塩野七生のレビュー一覧
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愛して止まない塩野七生氏の本。エッセイとしては何冊目になるだろう?? 最近は専らローマ人の物語、それに文芸誌の短いエッセイの連載をしているのを時たま、思い出した頃に書店で見かける程度で、すこし寂しい。
この本の語り口は非常に丁寧だけれどそれは「誰にでもわかるように書いた」丁寧さではなく、それが『男たちへ』などと違い『ローマ人の物語』とも違う雰囲気を作っていて、これが彼女と移動年代の世代に向けて発信した当時の彼女の身丈のままの文章なんだろうなとおもう。
45歳の半分にも届いていない私の受ける印象は本来彼女の意図して書いた意思の何分の一なのだろう。
繰り返し繰り返し読み返したい一冊です。胸に響くく -
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著者作は『コンスタンティノープルの陥落』に続き2冊目。夫の本棚にあったので読んでみたが、日本史選択だった自分にはイタリア史は未知の世界。この本は前提知識がなさすぎると辛い。同じような人には、YouTubeの「イタリア戦争」やよつばチャンネルの「メディチ家」解説をざっと見るのをおすすめする。
4人の法王が出てくる。面白かったのは2番目のアレッサンドロ6世(ボルジア)と、4番目のレオーネ10世(メディチ)。ともに「家系の縁」と「政敵」「他国との付き合い」などのしがらみに囚われつつ、「宗教上の敵」となったサヴォナローラ、ルターとの戦いでは権力者としてのしたたかな顔も見せる。今まで抱いていた教皇のイ -
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ネタバレふとしたきっかけで知ったエルサレム国王ボードゥアン四世に
心惹かれるところがあり、彼に関する記述周辺を中心に読みました。
彼の王としての責務や難病から逃げない姿勢は
本当に勇気を与えてくれます。
環境ではない自身の心の在り方で生き方は変わるのだと。
ただ周囲の人間に良くも悪くも頼らなくてはならない状況が
彼の運命を大きく変えた部分も多々あると思います。
母や姉に、彼を支える気概やものごとの本質を見抜く教養があれば
また違っていたのでは。
特に姉が見目麗しい(だけの)夫を選んだことは、
弟の心を非常に傷つけたのではないでしょうか。想像すると本当に胸が痛みます。
一方で優秀な側近や高い忠誠心を -
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ネタバレ古代ローマの歴史小説、イタリア関連の著作で有名な塩野七生氏。彼女の1988年発行の作品。
政治哲学の文脈で度々名前があがるマキアヴェッリの各種著作からのパッセージを抜粋し、君主篇、国家篇、人間篇の三章でまとめた語録。
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塩野氏の歴史小説は幾つか読んでいましたが、本作のような過去の著者からの抜粋(語録)は意外と簡単ではないと感じました。
やはり、時代や背景も異なる国での話。1600年頃のフィレンツェの話を、古代ローマの話を引き合いに出されて説明されるわけです。
ただ、そこは作品の構成が手助けになった気がします。
君主篇は、うちのトップ(部長クラス)の人たちを想像しつつ読み、ああか -
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ネタバレネロが凄腕のシリア総督コルブロに自死を命じて、元老院に国家の敵とされて自死してから、目まぐるしく、皇帝がガルバ→オトー→ヴィテリウス→ヴェスパシアヌスって変わる。
ヴェスパシアヌスは世襲制で皇帝の座を承継できるように整えて、死後、長男のティトゥスが皇帝になるんだけど、立て続けに起こった2度の天災の対応に忙殺されて、ティトゥスが亡くなっちゃう。民衆からも人気あってバランス取れた良い統治をする人だったらしい。
で、次男で弟のドミティアヌスが跡を継いで帝位に就くんだけど、この人は公共施設の改修工事やら新設やら、色々評価されることをした一方で、奥さんと姪との闇深そうな関係の拗れとか終身財務官に就任して -
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アウグストゥスのあと
ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロまで。
いわゆるユリウス・クラウディウス朝時代の皇帝について。
アウグストゥスは血のつながったゲルマニクスに継がせたかったんだろうけど若くして亡くなってしまって、本来中継ぎみたいなポジだったティベリウスがそのまま治世を継続することに。The武人て感じの不器用な人。不器用だけど、帝政ローマの治世を間違いなく盤石にした。
カリグラは小さい時から父ゲルマニクスについて前線基地にいて、兵士たちからすごく可愛がられてた。頑固一徹、緊縮財政を敷いたのティベリウスから、若くてたくさん楽しい施策をうってくれるカリグラに皇帝が変わって、最初こそ市 -
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著者が長年書きたいと念じていたフリードリッヒ二世の生涯を描いた作品。
上巻は、誕生から始まり、神聖ローマ帝国皇帝即位、第6次十字軍におけるイスラム側との交渉によるイェルサレム回復、ナポリ大学の設立やメルフィ憲章に見られる皇帝を中心とする法治国家づくり、法王との対立、「法王派」に組するロンバルディア同盟との戦いなどが描かれる。
彼は、父ハインリッヒ六世(神聖ローマ帝国皇帝)、母コスタンツア(ノルマン朝シチリア王ルッジェロ二世の娘)の子として1194年に生まれ、三歳で父を亡くし、シチリア王に即位、その直後四歳で母も亡くしている。こうした厳しい状況にありながら、その出自もあり、神聖ロー -
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ネタバレ結構面白かったです。
ひとことでいうと、イタリア版まんが日本昔話(アダルト)、みたいな。
「デカメロン」「カンタベリー物語」的なのですが、塩野氏の揉みこみがありますので、より読みやすい感じです。
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ということで内容ですが、一部連作ですが、短編集といったところ。
浮気の話が多いのですが、最後の女法王ジョバンナなどは活劇的面白味のあるお話でした。あとはジュリア・デリ・アルビツィの話。これも現代では考えられませんが、ちょっと面白かったです。
大公妃ビアンカ・カペッロの回想録・・・駆け落ち同然でフィレンツェに来たら、玉の輿で再婚!
ジュリア・デリ・アルビツィの話・・・妾腹の子として生を