塩野七生のレビュー一覧

  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

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    ネタバレ

    塩野七生さんの「ローマ亡き後の地中海世界」を読み終わった。
    彼女の著作を読む上でのバックボーンを構築し、ガイドラインにもなるという、塩野七生ファンには重要な本となりそうだ。
    細切れの時間を使って読んでいたので、えらく時間がかかってしまったが、それでもやっぱり、感慨は深い。

    8世紀から18世紀までの地中海世界でのオスマントルコとキリスト教諸国との千年にわたる葛藤を大きく描いている。
    一神教を奉ずるこの2大勢力は、その原理主義に従って、互いに略奪、拉致、暴虐を永きにわたって繰り返してきた。海は地中海全体、陸はウィーン近郊に迫るイスラムの伸張に歯止めをかけたのが、有名なレパントの海戦だ。世

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    2011年04月04日
  • イタリア遺聞

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    塩野さんの小説読んでみたいけど、ちょっと敷居が高そう・・・
    まずエッセイから読んでみようと思って読み始めた作品。

    ヴェネチアのゴンドラが黒一色のわけ、ハーレムの実態など、
    興味深い話が満載で、とっても勉強になった。

    1つ1つの話が短く、通勤時やちょっとした空き時間に読むのに最適じゃないかと思います。

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    2011年03月27日
  • ローマ亡き後の地中海世界(下)

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    2003年の12月、ということは、もう7年以上前の話になるけれども、グラナダのアルハンブラ宮殿を訪問したことがある。名前からしてそのものであるが、アルハンブラ宮殿はイスラムの宮殿である。ということは、その昔、イベリア半島・スペインは、イスラムの勢力下にあった時期がある、ということだ。
    アラビア半島はメッカで生まれた預言者モハメッドがイスラム教の布教を開始したのが紀元613年ということなのであるが、その後、イスラム勢力は驚くべきスピードで勢力範囲を拡大していく。642年に現在のエジプトをイスラム化、そのまま北アフリカを西方に勢力を拡大していき、ジブラルタル海峡を渡りスペインに達したのが710年頃

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    2011年07月25日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    痛快。小気味良い。扱われている問題は様々な方々が手を変え品を変え語っていらっしゃると思いますがこんなにすかっと読める本はあまりないんじゃないかしら。本あまり読んでいませんが。すみません。実は初塩野本でもあるのですがとっかかりにもいい1冊だったんじゃなかろうか。他の著作も読みたくなりましたよ見事に!

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    2011年01月25日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV

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    ローマ最大の偉人、ユリウス・カエサルが登場。この第4巻は丸ごと彼の伝記となっている。

    それにしても、カエサルの行動力には圧倒。男として、多くの愛人を囲う。軍人として、8年にわたるガリア民族との戦いで、ほぼ常勝。文筆家として、その戦いを「ガリア戦記」にまとめる。政治家として、クラッススとポンペイウス2人の実力者を味方にして、元老院に実力を見せつける。さらには民衆や兵士からの人気も抜群。

    さらには若き頃の武勇伝もあり、いくらでもエピソードが出てくる多忙なスーパースター。このブ厚い第4巻だけでも、彼の一生を書くには足りず、反ローマ側を覚悟して、ルビコン川を渡る直前で次巻へ続く。

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    2011年03月27日
  • 生き方の演習 : 若者たちへ

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    心から「カッコいい!」と思える女性の生き方がエッセイ調で綴られていた。
    1回読むだけでは足りない気がする。薄い本なので、何度でも読んで自分の中にきちんと確立させたい。

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    2010年12月29日
  • 絵で見る十字軍物語

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    宗教の名のもとに起こされる戦争、十字軍。
    自然科学が発達する以前、我々の常識は宗教であって聖職者が許せば殺しも許されたのです。
    この本は本文と地図を脇役に、キリスト教とイスラム教の双方に平等なタッチの絵が主役です。
    とても理解に助かりました。
    今ではキリスト教によるそれは見られませんが、現代人にも大きく関わる歴史でしょう。
    なぜなら、イスラム過激派による“ジハード”は終わっていないのですから。

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    2010年12月10日
  • 日本人へ リーダー篇

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    語彙の乏しさを露呈するようで恥ずかしいのだが、それでも言ってしまおう。
    「すごい」。
    なんと明晰な。なんと鋭利な。
    時々本屋でローマの彫像が表紙になった本を見かけていた、あの作者。
    ローマ史を元に読み解く現代。これぞ歴史を学ぶ意義ぞ、と感じられる一冊。須く見よ。日本の政治家よ。

    他サイトより転載

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    2017年11月26日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    とにかく、なぜ今まで塩野七海という人物に目を向けてこなかったのか。
    目から鱗の、ローマ人論と日本人論。
    これを知らなかった私と、知った私とでは、確実に日本人を見る目が違う。

    国交とはかくあるべき。が、わかる。すべての政治家よ、読んでみよ。政治的戦略、が分かる。ローマの皇帝たちよ。ローマの繁栄の秘技を現代に説き給え。何もオカルトではなく、明らかなものであることを。まずは本論である、ローマについての著作を読んでみなくては。

    他サイトより転載

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    2017年11月26日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    前2巻までのローマは敵の侵略を防ぐこともあれば、領土を手に入れるための侵略をしたりと、アグレッシブな若い国だった。が、ポエニ戦役を経て、当時の最強国となってしまったローマはもはや征服する土地が限られ、外敵よりも内部の調整に四苦八苦する。

    そんな時代に登場したグラックス兄弟、マリウス、スッラ、ポンペイウスらローマの指導者たちは内戦の片づけと政治体制の修正と、やや地味な仕事に明け暮れる。

    どうにも盛り上がりどころのない、爽快感のない国になってしまったローマ。そんな中、個人で頑張っていたのが小国ポントスのミトリダテス王。大国ローマに何度も敗れては立ち上がる姿に「漢」を感じた。

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    2010年11月27日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    前巻でイタリア半島を統一したローマが、その領土を地中海全域へ拡げることとなったポエニ戦役を中心に描かれる第2巻。しかし、主人公はローマ人ではなく、ローマのライバル国カルタゴの武将ハンニバルだ。

    とにかく、このハンニバルが圧倒的存在感を醸し出す。部隊を率いてアルプス山脈を越えて、ローマへ侵入、イタリア半島を縦横無尽に動き回り、ローマを混乱させる。

    しかし、ローマに若きヒーロー、スキピオが登場したことで形勢逆転。ハンニバルをイタリアから追い出し、「ザマの会戦」で直接対決が実現する。

    2人の英雄の関係はガンダムのシャアとアムロっぽい。

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    2010年10月20日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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    ついにここまで読んだ、という感じではあるけれど、ここから暗い時代がやってくるんだな、と納得。
    神がいて皇帝を認めるという、それだけの構造がキリスト教会を最高権力にした。簡単に言えばそういうことだが、皇帝が一神教の信者になるということの結末は神の勝利だったわけだ。
    そしてこの長大な物語は「十字軍物語」へとつながる。西洋史の奥のところをしっかりと教えてもらいました。

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    2010年09月22日
  • 愛の年代記

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    何百年も前の話なのに、リアリティがあった。
    人臭くて面白かった。みんな思惑があって、野心があって、愛されたいと思ったり、ねたんだり、裏の顔をもっていたり・・・人間って昔も現代も根本は変わらないのかもしれない。
    短編集なので話もコンパクトにまとめてあって読みやすかった。

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    2010年08月10日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    相変わらず、ずっしりぎっしり贅沢なボリューム。
    しかし塩野さんの描く男ってのはなんでこうもカッコイイのかな! 惚れずにおれん。

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    2010年07月08日
  • わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡―塩野七生ルネサンス著作集7―

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    チェーザレの連載再開を祝うに当たって、やっぱりもっと勉強しないとなぁと思って手にした一冊(全三巻だけど)
    やっぱり塩野さんはおもしろい!!

    ローマ人は途中で自分が何巻読んでんのか分からなくなって辞めちゃったけど、これはなんといってもルネサンス!

    1巻はまだそんなにボルジアは出てこないけど、それにしたって、この時代背景にはゾクゾクせずにはいられないよねー。

    もし、好きな時代に生まれられたなら、この時代に生まれてみたかったかもしれない。
    (いや、そう簡単には言えないか)

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    2010年05月18日
  • サロメの乳母の話

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    面白かった。
    歴史上有名な人物を、その人物の身近かつ自身は有名じゃない人の目線から語る、という形式が好きだから、よりおもしろい。
    最後の饗宴・地獄篇も凄く面白かった。こういうメタなのも面白い。
    第二夜までしかなかったけど第三夜以降はないのかなぁ

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    2010年05月15日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

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     この第10巻は「インフラストラクチャー」編である。独立した、建築・土木・治水などに特化した内容である。先にこれを読み、次に1巻から読み始めるべき。

     道路の舗装、上水道、橋梁・建築・・・目を見張るばかり。また、現在も同じルートに道路があり発掘できない所も多数あるという。

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    2010年04月14日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    意外(?)と面白かった。悪名と言われても、恥ずかしながらここで書かれている皇帝を私は知らなかった。。とは言うものの、皆個性的で、十分に楽しめる内容。

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    2011年10月23日
  • イタリア遺聞

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    歴史、文化、宗教などなど幅広く、深く書かれてあって知識になる本だと思いました。
    読んでいて塩野七生さんの探究心が伝わってきます・

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    2010年04月03日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    ヨーロッパの歴史ができる様子を眺めているように本書に引き込まれる

    歴史の事実が著者により、現代の出来事、人物に感じられるように描く著者に脱帽


    神君アウグストゥスの後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4皇帝時代の物語。

    ネロを最後にカエサルから続くユリウス・クラウディス朝は終焉する。

    後の歴史家タキトゥスによって悪評ばかりが目立つこれらの皇帝を暖かい目で再評価した作品、と感じた。
    文中ではタキトゥスの悲観的な記載に対する苦言が散見される。

    ティベリウスは立派で非常に共感できる部分が多い
    ネロが暴君ネロとして歴史上、有名な理由には納得がいかない

    各皇帝とも個性的

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    2010年03月13日