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いま、日本は岐路に立たされています。東日本大震災、収束の見えない原発問題、限りなく短い総理の座――。この危機的な状況は「戦後」の混乱ともいえます。私たちはどう生き抜けばよいのでしょうか。「賢者は歴史に学ぶ。愚者は歴史にも、経験にも学べない」。古代ローマやルネサンス史などに通暁し、ローマ在住で日本を客観視できる塩野さんのこの警句に、今こそ私たちは耳を傾けるべきです。『リーダー篇』『国家と歴史篇』に続く、叡智に満ちた日本人へのメッセージ、第3弾!
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Posted by ブクログ
塩野七生の「日本人へ」第3段。 太平洋戦争を体験し、イタリアという異郷の地から、日本を眺めている彼女からの、祖国へのメッセージです。 東日本大震災からあとの日本を、危機ととらえていて、政治力の欠如をなげいています。 終章に、明治維新が成功したのは、改革者がイデオロギーにとらわれなかったこと、か...続きを読むれらを動かしたのは危機意識であったことをのべています。
塩野さんの3冊目。 今も文芸春秋で連載中。 この人の言うことは海外から見た日本なので、非常に客観的で日本の中の日本人ではわからない事をばんばん言っていることが非常に良い。自分にも当てはまることも多々有り、非常に考えさせられる。 母国語とはではやはり考えは日本人は日本語でしか考えがまとまらない、英語で...続きを読む会社の中はあり得ないなど結構痛快で有る。 震災後の日本についての対応が非常に歯がゆいだろうな。 権力の考え方も確かにおっしゃるとおり。 それを言うと今の安倍さんは権力者だけどリーダーなんか??今回の法案もなぜ今?と言うことでちょっと悪っぽいが。読んでみると非常に良いです。お勧め。
塩野さんはほんと読ませてくれます。読んで面白いだけでなく、必ず考えさせられる。そこが良いですね。衆愚政治は一人一人の声が大きくなったからだという意見は、特に考え込んでしまいました。
ローマの歴史を熟知した上で、日本の様々な問題について筆者の鋭い見解が述べられている。エッセイ風だけれど、複雑な事柄を深く熟孝してきちんと言語化できているからさすがだ。 *若者のやる気のなさは負けへの怖れから→勝って自信を持つべし *競争相手のいない分野を狙う *想像力を自由に羽ばたかせたいと思えば...続きを読む、母国語にまさるものはない *拒絶されることへの反応が過剰過ぎる *上からの圧力に立ち向かわず左右に逃す *イイ顔になってる人はイイ仕事をした人 *自分一人でやれるとは思わないこと。年を重ねれば自然の勢いで、自己生産能力が低下する。若手の能力を見透かし起用。 *「働かないのも疲れるもんなんだよ」
イタリア在住の立場から3・11後の日本を見て、エールを送る連載エッセイ。 著者が記録したローマ帝国は1000年以上続いたが、その期間、内乱も外部侵入もあったし、政治システムも君主制や民主制、独裁制、共和制とコロコロと変わった。そんな困難のたびにローマ人はリーダーを信じて、解決の努力を続けた。日本人...続きを読むが見習うべきはそんなローマ人の粘り強さとリーダーへの信頼だと、著者は説き、震災復興と復活した自民党政権に期待する。 ただし、著者はこうも言っている。民主制とは完璧ではない。優れた民衆が多く出れば、まとまった決断ができないリスクがある。それは衆愚政治であり、古代ギリシャが没落した原因でもある。日本人には、ある程度の独裁制を認める広い心を持つことも大事だと。
震災のこと、日本の政治、イタリアの政治など、すっきりしない世の中が何故すっきりしないのか、すっきりさせる為の方法などが、ギリシャ・ローマ等の歴史から語られています。 たまに同意しかねる意見も有りましたが、塩野先生の本質を見る鋭い洞察力には頭が下がります。
20131110 歴史を理解すると今が見えるのだろう。説得力のある提言に聞こえるのも歴史上の事実の裏付けがあるからなのだろう。賢者は歴史から学ぶ。
文藝春秋で連載されている,塩野さんの「日本人へ」というエッセイをまとめた3冊目の作品です。東日本大震災前後の時期の作品がおさめられているので,地震の前後で変わった日本を取り巻く状況に思いを巡らせながら読んでいました。 イタリアや日本を取り巻く状況は変わっているのですが,その変化の中でも,塩野さん...続きを読むが主張されている内容は過去から大きくは変わっていないなと思って読んでいました。「ローマ人の物語」でのローマや,「海の都の物語」でのヴェネツィアのように,総合力をいかにして発揮するかということと,大きな問題に対しては,安定した基盤が必要という塩野さんの基本的な考え方は,いつの時代でも変わらないと思いますし,変化の大きい時代では,より重要なことだと思います。
いちばん格好イイお姉様のひとり、塩野七生氏による文藝春秋のコラム集第3弾。2010年5月号から2013年10月号までというから、ずいぶん最近のものが収められている。 イタリアの多くの歴史を俯瞰し、どっぷり浸かって書き進めた著作が示す通り、彼女の現代を見る目は、冷徹で鋭く、それでいて熱い。イタリアと日...続きを読む本をただ比較するのとは違い、特質にあった対処法や指針を明確に示しているところに多くの共感が集まるのだろう。 そして、ここに彼女の作家としての特質が見て取れる。 すなわち、小説家ではない、というところに尽きるように思う。 塩野氏の評価と讃辞を集めてあまりあるカエサルを主人公とした小説を、なぜ彼女は書かなかったのか。 本来、歴史書であれば、誰かに肩入れすることなく、冷徹に、事実のみを、という姿勢が必要なのだろう。そこへ行くと、先述の通り、カエサルへの肩入れは尋常ではないし、同時代人として有名なキケロに対しては、あれれというほどに情けなさを浮き立たせた書きぶりが「ローマ人の物語」ではみてとれる。 このスタイルをデビュー当時に司馬遼太郎が評して曰く「歴史小説でも歴史研究でもないその中間」とのこと。人のいない道を突き進んだのである。それすら、娘時代の自信のなさからくる悪あがきの結果に過ぎないのだから、がんばって欲しいという、「若者たちへ」のエール。この方の年齢を考えれば、もしかしたらわたしだって「若者たち」に入れてもらえるのかも知れない。 様々な事柄について書かれているため、わたしのレポもとりとめもなく流れていくおしゃべりになったが、このことは一つ書き加えておこう。 日本人の英語教育も、どんどんと早期化していくようだが、イタリアに住んで長い塩野氏とて、やはり思考は母国語である日本語で行うのがいちばんだという。すなわち、母国語の豊かさが、思考の豊かさになるというもの。 言語そのものが豊かであると共に、その習得具合の豊かさもまた、思考を支える一柱となる。日本語以外――会話に不足のないイタリア語を話すことですら、ストレスになるのだともいう。 別に外国語習得が必要ないといっているのではない。ただ、以前の日本のように、足元の豊かさを見失い、踏みにじるようなことがないように、とだけ気をつけたいと思ったのである。 他サイトより転載
短編エッセー集。筆者のウィットに富んだ、且つ専門家でない部分でも思いっきりスタンスを取る姿勢に微笑ましくなりながら読む。 日本人にはずる賢さが足りない、とか危機感こそ重要、という根本的な主張は多くのエッセーに共通しており筆者の強い気持ちを表しているものなのだろう。 軽い気持ちで隙間時間、気分転換...続きを読むに読むにはいいが、優先順位を高めてまで読むほどのものではないので星3つ。
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日本人へ 危機からの脱出篇
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