塩野七生のレビュー一覧

  • ロードス島攻防記

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    三部作の中で一番好きな本。

    男性女性問わず、彼女の描く男たちの背中を思い浮かべては「男」というものの理想像を自分の中で作り上げている人は多いのではないでしょうか。

    今回のこの作品で描かれている男たちは、
    高貴であり、高潔かつ矜持をもったGentlemanが描かれていると思います。

    特に、敗戦後の彼らの態度や姿勢は、敗戦を経験した国である日本の男たちもおおいに見習うべき「男らしさ」を感じました。

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    2017年08月20日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV

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    紀元前1世紀、カエサルの生い立ちからルビコン川を越えるまで。少年時代の暮らしぶりを通して、当時のローマ市民の生活も詳細に描かれています。30代後半から台頭し、クラッスス、ポンペイウスと組んで三頭政治を開始、ガリア(ギリシア語でケルト、現在のフランス)総督に着任します。ヴェルチンジェトリックス(ヴェルキンゲトリクス)率いるガリア人部族連合とのアリシア攻防戦に勝利しガリア平定を決定的なものにします。この戦役は単なる征服としての意味を越えて、ライン以西、ドナウ以南を文明化(≒ローマ化)することによるヨーロッパの創出につながった、と著者は記します。そして三頭政治が崩壊したことによりポンペイウスとの対立

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    2017年05月21日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    筆者はルネサンスを「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発が、後世の人々によってルネサンスと名づけられることになる、精神運動の本質でした」と定義。

    そしてなぜダビンチやミケランジェロといった天才がうまれアートが芸術がうまれたのか?について、何かを見聞きするだけではほんとに理解できない、それを語りあたり字にしたり絵にしたり建築にしたりといった「創造するという行為が、理解の「本道」につながると。知りたい、ほんとに理解したい、だから造る。

    ほんとうの理解とは創造やアウトプットを通じて生まれるということを以下のようにも指摘。
    「言語には、他者への伝達の手段としてだけではなく、言語を使って表現

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    2017年05月19日
  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

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    既製を無くし新しいシステムを作ろうとするとき。その方法を歴史から学ぶことが出来る。紀元前1世紀のローマ。カエサルは元老院体制の無力化を憂い、それを変えることを試みる。一人の力では難儀があるため、他の有力者ポンペイウス・クラッススを巻き込み三頭政治を構築する。カエサルがその実現に際し心を砕いたものが、私益(カエサルの利益)だけでなく、他益(ポンペイウス・クラッススの利益)、公益(もはや弱体化・無力化した元老院体制問題の解決が進まない)。私益ばかり強調してオジャンに終わることが散見される現代にも、大きな示唆を与えてくれる。

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    2017年03月10日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

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    ユリウス・カエサルが暗殺されてしまった。領土拡張、市民権を与え征服民の人気も獲得、政治改革断行、結果を残したのにも関わらず・・・カエサルを殺害した張本人は内々のローマ市民。既得権益が損なわれる反発からの犯行。カエサルが持っていた先を見据えたアイデアは素晴らしく、一生の中でここまで変化を具現化した/具現化しようとした人物はそうはいないだろう。が覆さるのはお膝元からということが皮肉に感じる。仕事でも家庭でもいいが、足元をしっかりしないと痛い目に合うことを示唆してくれる歴史本。

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    2017年01月29日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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    アウグストゥスの政治を書く。偉大なるリーダー(カエサル)の後継となった人がいかに上手に統治したか。その答えは卓越したバランス感覚だといえる。例えば、独裁の終わり・共和制の復活を唱え、貴族階級の喝采を得る一方で、将来のために残しておきたい権限は残しておく。外部の統治に対してはカエサルが目指したものを踏襲し、有力部族を抑えて彼らの自治に任せるなど。締める&緩めるの絶妙なコンビネーションを使い、周囲の反感を買わないようにしながらも徐々に自分の目指すべき方向に導いていく手法はイヤらしい。(よい意味で)

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    2017年01月15日
  • 絵で見る十字軍物語

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    ギュスターヴ・ドレの挿絵による十字軍の全史。世界の二大宗教の激突が約200ページにわたり描写され、最後は1571年のレパントの海戦で幕を閉じる。本書の位置付けは序曲とのこと、詳細は、第一幕へ。

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    2017年01月09日
  • マキアヴェッリ語録

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    中で出てくる、弱体国家がまさに今の日本を指していて焦る。曰く、優柔不断国家であるところ等。ずっと読める作品。

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    2016年12月31日
  • 日本人へ 危機からの脱出篇

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    日本で活動している方で、このぐらいはっきりと物を言う方もいないのではないかと思う。福島の瓦礫の受け入れについても、日本人の姿勢について、おかしい!と断言していて、私もそう感じていたことなので、溜飲が下がった。

    ローマやギリシャなどの歴史を深く知っているからこその説得力のある話が続き、とても勉強になった。やはり自信をつけるには勝つしかないと若者へのアドバイスも深く胸に響いた。歴史をしっかりと学び、現代社会で働き、生きていくことに活かして、しっかりと発言、行動していける社会人でありたい。

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    2016年09月12日
  • 日本人へ リーダー篇

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    塩野七生の本って初めて読んだんだけど、ちょっと期待はずれ。まあ、確かになるほどと思うこともあるんだけど、読みながら浮かんできたのは(最近の)曽野綾子や櫻井よしこね。なかなか過激でやや食傷。せっかくイタリア生活長いんだから、ヨーロッパのエスプリ薫る教訓をいただきたかった。これでは右寄りの人を喜ばせるだけではなかろうか。

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    2016年08月31日
  • サロメの乳母の話

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    歴史の人物をちょっと違った目線から読めて面白い短編集
    特にユダの母親とキリストの弟が面白かったなあ
    ユダの話は太宰の駆け込み訴えをちょっと連想させる

    永井路子も書いてたけど、悪妻悪妻のレベルが日本は小さくまとまっちゃってる!
    クレオパトラとかアグリッピナとかカテリーナスフォルツァレベルの女性陣は、日本の歴史上いないかも

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    2016年07月24日
  • 日本人へ リーダー篇

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    週刊誌連載のエッセイをまとめたもの、同じような話が何度も出てくるのは仕方ないかな。
    古代ローマの歴史には詳しくないが、もっと知りたいという気持ちになった。そっち方面の著書を読んでみたい。

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    2016年05月04日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    カエサルの物語に比べて退屈だった。
    アウグストゥスとアグリッパを選んだカエサルの目利きは驚くようだけど、カエサルに認められたという事実が彼等を育てたようにも思う。
    ローマ人の物語も6巻まで読み終えて、このシリーズの存在意義が何となく見えてきた気もする。

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    2016年04月09日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    外に敵がいる時は一致団結出来ても、外敵がいなくなれば内乱が起こるというのは人間の悲しい性だと思う。
    そういう本性丸出しのローマがなぜスペインから中東、北アフリカに至るまで覇権を握れたのかというのは不思議だが思うに古代以来の絶え間ない戦争の経験が物をいったような印象を受ける。
    そう考えると戦争経験豊富な現代のアメリカはやはり覇者であり、覇者であり続けるためにどの国よりも戦争をするだろう。その論理に中国も気付いてないわけがなく、歴史を知れば知るほど地球上から戦争がなくなることはない感じがしてくる。

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    2016年04月09日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    前2世紀後半からはじまる抗争は、社会正義の公正を求めて、富めるものと貧しきものの間に生ずるのである。
    ゲリラは負けなければ勝ちなのである。

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    2016年02月19日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。
    ローマの元老院は、絶望的な現状の打開に、はじめから大風呂敷を広げるという誤りは犯さなかった。全戦線は視界に収めながらも、必要に迫られている戦線から、当時のローマの力でできる範囲で、反撃を開始したのである。
    シラクサには、アルキメデスがいたのである。一人の人間の頭脳の力が四個軍団にも匹敵する場合があることを、ローマ人は体験することになる。
    ローマは旧敵国の指導層の子弟、つまり旧敵国の指導層予備軍を選んでローマで学ばせ、ローマのシンパに育てるやり方を好んだ。

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    2016年02月19日
  • 日本人へ リーダー篇

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     日本人、そのリーダーに何を伝えたいのかちょっと頭をひねらざるを得ない。確か著者、本文中で筆記を辞めたいとのたまっていた様な

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    2016年01月28日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    個人の力量に過度に依存することなく、あくまでも政治のシステムに従い総力戦で難局を乗り越えたローマには勇気を与えられる気がする。

    現代の日本でも個人の力で動いている組織は少なくないと思う。そういう組織はハンニバルを擁したカルタゴのようにいつかどこかで綻びが生じるだろう。特定の個人に依存するのではなく総力戦で挑むという心構えを古代ローマから学びたいと思う。

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    2015年11月26日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    いよいよこの超大作に手を出すことにした。歴史の教科書程は固くないにしても説明文のみなので果たして最後まで読みきれるか。
    でも紀元前のローマやギリシアの話で、人名も地名も横文字で分かりづらいのに読んでると夢中になる瞬間もあったわけで、これはこの著者のすごい所だと思う。

    今回は紀元前700年~紀元前200年くらいが中心となっているが日本で言えば縄文~弥生の頃だが、よくもこれほど情報が残っているものだと思う。

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    2015年11月26日
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

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    これは歴史の教科書だ。歴史上の人物にフォーカスされず、歴史そのものが書かれている。読み進めるのが辛い。。今さらながら、ユダヤ、キリスト、イスラムという順番で宗教ができたのを知った。イスラム新興宗教で勢いがあったらしい。勢力を広めるうちにキリスト教の国々への海賊行為や拉致して奴隷にしたりしているうちに、お互い一神教なので衝突していってしまったようだ。

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    2015年11月09日