塩野七生のレビュー一覧

  • 十字軍物語 第三巻―獅子心王リチャード―(新潮文庫)

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    第三回十字軍からブリエンヌの十字軍(本書では5回扱い)まで、リチャード1世、ヴェネツィア共和国、そしてアイユーブ(本書ではアユーブ)朝のスルタンたちを軸とした物語となっている。
    日本で刊行されている他の本では見ない記述も多く興味深い。アル・カーミル vs ブリエンヌ十字軍にここまで紙幅を割く日本語の本は初めて見た。欧州側の本だけでなくイスラム側の本も参照したと本文に述懐があるのでその影響だろう。ジョン王のあだ名の由来など勢い余ってしまった感もあるけど、楽しい歴史エンタメな一冊。

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    2025年05月20日
  • 十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)

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    ふとしたきっかけで知ったエルサレム国王ボードゥアン四世に
    心惹かれるところがあり、彼に関する記述周辺を中心に読みました。

    彼の王としての責務や難病から逃げない姿勢は
    本当に勇気を与えてくれます。
    環境ではない自身の心の在り方で生き方は変わるのだと。

    ただ周囲の人間に良くも悪くも頼らなくてはならない状況が
    彼の運命を大きく変えた部分も多々あると思います。
    母や姉に、彼を支える気概やものごとの本質を見抜く教養があれば
    また違っていたのでは。
    特に姉が見目麗しい(だけの)夫を選んだことは、
    弟の心を非常に傷つけたのではないでしょうか。想像すると本当に胸が痛みます。
    一方で優秀な側近や高い忠誠心を

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    2025年05月17日
  • サロメの乳母の話

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    タイトル買いした本。
    西洋の有名な話に出てくる人物の、本人ではなく関係者からの視点の物語。
    サロメの乳母、ダンテの妻、キリストの弟目線など変わった書き方で面白かった。
    ただ、これある程度知識がないと楽しめないかもしれない。
    私も半分くらい知らない人物の話だったので少しハテナを感じながら読んだ。
    こういう時に楽しめるように、知識や教養って大事なんだなぁと改めて感じたな。
    最後の解説で史実に基づいてるのかとか、どういう背景なのかとかあったら良かったけど解説自体がなくてちょっと残念。
    それぞれの人が語っていく形式は面白かった。

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    2025年05月02日
  • マキアヴェッリ語録

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    ネタバレ

    古代ローマの歴史小説、イタリア関連の著作で有名な塩野七生氏。彼女の1988年発行の作品。

    政治哲学の文脈で度々名前があがるマキアヴェッリの各種著作からのパッセージを抜粋し、君主篇、国家篇、人間篇の三章でまとめた語録。

    ・・・
    塩野氏の歴史小説は幾つか読んでいましたが、本作のような過去の著者からの抜粋(語録)は意外と簡単ではないと感じました。

    やはり、時代や背景も異なる国での話。1600年頃のフィレンツェの話を、古代ローマの話を引き合いに出されて説明されるわけです。

    ただ、そこは作品の構成が手助けになった気がします。

    君主篇は、うちのトップ(部長クラス)の人たちを想像しつつ読み、ああか

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    2025年02月02日
  • 危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII

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    ネロが凄腕のシリア総督コルブロに自死を命じて、元老院に国家の敵とされて自死してから、目まぐるしく、皇帝がガルバ→オトー→ヴィテリウス→ヴェスパシアヌスって変わる。
    ヴェスパシアヌスは世襲制で皇帝の座を承継できるように整えて、死後、長男のティトゥスが皇帝になるんだけど、立て続けに起こった2度の天災の対応に忙殺されて、ティトゥスが亡くなっちゃう。民衆からも人気あってバランス取れた良い統治をする人だったらしい。
    で、次男で弟のドミティアヌスが跡を継いで帝位に就くんだけど、この人は公共施設の改修工事やら新設やら、色々評価されることをした一方で、奥さんと姪との闇深そうな関係の拗れとか終身財務官に就任して

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    2024年12月16日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    アウグストゥスのあと
    ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロまで。
    いわゆるユリウス・クラウディウス朝時代の皇帝について。
    アウグストゥスは血のつながったゲルマニクスに継がせたかったんだろうけど若くして亡くなってしまって、本来中継ぎみたいなポジだったティベリウスがそのまま治世を継続することに。The武人て感じの不器用な人。不器用だけど、帝政ローマの治世を間違いなく盤石にした。
    カリグラは小さい時から父ゲルマニクスについて前線基地にいて、兵士たちからすごく可愛がられてた。頑固一徹、緊縮財政を敷いたのティベリウスから、若くてたくさん楽しい施策をうってくれるカリグラに皇帝が変わって、最初こそ市

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    2024年09月08日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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     著者が長年書きたいと念じていたフリードリッヒ二世の生涯を描いた作品。

     
     上巻は、誕生から始まり、神聖ローマ帝国皇帝即位、第6次十字軍におけるイスラム側との交渉によるイェルサレム回復、ナポリ大学の設立やメルフィ憲章に見られる皇帝を中心とする法治国家づくり、法王との対立、「法王派」に組するロンバルディア同盟との戦いなどが描かれる。

     彼は、父ハインリッヒ六世(神聖ローマ帝国皇帝)、母コスタンツア(ノルマン朝シチリア王ルッジェロ二世の娘)の子として1194年に生まれ、三歳で父を亡くし、シチリア王に即位、その直後四歳で母も亡くしている。こうした厳しい状況にありながら、その出自もあり、神聖ロー

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    2024年08月12日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    対外戦争が終わると内戦。それは格差が生み出すもので、格差は統治の仕方で生じる。勝者はよほど自制的に気を配らねばならぬものらしい。

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    2024年08月03日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    アウグストゥス(オクタヴィアヌス)初代皇帝、
    帝政への移行をめっちゃくちゃ慎重にした様子が分かる。
    血の継承にこだわったのはなんでなんだろう。。。

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    2024年08月03日
  • 愛の年代記

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    結構面白かったです。
    ひとことでいうと、イタリア版まんが日本昔話(アダルト)、みたいな。

    「デカメロン」「カンタベリー物語」的なのですが、塩野氏の揉みこみがありますので、より読みやすい感じです。

    ・・・
    ということで内容ですが、一部連作ですが、短編集といったところ。

    浮気の話が多いのですが、最後の女法王ジョバンナなどは活劇的面白味のあるお話でした。あとはジュリア・デリ・アルビツィの話。これも現代では考えられませんが、ちょっと面白かったです。

    大公妃ビアンカ・カペッロの回想録・・・駆け落ち同然でフィレンツェに来たら、玉の輿で再婚!

    ジュリア・デリ・アルビツィの話・・・妾腹の子として生を

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    2024年06月13日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    大体紀元前140〜60年くらい。
    すっごい雑にまとめると(間違ってるかもしれない)
    第三次ポエニ戦役終わって(=カルタゴ滅亡)、
    グラックス兄弟の改革がうまくいかなくて無念な感じで亡くなって、地方出身平民のマリウスが活躍して、冷徹カリスマのスッラが登場、色々改革したけど死後、スッラ派だった人たちによって改革の骨子があえなくズタズタにされる中、ポンペイウスが大活躍。まじ雑

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    2024年05月11日
  • 男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章

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     1983年~88が初出、40年近く前か。古びた感じがしないな。成熟した人間像とはある程度普遍的なものかもしれない。だが、これを今の10代20代の子はどのように読むのだろうか。共感できるのだろうか?特に退職代行サービスにこの時点(4月末)で申し込んだ新卒の社会人の子にどう映るのか聞いてみたい。

    第38章
    「男は生きがい」「男は命」…となった場合どう思うか?に対する以下返答。

    「御免こうむりたい。煩わしいことこの上ないのでやめて欲しい」となる。
     内助の功を謳うなら、生きがいやら命といった余計なもん乗せるのやめて欲しい。自分がやりたいことをやりたいようにやってくれればそれでいい。もちろん経済

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    2024年04月26日
  • ギリシア人の物語1―民主政のはじまり―(新潮文庫)

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    うーん、「ローマ人の ...」のときは圧倒的な資料で客観的な記述(たまに主観的な部分が出てくるけど)に努めていたと思うんだが、こちらのほうは主観的なお気持ちが前面に出ていて歴史書というより歴史に関するエッセイ色が強まったような...
    まぁその辺を考慮したうえでギリシアに関する読みやすい通史として読むのがよいのかも。

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    2024年03月28日
  • 完全版 ローマ人への質問

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    本当に久々の塩野さんでした。かつて若い時、ローマ人の物語を読んで感激していたのを思い出しました。また久しぶりに再読したいと思いました。「塩野さんの日本語ってなんか読みずらい」と言う友人がいましたが、今回、それを少し感じたのはどうしてなのか。

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    2024年03月27日
  • 完全版 ローマ人への質問

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    架空?のローマ人に作者が質問をしていく問答の本。
    塩野七生の「ローマ人の物語」を描く上での縛りを意識させながら、各テーマへ探求していく。
    作者はギリシャもルネサンスもヴェネチアも十字軍も取り上げてきたが、一番好きなのはやはりローマだと感じた。キリスト教に支配されるまでの、明るく、陽気なローマの空気に作者も魅了されていたんだなぁと思う。

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    2024年02月22日
  • サロメの乳母の話

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     物語や歴史上の有名な人物について、その周りにいた人間が、実はこうだった、自分にはこう見えたと語る形式の短い諸編を集めたもの。

     対象人物と語り手は、オデュセウスの妻ペネロペ、サロメの乳母、ダンテの妻ジェンマ・ドナーティ、聖フランチェスコの母、ユダの母について、ユダを教えた祭司、カリグラ帝の馬、アレクサンダー大王の奴隷、カエサルを暗殺したブルータスの師、キリストの弟、ネロ皇帝の双子の兄。
     いずれもあるところまでは史実や物語の筋に則っているので歴史の勉強にもなるし、他人から見るとそう見えるのもさもありなんと思われるところもあり、軽い読み物として面白く読める。

     ラストの「饗宴・地獄篇」は

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    2024年01月07日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    登場人物と地名が多すぎて、整理するのが大変で、半ば適当に読み進めてみた。
    歴史的背景の予備知識がほとんどなく読んでみたが、何となく流れがわかったような気がする。
    私には難しかった。

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    2023年08月12日
  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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    1000年も前の人達の考え方を、現代の私が「なるほど」と理解できること。時代だけでなく遠い異国の地で、自分と全く違う社会を生きた人々だけれど、同じ人間であるという繋がりを感じた。そして、人間の思考というものはどの時代であってもそんなに変わらないんだな、とも。
    彼らの動き、策略、性格に至るまでをここまで途切れる事なくみっちり調べ上げた著者は間違いなく素晴らしい。まるで小説を読んでいるかのように情景が頭に浮かんできた。

    ノートの赤字を無理矢理頭に叩き込むより、その時人がこうやって生きていたんだと噛み締めた方がスッと入ってくるし面白い。暗記に苦戦し謎の語呂合わせを唱えていた過去の自分に読ませたい。

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    2023年08月07日
  • レパントの海戦

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    購入済み

    面白かった

    面白かったけど、海戦(白兵戦)を一回戦っただけなので
    いまいち盛り上りに欠けるとも思う。
    地中海に馴染みのない身としては
    ものめずらしさを感じて、
    それなりに楽しめた。

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    2023年07月23日
  • 完全版 ローマ人への質問

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    塩野さんのローマ人への20の質問を改訂したものです。内容については変わっておらず、対話形式になっております。改訂版を出されることになった事情は、冒頭に「読者に」としてまとめられています。

    個人的には改訂版を出されるのであれば、ローマ人への20の質問ではローマ人の物語の第VIII巻までの内容だったところ、IX巻以降の話も書いてもらいたかったなと思います。この書籍は「ローマ人の物語」を読めば、「ローマ人への20の質問」は読まなくてもほとんど問題ないという位置付けのものではあるのですが、やはりIX巻以降の五賢帝時代以降の話や、ローマ帝国分割の時代の話、キリスト教に関する話も読んでみたかったなと思い

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    2023年06月24日