ヤマザキマリのレビュー一覧
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死生観が斬新で衝撃的だった。
人間も虫や他の動物たちと同じで、生まれた時から死に向かって歩いている。広い宇宙から見れば、人の命も虫の命も同じ一つの命であり、それがいつかなくなるのは自然なこと。だからこそ命は尊いものであり、今生きているのだから精一杯に生を全うしようと思えた。
大切な人との別れは辛いものだし、自分がいつか死ぬことも正直まだ想像がつかないが、生をシンプルに受け止められたら、死についても自然に受け容れられるような気がしてきた。
ヤマザキマリさんの捉え方はスケールが大きくて、身近な悩みがどれもちっぽけなものに思えるから好き。読むといつもすっきりするし、ただ今を生きよう!と思える。
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Posted by ブクログ
ちょっと一風変わった母親を持った身としては、分かりみが深すぎて、抱腹絶倒しながら読むことを禁じ得ない、しかも本当に、愛に溢れた書。
普通の人と違うことをするから、変人扱いされることが多いんだけど、変わらぬ自分なりの信念を持っていて、愛情は誰よりも深い。
あとがきで、少し認知症が進行してきたから、この本を一緒に笑って読んでは貰えないけれど、いっしょに居られるだけで幸せ…みたいなところに、涙が溢れた。でもきっと、ヤマザキマリさんが連載されていた『立っている者は母(リョウコ)でも使え!』はちょくちょく読まれていたのだろうし、ヤマザキさんの気持ちは十分伝わっていると思う。。 -
Posted by ブクログ
書店で平積みされているのをたまたま見かけ、イタリア人のマッシさんが紹介していた本だなと手に取ってみたら、数日前に読んだ「ラテン語で世界はできている」の著者ラテン語さんと対談していた方だと気づく。実は「テルマエロマエ」の作者さんであるということも知らなかった。
イタリア人が食に強いこだわりを持っているのは知っていたが、自分たちの食文化に誇りを持っているがゆえに、実は食に対してかなり保守的だというのは意外であった。これはイタリア人に限ったことではなく、私の知る限りではトルコ人も似た傾向にあるように思う。食わず嫌いが多く、少しの味見も怖くて試したがらない。なお、過去最も怖がられ不評だったのは海苔。
そう考えると、日本人も食への執着が強いが、外国の食べ物にも積極的に挑戦し、自宅で作ってみたり企業も商品化したり、時には一大ブームにすらなったりと、かなり寛容なのだなと気づかされる。
しかし、異文化食に対する姿勢がこれほど違っていても、ゴージャスで洒落たお高い料理よりも慣れ親しんだシンプルな家庭料理が一番おいしいという認識は、イタリア人も日本人も同じなのが面白い。むしろこれは世界共通の認識ではないかなと思う。
おなかがすいていれば、なんだって特別なご馳走になる。安上りでも、手が込んでいなくても、シンプルな料理をおいしいと感じられるのは実はとても幸せなことなんだなと思う。人生って食べることなんだなぁ。 -
Posted by ブクログ
他者をどれくらい慮れるか、
それが人間であろうと動物であろうと、
つまり利他性こそが人間という生体の成熟を意味するんじゃないだろうか
ヤマザキマリさんの
夫、ベッピーノさんの言葉だ。
シリアでロバの死骸が路上に放置されていたのを見て、呟いたそうだ。
荷物を運べなくなったから
捨てる。人間の役にたたなくなったから。
そんなの、間違った考えなのは明白なんだけど、
そこで猫と自分の関係について
思いを馳せるのが
ヤマザキマリさんだ。
自分の心が満たされるから猫と暮らしてきたんじゃないのか、と。
猫と暮らすことは、
古くから世界中の人々が
してきたことだ。
暮らしてみると、
猫が与えてくれる
愛情を
誰もが感じるはずだ。
それは
愛らしい目で見つめてくるとか、
ゴロゴロすり寄ってくるとか、
膝に乗ってくるとか、
わかりやすい形ばかりではなくて、
人の心を見透かしたような
鋭い目線だったり、
本能のままに必死に獲物を追ってる姿だったり、
たかが猫じゃらしに、
真剣にとっかかってきたり、
様々な表情や動きで
愛さずにはいられない対象となる。
存在そのものが
愛に溢れている。
世界中どの場所でも
どの猫でも
猫がいれば、そこが我が家。
そこに愛が生まれるからに違いない。
有無を言わせずに。
無条件に。
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Posted by ブクログ
P236
あとがきより
貧乏だからといって、まずいものしか食べられないということはない。味覚というのは想像力の力を借りさえすれば、いかようにでも美味しさという幸福感を与えてくれる。
イタリアでのド貧乏学生時代は、お金も食べるものも、無くなり絶望的な状況に陥ったことが何度もあるが、そんな時にやっとありつけた食事の美味しさだけは克明に覚えている。
安寧の中でいただくミシュランの星付きレストランでのゴージャスな食事もいいけれど、私にとって美味しさとは、空腹と食欲という本能の容赦ないアグレッシブさがあってこそ、極みをもたらしてくれるものなのである。
以上あとがきより
このエッセイを集約していることばだと思います。
この本は貧乏でも美味しく食べられたイタリア料理(何も具材が入っていないけど凄く美味しそうなパスタ他)から始まり、美味しそうなものがたくさんでてくるエッセイです。
ヤマザキマリさんは地元北海道のテレビ番組で料理コーナーに出演されてイタリア料理を教えていらしたこともあるほど。
レシピ本出して欲しいと思いました。出してください!!
イタリアの美味しいものは、パスタ、ピザはもちろん健康にもよい青魚、オリーブオイル、大豆、蜂蜜、トマト、メロンetc。
最近年を経てからは日本のデパ地下の魅力。
又、イタリア人の夫は、日本の牛乳が一番美味しいと言い、栗饅頭が大好きだそうです(モンブランに似ているから)。
身近なところでは日本の旅館の和朝食。私が食べたことがないものでは中国の火鍋が美味しそうでした。 -
Posted by ブクログ
手に取り、読み進み...
「なんか理屈っぽいなぁ〜」なんて思いながら読み進んでいました。
老後対策どうしようと思って読んでいるのに...
まっ最後まで読んで見るか...って感じで読み進みました。
賢く理論的な展開で進みます。本人の実体験から構成されています。
「年老いること」を前向きに捉え、今まで読んだ「老後の・・・」etcとは全く別物のように感じました。
メメント・モリ(死を思え)&カルペ・ディエム(今この瞬間を生きて)
この二つの意味がとても善く理解できた。
(彼女の周りのエピソードから)
自分を肯定して老人力を身につけ逞しく生きるぞ!みたいな気持ちになります。
いい本でした。 -
Posted by ブクログ
ヤマザキマリさんのエッセイ。
とても読みやすいものでした。
ヤマザキマリさんと言えば、テルマエロマエの作者で
少し前までは漫画家さんだと思っていましたが、歴史を取り上げたテレビ番組でお見かけして
こんなに知性があってこんなにしっかり話される聡明な女性なんだと驚きました。
この本でその聡明さの理由がとても良くわかりました。
この本の内容はヤマザキマリさんの生い立ちから現在までにも触れつつ、ビオラ奏者のお母様の旅立ちを通してその死生観や生きる事生活する事を綴っています。
この本を読んで今まで以上に、ヤマザキマリさんに好感を持ちましたし、またこうして絵以外のものも世に出してお考え拝聴したいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
大笑いしたというか、泣き笑いしたというか、傑作でした。
ヤマザキ マリ なぜ、カナなのかなとおもいましたが、けっこう雰囲気ありましたね。
「今回、私なりに試行錯誤してきた仕事遍歴を、あらためて振り返ってみました。」
本人はかなりきてたんでしょうけれども、外野から見ていると、大笑いしてしまう、失礼な気持ちになりました。
本人が貧乏と思い切りよい猛者であるなら、母は、さらにその上をいく猛者なのです。
さらにマリは、人の考えもしないようなすさまじい、仕事をくりかえしていきます。
気になったのは、以下です。
・仕事とは何か、本気でやりたいことなら、思う存分やればいい。ただ、誰にも認めらえず、貧しいまま、野垂れ死んでしまうかもしれない。「マリ、あなたにその覚悟あるの?」という母の問いかけは、私の心の中でずっと残りました。
・音楽で生きていけるのなら、音楽を続けていけるであれば、どこにでも行く。そう覚悟は決めたものの、母にしたら、それこそ最果ての地に来たくらいの気持ちです。
・「現代の日本には、食べることに困っている家庭などない」と公言してはばからない政治家がいますが、いったいどこを見ているのかとあきれてしまいます。
・「自己責任」という言葉ほど、都合よく使われている言葉はない気がします。
・うちの母にとっては、「みんなと同じ」というのは、まったく魅力的な価値観ではなかったようで、私によくこういっていました。「周りと違うからって、別に気にすることはないのよ。誰かを自分の鏡にして、そこに映る自分を、自分だと思う必要なんてないの。私は私。それでいいのよ」
・情報をうのみにするのではなく、とことん疑うことも必要
・いずれにせよ「欲しい」という気持ちに一度火がついたら、鎮火するのは大人でも難しい。「大人買い」という言葉があるくらいですから。
・母の場合、止めたって無駄なのです。「買いたい」と言い出した時には、たいてい、これぞというものの目星はすでについている。普段はあれほど、慎重な母が、どうして身の程知らずの買い物を繰り返すのか。娘の私にも、さっぱり理解できませんでした。
・世の中には、どうしてそれでお金が稼げるのか、よくわからないものもありますね。そういうのは、なんかもやもやするというか、気持ちが悪い。
・FXや仮想通貨みたいなハイリスク、ハイリターンの投資なんて、ほとんどばくちみたいな感じで、自分でやっているようで、自分ではコントロールできない感じがする
・生命の危機を感じると普段の自分から考えられない力を発揮することがあるんですね。
・「頼むよ自分」今、ここでたよりにできるのは、他の誰でもない、自分しかいない。
・「助けてよ、自分」人には、神さま!と祈る代わりに、そう祈るしかない時があるのかもしれない。
・何があろうと、どこかで私のことをじっとみている、もう一人の自分がいる。自分は自分を見放さない
・人はいつどうなるかわからないのです。昨日はありあまるほどの富を手にしていた人が、明日は路頭に迷うかもしれない。そのことを、そこにいるみんながよくわかっていました。
・10足のわらじを履く
・人と人との出会いというものは、本当に不思議なものです。まずは、なんの先入観もなく、相手と向き合って、腹を割って話をすること。そこから芽がでることもあれば、出ないこともあるけど、それはもう、そういうものだと思うのです。
・あんなにも、集中して、たくさんの漫画を読みふけったことは、あとにも、先にも、あの時期しかないと思います。
・今も昔も、人類は、知性でなんとかしようとして、それに行き詰まると、今度は力によってそれを破壊して、その先に行くことを選んできた。
・母の楽天性も、生来の気質もありますが、「あの時、一度死んだと思えば、怖いものなんか何もありゃしない」と思っていたからに違いないのです。
・転ばないと人間って学ばないですから。要するに失敗して何がいちばんよかったかって、単に自分自身の経験値が上がるというだけじゃなくて、痛い思いをしたぶん、自分以外の人間のことを、簡単に見くびったり、バカにしたリ馬鹿できなくなるってことだと思うんです
・欧米人の基本は、疑うことです。どこかで信頼を裏切られる可能性がある。と推し量りながら生きていく、ということです
・自分で乗り越えるしかない。本人があとあと納得するためにも、自分で乗り越えるしかないですから。
・好き嫌いより、まずはやってみる。
・自分のやり方で精一杯生きてみる。世の中は大きなシステムで回っていて、とても太刀打ちできないような無力感に襲われることもあるけれど、だからこそ、その人がどれだけ本気かが試される。
・やりたいことをやろうとすると「好きなことをやっているのだから、報酬は安くても構わないだろう」と言われることもあります。
・人間は、欲望や孤独がもたらす深い闇を、持てる叡智を総動員して考え抜くことで、御してきた。歴史は繰り返すというのなら、人類は、困難な時代を、そうやって何度も生き延びたのです。先人達がやってのけてきたことを、私達ができないわけはありません。
目次
はじめに
序章 やりたいことで生きていく―母・量子の場合
第1章 働くこと、自立すること―ジュゼッペとの日々
第2章 持てる力をすべて使って―テルマエ前夜
第3章 風呂か、それとも戦争か―先人達が教えてくれること
第4章 私の働き方改革―トラブルから学んだこと
第5章 仕事とお金にしばられない生き方
あとがき
ISBN:9784098253241
出版社:小学館
判型:新書
ページ数:320ページ
定価:880円(本体)
発売日:2018年10月08日初版第1刷発行