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ペロポネソス戦役後、都市国家群の覇権はアテネからスパルタ、テーベへと移っていく。しかし、静かに進行していたのはま新しい時代への移行だった。ペルシアと同じ野蛮な王政を敷き、辺境の地と目されていたマケドニアを率いる若きフィリッポスは軍事改革を成功させ、カイロネアの会戦でついに都市国家連合軍を撃破。新時代の到来を準備したのだった。「ギリシア人の物語III 新しき力」分冊。
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Posted by ブクログ
アテネの凋落から都市国家ギリシアの終焉、マケドニア台頭までを描いた「ギリシア人の物語」第三巻だが、アレキサンダー登場前の幕間のような退屈な巻かと言えば、全くそんなことはない。 ペロポネソス戦役で敗れて後、「民主制という制度」が「民主主義という唯一無二の絶対善」に変容し、凋落の一途を辿るアテネ。(現在...続きを読むの日本とダブって悲しかった) 覇権を握ったはずが経済センス皆無のスパルタ。スパルタを破ったが、人材不足のテーベ。そこに現れたマケドニアの若き王フィリッポス・・・ 読みどころは多いが、個人的にはフィリッポスの軍事改革(ホプリーテスからファランクスへ)についての記述が非常に面白かった。 最終巻、アレキサンダーの活躍を読むのが楽しみ。
ギリシア人の物語3 文庫版 新潮文庫 し 12 48 民主政のはじまり 著:塩野 七生 第3巻は、凋落により、寛容性が失われれていくアテネ、デロス同盟の解体 ギリシア市民兵の傭兵化、スパルタとペルシアの接近 テーベの一時的な興隆、そして、マケドニアの台頭を描く ギリシャは、再び、ペルシャの影響力...続きを読むの下におかれるが、それに対応できるほどの力は スパルタにもなかったにもなかっただけでなく、財政的な支援を、ペルシアに仰ぐこととなる レウクトラの海戦は、テーベと、スパルタの間で行われる テーベが圧勝し、ペロポネソス同盟も、このために瓦解することとなる マンティネア平原の会戦 ギリシア本土にある都市国家を二分する戦い、テーベVS反テーベ 戦闘時代はテーベ側が勝利したのだが、結果的に勝者も敗者もおらず、ギリシア世界には、覇権国なしとの 結果で終わることとなる その3年後、ギリシア北方のマケドニアで、フィリッポスが王位につく フィリッポスは、軍制改革を行い、マケドニア軍を精鋭化していく その業績、効果は、BC338のカイロネア平原での会戦にて結実していく マケドニア軍は、テーベ、アテネ連合軍を破り、ギリシア世界の新しい盟主として、覇権を確立していく そして、フィリッポスの後をアレキサンドロスへと繋いでいく 目次 第1章 アテネの凋落 第2章 脱皮できないスパルタ 第3章 テーベの限界 第4章 マケドニアの台頭 ISBN:9784101181141 出版社:新潮社 判型:文庫 ページ数:292ページ 定価:750円(本体) 発売日:2023年10月01日 全体の構成 1巻 第1章 ギリシア人て、誰? 第2章 それぞれの国づくり 第3章 侵略者ペルシアに抗して 第4章 ペルシア戦役以降 2巻 第1部 ペリクレス時代 前期(紀元前四六一年から四五一年までの十一年間) 後期(紀元前四五〇年から四二九年までの二十二年間) 第2部 ペリクレス以後 前期(紀元前四二九年から四一三年までの十七年間) 後期(紀元前四一二年から四〇四年までの九年間) 3巻 第1章 アテネの凋落 第2章 脱皮できないスパルタ 第3章 テーベの限界 第4章 マケドニアの台頭 4巻 第1章 息子・アレクサンドロス 第2章 ヘレニズム世界
テーベが強くなったと思ったらすぐ終わってしまった。 でもいよいよフィリッポスが出てきて、マケドニアが強くなってきた。 次巻はいよいよアレキサンダー大王でとても楽しみです。
「そして、バトンは渡された」フィリッポスからアレクサンドロスへ。最終巻へ素晴らしい繋ぎ方。(註: 文庫版上の演出です。) マケドニア王フィリッポスがカイロネアの会戦後に見せた、対アテネと対テーベとの戦後処理の違いを見るにつけ、ギリシア財政危機の際のギリシア政府の堂々たる開き直り(ヨーロッパ文明の源...続きを読む流はなんだかんだ言ってアテネだよね、みんな感謝せよ。俺たちは永遠の債権者だ!)に通じるものを感じた。
待ってました
ギリシャ物語でもここからが最高に好きです。なぜスパルタでは駄目なのか、アテネとの違いがわかりました。当時の黒海周辺の国々の様子や鉄と馬と船による交易も目の前に広がって来ます。塩野先生のおかげで世界史が好きになりました。
#感動する #深い #タメになる
ペロポネソス戦争に敗れた後のアテネの衰退の過程が、今の日本と被るような気がして、暗澹たる気分になった。
これまでの2冊に比べると本が薄い。覚えておくべき新出の人物もいないような気がする。歴史は発生して繁栄して衰退して滅亡してがoneセットである。長く続いた影響力のある国家ほど、盛衰がわかりやすいから、研究もしやすいだろうし。この3巻ははっきり言って辛いものがあった。英雄のいない時代の話。 『十字軍物...続きを読む語』シリーズでは、次数が後になるほど目的も履き違えた尻すぼみの感に堪えないところがあったが、ギリシア世界は違う。これからアレクサンダー大王が出てくるのだ。アレクサンドロス三世とは、もう次巻読まずにいうけれど、華々しさの結晶だろう。もう今から楽しみでしょーがない。 父王フィリッポスの築き上げてきたものをそのまま踏襲、ではなく発展させていく息子の姿。楽しみでしょーがないね。
ペロポネソス戦役。敗れたアテネ。デロス同盟が崩壊。経済大国としての機能も失う。落ちていく一方の市民生活。人材が輩出されない。凋落を受けいれるだけ…唯一の覇権国となったスパルタ。頑なに守り続けた古い政体がその立場に耐えられぬ。地位は維持できず…二頭政治で一時台頭したテーベ。2人亡きあとを継ぐ者がおらず...続きを読む衰える…主役交代。マケドニアへ。フィリッポス二世。満を持してのカイロネアの戦い。勝利の喜び。息子との確執。暗殺…都市国家たちの栄枯盛衰。一つ舵取り誤れば命取り。栄えた国も滅びるのが歴史。それは現代にも続く。
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