塩野七生のレビュー一覧
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『ローマ人の物語』で古代ローマを描き切った塩野七生さんのデビュー作、
後書に1969年とありますからもう40年以上も昔の一冊ですが、決して古臭さはありません。
"デビュー作にはすべてがつまっている"とはよく言ったもので、
史料に溺れることなく、人の営みとそこから出てくる"歴史"を魅力的に描き出しています。
- 女を書くことは、結果として歴史の真実に迫ることになる。
イザベッラ・デステ:夢もなく、怖れもなく
ルクレツィア・ボルジア:皇帝か、無か
カテリーナ・スフォルツァ:イタリアの女傑
カテリーナ・コルネール:まずはヴェネツィア人、その次に -
Posted by ブクログ
前作である同タイトル「リーダー編」と同様、なるほどと思えるところはたくさんあったけど同じく要約できないので、特に気になったポイントを羅列。これほど横着した書評もないもんだ。
「(靖国神社参拝や戦争に関する展示をそれぞれの視点から見ていくことで)これをつづけていると、人間への見方が暖かくなる。ムキになるのも人間の特色の一つなのだと考えるようになる。そして、言うまでもないことだが、双方でちがう言い分を聴いて比較する作業に慣れてくると、それらの合い間に自然に浮かび上がってくる真相も見えてくるようになるから面白い」
「史料は整理しないんです。仕事のほうを整理しちゃったので」
「選挙で選ばれたわけでも -
Posted by ブクログ
芯が一本通ってる人の論って、やっぱり読みやすい。あんまり丸々書き写すのもマズいとは思いつつ、このレベルの本を要約できる能もないので、背景が分からないと真意が伝わらないかもしれないとは思いつつ、琴線に触れたところを抜き書きしてみます。少しでも気になるところがあったら、手に取る価値はある。
「意思を持続させるに必要なエネルギーの中で、最も燃料効率の高いのが私利私欲」
「日本人も外国人と同じ言行をすべきだと言っているのではない。相手がどう考えどう出てくるかを知って勝負に臨むのは、ゲームに参加したければ最低限の条件であると言いたいだけ」
「危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も -
Posted by ブクログ
ローマの盛隆と衰退を書いた塩野七生の本。
11巻『終わりの始まり』を読んで、衰退は国ではなく人から始まっていくと感じた。
国が最盛期の安定している頃は、戦争に行くのに観光しながら長時間掛けて向かっても問題にならなかったりもしたけれど、逆にそれにより人は衰退しても国を存続できるシステムが稼動できたという経験によって、錯覚を起こし、問題に気づきにくくなるんだろうと思う。
でも2代目で会社が潰れるなど、学べる事・気をつける事などの気づける事は身近に沢山あると思う。
先人が残した書物があり海外のものも翻訳されて沢山学べるようにはなったが、命が脅かされる事が非常識となった安定的な今は、学ぶ必要がな