ioさんのレビュー一覧
レビュアー
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予想外のボリュームとリアルさ
諸物価高騰の折、電子書籍も例外ではありませんが、過去の作品は当時の価格なのかお安めです。何となくお得感がありますが、安価であれば物語が短くて残念に思うことが多いのも事実。この作品もそうかな...と思ったのですが、読んでみたらなかなかのボリューム。
タイトル通りゲイ向けAVのモデルたちの物語です。当然のようにエロシーン(演技)があり、刺激は強めです。ただエロいだけのBLかと思わせておいて、実は登場人物の抱える背景や心理描写も丁寧に表現されていて読み応えもある良作です。
借金があるから、学歴がないから、好奇心から...とAVモデルたちの事情は様々。主人公の父親(ダメ親父)が自分の行いを棚に上げてゲ...続きを読む -
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フォンダンショコラ
大侵攻の後、旅の続きに戻ったリゼルたちの物語。ジルとイレヴンに1週間の『読書禁止』を言い渡されてしょんぼりするリゼル。私も『本読み』なのでしょんぼりしちゃう気持ちは良く分かります。
ですが、それも理由があってのこと。決して長い付き合いではないはずなのにリゼルのことを良く理解しているジルならではの策。
すごく良い関係だなぁと思います。
原作既読ですが、原作小説の様々なシーンを絵で見られるのはまた格別。イレヴン御用達のチョコレート店の様子とか、フォンダンショコラとか。自分の想像力を凌駕する素敵なお店になっていました。さすがです!
そして何よりも...目隠れの精鋭さんがリゼルに向けて『✕』を出してい...続きを読む -
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苦味<読み応え
なんてドラマチックな作品!ページをめくる手が止まりませんでした。長い物語ですが、上下巻一気読みです。
大国の王太子アーサーと同盟国からの人質リシャール。いずれそれぞれの国の王となり支えあう関係になるのだと思っていたのに、リシャールには苛酷な運命が待っていました。
リシャールが自身の全てと引き換えに何を成し遂げようとしているのかは上巻のうちに察しがつきましたが、その手段を選ばない姿があまりにも切なくて涙が出ます。
BLとしては苦味が強い作品なので好みが別れそうですが、非常に良く練られた物語になっています。読み応えはなかなかのものですよ! -
前半はさておき
正直、主人公リョウが一人で森でのスローライフ(?)を送る前半部分はかなり理屈っぽくて冗長。このままで最後までいくのなら、ちょっと苦手なタイプの作品かもと思いつつ読み進めると、アベルと出会ったあたりから急に面白くなりました。
なるほど、物語とは人と人(もしくは人語を解する存在)とで紡がなければその真価を発揮できないものなのでしょうね。
かなり長い物語のほんの入口なようです。既刊があるようなのでゆっくり追いかけたいと思います。
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遅々として進まず
成長してきた主人公たち。BLっぽさも出てはきましたが、まだまだ健全で可愛い範疇に留まります。
物語の根幹にかかわる設定も少しずつ明かされてきてはいるものの、物語の進みがとにかく遅い!2巻が終わっても前巻冒頭のシーンにまだたどり着かないんですよ⁉️
成長記録的なエピソードも良いものではありますが、もう少しテンポアップしてほしいです。 -
2人の世界
幼馴染み2人のエロ甘い作品。
お互いに相手に先に『好き』と言わせようとしているのが笑えます。そうやって意地を張るならもう少しこじれた方が物語としては盛り上がったかもしれませんが、徹頭徹尾2人の世界です。何はともあれ幸せそうで何より。
チビッ子時代の2人が可愛いのでその頃のエピソードがもう少し欲しかったなぁ。 -
肌色成分90%
表紙の印象とは異なる面白さの作品でした。
壮大なファンタジーとも恋の甘酸っぱさや切なさともほぼ無縁の、エロコメディというか、下ネタ寄りのギャグというか...。そんな感じの面白さです。
物語としての筋も通っているのですが、とにかくエロシーンが多くて主人公のお尻が心配になってしまいましたww
好みは別れるかもしれませんが、肩のこらない笑える作品だと思います。 -
切なすぎる!
To be continuedでしたよね⁉️
何回も見直しちゃいました。これで終わりでは切なすぎる...!
相手と繋がる手段は多くなったけれど、物理的な距離はやっぱり辛いですよね。
この2人、どうなっちゃうんだろう。 -
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ゆる楽しい異世界漫遊記
仲良し若隠居2人の異世界漫遊記です。
今作の舞台は新たな大陸。人間に対して好意的とは言い難い獣人たちが暮らす土地です。さぞかし困難な道行きになるのでは...と心配しつつ読み進めれば、彼等は全くいつも通り。
新キャラも食いしん坊揃いで、ずっと狩って採って食べての食欲全開異世界漫遊記になっています。
旅の途中でも日本の自宅に戻れちゃうので彼等の旅は基本苦労知らず。それこそゲームをセーブするように、『一度帰って続きは明日から』ができてしまいます。
ミキフミとチビたちがチートすぎるのでピンチが全くピンチにならず、多少物足りなさも感じますが、肩の凝らないゆる楽しい作品です。 -
逆ざまぁに期待
愛する婚約者のために敢えて悪役を演じようとする、なんともいじらしいご令嬢の物語。『悪役、無理でしょ⁉️』って言うくらい優しく可愛らしいローズですが、強力な参謀が付いてくれたお陰で見事に華麗な悪役令嬢に!!
類似作品の多い悪役令嬢ものですが、この作品は主人公のローズがとても魅力的。応援したくなるキャラクターです。
そして『悪役』と呼ばれていても彼女やその友人の感性は至って正常で、乙ゲーヒロイン&ヒーローが脳内お花畑なわけでもありまして。はたしてどっちが『悪役』やら。
『悪役令嬢』ローズの華麗な悪役令嬢ぶりと素顔の落差に萌えが止まりません。参謀リチャード様と側近お兄様ズもイケメン揃いで眼福...続きを読む -
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美しい薔薇
国同士の関係や設定が分かりにくいため物語そのものは難解な印象を受けます。BL作品としてはかなり辛口。甘い恋物語ではありません。
タキは領主であり、軍勢を率いる師団長でもあり、さらに皇族に連なる高位貴族でもある立場。たとえタキの騎士になったとしても元は敵国の人間であるクラウスへの想いは決して表に出してはならないもの。そんな彼がクラウスの危機に見せる表情や態度に垣間見える愛が切なくも美しいです。
タフな男クラウスも素敵。アズサを含めて大地も民も全てがタキの誇りだから、何一つ奪わせないという想いが本当に素敵。
巻末の『仁義なき肉球』は本編とのギャップがスゴいですが、可愛いので善き哉。 -
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幼くも男前な王子
王位継承権が低いにも関わらず命を狙われ、『死神王子』と呼ばれるほど周囲の護衛やメイドが死んでいく幼い王子 サフィールと魔術が使えない王宮魔術師のレヴィ。
傷付き、耐えて生きてきた2人が出会い、物語が動き出します。
レヴィがサフィールのために魔道具を作ったのは彼の周囲を含めて守ることでサフィールの心を守ろうとしたから。そしてサフィールもまたレヴィの心に寄り添います。『人なんて誰にだって殺せる。』と。王子としても人としても問題発言ですが、レヴィは化け物ではなく、サフィールにとって一番大事な人だと続けます。
なんて男前!幼いながらに男前なサフィールがカッコいいです!
お互いに『大好き』だったようなの...続きを読む