塩野七生のレビュー一覧
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若々しく大胆な魂と冷徹な現実主義に支えられた時、政治もまた芸術的に美しい。ルネサンスとはそういう時代であった。女たちはその時、政争と戦乱の世を生き延びることが求められた。夫を敵国の人質にとられれば解放を求めて交渉し、生家の男たちの権力闘争に巻き込まれ、また時には籠城戦の指揮もとる――。時代を代表する四人の女の人生を鮮やかに描き出した、塩野文学の出発点。
「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」と同時期に読むと理解が深まると思います。
魅力あふれる4人の女性が取り上げられており、個人的な好みランキングを作るとすると…
1.カテリーナ・スフォルツァ
2.イザベッラ・デステ
3.カテリーナ・ -
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十字軍がどのようにして成りどのようにイェルサレムを奪還していくかの物語を塩野七生氏の人物を中心にして紡ぐスタンスで描かれる。
この書は十字軍がエルサレムを奪還し、十字軍国家を形成するまでが描かれる。
書くというよりは描かれるというような感覚になるのは塩野七生氏の人物を中心にして感性から入って理屈に繋げていくスタンスならではなのだろう。
事実の列挙とは正反対に位置する氏の描く歴史物語は、フィクションを読んでいるような心地で歴史を読むことができる非常に稀有な本だ。
物語の当時、
ローマ皇帝と法王の対立は「カノッサの屈辱」という事件をきっかけに、決裂は決定的となる。
そこで法王はローマ皇帝に -
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まず現実を知る。海外の報道もきちんと見ることが大切。
外国語は道具として学ぶ。何より大切なのは母国語。
選択肢を多く持ち、情報を集める。
そのコツは軸となる考えを立てて、そこに磁石のように情報を引き寄せる。
著者が子どもを育てる際に気をつけたのは2点。
語学。つまり道具を身につけさせたこと。
そして、自分の頭で考えること。話す時にはあなたはどう考えているの。と言うように心がけたとのこと。
他から刺激を受けて、自分なりに創った結果が独創性の高い作品であり、何もない所からは生まれない。
だから多くのことに好奇心を持つのは自分を豊かにするだけでなく、独創の出発点でもある。
短時間で読める。もっと -
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あいかわらずの塩野節で、飽きさせない一品。
イスラムの海賊がキリスト教徒に対してどう対したかがよく分かった。ジハードとグエッラ・サンタ、どちらも聖戦と訳すのだなと妙に納得した。トルコがEU加盟を望んでいるが、この本を読んでしまうと、イスラム色を一掃できない限りトルコのEU加盟は無理と思ってしまう。
[private]以下心に残った部分
・情報とは、量が多ければそれをもとにして下す判断もより正確度が増す、とは、全くの誤解である。
情報は、たとえ与えられる量が少なくても、その意味を素早く正確に読み取る能力を持った人の手に渡ったときに、初めて活きる。P.57
・トップを失ったアラブ人の兵士たち -
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【穏やかかつ波高く】地中海を視点の中心に据え,東西に目配せをしながら中世という激動の時代を切り取った作品。秩序が崩壊した世界における歴史ドラマを描き出して行きます。著者は,『ローマ人の物語』等の名作を数々世に送り出している塩野七生。
地理的にも空間的にも隔てられた世界に関する歴史書でありながら,人間の生き様を中心に据えているため,自分のことのように読めてしまうのはさすがに塩野氏の作品ならでは。キリッとしまった警句も読む者をハッとさせてくれますし,身になる読書がどういうものかが体験できるかと。
〜海上からこれらの観光地を眺めるたびに,そして今では,,レストランやナイトクラブに使われていたり -
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カエサルは、歴史上の人物の中でも最も好きな人物である。
以下は、この巻と前巻に記述された「カエサルの思考、行動」について。
・生涯を通じて彼を特徴づけたことの一つは、絶望的な状態になっても、機嫌の良さを失わなかった点である。
→ 楽天的でいられたのも、ゆるぎない自信があったからだ。
・カエサルは、自分の考えに忠実に生きることを自らに課した。
それは、ローマの国体の改造であり、ローマ世界の新秩序の樹立であった。
・失敗の挽回には、二つの方法があるが、カエサルは後者の代表格であった。
1)失敗に帰した事態の改善に努めることで、不利を挽回する人。
2)それはそのままで、ひとま -
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カエサルは、歴史上の人物の中でも最も好きな人物である。
以下は、この巻に記述された「カエサルと女性」について。
・カエサルは女にモテただけでなく、女たちに誰一人からも恨まれなかった。
→ 醜聞は女が怒ったときに生じる。
では、なぜ女を怒るか? 怒るのは傷つけたからであう。
・カエサルは、愛人の存在を誰にも隠さなかった。
→ 公然ならば、女は愛人であっても不満に思わないから。
・カエサルは、次々とモノにした女たちの誰一人とも、決定的には関係を清算しなかった。
→ 愛人関係が切れた後でもカエサルは、彼女らの願いならばかなうように努めた。
・女が何よりも傷つくのは、