塩野七生のレビュー一覧

  • ローマ亡き後の地中海世界(下)

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    以前紹介した塩野七生さんの『ローマ亡き後の地中海世界』の下巻であり、キリスト教世界が地中海でようやくイスラームに対して積極的な政策に出ようとする15世紀頃から、地中海におけるキリスト教勢力とイスラーム勢力との対立でキリスト教勢力が優勢となる「きっかけ」となった1571年のレパントの海戦、そしてその後のヨーロッパ人が海を見る目が地中海から大西洋へと移っていく16世紀終わり頃までを描いています。近年の歴史学は、口さがない人にいわせれば“判官贔屓\\\"といわれるかもしれません。それまでスポットの当たっていなかったものにスポットをあて、普通の人や社会的「弱者」の歴史的役割を重視する傾向があ

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    2010年01月04日
  • イタリア遺聞

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    イタリアの過去、そして現在について、その歴史文学については何冊もの良書を書かれている著者が自らの体験も交えて記したもの。
    特に興味深かったのは・・・
    ●第一話「ゴンドラの話」と第十六話「家探し騒動の巻」
    僕自身が09年2月に新婚旅行でイタリアに行ったのですが、その時立ち寄ったヴェネツィアとフィレンツェについて書かれていた話。
    「確かに言われて見れば疑問」だったことをこの二話で書いてくれていて、非常に身近に興味深く読めました。
    経済効果と効率が優先し、便利で新しいものが最大の価値を持つ日本と違い、その歴史的な遺産を頑なに守り抜ける環境があるイタリアを羨ましく感じます。
    ●第十三話「ある出版人の話

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    2009年10月04日
  • 男の肖像

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    塩野 七生さんが、歴史上の男性を辛口で批評。なじみのなかったペリクレスや、アグリッパ、有名なアレキサンダー大王、カエサルなど地中海世界の人物に加え、織田信長や千利休、毛沢東までとりあげています。あまりパッとしないイメージだった北条時宗が、世界に通じるヒーローだという話など、新鮮な見方もあり興味深かったです。

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    2009年10月04日
  • ローマ亡き後の地中海世界(下)

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    上巻は12月・・・下巻は1月末日・・・読み終えたのは三月の初日〜コンスタンティノープルが陥落し,スルタン・マホメッド2世の時代からエーゲ海に進出すると海上戦力としての海賊に気が付き,イオニア海から西地中海へと出ていくクルトゴルが有名であるが,法王庁も海軍を創設し「神聖同盟」で撃退しようとする。スペイン王カルロス5世,フランス王フランソワ1世,スレイマン1世の中では神聖ローマ皇帝が6歳若い。メディチ家出身の法王レオーネ10世は聖ヨハネ騎士団(マルタ騎士団)の共闘を成立させ海賊「ユダヤ人シナム」のNo1の地位を落とさせたが,海賊赤髯(バルバロッサ)がトルコ海軍総司令官の地位を手に入れる。ジェノヴァ

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    2012年02月21日
  • ローマ亡き後の地中海世界(上)

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    ローマ帝国滅亡後の地中海についての話ですが、内容はサラセン人(北アフリカのイスラーム教徒)海賊による地中海沿岸各地に居住するキリスト教徒への略奪と、それに対するキリスト教徒側の対応がメインです。作者が歴史家ではなく小説家であるため、普段歴史家が見落としがちなが書かれてあり、読んでいて非常に参考になる一方、所々に歴史的な間違いもありました(カール大帝の父をカール・マルテルとしたり)。しかしそれでも“歴史学”という、科学として何かを明らかにしなければならないという制約がないため自由闊達に書かれてある印象をもちました。例えば46ページ「「暗黒の中世」と後世の歴史家たちは言う。その一方では、中世は暗黒

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    2009年10月04日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    イタリア史の中でも、特にルネサンスという時代に焦点を絞って、その始まりから終わりまでを通して説明した、入門書的な本。
    ルネサンスはフィレンツェでの出来事かと思っていたけれども、その舞台の中心は、フィレンツェ→ローマ→ヴェネツィアと、時代と共に変遷していったらしい。その、それぞれの時代ごとに、章を分けて特色が語られている。

    教科書的な説明と違い、塩野七生氏による解説は独自の史観が入っていて、その視点からいったんまとめて説明がされているので、一つの流れに従って読み進めることが出来、とてもわかりやすい。
    そして、彼女の話しは歴史的事実そのものよりも、誰を中心としてその出来事は起こったか、という観点

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    2020年07月15日
  • イタリア遺聞

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    イタリア、主にヴェネチアの歴史とその中で生きていた人々の痕跡を辿る。
    ヴェネチアから始まり、今に続くものは意外に多いものだと発見させられた。

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    2009年10月04日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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     各章の名前は、コンスタティンウス、ユリアヌス、アンブロシウスの名前が冠せられている。ただ本文中の分量としては、ユリアヌスの記述が多く、コンスタティンウス、アンブロシウスの記述は少ない。
     なぜだろう?と考えて気がついた。この本はローマ帝国の歴史ではなく、「ローマ人」の物語なのだと。
     ユリアヌスはローマ人だが、コンスタンティウスもアンブロシウスもローマ人ではない、と著者は考えたのだろう。
     となると、13巻の「最後の努力」の意味合いも、ディオクレティアヌスに向けられているのだろう。コンスタテンティヌスはキリスト教優遇を明確にした時点でローマ人とは違うのだから。

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    2009年10月04日
  • サロメの乳母の話

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    かなり遊んでますね。
    神話や歴史をこういう風に料理するのも面白くて良いのではないでしょうか。
    最後の自虐ネタはどうかと思うけど(笑)

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    2009年10月04日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    英雄カエサルの遺志を継ぎ、事実上帝政ローマの初代皇帝となったオクタヴィアヌス(アウグストゥス)の一生を描く一冊。
    以下、本文から抜粋。
    「天才の後を継いだ天才でない人物が、
     どうやって、天才が到達できなかった
     目標に達せたのか。」

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    2009年10月04日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    ポエニ戦役でカルタゴを破り「外患」を克服したローマが国内に蔓延する「内憂」を一掃すべく一大改革に乗り出す時代にグラックス兄弟からポンペイウスまで世界史の教科書でもお馴染みの改革者の生き様をより精緻に描いた一冊。

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    2009年10月04日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    歴史の教科書によれば、東ローマ帝国は1453年まで続いたそうですが、塩野氏によれば、これはビザンチン帝国であるらしく、西ローマ帝国が滅びる(476年)前後の記述をもってして「ローマ世界の終焉」となりました。
    全15巻を通して、それぞれの時代の「皇帝」を中心にした読み物で、リーダーシップを考えさせられる、素晴らしい著作だったなぁ、と思う反面、やっと終わった!というのも正直な感想です。
    巻末に年表が掲載されており、日本の歴史も対比して眺めることができるようになっておりました。日本の歴史で最後の項目が、「大化の改新(645)」だったのが印象的でした。日本の正史はようやくこのあたりから。日本はまだ神話

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    2009年10月07日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    完結おめでとう。なのだが,この巻だけを平積みにしている書店は愚かであるとしか言いようがない。13巻や14巻の売り上げがどうだったかを確認してから注文したまえ。

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    2009年10月07日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    帝国を維持しているのは軍事力なのだろうか。軍事技術,工学,冶金学の進歩や格差について全く論じられてはいないのでそのあたりどうにもすっきりしない。

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    2009年10月07日
  • 危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII

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    いつかうまくいかなくなることがわかっていてもその時点で必要な改革があり,これを読んで使命感を新たにした政治家がいたに違いない。

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    2009年10月07日
  • イタリア遺聞

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    カテゴリ小説にしたけどほんとはエッセイ。
    イタリアの日常や印象深いできごとを丁寧にすくう文体が、安らぐ。
    眠る前に読むのに最適。

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    2009年10月04日
  • イタリアからの手紙

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    1972年にかかれた本なのに、時の流れをほとんど感じないのは、やはりヨーロッパだからだろうか?
    イストリアはユーゴスラビアからクロアチアになった。内戦後の家はどうなったのだろう?切ない。
    007はワシントンからは来ません。ロンドンからです。
    (2007.1.6)

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    2009年10月04日
  • イタリア遺聞

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    知的好奇心を刺激する楽しいトピックが並んでいたけど、特に葡萄酒について教養が深まった。(2007.1.7)

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    2009年10月04日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    15年…第一巻がでたときは遠い先のようにおもってました。カエサルの巻が一番面白かったのは作者が惚れていたからだろうなと今おもいます。変質と失敗と不運と何をやってもうまくいかない例満載の衰退の部は読むのがつらかった。でもローマ帝国という臨終間際の患者を穏やかに死なせようという作者の優しさを感じました。読み終えると急にあの七つの丘に住み着いた人たちを描く第一巻を読みたくなりました。終巻を機に第一巻からまとめて読み直して歴史時間の怒涛感を味わおうとおもいます。

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    2009年10月04日
  • イタリア遺聞

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    塩野七生『ローマ人の物語』の影響 第1段。

    イタリア史に関してのエッセイ集です。
    ローマの話もチョットあるけど、メインは中世ルネサンス期のベネチアがメイン
    イタリア史なんて、『ローマ人の物語』しか知らない僕にとっては
    チョット判らない事が多かったけど、
    この人の文章はやっぱり面白い。
    品というか、格調(というほど大仰なものじゃないけど)に加えた
    ちょっとしたエスプリが効いてる感じ

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    2009年10月04日