塩野七生のレビュー一覧

  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    読んでる途中でまさに劇中の舞台となっていたフィレンツェの、修道士サヴォナローラの影響を受けたボッテイチェッリの作品(死せるキリストへの哀悼)を見る機会があったりして、なかなか刺激的に楽しめた。(このタイミングで読んだオレ(・∀・)bグッジョブ
    あと、ヴェネチアいいなあ

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    2018年11月03日
  • 再び男たちへ フツウであることに満足できなくなった男のための63章

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    世界で働くビジネスマンは「ローマ人の物語」を読めと書かれていたのを見て、気になっていた塩野七生。「ギリシア人の物語」も完結し、そっちから読もうかなと気になっていた時に、本屋の新刊コーナーで見つけました。
    新刊とはいえ、もともと1991年に出された本の新装版で、書かれたのは今から30年近く前。平成ヒトケタの時のお話です。取り上げられているネタは確かに昔の話ですが、そこから出てくるテーマは普遍で今にも通じる話ばかり。
    特に第13章の「歴史について」は今の指導者にも読ませたい。

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    2018年03月10日
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

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    【穏やかかつ波高く】地中海を視点の中心に据え,東西に目配せをしながら中世という激動の時代を切り取った作品。秩序が崩壊した世界における歴史ドラマを描き出して行きます。著者は,『ローマ人の物語』等の名作を数々世に送り出している塩野七生。


    地理的にも空間的にも隔てられた世界に関する歴史書でありながら,人間の生き様を中心に据えているため,自分のことのように読めてしまうのはさすがに塩野氏の作品ならでは。キリッとしまった警句も読む者をハッとさせてくれますし,身になる読書がどういうものかが体験できるかと。

    〜海上からこれらの観光地を眺めるたびに,そして今では,,レストランやナイトクラブに使われていたり

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    2018年01月31日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    ローマ帝国再建を目指した二人の皇帝ディオクレティアヌスとコンスタンティヌスが主人公。前者は帝国を分担して守ることで蛮族の侵入から守ることを目指し、後者は新都の建設、そしてキリスト教の公認という方向転換で帝国の再建を目指した。確かに、これらのことによってローマ帝国の延命には成功したと言えよう。しかし、その代償にローマ帝国はかつての姿とは別物になってしまう。軍や官僚の肥大が増税に繋がり、一神教のキリスト教を公認することで、多神教の世界が失われ、そして寛容の精神も失われていくのであった。

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    2017年12月11日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

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    なぜ優れた賢帝の時代に「帝国の衰亡」が始まったのか?が本書の主題です。本書では五賢帝の最後マルクス・アウレリウスから息子のコモドゥス、そして内乱を経てのセプティミウス・セヴェルスの治世までが記述されています。西暦でいうと紀元121年から212年までのおよそ90年間が本書の範囲となります。主題への解答は本書に任せますが、まさに賢帝の時代に衰亡への種がまかれていたことがよくわかりました。

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    2017年11月07日
  • 逆襲される文明 日本人へIV

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    ネタバレ

    パワーフレーズ
    「その面の専門家である学者たちは、知っていることを書いているのです。専門家ではない私は、知りたいと思っていることを書いている。だから、書き終えて始めて、わかった、と思えるんでふね」

    痛快爽快、このラフでいてロジックのある思考を日本の政治家も見習ってくれないかしら。とても面白く、希望が湧いてくる一冊。絶望の中に希望を見出すことを問いかけてくれた一冊。

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    2017年11月04日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

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    塩野七生によるローマ人の物語の第10巻。この巻はシリーズの他の作品と異なりインフラというテーマに絞って書かれている。ローマ人のインフラへの考え方から、なぜローマ帝国は人類史上類をみないほどの成功を納めたのかを探っている。インフラはハードなものとソフトなものに分けられており、前者は街道や橋、水道などで後者は医療と教育についてである。シリーズのこれまでの内容を総括する上でも、今後の内容を先取りする意味でも意義深い一冊となっている。

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    2017年10月14日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    カエサルは、歴史上の人物の中でも最も好きな人物である。

    以下は、この巻と前巻に記述された「カエサルの思考、行動」について。

    ・生涯を通じて彼を特徴づけたことの一つは、絶望的な状態になっても、機嫌の良さを失わなかった点である。

      → 楽天的でいられたのも、ゆるぎない自信があったからだ。

    ・カエサルは、自分の考えに忠実に生きることを自らに課した。
     それは、ローマの国体の改造であり、ローマ世界の新秩序の樹立であった。

    ・失敗の挽回には、二つの方法があるが、カエサルは後者の代表格であった。

     1)失敗に帰した事態の改善に努めることで、不利を挽回する人。

     2)それはそのままで、ひとま

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    2017年09月17日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV

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    カエサルは、歴史上の人物の中でも最も好きな人物である。

    以下は、この巻に記述された「カエサルと女性」について。

    ・カエサルは女にモテただけでなく、女たちに誰一人からも恨まれなかった。

      → 醜聞は女が怒ったときに生じる。
       では、なぜ女を怒るか? 怒るのは傷つけたからであう。

    ・カエサルは、愛人の存在を誰にも隠さなかった。

      → 公然ならば、女は愛人であっても不満に思わないから。

    ・カエサルは、次々とモノにした女たちの誰一人とも、決定的には関係を清算しなかった。

      → 愛人関係が切れた後でもカエサルは、彼女らの願いならばかなうように努めた。

    ・女が何よりも傷つくのは、

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    2017年09月17日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    ルネサンス時代のローマ周辺を塩野さんが対話形式で書き進める物語。
    異世界に入って行ったような錯覚を覚えます。
    前提知識はあまりなくても楽しめると思います。

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    2017年09月09日
  • レパントの海戦

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    ヴェネツィア共和国を中心としたキリスト教国家と、強大なイスラム教国家トルコとの海戦です。
    十字の旗を掲げての最後の海戦であり、地中海覇権の分水嶺と言えます。
    ヴェネツィアとトルコは地中海での貿易経済に依存していましたが、スレイマン没後のトルコでは反欧が盛り上がります。
    血を流さない戦争、血を流す政治、血を流さない戦争を駆け抜けた二国ですが、経済を停滞させたことで自ら首を絞める結果に終わります。
    地中海世界全体の緩やかな衰退が見える一冊。

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    2017年08月28日
  • ロードス島攻防記

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    聖ヨハネ騎士団がロードス島防衛に敗北し、若きイスラムの長スレイマンに開城する、歴史的分岐点の物語です。
    イスラム世界は異教徒に対して寛容であり、征服者として優れていたと思われます。
    ロードス島征服においても、騎士や住民に対して蛮行は少なく、紳士的な交渉によって解決へ向かいます。
    極めて洗練された外交(戦争も含む)は無駄がなく、更には双方に人間的な余裕を与え、望ましい結果へ導きます。
    当事者だけでなく、後世の我々も心地よく感じることのできる一冊。

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    2017年08月18日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    短くも激しい生涯に魅せられた。栄光と没落、そして壮絶な死はあまりにもドラマチック。その壮絶な死も悲壮感な感情を抱く事もなく、なぜか清々しく感じた。野心家で冷酷で残酷なこの悪い男に男女関係なく魅力に感じるはず。

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    2019年05月18日
  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    読んで、一番面白かった章は、やはり、アレッサンドロ六世の章。法王としては現実主義すぎるかもしれないが、統治者としては安心できる。アレッサンドロの突然の病没がなければ、ローマの歴史は、全く異なっていたのではと思う。

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    2017年06月16日
  • マキアヴェッリ語録

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    この本に出合ったのは、社会に出て2年目でした。
    マキャベリの有名な「君主論」だけでなく、「政略論」「戦略論」「フィレンツェ史」などのエッセンスが集約された、塩野さん流のアレンジ書です。
    この本に限っては、何度も読み直しています。
    人生訓として。

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    2017年05月07日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    いよいよ、ルビコン渡河以降のカエサル(シーザー)。ポンペイウスとの戦い、ローマ掌握、暗殺、クレオパトラとアントニウスまで。
    ローマの版図が拡大し元老院による共和制の限界が見えた状況の打破としての専制政治、帝政への移行。ローマが辿った政治制度の分析に納得。塩野七生のシーザー大好き感もたっぷり。プロヴィンスはそもそも属州のこと、等、イタリア愛、フランスへの対抗意識も見えて面白い。

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    2016年10月27日
  • レパントの海戦

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    塩野七生の「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」三部作の最後の一つ。
    強大なトルコがキプロスを攻略して我が物とし、その後クレタ島を攻略してクレタ島は陥落寸前であった。トルコは東地中海の覇権を確保しつつあり、ベネチアは支配地域だったキプロスを失い、その上クレタまで失い、海洋通商国家としてトルコと通商関係を破棄ししてでも対決せざるを得ない状況にあった。
    しかし、東の超大国トルコに対してヨーロッパの結束は心許ない状況であり、ローマ法王の権威は低くヨーロッパ各国が領土争いをしていたため、ローマ法王が対トルコの十字軍をなかなか結成できない状態だった。そういった中で、ベネチ

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    2016年09月19日
  • サロメの乳母の話

    ネタバレ 購入済み

    ネロに双子の兄がいたとは⁉

    歴史上の史実を一人の人物の目線から、告白されていて、後半から特に引き込まれて読みました。特に暴君と呼ばれている皇帝ネロに双子の兄がいて、凄まじい精神の崩壊ぶりを見せる治世も凡人にも理解できるように描かれてますね。

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    2016年09月19日
  • ロードス島攻防記

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    歴史に興味があるわけではなく、聞いたこともない島での戦いを綴ったこの小説は、家に読むものがなくて渋々読み始めた。
    やっぱり読み始めは、外国の慣れない単語、宗教、歴史、地理などと興味が湧かず頭に入っていかないのだが、途中からだんだんとパズルが繋がっていき、面白くなってどんどん読み進めた。
    1500〜1530年のどこの国というわけではない、ロードス島という特殊な背景にある島で起こったひとコマの物語。あらすじを読んだだけでは絶対に読みたいと思えない小説が、ドラマチックに描かれ、エンターテイメントであるのと同時に観光、地理、歴史書の類いでもあると言っていい。
    何より、著者の状況説明や背景の描写が素晴ら

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    2016年12月06日
  • ロードス島攻防記

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    聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)を知りたくて。

    約250ページあっという間!史実を中心に読み進めていたので、アントニオとオルシーニのまさかの展開にはびっくり。笑

    面白かったです。塩野さんはやはりすごいんだなあ…

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    2016年05月10日