はローマ帝国にならって
    鷹ですしね。

    組織とは、仕事とは

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    2011年08月26日
  • レパントの海戦

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    『コンスタンティノープルの陥落』から続くキリスト教VSイスラム教の戦いも第3ラウンド、ついに完結です!
     地中海で勢力を誇っていたヴェネチアと大西洋に勢力を拡大していたスペインの連合艦隊が、レパントの沖でオスマントルコの艦隊を撃破します。
     強大なオスマントルコを前に敗戦を重ねてきた西洋世界にもついに勝利の瞬間が訪れました。
     海戦の模様や戦略上の解説もとても面白かったです。

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    2017年08月15日
  • ロードス島攻防記

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    『コンスタンティノープルの陥落』に続くキリスト教世界VSイスラム教世界の対決第二ラウンドです。
     コンスタンティノープルを攻略した後、巨大な帝国へとその勢力の拡大していたオスマン・トルコにとって、ロードス島は喉元のトゲのような存在でした。時の大帝スレイマン一世はついに自ら陣頭指揮を取ってロードス島攻略を開始します。攻めるオスマントルコ軍は二十万、一方でロードス島の守備隊・聖ヨハネ騎士団はわずか六百人。初めから勝負は決まっていましたが、ヨハネ騎士団は五ヶ月にわたり砦を守り抜きます。
     
     ペルシャとスパルタの「テルモピュライの戦い」や日本でいえば楠木正成の「千早城の戦い」と同じで数の戦力差は信用

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    2017年08月15日
  • マキアヴェッリ語録

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    マキャベリとは、15-16世紀にかけてフィレンツェ共和国(現・イタリア)の衰退期に生きた政治思想家で、
    その思想はマキャベリズムなんて言葉で表現されることもあります。

    そのマキャベリが傾倒した同時代人が「カンタレラ」で有名なチェーザレ・ボルジアであったりしますが、
    そのボルジアが「毒を盛る男」なんて評されていることから、そのイメージ釣られてかネガティブに捉えられたりも。

    本書は、そのマキャベリの著作・手紙などから、著者・塩野さんの琴線に触れた文を抜粋した語録という形式。
    面白いのは冒頭で「あなたの関心が刺激された箇所について、御意見を聴かせていただきたい」とある点でしょうか。

    SNSが盛

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    2024年05月18日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    18歳でカエサルに後継者として認められた初代皇帝アウグストゥスの生涯を描く。

    まずは、ローマ国内のライバル、アントニウスとその妻であるエジプト女王クレオパトラを葬る。続いてはローマ国周辺を制圧。そして、皇帝へ。

    と、ローマの帝国化に成功したアウグストゥスだが、次期皇帝を自身の血縁者にするという最大の目標には失敗。心残りだったのだろう。

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    2011年05月14日
  • イタリア遺聞

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    イタリアを題材にしたエッセイ集…、と本書の概観を切り取るのは簡単だが、これほど芳醇な知識と感性が詰め込まれたものも、そうないのではないだろうか。

    著者の感性は、イタリアを中心に西欧諸国の今と昔に自由自在に飛び跳ね、ローマ法王とすれ違ったり娼婦と友達になったりしながら、ギリシア軍の将校にスパルタの男たちの痕跡を見、オデュッセウスの旅路を単なる朝帰りダメ亭主の言い訳に貶める説を吟味するのである。
    そして最後はレオナルド・ダ・ヴィンチへのラヴレター。

    構成においても「やられた!」と思う瞬間である。



    実は本書は再読。1995年5月23日に読み終えている。

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    2011年04月21日