ヤマザキマリのレビュー一覧

  • ムスコ物語

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    誰かの何かである事
    何かに所属している事
    誰かに認められている事
    誰かに愛されている事……などなど
    作者はそう言う事の前に
    「すべての人は、何よりこの地球に受け入れられているのだ」
    と言う。

    私は学校を卒業してから、ずっと仕事をして来た。
    子供が産まれてしばらくは、いわゆる専業主婦をしていた。
    その頃○○ちゃんのママではあったものの、
    「何処にも所属していない自分」という認識があった。
    それは誰かの目を意識していたのか?
    今も、いろいろな事を意識しているのだろう。

    しかし作者には、そんなものは無い。
    自分はこの惑星の生き物として、受け入れられているのだと言う確固とした自信。
    シングルマザーで、身寄りもいない海外で1人で子供を産み、その後も苦労は人並みはずれているのだけれど、だからこそ得られた世間の目など振り切ったその眩しさ。自分の道をまっすぐ歩く事のできる強さ。
    こんな、人として大きな母親に育てられたデウス君。
    自立した、魅力的な人間にならない筈が無い。

    あとがきとして、デウス君の書いた「ハハ物語」
    には、「母は失敗を含めたありとあらゆる経験を推奨し、逆に勉学や教育がそれの妨げとなる事を望まなかった」
    「そしてあんなに楽しげに、いろんな所へ行き、いろんな人と接する母の姿に、ただ憧れていただけなのだ」……と。

    子供に心底憧れられる親。
    今までの、そしてこれからの生き方を考えてしまう。

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    2024年10月10日
  • テルマエ・ロマエ 3巻

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    コレは、ラオコーンですね。
    本来、海蛇に巻きつかれて苦悶している表情のはずですが、お風呂で恍惚のようにも、、??

    ヤマザキマリさんのお風呂コラムが、また真面目に温泉街について語っているのも、なるほどと思わせられます。
    緊張感も義務感も何もかも弛んで、非日常に遊ぶ温泉街。
    人前で裸になるという無防備さにも、意味があるのでしょうね。
    そういえば、銭湯も減ってきているし、がやがやした温泉街も少なくなっているのではないでしょうか。

    そういえば、以前コレを読んだときに、『与作』(あのサブちゃんの)の唄が頭の中をしばらく周り続けていました。
    唄が盛り上がったー、、、、というところで、大爆笑でした。

    三巻目では、ひとつのエピソードにページ数を多く割いており、ルシウスの平たい顔族世界への滞在の時間も長くなっています。
    それだけ細かいところにも目が向くルシウスですが、そこ?という気になりポイントのズレがまた、おかしいですね。

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    2024年09月24日
  • テルマエ・ロマエ 1巻

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    さすがにレビュー、登録数が多いですネ。


    『テルマエ・ロマエ』の続が出ていることを遅ればせながら知り、せっかくだからと、こちらも1巻から読むことにしました。

    当然、以前に読んで、手元にあり、その後何回か読んではいるのです。
    なので、初回のような抱腹絶倒はないものの、あいかわらず随所で、クスッと笑わせてくれます。

    だいたい、この表紙。

    著名なローマ彫刻を元にしたものだと思うのだけれど、1巻目のこれは?

    ポリュクレイトス『ドリュポーロス(槍を持つ人)』だそうです。
    槍の代わりに持っている赤いタオルが目につきますが、風呂桶も抱えていますね。
    なんともいえないセンス!


    以前読んだ印象より、意外と平たい顔族の世界にいるのは短い時間だったのですね。
    20分か30分くらい?
    その時間のうちに、風呂、入浴関係の観察をとりあえず行い、特徴を掴み、なおかつ少ない資材で再現できるのですから、ルシウス、さすがです。

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    2024年09月20日
  • 続テルマエ・ロマエ 1

    購入済み

    さすがヤマザキマリさん!

    初めてテルマエロマエに出会った時の衝撃は忘れません…。
    ローマの建築物を描写できる画力、画力だかではなくローマの文化や歴史にまで詳しく
    更に消滅したラテン語まで出てくる!!

    この人何者!?
    ラテン語使えるってバチカンの人!?!?!?
    何で今は存在しない紀元前の背景をここまで描写できるの!?

    それに私の大好きなお風呂をドッキング
    夢中になって読んだあの日々がまた帰ってくるなんて!!
    ヤマザキマリさん、ありがとうございます!

    私も仕事で海外に赴任していたとき、浴槽がない部屋で毎日お風呂に飢えていました
    先生も同じ経験されてたなんて、何だか嬉しくなりました

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    2024年09月08日
  • 貧乏ピッツァ(新潮新書)

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    最近読んだエッセイ本の中では、一番良かった。コロナ禍に執筆されたようだ。
    本書のテーマはずばり、食べもの。食というのは誰にも共通のトピックで、だからこそ著者のテイストが表れやすい。
    多忙なビオラ奏者の母に育てられた著者は、14歳で欧州を一人旅し(!)、17歳でイタリアに留学する。その後イタリアで未婚で出産し、帰国してテレビでイタリア料理を紹介したり、イタリア語を教えたりした。14歳年下のイタリア人の夫と息子と世界各地で暮らし、数年前に漫画がヒットした。
    そんな激動の人生を歩む著者の、各地での食べものにまつわる思い出や現在思うことが綴られている。文章に嫌味がなく、同じく外国生活が長い私は妙に共感できた。
    食うや食わずの貧乏学生時代に食べたもののありがたみ。お腹が空いていれば、どんなものでも美味しく感じることができる。若さゆえの逞しさ、そしてどこでも現地の人とうまくやっている様子が頼もしい。イタリア人が食べているものの描写がとても美味しそうで、またイタリアに行きたくなった。お金をかけたお洒落な料理もいいが、シンプルなサンドイッチやピザで十分なのだ。著者にとっての「おふくろの味」とは、そして息子にとっての「おふくろの味」とは。
    彼女の他のエッセイも是非読んでみたいと思う。

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    2024年07月15日
  • パスタぎらい(新潮新書)

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    パスタぎらい
    著:ヤマザキマリ
    紙版
    新潮新書 809

    世界をめぐって食を追求した結果、一番よかったのが日本
    息子もやっぱり、和食好き、母はつよし
    各国の食のご紹介

    本書はこの3つを言いたいと思いました

    気になったのは以下です

    ■貧乏パスタ

    ・安上りで腹持ちもするパスタはイタリアにおいては庶民のための食であり、イタリア映画でも貧窮した様子を表現するときは、大人数で大量のトマトソースのスパゲッティを食べるシーンを良く用いている

    ・私が食べたくて仕方のなくなるパスタは、ケチャップを使った和製のナポリタンやタラコのソース、または、納豆を使ったようか、いわゆる、和風スパゲッティである

    ・いくら、海外暮らしが長くても、家族が外国人であっても、やはり私の味覚はなんだかんだで和製優位なのだろう

    ■日本のパン

    ・実際かつて日本に連れて来た十人のイタリア人のオバさんたちは、日本で最もおいしかったものの一つのパンを上げていた(ちなみに一番はイタリア料理だった)

    ・西洋便器をウォシュレットに進化させると同様、海外で生まれたものを本国以上のクオリティで製造してしまう、日本のこだわりの職人気質の成果の一つともいえるかもしれない

    ■果物

    ・果物と言うものの概念が日本では果てしなく違うのである
     たまに贈答品として、みるからに高価な雰囲気の果物を頂いてしまった時などは、悲鳴に近い叫び声とともに深い落胆に陥り、果物が高級品として扱われる日本を憎々しく思うのだった

    ■ラーメン

    ・今こうして思い出してみると、北海道では本当にありとあらゆるラーメンをたべてきた。
     函館、札幌、旭川、…… 美味しいラーメンがあると聞けばどんな地域にも赴いた

    ・まさに日本を象徴する完璧なソウル・フードが、ラーメンなのである

    ■ケチャップ

    ・日本の洋食に欠かせない調味料のひとつがケチャップである

    ・加熱ケチャップ味で、イタリア人に受けた洋食といえば、オムライスがある

    ■OBENTO

    ・キャラ弁は海外のサイトでも紹介された人々を驚愕させている

    ・ここのところの毎年の楽しみの一つは、新宿の京王百貨店で催される全国駅弁大会に出かけることで、なるべくその時期を狙って日本に帰国するようにしている

    ■にぎりめし

    ・私は自分で練習して三角形のおにぎりを握れるようになった。
     それ以来おにぎりを作ろうと思うと、自然に手は三角形を握る形になってしまう Good!!!

    ■恋しい日本食

    ・うちの子供は、イタリア生まれの海外育ちだが、食に至っては完全な和食党である

    ■スナック菓子

    ・日本人というのはとにかく舌が肥えている
     当地でたべるイタリア料理よりも、日本人シェフの作ったイタリア料理のほうがよほどおいしい、などと感じてしまう人も少なくない

    ・中東から欧州、中国、南米、南太平洋の島々に至るまで世界の国でいろいろなスナック菓子を試してきた結果、私にとってどこよりも美味しいポテトチップスは、やはり、日本製である

    ・高級食材と技術によって味覚を極める一方、ジャンクフードでも食感や味の多元性を愉しむ日本人は、つくづく食に容赦のない民族である

    ■世界の食材考

    ・オリーブオイル
    ・ワインビネガー
    ・馬肉
    ・モツ
    ・高級キノコ ポルチーニ
    ・ジェラート

    ・クリスマス
     シュトーレン:ドイツ
     ブッシュ・ド・ノエル:フランス
     パネットーネ:イタリア
     パンドーロ:イタリア

    ・機内食とソーセージ
    ・羊肉、豚肉

    ・卵かけごはん
    ・餃子

    ・串刺し料理はインターナショナル

     焼き鳥
     魚の串焼き
     おでん
     串カツ
     団子
     田楽
     
     ケバブ:イスラム圏
     サテー:フィリピン
     チキンティッカ:インドの焼鳥
     ヤンローチャン:中国屋台
     スブラーキ:ギリシア
     シュラスコ:ブラジル
     サンジョク:韓国
     スピエド:イタリア

    ・酒

     シャンパン:フランス
     スプマンテ:イタリア
     プロセッコ:イタリア

    ・チーズ

    目次
    第1章 イタリア暮らしですが、なにか?
    第2章 あなた恋しい日本食
    第3章 それでもイタリアは美味しい
    第4章 私の偏愛食
    第5章 世界をつなぐ胃袋
    あとがき

    ISBN:9784106108099
    出版社:新潮社
    判型:新書
    ページ数:208ページ
    定価:780円(本体)
    2019年04月20日発行

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    2024年07月03日
  • 多様性を楽しむ生き方 ~「昭和」に学ぶ明日を生きるヒント~(小学館新書)

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    多様性を楽しむ生き方
    「昭和」に学ぶ明日を生きるヒント
    著:ヤマザキ マリ
    紙版
    小学館新書 S や 7

    昭和の光景を、様々な角度から思い出しながら丁寧に綴られた考察記録とある
    ヤマザキマリの残像、昭和は、明日へのエネルギーに満ちた、世界の歴史の中でも特に興味深い時代であった
    過ぎ去った今、昭和の風景が再び脳裏によみがえってくる

    本書は、「昭和」への賛歌であり、「昭和」への惜別の書である

    気になったのは、以下です

    ・母の頑なにスナックを敵視する姿勢が反面教師となり、私が母の目を盗んでこっそりスナック菓子を買い食いするようになってしまったのも、当然というべき成り行きだった

    ・私にとってはお腹を満たすためだけの夕食のおかずよりも、製菓会社が様々な知恵を絞った新商品を見つけて、味見をするほうが大事だった

    ・母は、おまけ、が、ついているお菓子を邪道と称して嫌っていたが、私も、おまけ、には、特別興味はなく、どちらかといえば、味覚や形状に斬新なアイデアが駆使されたものに興味を刺激された

    ・当時のイタリアに関する知識といったら、男性は皆女性の前で跪いて手を広げながら歌を歌っているという印象と、縞シャツを着たネズミのトッポ・ジージョしかない

    ・家族が生きていくための商売を子供たちが手伝うのはあたりまえのことだか、先進国においては、未成年の子供に自分たちの商売を手伝わせる行為は何がしかのハラスメント、という扱いになってしまう

    ・彼らの前にはクレイジーキャッツという、これまたぶっとんだグループが活躍して日本中を笑いで沸かせていたが、ドリフの笑いはその進化系だ

    ・見てはいけない、と言われるほど、見たくなるのが、子どもたちの、いや、人間の心理である
     「開かずの扉は、開けるためにある」

    ・昭和の時代は、そもそもアイドルは単独勝負だった
     たったひとりで大勢の人を圧倒する力を容姿・仕草・歌で発揮させなければならないのである
     自分の力次第で所属する事務所の景気が左右される
     10代半ばで皆そんな責任感を背負って立たせていたのだ

     昭和はアイドルもヒーローもたったひとりで、大きなステージに立つスタイルが民衆の気持ちを揺さぶる時代だった

    ・そうだ、大人になったら兼高かおるになろう
     小学生の私はテレビの前でひとり宣言をし、兼高さんという女性に憧れを抱き続けた

    ・人生の不条理に襲われ途方に暮れていたに違いないが、頑固で弱みを見せるのが嫌いな母は当時を顧みて語ったことがない

    ・本当に結婚したいと思う人があらわれるまでは、結婚しなくていい
     結婚すれば何かが解決するとか、幸せになるとか、経済的にも困らないとか、そんな風に考えていたら大間違いだからね

    ・周りの友だちは、「お嫁さんになりたい」という子がたくさんいた時代なのに、母は結婚に対して夢も希望も持つなと頑なに私たちに教示した

    ・島国に生きる日本人に、大陸で暮らす人々とはまた違ったメンタリティが育まれるのは自然の摂理だと思っているし、国はやたらとグローバリズムを掲げるが、文化や民族の混沌になれてない日本人にとっては簡単なことではないはずだ

    ・昭和の大きな特徴は、きっとそこにある
     私が子供だった頃の日本人は世の中には思い通りにならないこと、見たことも聞いたこともないこと、とんでもない不条理なことが、てんこ盛りにあるのだということを身をもってわかっていた

    ・昭和の人間は不条理を避けようとはせず、むしろ積極的い向き合っていた
     人間の社会は様々な生きづらさで満ちており、そう簡単に幸せをつかむことはできないことを子供たちも認識していた

    ・結局どこの時代に行っても人々は、「あの時代はよかった」と思いを馳せてしまう性格だということだ
     私も昭和については喜んで思い出すけれど、別にあの時代に戻りたいなどとは思わない

    目次
    1 おやつに問われる想像力―ジャンクな菓子に胸が躍った時代
    2 昭和的「自分の演出」―手作りで着たいものを作った昭和
    3 懐かしい風景―昭和の下町商店街には人情があった
    4 家に魅せられて―昭和は家に気兼ねなく人が集まった
    5「おおらか」がいい―昭和は道端にエロ本が落ちていた
    6 CMの創造性―昭和のCMには遊びや知的教養があった
    7 昭和のオカルトブーム―童心大人から勇気をもらった
    8 憧れた大人のかたち―前に進んだ昭和一桁世代の女性
    9 私とエンタメの世界―昭和の点が線につながっていく
    10 大気圏の中で生きる―貧しくても裕福でも、生き方は人それぞれ
    11 地球人類みな兄弟―昭和は多様性社会だった
    12 昭和流のいじめ―いじめっこのバックグランドが見えた時代
    13 24時間、働けますか―昭和の仕事人
    14 孤独を自力で支える家族―離れていてもつながっている共同体
    15 幸せは待っているだけでは訪れない―人生100年時代の老後、終活
    16 不条理と向き合う生き方―孤独を味方にしていた昭和漫画の主人公たち
    昭和というサバンナ ―あとがきにかえて
    ヤマザキマリ年表

    ISBN:9784098253883
    出版社:小学館
    判型:新書
    ページ数:256ページ
    定価:840円(本体)
    2020年12月01日初版第1刷

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    2024年07月03日
  • 扉の向う側

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    ヤマザキマリさんの波乱万丈な人生。14歳での単身欧州おつかいの旅。お母様の、戦争を生き抜いたからこその【なんとかなる】の精神。すごい。小さく周りを気にして生きているのが馬鹿らしくなる。どんな生き方もできるんだという気づき。自分の考えや常識は当てにならない。
    マリさんかっこよすぎる。

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    2024年06月24日
  • パスタぎらい(新潮新書)

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    まず、表紙の「口をベタベタにして、美味しいのか不味いのかわからない顔でパスタを喰らう女」の絵が、強烈。
    そして、パスタぎらい。
    でも、本の中には、食べてみたい知らない料理やら、知ってるけどまた食べたくなる料理など、確実に胃袋を刺激する内容だった!
    世界中の食文化は、面白くて奥深い。
    そして、言葉が通じない、異文化の人が、うちの料理を美味そうに食べたら、私は仲良くなりたいって思ってしまう!

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    2024年06月10日
  • ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ

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    あのヤマザキマリさんのお母さんが、どんな生き様だったのか、隅々まで感じることができる一冊。
    すごいなぁ、ライオンの子育てのようだ。愛しかない。

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    2024年06月01日
  • 妄想美術館

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    私の尊敬する原田マハさんと人生がもう破天荒で憧れるヤマザキマリさんの対談とあって直ぐ買いたかったのですが中々手に入らなくて悶々とした時間が私を含めた3人でお喋りするかのようにあっという間に過ぎ去りました。思い出の美術館や好きな作家ベスト10に見られるマニアックな快楽と情熱からも垣間見られる偏愛。でも伝わってくる永遠に尽きないアート談義もっともっと聞きたかったでした。創作のバックステージこそ違えど名画の裏話、お気に入りの美術館案内、鑑賞の秘訣、画家のエピソードが妄想が妄想を呼び美術館で本物を鑑賞した様な感覚でした。

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    2024年05月30日
  • 地球、この複雑なる惑星に暮らすこと

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    元々虫好きなヤマザキ氏が箱根の養老氏の昆虫館?を訪ねた事から始まった、養老孟司氏とヤマザキマリ氏の対談集。
    虫嫌いの私としたらちょい距離を置いて、と思ったが確かに導入部や例えで昆虫は出てくるものの、大半は2人の全方位にわたる博識の一端を垣間見せてくれる対話で、深く深く同意しながら読み終えた。

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    2024年05月26日
  • ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ

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    漫画家ヤマザキマリさんの母親、リョウコさんを娘マリさんの視点から書いたエッセイ。

    リョウコさんは札響ヴィオラ奏者として活躍。
    シングルマザーとして2人の娘を育てたその姿は、世間的には破天荒かもしれない。
    けれど、マリさんの文章から感じる母親への尊敬と感謝の念。

    子育てしているすべてのお母さんたちの背中を温めてくれて
    女性たちに生きる勇気と元気を与えてくれる一冊だった。

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    2024年05月26日
  • 人類三千年の幸福論 ニコル・クーリッジ・ルマニエールとの対話

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    生きていくのに必要なのは教養なのだなと感じられるような一冊。
    あらゆることに対する造詣が深くて圧倒されるように読み終えました。
    自分と同じように苦しみ、そこからでも立ち上がった人たちの存在を知ることは、強さになると思います。教養の真の意味はそこにある。

    個人的には家族に対する考え方がとても参考になりました。
    過度な共感を求めなくてもいい。親はそもそも理不尽なものなのだと。
    それだけでも救われる人が多くいるのではないかなと思います。

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    2024年05月23日
  • 人類三千年の幸福論 ニコル・クーリッジ・ルマニエールとの対話

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    ヤマザキマリさん、強く生きていて、みんなが彼女のような強靭な生き方をできないと思うけど、意識するのは大切。

    漫画が第九の芸術としてルーブル美術館で企画されていたのは知らなかった。

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    2024年05月23日
  • CARPE DIEM 今この瞬間を生きて

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    様々なことを経験してきたからこそ書ける内容。深みと説得力がある。
    アーティストとしての感性、洞察力はさすがだと思うが、文筆家としてそれを言葉で表現する力も並外れた人だと思った。
    潔い人生を、いずれ死ぬ時が来るまで生きていきたい。

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    2024年05月18日
  • たちどまって考える

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    たちどまって考える
    著:ヤマザキ マリ
    中公新書ラクレ 699

    問題提起の書、おもしろかった

    バンデミックを通じて、ヤマザキ氏が感じた、日本とイタリアを中心とする欧米との文化や習慣の違いを記したのが本書かと思います。

    いまさらながら、日本人とは、自分の考えを、言語化するのが苦手な民族であり、悪い意味で人からの指示待ちの民族だとも考えてしまいます。

    著者のいうように、バンデミックという転機は、自らを、たちどまって改めて見直すために、天が与えて機会ではないかとも思ってしまいます。

    気になったのは、以下です。

    ・大概、何が起きるのか、わからない波乱万丈の人生を歩んできた私です
     世のなかは思い通りにならないことのほうが多くて当然だと思って生きていますから、このバンデミックに際しても大きな動揺に苛まれることはほかの方たちよりは少なかったと思います。

    ■たちどまった私と見えてきた世界

    ・とにかく、命さえあれば復興はできる。歴史もそれを証明している

    ・人の命は神から預かった尊いものであり、自死は、決してあってはいけない罪深きことと教えられます

    ・危機を感じたとき、人はどうしても利他性を失います
     そして、集団としての力よりも、個人的な力で生き延びようとする力が働く
     その後に淘汰され、生き延びる力の高い人たちが集まり、次には、「群れをなそう」と集団を形成していきます

    ・イタリアを含む欧州の人々にとっては、物事に対して、「疑念」をもつことがデフォルトです
     何事もまず疑う それは、彼らの文化的な思考力であり、生存のための知恵でもあるのです

    ・これも私の推測でありますが、日本の感染率が他国と比べて本当に抑えらえているのだとしたら、人との接触が少ないことや、夫婦間でも不必要にベタベタしない、親子でも頻繁に抱き合ったり、頬にキスをしないといった、日本人の常日頃の生活習慣が、少なからず関係しているのではないでしょうか

    ・虚勢や虚栄の甲冑を身に纏う権力者とは違い、謙虚な親族のおばさんという体のメルケルが「あなた」という二人称を使って、国民に呼びかけたことは印象的でした

    ・政治家たちがもつ言葉の力 その背景には、弁論力こそ民主主義の軸と捉える古代ギリシア・ローマから続く教育が揺るぎなく根付いていると感じさせられます

    ・熟考の末に、紡ぎ出された言葉は、小手先だけでまとめられた美辞麗句とは説得力のレベルが違います
     「開かれた民主主義に必要なのは、政治的決断を透明にして説明することと、その行動の根拠を伝え、理解をを得ようとすることです」

    ・責任がもてるということは、自分の決断に自信がもてるまで念入りに考えるということです

    ・古代のことだから人として遅れている、ととらえるのは大間違いです
     人間は時空を超えて人としての可否を生む出してきたことが、古代史を考察しているとはっきりわかってきます

    ・望む、望まないとは関係なく、バンデミックという時代を生きることになった私たちは、少したちどまって、これまで見過ごしてきた物事を落ち着いて考え、またじっくりと、それまでとは違った角度からも見つめ直す
     そんなタイミングにいるのではないかと思っています

    ■パンデミックとイタリアの事情

    ・ローマ帝国を滅ぼした疫病の記録
     AD165 アントニヌスの疫病 天然痘の可能性が高い
     AD250 キプリアヌスの疫病 天然痘

    ・疫病のような目に見えないものについては、言葉として残らない性質が日本の歴史にはある
     言葉で書き記されなければ、その記憶は風化しやすい、そこで得た教訓も人々の中にはとどまりにくい

    ・そもそもキューバは、先端医療の水準がとても高く、予防医療という側面でも効果的な結果を出している、知られざる医療大国なのです

    ・留学のきっかけにもなった、マルコじいさんに、「人間は謙虚でなければいけない」ということを何度も説教されました 「その虚勢は、おまえが弱いからだ、甲冑を着て大きくみせているだけなんだ」

    ・良く考え、良くしゃべる人は、傷つく頻度もそれだけ増えますが、それだけ自分という人間を日々懸命に耕しているという姿勢を表すものでもあります

    ・この民主主義は、導入されている国によってその性質が大きく違う、一概に比較できるものではない

    ■たちどまって考えたこと

    ・人間にとって最終的に頼りになるのは、自分自身以外にありません
     だからこそ、自らを見据え、鍛え、「頼りがいのある自分」を私たちはつくっていかなければならない

    ・日本のカフカと目される安倍公房は、私が10代から敬愛する作家の一人です

    ・文化の熟成がそれだけ進んだのは、戦時下で見て経験した現実を、同じ問いを繰り返すように自分のなかでなんども考え、咀嚼し、作品として昇華した人がいたからです

    ・手塚治虫、彼も不条理な時代を全身全霊で経験した、とてつもない知の巨人です

    ・自分の辞書を分厚くすること、つまりボキャブラリーを増やして知識や教養を深めることは、会話や議論を豊にするだけでなく、視野を広げ、思考力や想像力をもたくましくし、ひいては生きる力そのものを強くするということです

    ・今のアイドルたちは、一様にグループ編成となっていますが、昭和のアイドルは、たった一人で人前に立ち、自分の歌唱力だけで歌うことが求められていた時代です

    ・うちの母も戦前、裕福な家庭で育った深窓のお嬢様でしたが、戦争でいきなり何もかも失ったんです
     あまりに理不尽な環境の変化ですが、当時の人は大なり小なりそのような経験をして、「人生は思い通りにならない」という洗礼を浴びたのです
     しかも自然災害のような天災ではなく、人間が起こした戦争という、非常に不条理な事態によって、それが引き起こされた
     だれかの指図で命の選択がなされ、何も悪いことをしていなくても、「おまえは死んでいい」と人々は一方的にジャッジされてしまったのです

    ■パンデミックと日本の事情

    ・日本ではそもそも民主的なリーダが求められているのか、という側面です

    ・日本人は開国以来「果たして他国から自分たちはどうみられているか」ということをやたら気にし続けてきたように感じます

    ・今も八百万の神やシャーマニズムを潜在意識に置く日本人の精神風土には、もしかして、卑弥呼のようなシャーマンをリーダーにした社会システムがいちばん馴染みやすいんじゃないだろうか、という気さえしてきてしまいます

    ・しかも日本の天皇は近代まで「現人神」として神さまの子孫とされてきました
     実際、皇室行事の「新嘗祭」は神事ですが、ヨーロッパ人の感覚などからすると、そんな神秘的な行事を、先進国である日本が国として今も続いていることはなかなか理解しがたいようです

    ・日本のような世間体の戒律が厳しく、空気を読む必然性が高い国だと、普段言いたいことをなかなか言語化できない

    ・「漫画家がこんなところに出てきて、偉そうなことをじゃべるな」
     「漫画家は漫画だけ書いてりゃいいんだよ」

    ・ドナルドキーン 「日本の人は、私がいかに日本を愛しているかを語ったときしか、耳を傾けてくれません」

    ■また歩く、その日のために

    ・ここまで書いてきて感じるのは、日本はもしかすると、成熟すること自体に興味がない国なのかもしれない

    目次

    はじめに
    第1章 たちどまった私と見えてきた世界
    第2章 パンデミックとイタリアの事情
    第3章 たちどまって考えたこと
    第4章 パンデミックと日本の事情
    第5章 また歩く、その日のために
    おわりに

    ISBN:9784121506993
    出版社:中央公論新社
    判型:新書
    ページ数:256ページ
    定価:840円(本体)
    発売日:2020年09月10日初版
    発売日:2020年09月30日再版

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    2024年05月12日
  • 続テルマエ・ロマエ 1

    Posted by ブクログ

    とうとう続編が出た。すっかり年をとってしまったテルマエ技師ルシウス。古代ローマにタイムスリップしたさつきは行方不明とのこと。公衆浴場の問題点を皇帝から託されたルシウスが、温泉のタイムトンネルを抜けて日本にやってきて、そこからヒントを得てローマの浴場を改善する一話完結型。そして、各話の最後にモチーフとなった温泉の紹介が詳しく書かれている。訪れたい温泉が増えた。コロナ禍で閉館してしまった所があり、残念でならない。

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    2024年05月11日
  • 地球、この複雑なる惑星に暮らすこと

    Posted by ブクログ

    博識なお二人の対談。読み応えがあった。
    割にさらっと読める感覚もある。
    と言いながらじっくり用語を調べながら読んだが。。

    目標をたてるというよりながされるように生きる。
    それも素敵だし自然に近いと確かに思う。
    ただ、楽に生きたいと思うが故に数学に逃げ、機械に逃げ、システムエンジニアになった自分からしたら耳が少し痛い…
    なにを楽と捉えるか次第でもあるが。

    家族至上主義なイタリアと、社会性、同調性などの方が重視される日本。考えてみたらそれらはかなり差があって、遺伝子的に組み込まれてるのかなとも感じる。

    他にもなるほど、と感じるエピソードが多かった。

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    2024年05月11日
  • 歩きながら考える

    Posted by ブクログ

    歩きながら考える
    著:ヤマザキ マリ
    紙版
    中公新書ラクレ 773

    テルマエロマエの著者であるヤマザキ氏が、コロナ禍の中で感じた日本人としての、アイデンティティを語っています。人間は生まれた国の文化や考え方を強く受けますが、他者と異なるアイデンティティを認めながら共生することが可能といい、イタリア人である夫との生活はその形です。

    気になったのは以下です

    ・人間というものは、「自分とはこういう人間である」と自らが、思い込んでいたり、周囲から思われていたりもしますが、そういったイメージに固執する必要はありませんし、むしろ、振り払ったほうがいい
     そうすれば、いくらでも臨機応変に置かれている状況に適応できるようになる

    ■歩き始めて見えたこと

    ・自分には、国境がない。アイデンティティもない。どこの国に行ってもアウェイの感覚で生きている無国境人間だ

    ・拒絶してきたもの、わかったつもりになっていたものでも、いざ蓋を開けてみたら、そこには、自分の偏見も見えてきたし、素直に面白いと感じることもたくさんありました

    ・日本では、人々が情報を懐疑的に受け止め判断してきた歴史が、他国より浅いと思います。
     いや、浅いどころか、懐疑的になること自体を良しとせず、ほぼそうしていないようにすら私には見えていました

    ・結果がでないようなことが繰り返されれば、その情報を発信しているものへの人々の信頼が失われるのは当然のことです

    ・疑う力をもつということは、情報を疑えるだけの知性と、あらゆる可能性に考えを巡らせる想像力があってこそです

    ・おかしいと思うことを指摘してみれば、「ヤマザキさんも、それはわかっていたとおもうんですけど」、「こういうふうに理解してもらっていると、私は捉えていたんですが、誤解があったようですね」といった言い方での返事をもらうことが実に多かったのです。
     悪気も落ち度もないふうでいて、結果的には、相手の不利を良しとしていた
     こうした対応は、イタリアやアラブ、ブラジルなどで経験した性質のものと違う、日本の社会風土がもたらす独特な狡猾さではないかというふうに感じました

    ・私はイタリアの美容院には絶対に行かないと決めている
     イタリアの美容師は客の意思よりも、髪型をつくる彼らのセンスこそが優先されるのです
     「あんたがそうしたいと言っても、絶対似合わないと思う。悪いことは言わないからあたしの言う通りにしなさい」と圧力をかけられて、結果的にとんでもない頭になる
     そのような目に何度も遭いましたので、こちらの希望通りに何とか切ってももらおうなんてことはもう諦めました

    ■コロナ禍の移動、コロナ禍の家族

    ・この大和の展示を通じて私がもう一つ感じたのは、「一生懸命勤勉に取り組めば、結果を生むかもしれない。たとえ結果を生めなかったとしても、尽くしてやったという価値が残ることに意義がある」という、ほかの文化圏ではおよそ通じないであろう日本ならではの美徳でした

    ・自分たちのもてる技術力、精神力のすべてを投じることが美しいという価値観の真意は、おそらく、何事にも神が宿るという「八百万の神」を信じる日本人の精神性からくるものではないでしょうか

    ・一緒にいるときでも、お互いの生き方にいちいち干渉したり、自分たちの価値観を押し付けたりしない

    ・人が好きじゃないのに、人がいないと生きていかない

    ・夫婦の間で互いに理解できないことや同意しかねることがあっても、価値観の無理な共有は求めずそれぞれの考え方や生き方に干渉させしなければ、良好な関係性は、保てます

    ・世界の多くの男性が妻に求めるのは、自分のダメなところを認め、どんなときも無条件に寄り添い、慰め、許してくれるかどうか、という点なのではないでしょうか
     どこかで羽目を外すことがあっても最後には許してくれる
     妻に認められるこうした精神的忍耐は母性的な寛大さとほぼ同質だと思われる

    ・人間は繁殖だけを目的に生きている生き物ではありません
     知性がある限り、精神面での健康維持は肉体の健康を保つのと同じくらい重要です。
     だとすると理想的家族という既成概念に縛られない生き方や最初から家族をもたない幸福というものも、もっと当たり前に認められていくべきではないかと感じています

    ■歩きながら人間社会を考える

    ・夫以外の男性の前では髪を覆い隠すことで、凶悪な負の力とされている嫉妬という人間の驕りから発生するトラブルや混乱を回避しているという理論です

    ・イスラム圏のような宗教的戒律はありませんが、他人様の目、いわゆる「世間体」が我々の生き方を統制する戒律として機能していると思います
     人間は誰しも自分ではない他人を通じて自己を肯定する側面はありますが、日本では特にその傾向が強い
     世間体という戒律が成立するに至ったのも、島国という地理的な特質や歴史など、日本のあらゆる条件が合わさったなかで、群れの存続に必要なものだったからだと考えられます

    ・世間体という戒律、共通倫理、全体主義
     今の社会で起きていることやその予兆について考えていると、いつも帰着するのが、「群れ」というものです

    ・エリアス・カネッティ「群衆と権力」:人間が群れる習性をもつこと、群衆が生まれれば権力が発生すること、群衆になることで人々は精神的な安寧を得られること、などに触れられています。

    ・古代ローマの有名な格言に、「カルペ・デ・ディエム」というものがあります。
     その日の花はその日のうちに摘み取れ
     つまり、人生は限定的なのだから今を楽しめ、という癒して的な意味を成しています

    ・「哲学」というと、日本では西洋史や美術史などと同じように学問として難しく構えがちですが、イタリアでは、一人の人間があらゆる経験と思考と試行錯誤を積んだ末に抽出される、その人なりの考え方や思想を指す言葉としても使われます

    ・宗教が生まれるその背景には、やはり生きることへの苦悩が必然としてあるのだと思います

    ■知性と笑いのインナートリップ

    ・監獄に収監された人が熱心な読書家になり、非常に博識に……、という話を聞きますが、私にも似たようなことが起きたのです

    ・世間一般で当たり前と思われていることを覆し、それを洒落にする
     そんな笑いが通用するのは、その社会にゆとりがある証拠です

    ・私は男性の格好良さは、繕っていないところにあると思っています

    ・安倍公房の一連の文学作品には、「壁の外に行こうともがく人」が基本概念にあります

    ・エドガール・モラン他「祖国地球-人類はどこへ向かうのか」異なる文化が共存したときには同化よりも並存や序列化が進むことや、排他性が生まれることなどにも言及していて、その思索の深さには読む側の視野も広がります

    ・ギリシアの哲人、アリストテレスの言葉
      自己とは自分にとって最良の友人である
      大事を成しうる者は、小事も成しうる
      自然には何の無駄もない

    ■心を強くするために

    ・人は誰しも、逃げ道がないとなれば壁にぶつかり、行き詰まります

    ・人間は基本的に怠惰な生き物である

    ・社会においては美徳としか扱われない「信じる」という行為も、よく考えていれば怠惰を象徴するものだと私は捉えています
     まっすぐで濁りのない、美しい言葉のようでいて、その実は自分で考えることを放棄し、信じる対象に責任を委ねているにすぎません

    ・期待通りにならない場合の落胆への心構えを怠ってはいけません
     夢は叶うもの、ではなくて、夢は叶わない場合もある
     もっと正直なことを言えば、叶わない場合のほうが多い
     努力を重ねていても、望んだようにならないことが人生にはある

    目次
    はじめに
    第1章 歩き始めて見えたこと
    第2章 コロナ禍の移動、コロナ禍の家族
    第3章 歩きながら人間社会を考える
    第4章 知性と笑いのインナートリップ
    第5章 心を強くするために
    おわりに

    ISBN:9784121507730
    出版社:中央公論新社
    判型:新書
    ページ数:272ページ
    定価:900円(本体)
    発売日:2022年09月10日

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    2024年05月11日