塩野七生のレビュー一覧
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紀元前1世紀、カエサルの生い立ちからルビコン川を越えるまで。少年時代の暮らしぶりを通して、当時のローマ市民の生活も詳細に描かれています。30代後半から台頭し、クラッスス、ポンペイウスと組んで三頭政治を開始、ガリア(ギリシア語でケルト、現在のフランス)総督に着任します。ヴェルチンジェトリックス(ヴェルキンゲトリクス)率いるガリア人部族連合とのアリシア攻防戦に勝利しガリア平定を決定的なものにします。この戦役は単なる征服としての意味を越えて、ライン以西、ドナウ以南を文明化(≒ローマ化)することによるヨーロッパの創出につながった、と著者は記します。そして三頭政治が崩壊したことによりポンペイウスとの対立
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筆者はルネサンスを「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発が、後世の人々によってルネサンスと名づけられることになる、精神運動の本質でした」と定義。
そしてなぜダビンチやミケランジェロといった天才がうまれアートが芸術がうまれたのか?について、何かを見聞きするだけではほんとに理解できない、それを語りあたり字にしたり絵にしたり建築にしたりといった「創造するという行為が、理解の「本道」につながると。知りたい、ほんとに理解したい、だから造る。
ほんとうの理解とは創造やアウトプットを通じて生まれるということを以下のようにも指摘。
「言語には、他者への伝達の手段としてだけではなく、言語を使って表現 -
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天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。
ローマの元老院は、絶望的な現状の打開に、はじめから大風呂敷を広げるという誤りは犯さなかった。全戦線は視界に収めながらも、必要に迫られている戦線から、当時のローマの力でできる範囲で、反撃を開始したのである。
シラクサには、アルキメデスがいたのである。一人の人間の頭脳の力が四個軍団にも匹敵する場合があることを、ローマ人は体験することになる。
ローマは旧敵国の指導層の子弟、つまり旧敵国の指導層予備軍を選んでローマで学ばせ、ローマのシンパに育てるやり方を好んだ。