塩野七生のレビュー一覧
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☆3(付箋10枚/P253→割合3.95%)
歴史のチカラ。ヨーロッパの多様性を長い歴史を通じて見て来た著者の言はとても含蓄がある。だけど、それも結果から見れば運命のように思われるけれど、始めたときは必然では無かったそう。そういうものなんですね。
・今では多くの人が、イタリア・ルネッサンスや古代ローマの歴史を書くことは塩野七生の天命とでも思っているかもしれない。ところがその「天命」なるものは、娘時代の自信の無さをどうにかしなくてはという想いで始めた数多の悪あがきの結果にすぎないのである。
(試験されると落ちるので、一人ならば落としようもない)
・書類選考は通ったらしく、面接には進んだ。小 -
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端正な、どこまでも端正な。
何度も読み返した。
地中海世界の歴史小説の雄
塩野七生氏はエッセイも一味違う。
ゆるぎない構成と抑えた感情が
端正さを際立たせる。
どの作品も一遍の短編映画を観るようだ。
冒頭は「カイロから来た男」
筆者がいつも訪れる
ローマ国立美術館で出会った
男との邂逅、そして、別れが描かれる。
最後のエピソードを
新作のインタビューで終えるところが
心憎い。
今は有名だそうな「骸骨寺」を紹介したのも
塩野氏の「骸骨寺」と題されたエッセイからだそうだ。
ローマの街のネズミの話を描いたかと思えば
人物点描も好ましい。
そして、「地中海」や「カプリ島」など風景描写はこ -
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ネタバレルネサンス期のイタリアに生きた4人の貴婦人を描く。
小説といえば小説なんだろうけど、史実をなぞり塩野解釈でそれぞれの女性を魅力的に、そして現代人にも身近に理解できるよう描いた解説書とも言える。
そう、よくも悪くも解説書に読めてしまうんだよなぁ。
ローマ人の物語が「やっぱり史実って小説よりも奥深くて面白くて勉強になる」と思えたのに比べて、本書は小説的な面白みに欠けるように思った。俺自身の基礎素養の貧弱さと「ローマ人の物語」に比べて圧倒的にボリュームが足りないのが原因だとは思うが、初期作品でもあるし、筆がこなれていないこともあるのかも知れない。これから塩野作品を読み勧めていくことで、俺の基礎素養 -
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塩野七生が自由気ままに書いたエッセイ。
海外からみた日本はこんな感じなのだろうな、と、日本に染まっている私などからしたら、斬新な感じがした。納得する部分も多い。
「地震国・日本ができること」は納得。「昔・海賊、今・難民」は、知らなかったヨーロッパの現状を垣間見た感じ。
強引というか無茶無茶というか、、、なんというか勝手に言いたい放題感も多少するが、そういう勝手でもなんでも自分の思うところをしっかりと持って、はっきり、きっぱりとした文体は、ちょっとカッコいい感じだ。
ただ、このエッセイが書かれたのは2006年10月~2010年4月らしいので、やはりちょっと一昔前の話題の感じがしてしまう。
リアル -
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”日本人”が外から見た”日本”ほど示唆に富んだものはない。
以下引用~
・勝ち続けながらも、一方では譲りつづけたのである。
ローマが主導して成り立った国際秩序でもある。
「パクス・ロマーナ」とは、この哲学の成果であった。
・要するに、「実力」には、客観性などないのである。「ヤレル!」と思った瞬間に、「実力」の方も上がってくる。
・楽天とユニコロという日本では誰でも知っている会社が、日本の中でも社内では英語オンリーと決めたと知ったときには、御冗談でしょうと一笑に付したものだった。
・・・想像力を自由に羽ばたかせたいと思えば、母国語にまさるものはない。
・指導者に求められる資質は次の5つで