あらすじ
公職追放処分となったマルコは心機一転、フィレンツェへと旅に出る。しかしメディチ家が善政を敷いたかつての「花の都」は、いまや皇帝カルロスを後ろ盾にしたメディチ家の庶流アレッサンドロの独裁する傀儡国家へと堕していた。マルコはカルロスの間諜だった恋人オリンピアと再会を果たしたが、二人はメディチ家の泥沼の内部抗争に深く巻き込まれていくのだった。『銀色のフィレンツェ』改題。
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公職追放になった主人公はイタリア周遊の旅に。二巻の舞台はフィレンツェ。
メディチ家が治めるフィレンツェは16世紀のごろ、カルロスを後ろ盾にしたアレッサンドロの独裁国家と化していた。そんな中マルコはオリンピアと再会を果たすことに。
そこで、マルコとオリンピアはメディチ家の内部抗争に巻き込まれていくことに。。。
フィレンツェの政変の変化やメディチ家のことなど史実も書かれており勉強になった。また、メディチ家の人たちよりも周りの老人たちの老獪なところがとっても楽しめた。
また、マルコとオリンピアが頑張って助命した宿屋の店主であるジョバンニが結局のところ、下手人でビックリさせられた。
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2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス
①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア
1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史
サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた
東にトルコと争いつつ、長く「地中海の覇権」を保持した「国家経営の秘訣」が
塩野七生氏の造詣を踏まえつつ、司馬遼太郎的歴史小説として書き下ろされた
「国家リーダー」候補を見いだし、育成する
ヴェネツィアはそこに国家の命運の鍵を見出し、莫大なエネルギーを投入した
そのかいがあって、ヴェネツィアは長期の命を保持することが出来た
作者塩野七生氏はその歴史の教えを、現代の日本に伝えたいとの使命感を感じる本書
国家・国民に殉じる覚悟のエリート・リーダーなき組織は滅ぶしかない
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どのような政体を採用する政府であろうと、民主政体であろうと少数指導制である貴族制であろうと君主制であろうと、その政府が長期の生命を得るには、国民一人一人の物質的欲求を満足させてやる必要がある。
だから、個人の物質的欲望を満足させることのできる政治ならば、それが民主制であろうが貴族制であろうが君主制であろうが、主義には関係なく善政と賞賛されるということだ。そして、結局は善政が長期の生命を保つ。
しかし、現実はこうはいかない。なぜなら、国民一人一人の物質的欲求を完全に満足させてやることからして、神でさえ不可能なことだからだ。
P322
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シリーズの中では一番面白かった。フィレンツェならではの芸術の描写も多いため芸術好きには楽しい。
アルヴィーゼとロレンツィーノ、どっちもやりたかったことは同じなのでは?と、1とのデジャブ感は否めない。
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今回はメディチ家の話。
サスペンスやロマンスを交えつつ、しっかり歴史の勉強になる。
ベネツィアとフィレンツェの性格の違いがよくわかる。
ボッティチェリのヴィーナスの誕生とプリマヴェーラは好きな絵なので、出てきてうれしい。
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舞台はヴェネチアからフィレンツェへ。前巻から時間がたっていても、すーっといにしえのイタリアへマルコと一緒に旅立てたのがとても嬉しい。途中から傍観者の立場になったマルコだが、概念的で少々辟易した哲学のお話しもその後の布石になってしっかりと物語に乗っかってくる組み立てはさすが。抗えながらも様々な葛藤で生きていくしかなかった人々のお話しは今回も圧巻。普通にマキャベリやダ・ヴィンチ、ダンテが登場してくるのも興味深かった。
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舞台はベネツィアからフィレンツェへ。
花の都と呼ばれるフィレンツェが舞台であり、華やかな文体が心地よい。
フィレンツェに行った時を思い出した。
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3年休職期間となったマルコが旅行をした先がフィレンツ
そこには同じようにオリンピアが居た。早速、普通の旅館位泊まったところである殺人事件に遭遇。そこでメジチの分家のロレンティーノに出会う。 彼は現元首アレクサドロに支えているが妹を差し出せといわれとうとう殺害を決意。
最後には殺害してベネティアへ逃げてしまった。その後を従兄弟のコシモがが次いだがとうとうフィレンツエはのちのトスカーナ公国、君主の国になっていった。
まあ、マルコはどっちかというと第3者的にこの大変革を見ていた。