塩野七生のレビュー一覧

  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    教皇としての「使命を感じすぎ、思いつめてしまった」文化人・ピオ2世、「自分の思想を貫くために世界が滅亡するならば、そんな思想はさっさと引き下げる」と豪語するアレッサンドロ6世、威勢がよく口が悪く「決断力と勇気だけで出来ているような男」として描かれるジュリオ2世、「自己の優越性を確信していた、真に貴族的な精神の持主」と評されるレオーネ10世。15世紀半ばから16世紀はじめ頃まで、つまり「ローマ掠奪」によりローマが廃墟と化す直前までにその座に就いた、4人の教皇を描く連作集。
    ローマ=カトリック教会の権威が薄れ続けてゆく時代を描いているから、どの作品も優雅さや勇ましさの影に諦念や虚無感がある。けれど

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    2022年08月09日
  • 小説 イタリア・ルネサンス3―ローマ―(新潮文庫)

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    3巻の舞台はローマ。オリンピアの故郷ローマにたどり着いたマルコはシスティーナ礼拝堂の天井画を完成させたミケランジェロの知遇を得たり、古代の遺跡をめぐる日々を楽しむ。オリンピアの悲しい過去を知るが、ついに立場を越えた結婚を決意するものの、ヴェネツィアとトルコの関係が風雲急を告げ、二人の運命はふたたび歴史の波に翻弄されていくのだった。
    オリンピアのパトロンの正体や教皇、枢機卿といった面々の関わり方が面白かった。また、史実の登場人物や歴史的な出来事が随所に描かれており、本当に小説なのかわならなくなるような面白さがあった。

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    2022年08月09日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    世界史を知らない理系人間が古代ローマを知るために読んでみた。ローマの誕生から第一次ポエニ戦役までの500年を書いたそうだ。歴史学者が書くよりも、小説家が書いた歴史叙述の方が圧倒的に面白いのではないだろうか?作者のローマ愛の強さと文体の読みやすさが相まって一気に読破してしまった。

    最後の結びの部分で「はっ」と気づいたこと。現代に生きる我々の考え方とか価値基準とか常識ってのが、いつごろ形成されたのだろうか?フランス革命でかなり変わるって書いてた。歴史を知ることは今を知ること、そして未来を描くこと。次が楽しみだ。

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    2022年08月05日
  • 小説 イタリア・ルネサンス2―フィレンツェ―(新潮文庫)

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    公職追放になった主人公はイタリア周遊の旅に。二巻の舞台はフィレンツェ。
    メディチ家が治めるフィレンツェは16世紀のごろ、カルロスを後ろ盾にしたアレッサンドロの独裁国家と化していた。そんな中マルコはオリンピアと再会を果たすことに。
    そこで、マルコとオリンピアはメディチ家の内部抗争に巻き込まれていくことに。。。
    フィレンツェの政変の変化やメディチ家のことなど史実も書かれており勉強になった。また、メディチ家の人たちよりも周りの老人たちの老獪なところがとっても楽しめた。
    また、マルコとオリンピアが頑張って助命した宿屋の店主であるジョバンニが結局のところ、下手人でビックリさせられた。

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    2022年07月26日
  • 小説 イタリア・ルネサンス1―ヴェネツィア―(新潮文庫)

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    舞台は16世紀のヴェネツィア。若き外交官マルコは、欧州制覇を目論むスペインとトルコとの外交戦線の最前線に立たされる事となる。
    CDXという国家最高機密組織の一員として旧友であるアルヴィーゼとの再会から話が始まっていく。
    物語は、最初にヴェネツィアの聖マルコの鐘楼から警察官が飛び降りるところから始まる。その事件の裏に隠されたスペイン王室が企んでいたマルコの愛人のオリンピアによるスパイ行為。また、アルヴィーゼ側のトルコ宮廷の軍人としての行動と末路。
    事実を織り交ぜつつ、小説仕立てにする塩野七生先生らしい本になっている。
    また、最後にマルコが次の都市に旅立っているのでオリンピアとの恋の行方も気になる

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    2022年07月19日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    言わずと知れた超大作、塩野七生の代表作。

    第1巻は、紀元前753年建国されたローマが前270年にイタリア半島の統一を実現するまでの500年間。「ローマは1日にして成らず」の副題のとおり、ローマが興隆するまで長い長い年月がかかっている。ローマ人の多神教。異邦人を同胞として取り込む包容力。ギリシア人に較べ頭の回転は勝るとはいえないが、着実に少しずつ力を付けていく。

    ローマ帝国の反映と衰亡に至る長い道程。まだまだ序章ではあるが、塩野七生の独自の切れ味鋭い歴史感に魅きつけられる。
    読破するのはいつになるか分からないが、地道に読み続けていきたい。

    現代の政治、宗教などの話に微妙な光を投げかけてくれ

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    2022年07月04日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    高校生の頃に初めて読みました。
    歴史に疎い私でも読みやすかったです。
    読み終わったあと、都市の終わりと時代の転換点を目撃したような気持ちになり、少し切なくなった。

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    2022年07月09日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上下)合本版(新潮文庫)

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    まさに巨星

    これまで知らなかった人物で、ここまで成し遂げた人がいたことが衝撃的だった。考えの柔軟さ、強い信念、合理的で冷徹な部分が印象に残る。彼の死後、彼の帝国の変わりゆく様が、彼の「巨星」感を物語っているように思う。

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    2022年05月08日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    「ルネサンスとは何であったのか」、それは既存の常識や権威(その大なるものはキリスト教会)を疑い、「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発」であった、ということをスタートに、様々な人物を取り上げながらルネサンスを対話形式で概観する歴史小説。
    詳細な史料と分かりやすい論旨で、ルネサンスに関する事柄だけでなく、著者の他の作品への理解も深まり、とても楽しい読書だった。続けて『海の都の物語』も読んでみたい。

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    2022年03月29日
  • ルネサンスの女たち―塩野七生ルネサンス著作集2―

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    ルネサンス期を生きた4人の女性を主人公にした、連作歴史小説であり、塩野七生の作家デビュー作。
    デビュー作だからか、冷徹な文体はいつものことながら、洗練さよりも、文に込められた思いや力が強く感じられて、面白い。イザベッラ・デステやロドリーゴ・ボルジアの貴族的な立ち姿、大国ヴェネツィアの芸術的なまでに完璧な偽善など、現代の道徳には則さない姿が生き生きと描写されるときは、特にそうだったと思う。
    また、各章を閉じる文の運び方もドラマチックで、つい数節を口ずさみたくなってしまうような読書だった。

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    2022年03月14日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    ルネサンス期の武将、チェーザレ・ボルジアを主人公とする歴史小説。
    序章のチェーザレの剣のくだり、チェーザレとダ・ヴィンチとの出会いのシーン、そしてダ・ヴィンチのデッサンと一緒に発見されたマントのエピソードなど、極力抑えた筆致の中から、それでも情感が零れ落ちるような名文が多い。
    大長編でもハッピーエンドでもないけれど、贅沢な読書を堪能できる豊かな小説。

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    2022年02月04日
  • 小説 イタリア・ルネサンス4―再び、ヴェネツィア―(新潮文庫)

    匿名

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    主人公マルコ・ダンドロを通して垣間見る、ルネサンス期ヴェネツィア共和国の激動を描いたシリーズの第4巻。

    正直、前巻までを読んでから時間が経っていたので、経緯を思い出すのに苦戦したところもあり、再度1巻から読みたいと思いました。
    特に実在の芸術家がまるで息を吹き返したかのように生き生きと活動している場面や、刻々と変わっていく海戦の描写には心躍りました。
    実際の絵画の画像や海戦が行われた地名を地図で探したりして、実物を見たくなったり。

    後半はもはや全盛期ではないヴェネツィアの今後の道筋を模索していくマルコに寂寥を感じざるを得ません。
    当時のヴェネツィアの活気ある街並みを見てみたか

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    2021年12月01日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    チェーザレ・ボルジア。
    イタリアが統一される前の乱世の英雄。
    日本で言えば、織田信長のような存在。

    「わが友マキアヴェッリ」に何度となく名前が出てきて、マキアベッリの「君主論」にも当然登場する、チェーザレ・ボルジア。

    手段を選ばず勢力を伸張しながら、時代の流れに乗り切れず31歳の若さで逝ってしまった。

    時に残虐に、時に政治の力を駆使して強敵を倒していく姿にワクワクさせられた。

    1500年前後といえば、日本は応仁の乱が終わった後の戦国時代に突入しつつある時期。

    イタリアも複数の王国が割拠している時代で、法王の子という背景をフルに利用しながら統一の夢を見たチェーザレ。

    戦国武将にワクワ

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    2021年11月28日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    1992年から年1作ずつ刊行され書き下ろされてきたローマ人の物語の初回本。原史料等を丹念に渉猟しながら再現されていく歴史スペクタクルとして圧巻。第1巻では紀元前753年のローマ建国から紀元前270年のイタリア半島統一までが流れるように書き紡がれている。ローマの強固な仕組みが構築されてきた要因として、執政官、元老院、市民集会による三位一体の運営、戦争による領土拡張を支える敗者をも取り込む同化政策、インフラとしてのローマ街道の敷設、が際立っている。ローマ帝国として興隆していく素地が作り上げられていく過程が、当時にタイムスリップしたかのように克明にわかりやすく綴られていく。

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    2021年10月26日
  • 逆襲される文明 日本人へIV

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    塩野七生の「日本人へ」の第4段

    トランプ登場による、世界の混乱と、彼女自身もこたえようがない難問である「難民」を問う。
    国家のリストラである難民については、リストラしない国が成功することを、最終的にのべている。
    そして、なぜこうも簡単なことを、学会もマスコミもと指摘しないのだろう。と疑問をあげて、筆をおく。

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    2021年10月03日
  • 日本人へ 危機からの脱出篇

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    塩野七生の「日本人へ」第3段。

    太平洋戦争を体験し、イタリアという異郷の地から、日本を眺めている彼女からの、祖国へのメッセージです。

    東日本大震災からあとの日本を、危機ととらえていて、政治力の欠如をなげいています。

    終章に、明治維新が成功したのは、改革者がイデオロギーにとらわれなかったこと、かれらを動かしたのは危機意識であったことをのべています。

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    2021年10月03日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(下)(新潮文庫)

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    上下巻合わせて、星5つの内容。シチリア等の歴史もフリードリヒ2世も、あまり知らなかったが、読んでいてワクワクした。「ブーリア」行きたくなりました。

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    2021年09月27日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    ルビコンを渡って以来のカエサル動きから、暗殺、混乱を経てアウグストゥスが派遣を確立するまでの物語。

    実質20年に満たないが、内容の濃い時代。カエサルの類稀なるリーダーシップ、固定観念に囚われない決断力、人間的魅力、これらが制度疲労を繰り返共和政の中で彼が台頭した原因。しかし、民衆に愛されたカエサルも共和政エリートの中ではそうでは無く、独裁を強めた結果、凶刃に倒れる。

    その後、カエサルの後継者を自認するアントニウスとオクタヴィアヌスが、ブルータスら下手人を討ち果たし、最後は西と東に別れて対決姿勢を強めていくが、ここで光彩を放つのがエジプト女王のクレオパトラ。アントニウスを絡め取るのは良かった

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    2021年07月26日
  • 生き方の演習 : 若者たちへ

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    生きていくうえで、好奇心をもって自分を開放すること、大胆になることが若者は大事だと書かれていてそうしたいと思った。教養が自分の専門だけではできないことを可能にするかもしれないから大事だとか、伝える内容と、それを伝えられる語学力も大切だとあったので、もっと勉強も頑張りたい。

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    2021年07月19日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    歴史の教科書なら、「1453年マホメッド二世、コンスタンティノープルを陥落させる」だけで終わりそうだけど、実はもちろん、それぞれの立場の人間が、いろんな思いや主義を持って、大騒ぎしていたんだなあ、って、しみじみ思った。面白かった。そして、またまた、この時代も、王様の愛人は美少年(^-^)

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    2021年07月18日