塩野七生のレビュー一覧

  • 絵で見る十字軍物語

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    19世紀前半のフランソワ・ミショーの「十字軍の歴史」。そのドレの挿絵に塩野七生さんの文章がついた四部作の序章。

    十字軍というと世界史の教科書のたった数行の知識しかないのですが、ドレの絵、簡単な地図、簡潔な文章で大まかな流れは俯瞰できたと思う。

    罪深い悪人も聖地巡礼さえすれば救われる例の一つとなった極悪非道のアンジュー伯フルク。
    人間社会で起こりがちな不祥事を迫害だと過剰な反応をしてしまった隠者ピエールを利用して、「神がそれを望んでおられる」を旗印に始まった聖地征服への戦い。そこから500年近くの戦いへと突入していくこと。
    リチャード師子心王、
    ジハードを叫んで初めてイスラム教徒の統合に成功

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    2012年03月17日
  • イタリア遺聞

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     もう十五年以上も昔、夏休みにリュック一つでギリシャ一人旅をした。三週間かけてギリシャ国内だけをめぐる、学生ならではのおおらかな旅だったので、スパルタへも足を運ぶ機会を得たのだが。自分はスパルタ人だと名乗る将校が出てくる一篇で、その時のことを思い出した。スパルタへ向かう道のことや、辿り着いた時のこと。
     その一篇だけでなく、氏が自分が高所恐怖症を自覚した時の描写や、法王とすれ違った時のエピソード。もう、何もかもが上手い。まるで情景が目に浮かぶよう。本当に氏が楽しんで書いていたのが伝わってくる。
     ローマ人の物語は途中までしか読んでいないので、また是非最初から、今度は最後まで読み切りたいと思う。

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    2012年03月10日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    日本人へ-リーダー編に引き続き、ローマを中心とした歴史の観点から日本の政治について書かれている。

    筆者は日本人の政治力や外交能力には期待していない。
    誰がやっても一緒だし、どーせ能力なんてないんだから、とりあえずは継続性だけ持たせましょうよって考えが多く見られる。

    革命が必要だった遥か昔と違い、何とかしなくても何とかなってしまうこの世の中だからこそ、新しいタイプの政治家も生まれにくいのだろう。

    口先だけ、目先のことだけでコロコロ変わってしまう政治より、能力劣っていることを認め、長期的な視野で本当の痛みを伴う改革やりましょうよ。

    あとフェミニストに対して、「本当に男女均等が実現されたらあ

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    2012年02月25日
  • 男の肖像

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    塩野さんの本なので。なんかの連載をまとめたものなのかな。
    選んだ人物は割とよいし、それぞれに興味深いのだけど、いかんせん短い。もうちょっと掘り下げほしいと思うところも多々あり。
    彼女は西洋のものしか書かないと思っていたので、日本の武将や毛沢東について書いているのが新鮮でした。同意はしかねるが。

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    2012年02月14日
  • 海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(下)―塩野七生ルネサンス著作集5―

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    ネタバレ

    ヴェネツィア共和国の経済体制、経済体制を維持するための合理主義に基づいた政治システムの運用と文化の変遷について。ヴェネツィアは、経済合理性を追求した各種制度の確立・運用によって東地中海の覇権を獲得し、中東との貿易を行うことで中世の西欧では最大の経済国となり、文化の中心地ともなった。東地中海世界にトルコが台頭した時期に、他のキリスト教国から非難される中でトルコに年貢を支払ってまで地中海交易路を維持したのも経済合理性のためである。近世にアメリカ大陸が発見されたたために、西欧世界にとって地中海貿易の重要性が低下するについて伴いヴェネツィア共和国は経済力を失い、ナポレオンの圧力のもと崩壊した。

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    2012年02月12日
  • 生き方の演習 : 若者たちへ

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    プロとアマチュアの違いがわかっていない日本人 わが子を世界のどこでも生きていける人間にする 好奇心が新しい文明を生みだす 刺激をいっぱい受ければ独創性が生まれる 相手の目を見てきちんと話せ

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    2012年01月21日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    表紙を見てとっつきにくいかもと思ったけど、読んでみたら面白かった。紀元前の歴史をここまでわかりやすく書ける著者の力量がすごい。
    時折歴史上に登場する賢人やローマの政治の話が楽しくて、歴史を知るのは面白いなーとあらためて思った。
    あと当然のことながら名称がカタカナばかりなので、がんばって覚えながら読まないとたまにわからなくなる…

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    2011年10月20日
  • 愛の年代記

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    中世を舞台にした短編集

    一番面白いと思ったのは最後の話のジョバンナでしょうか。
    ローマ法王は歴代男性のみですが、女性の法王がいたという伝説?史実?があるそうです。カトリックでは当然女性法王の存在は消されているようですが。
    とても博識な女の子が修道女になり、女を捨てて修道士になり…果てはローマ法王に上り詰めます。ですがこの短編集が愛の〜と題されているので、これだけじゃつまらないですよね。やっぱり途中で恋心に目覚めちゃいます。
    結末ですが、法王は女であることを隠し、ある日突然出産します…この結末は○ンペストがよく似ていて、この章にヒントを得ているのではないかなと思いました。。

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    2011年10月09日
  • 絵で見る十字軍物語

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    ミショーが書いた「十字軍の歴史」の挿絵であるドレの絵に塩野七生が文章を挿入した本。ミショーの文章が塩野七生に変わった。十字軍の歴史の全体の流れが一冊で視野に収めることがえきる。キリスト教 対 イスラム教。2代宗教の争い。聖地イエルサレムの興亡。昔も今も宗教に伴う争いは絶えないのだ。

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    2011年10月09日
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

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    ローマ帝国滅亡後が気になって読んでみた。

    中世はなんとも暗い時代だね。

    ノルマン人は250人ぐらいでシチリアを25年かけて征服したらしい。
    ノルマン人、すごすぎる。

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    2011年09月21日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    ネタバレ

    文藝春秋に2006年から昨年までの5年間連載された塩野氏のコラムを再掲したもの。

    歴史作家としてのプロフェッショナルな姿勢と深い知識、歯に衣着せぬ男性的な物言いと、長年にわたるイタリア生活で培われたグローバルな視点。

    プライドと自信に満ちたその語り口がちょっと鼻につく感じがないではないが、おっしゃっていることはおしなべて納得である。

    殊に、国際社会における日本の位置付けや日本の政治家、官僚の体たらくについての分析は、なかなかに鋭い。

    民主党はこのような人材をアドバイザーに招いてみたらいかがだろう。山積する問題に風穴を開けるのは、意外に離れた視点で客観的にものを考えられる人の思い付きのよ

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    2011年09月16日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    文庫本を読破。

    もっと矢継ぎ早に販売してしてほしっかたなー。
    歴史=かみに書き残す文化がないけど「蛮族」
    からみたローマ帝国をしりたかったな。

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    2011年09月11日
  • イタリアからの手紙

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    なんかどこかに連続掲載していたものらしい。
    ローマにかんするところやマフィアに関する
    ところがおもしろい。

    Jojoの奇妙な冒険の5部を思い出したり
    よくイタリアで南北格差や国家分裂話が
    でるのがわかる。。

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    2011年08月26日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

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    文庫本が3巻出てたのですかさず読破。。
    最初のページに国が衰退する際にはコインの

    1.金含有量が減る
    2.次に鋳造技術が劣化する

    らしい。。今の日本って1だよね。
    財政赤字の拡大でお金の価値は相対的に
    へってんだから。

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    2011年08月26日
  • 海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(下)―塩野七生ルネサンス著作集5―

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    ヴェネツィアに関する物語の下巻。

    この本を読み終わることにより、日本人がよく知っている
    現代の大陸型国家の有望なところの台頭の理由や
    中世・ルネサンスから近現代に至る過程が読み解けます。

    またイスラムとの関係も。。

    目から鱗が落ちましたね。
    視界がジーコレベルになりました。はい。

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    2011年08月26日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

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    文庫本が立て続けに出版されていたので購入。
    王政・共和制・ローマ帝国時代を通じて古代ローマ人が
    インフラをどのように考えていたかが考察されています。かなり乱暴な記憶ですが気になる内容は

    -システムは継続性が大事だから発案者だけが理解でき
    るものではいけない
    -政治家が決めることは思想とかではなく具体的な
    政策である

    です。かなり意訳ですが政治家こそ実利を追うべき
    であることは同意できます。
     

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    2011年08月26日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    あまり日本に関することは書いていなかったが、とてつもなく面白かった回があったので転記。


    題して、夢の内閣・ローマ編

    総務大臣 皇帝アウグストゥス
    外務大臣 皇帝ネロ
    防衛省大臣 ハドリアヌス
    行政改革担当大臣 ユリウス・カエサル
    財務省大臣 ヴェスパシアヌス帝
    法務省・国家公安委員会 トライアヌス


    その発想はなかった!!

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    2011年06月14日
  • 生き方の演習 : 若者たちへ

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    タイトルにひかれて。
    高校生の時に体育館で講演会があって、この本のような話を聴いた気がする。
    教養に関する洞察が心に残った。

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    2011年05月15日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    ついついローマ側に肩入れして読んでいると、ハンニバル戦争は辛い展開。
    それだけに、陽の気質を持つスキピオの存在が輝いて見える。

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    2011年05月08日
  • わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡―塩野七生ルネサンス著作集7―

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    マキャベリの思想よりも、その思想がいかに生まれたかを、マキャベリという一人の人間の人生を追いかけながらなぞっていく。そんな感じの一冊。

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    2011年04月28日