塩野七生のレビュー一覧

  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

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    五賢帝の2人目からトライヤヌス、ハドリヤヌス、アントニヌス・ピウスの3名を取り上げます。偉大な皇帝たちで、ゴシップも少なかったというだけに、記録が少ないという皮肉な時代だそうです。(老醜をさらし、晩節を汚したハドリヤヌスを除いて。やはり引き際の重要さを痛感します)にも関わらず詳細な調査で、3名の人生がこんなにも見事に蘇るのは流石です。面白いのはトライヤヌスのブリニウスへの返信書簡で急成長するキリスト教への対策について指示をしている件です。この時代からすでに極めて正しくキリスト教について認識されていたことが分かります。そして、ドナウ川にかけたトライヤヌス橋の建設、ダキヤ(ルーマニア)の征服、ハド

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    2013年08月25日
  • 危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII

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    1年1冊のシリーズも西暦69年のネロ自死というローマの危機に始まり、軍人皇帝たちそしてヴェスチニアヌスによるフラビウス王朝の開始になりました。あまり知らなかった時代ですが、ボンベイの滅亡、ユダヤの反乱(マサダの砦)などで親しみのある時代でもあります。塩野さんの詳細な研究にはいつも圧倒されます。

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    2013年08月24日
  • わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡―塩野七生ルネサンス著作集7―

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    君主論・戦略論などを書いた権謀術数の大家のイメージが強いマキャヴェッリの若い日から、フィレンツェのメディチ家に対する反乱(ロレンツォの弟ジュリアーノ・メディチの死)、そして一代を築いたロレンツォ・メディチの死後僅か2年後のメディチ家の衰退、サヴォナローラの台頭と失脚、チェーザレ・ボルジアなどの興亡、そしてメディチ家の復活などを見、そして自ら失脚し失意の晩年。彼の人生を通して変転に満ちたフィレンツェの歴史を描く。著者も書いているとおりもう一方のイタリアの大国ヴェネツィアと比較し、なんと一貫性のない歴史なのか。その背景の下でマキャヴェッリが生まれたということも頷けます。マキャヴェッリに対する愛情に

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    2013年08月24日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    4世紀に入り、ローマ帝国は専制君主の帝国へと変質していく。ローマは「共和制」の時代から「帝国」であったことを今更ながら気がついたように思います。小さい政府であったローマ帝国がディオレクティアヌスにより、軍政・税制改革、そして4皇帝による分割統治をどうして検討せざるを得なかったのか。彼の引退の引き際の素晴らしさに拍手するとともに、引退後の権力のなさ(妻と娘が皇帝により冷たくあしらわれ、惨めに殺されて行く・・・)に複雑な思いがします。そしてコンスタンティヌス大帝がどのようにして一人皇帝として権力を握るのか。そして大帝と呼ばれることになった理由として、キリスト教との関わりが言われるが、必ずしも彼はク

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    2013年08月21日
  • わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡―塩野七生ルネサンス著作集7―

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      塩野七生「我が友マキアヴェッリ」の文庫本3分冊を読み、ついでに勢いで、武田好「マキャベリ『君主論』」を読む。
      高校時代、世界史は大学入試のために勉強した社会科目のうちの一つだった。もちろん、マキアベリの名前は、その著作「君主論」とともに出てきて、国の統治には権謀術数を駆使し、冷酷に徹して、目的のためには手段を選ぶべきではない、などと学んだような気がする。マキアベリ自身もそれを実践した人物で、マキァベリズムとは、そんな恐ろしい政治思想だとも・・・・。
      塩野七生さんの「我が友マキアヴェッリ」によれば、マキアベリは、フィレンツェ共和国のノンキャリア外交官とでもいうべき地位に過ぎないわけだ

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    2013年08月20日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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    コンスタンティヌス大帝の後のローマの混乱、そしてキリスト教の支配が確立する時代について著者は極めてキリスト教に批判的な考え方をしています。そういう意味では私には「違うだろう」という気持ちはあるのであうが、大帝の次男コンスタンティウス、背教者ユリアヌス、そしてテオドシウス大帝がどのように支配を確立していったかを示しています。そしてテオドシウス大帝以上に権力を持ったアンブロシウス司教が大帝との間でカロッサの屈辱に匹敵する事件を起こしていたということは新鮮な気持ちで読みました。この時代に既にキリスト教がそのようにして堕落の様相を呈していたということに人間の罪の深さを痛感します。著者が何度か書いていま

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    2013年08月19日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    「ルネサンス著作集」の1巻目として書かれた、対談形式のルネサンス入門書。
    フィレンツェ、ローマ、ヴェネチアとルネサンスの中心地を移動しながら、ルネサンスの変遷を語っていきます。
    巻末のルネサンスの主役達の略歴もあり、分かりやすかったです。
    しかし、著者の作品はやはり物語の方が面白く、「ルネサンス著作集」を読み返したくなりました。

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    2013年08月08日
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

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    十字軍物語で、塩野七生さんのファン?になり、その後ローマ人物語で、ローマ帝国にのめり込む。
    ローマ帝国のその後に興味を持ち、この本も読み始めました。
    ローマ帝国の末期が継続されており、中世とはこんな時代だったのか、と認識させられた。

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    2013年05月24日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    ルネサンスを代表する人物をたくさん取り上げているが、著者自身が他の本で言っているようにアッシジの聖フランチェスコから書きはじめているところが特徴。巻末に一人ずつまとめたページもあり便利。一般にはあまりなじみのない話が多いが、読みやすく、ルネサンスに対する関心が深まる本。

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    2013年05月21日
  • 日本人へ リーダー篇

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    本が出版された頃に買ったのに、
    ようやく読んだ。


    「危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。」
    に、ドキッとした。

    プロとアマの話も、なるほどと納得。
    絶対音感ならぬ「絶対感覚」は、
    わたしにあるだろうか…。
    もし、ないとしても、
    アマがプロを超える方法(徹底した現情直視と、
    常識にとらわれない自由な発想)をもって
    プロとしていくしかないなと思った。

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    2013年05月06日
  • 生き方の演習 : 若者たちへ

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    高校生から大学生くらいを対象にした本。著者ならでは観点で世界のどこでも生きていける人間のあり方を示唆してくれます。

    「現実をみる」「外国語は道具として勉強するほうがよい」「論理的に話す」

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    2013年04月26日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    ちょっと前に、ラファエロ展を見て来て、ルネサンス期の絵画の神がかり的な精巧さに完璧さに「感心」あるいは「感嘆」してきました。
    しかし、どうも、もやもやっとした思いが残って「感動」は出来なかった感が。
    もやもやの正体は、結局「ルネサンスってなんなのよ?」
    その問に正面から答えてくれるのが本書のはず、と思い、4,5年ぶりに手に取った次第。

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    2014年11月23日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    勉強にはなるんだけど、人物名が頭に入ってこない。。
    そして、読みにくい。。
    読み物ではなく、歴史の教科書、という感じ。
    でも、一通りの歴史は頭にいれたいなぁ!

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    2013年03月14日
  • 絵で見る十字軍物語

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    地図が付いててありがたかった。
    サラディンの絵がすごくかっこいい!
    塩婆さんは倒置法使うのが好きなのね。

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    2013年03月13日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    ローマ人の物語も終盤
    ローマが、ローマで無くなりつつある。作品全般としては非常に良いと思うが、ここ2〜3巻は内容自体にワクワク感に欠ける。

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    2013年03月07日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

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    皇帝が次々と変わり、滅亡への道をたどる。よそ事とは、感じられない。
    阿部政権は、踏みとどまれるかと思いつつ読み終えた。
    やはり、ユリウス・カエサルのような英雄の話に比べると、面白味に欠けてしまう。

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    2013年02月14日
  • マキアヴェッリ語録

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    実践的君主論。

    リーダーのあり方は、大概の本は倫理・道徳を守った理想論が多い中、
    現実路線の君主論。

    勝てば官軍。
    少々乱暴であっても、禍根を残さない程度なら、勝ちにこだわった方がいい。

    いままで読んだことのなかった、リーダー論。

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    2013年02月12日
  • 日本人へ リーダー篇

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    「常に勝ち続ける秘訣とは、中ぐらいの勝者でいつづけること。」マキアヴェッリ

    日本が、国際的に勝者になるのは、難しい。
    日本だけでできることに注力すべき。
    ひとつは、経済力。

    ただし、それだけで正面突破するのは利口なやり方ではない。
    超大国とは、はた迷惑な国のこと。
    その狭間を生き抜くために、日本が参考にすべきなのは、
    経済大国ではあっても軍事大国には、なれなかった国。ヴェネチア。
    その長寿の秘訣は、情報収集とそれを駆使しての冷徹な外交。

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    2013年01月23日
  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    ローマ法王をテーマにした一冊。「ローマ人の物語」以来、新作の文庫本が出ると必ず手に取ってしまうことが続いている。それくらい、クセになる塩野氏の小説。

    この時代は、昨日のヒーローが一転して今日の悪魔になってしまうようだ。民衆に教養がないので、感情で動いてしまう。それを操るのがローマ法王だったりするのだ。法王が本当に『神の代理人』かどうかは疑わしいが、世間を動かすと言った意味で『神の代理人』であったことは間違いない。

    これは1972年に出された作品という。関係者の日記だけで構成された章もあり、初期作品の試行錯誤っぷりを垣間見ることができて面白かった。

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    2013年01月16日
  • イタリア遺聞

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    トリビアルな楽しみのつまった塩野七生さんのイタリアエッセイです。

    個人的に面白かったのが、活版印刷の発明と書体の変化の話と、
    生まれて間もないアメリカとヴェネツィア共和国の関係の話です。

    エッセイ調の文章で軽く楽しめますが、
    全体を通して情報はしっかりありますし、
    ヴェネツィアに旅行に行く予定のある方や教養を深めたい方はぜひ。

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    2012年12月23日