塩野七生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★★★★★ フルプライスの価値アリ
高校世界史までの知識しかない私だったが、カエサルの人間としての魅力に引き込まれた。天才ってなろうとしてなれるもんじゃないな。
ガリアに入ってからは手に汗握る戦いの連続。講和を結んでも結んでも裏切られるような状況で、それでもカエサルは持ち前のカリスマ性と情報収集能力で乗り越えていくので、緊張感を持ちつつも安心して読み進められた。
ラスト、青年クラッススなどとは違い今まで内面の掘り下げなどが特に無かったラビエヌスがポンペイウス側に立ってしまった…本当に越冬や軍を分ける時の説明でさらっと名前が出てくるだけだったけど、それだけでもカエサルが一等信頼を置いている人物 -
Posted by ブクログ
ローマ時代の歴史と言えば塩野七生さんをおいては語れないだろう。
多くの著書を出版していらっしゃるし、ご自身のお住まいまでこうしたことに合わせているスペシャリストだ。
今までもこれからもローマについての本は読むことになると思う。これまで読んできたものも一つ一つ違う角度から丁寧に記してあることは勿論のこと読み手に対した配慮もあるものばかり。
この本はそんな中でも、初めての人でもわかりやすいし読みにくさ読み進めにくさのないものだと感じる。
多くの知識から深く話すこともできるが、飽きさせない工夫があると思う。
ローマにおいて、ギリシャとユダヤという切り離せないものごあるが、この三者を比較した例えが -
Posted by ブクログ
ネタバレ「レオナルド没後500年」と「夏のローマで思うこと」は批判精神あふれる文章で読んでいて共感できた。
「女が三割ならば若者も三割」と「読んでくれている人々に」は、今の政治や社会のシステムに必要な提言であった。これを受けて、成田氏が提唱する政治家不要論をどう受け止めるかを知りたくなった。
「アパティアという名の先進国病」は、民主党政権時代の日本もそうであっただろう。『十二国記』という小説になるが、才王が言った「責難は成事にあらず」というのと一緒の意味であろう。
「発信力を早期に向上させるには?」では、情報面での日本の国力も低下している現状を語るエッセイ。経済の力を鑑みると妥当な扱いなのでは、