【感想・ネタバレ】国境のない生き方 -私をつくった本と旅-(小学館新書)のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月12日

ヤマザキマリさんの本を読むたびに自分の悩みがちっぽけなものに思えるし、視野が広がって気持ちが楽になります♡
やっぱり怖いもの知らずで勢いのある10代のうちに様々な経験をしておくことが大切だと思う。

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Posted by ブクログ 2023年11月21日

パワフルの権化みたいな人でビックリ。
テルマエ・ロマエの作者さんだったんですね。

何気なく読み始めた本だったけど、たくさん得るものがあって読んでよかったなと思った。
テルマエ・ロマエも読んでなかったのですぐに読んでみようと思う。

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Posted by ブクログ 2023年06月07日

まじでバイブル!!どうしようもなく辛かったことも後々振り返ると、必要な経験だったことがある。どんな悩みも地球規模で考えたらハナクソ、それな。

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Posted by ブクログ 2023年05月06日

ヤマザキマリさんにハマっています。
ヤマザキさんの言葉に何かしらの刺激や発見、後押しをしてもらっている気分。
読みながら、今の自分に響いてくる言葉がたくさんで付箋だらけになってしまいました。
また再読したい1冊です。

『人生は一度きりなんだから、無駄にできる時間はこれっぽっちもない』

『ガンガン...続きを読む傷ついて、落ち込んで、転んでは立ち上がっていると、かさぶたは厚くなる。その分、たくましくなる』

『人から見たらその人の突出してゆがんでいるポイントにこそ、その人がその人だけの道を切り開いた秘密が隠されているように思うのです』

『失敗を恐れて、動き出せない人は、自分の中で全部をやろうとしているんじゃないでしょうか。一か所にとどまっていると、悩みばかりがどんどん成長していってしまいます。もうだめだと追い込まれた時こそ、世界に向かってもっと自分を開いていった方がいい。
本当に自分が欲している栄養分はなんなのか。(中略) もし今いる環境の中に自分のプラスになるものがないなら、それを探す手間を惜しまないこと。
そのためには、やっぱり、歩きだすしかない』

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Posted by ブクログ 2023年03月19日

ヤマザキマリさんについては、すごく頭が良くて、なおかつ(良い意味で)個性的な方だなという印象を持っていました。本書を読んで、生まれ持った資質に加えて、海外での体験や大量の読書が今の彼女を形作ってきたのだなと感じました。環境面においては、(やはり個性的な)お母さんの存在が大きく、ヤマザキさんの個性がス...続きを読むポイルされることがなくて本当に良かったです。

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Posted by ブクログ 2023年01月19日

ヤマザキマリさんの本は『歩きながら考える』に続き二冊目ですがこちらの方がダイレクトにひびきました。

ヤマザキマリさんの半生がぎゅっと凝縮されているのだから当たり前かもしれません。
これからこの本を読んで社会に出られる若い人が羨ましいと心から思いました。

お母様はシングルマザーでオーケストラのヴィ...続きを読むオラ奏者。
14歳の時にヨーロッパをひとり旅し、17歳でイタリアに留学して絵の勉強を始められます。
そして隣の部屋のイタリア人の詩人ジュセッペと出会い、多大なる影響を受けパゾリーニの映画をすべて観ます。
そして27歳で息子のデルス君を出産します。
ジュゼッペとは別れます。
日本に戻り、デルス君を育てるために、イタリア語の講師などをしながら猛烈に働き、漫画家としてデビュー。
そして35歳で13歳年下のイタリア人ベッピーノと結婚。

人、旅、本が大切なのがよくわかる体験談でした。
この本は必然性があって読んでいる人には必ず刺さる部分があると思いました。

私にとってそれは、マリさんの読書歴であったかもしれませんし、人や土地との付き合い方だったかもしれません。


P104より
パゾリーニにしろ、プリウスにしろ、いろんな政治的な軋轢の中で生きてきた人たちですから、そこで押しつぶされないために、現実をバリバリ咀嚼する丈夫な胃袋を持っていたと思うんです。
 彼らが持っていた膨大な知識量は伊達じゃないんですね。彼らにとって教養っていうのは、単にひけらかすためのお飾りじゃなくて、現実を生き抜くための具体的な力、進むべき道を切り開くための飛び道具みたいなところがある。
 知識をそこまで鍛えあげるには、やっぱり、自分ひとりで抱え込んでいたのではだめで、常にアウトプットして、人とコミュニケーションすることが必要。
 これは私もイタリアで痛感したことですが、教養を高めるといっても「自分はたくさん本を読んだからいいわ」という話ではないんですね。見て読んで知ったら、今度はそれを言葉に転換していく。
 これって日本人に欠けているところではないかと思います。
 さまざまな国籍、文化、背景を持った人たちが一緒に生活している場所では「言わなくてもわかってくれる」はあり得ない。ヨーロッパの社会においては「自分の考えをアウトプットする」は必須の能力でもあるんです。
 ただし、それはいわゆるディベートとは違う。自己主張して、相手を圧倒することではないし、まして優劣や勝ち負けを競うものでもない。考えていることをアウトプットすることで、彼らは、教養に経験を積ませているんです。そうして、教養をブラッシュアップして、深化させていく。
 日本にも、60年代くらいまでは、こういう知識人がいたと思うのですが。


P252より
 だから思うのですが、みんな、持っている地図のサイズを変えてみたらいいと思うんです。基本にする尺度を変える。
 自分が暮らしている町でもなく、国でもなく、自分が生きているこの地球、この地球で生きているありとあらゆる生き物、そういうすべてをふくんだ宇宙、そこまで地図を広げていったら、ものの考え方や見え方も変わるんじゃないか。
 単純に地球があって、太陽があって、この環境の中で生きていける生命体として、私たちは命を授かったのだから、まず「生きてりゃいいんだよ」。これが基本。
 生きてていいから、生まれてきたんですよ。
 それなのに、なぜ生きていくのかとか、仕事がどうとか、人間関係がどうだとか、私にいわせれば、そんなものは、あとからなすりつけたハナクソみたいなものです。

 もっと、ただの生き物みたいに、生きることそのものに夢中になったらいい。
 あとからくっつけたいろんなものを、とっぱらって、囲いの外にでてみる。
 一度でも出てみれば、きっとわかると思います。
 この世界が、どんなに広いか。生きることは、そうやってあらゆる扉を開け放つこと。
生きる場所をここだけに限定することはない。用意されたものを生きるのではなく、もっと、人は多元的に生きていくことができるんじゃないか。
 そうして、何の囲いもない荒野を往くのなら、遠くの富士山を見ていけばいい。
 私は、いつも、そんなふうに思います。遥か遠くに美しいものを想い描くことができるなら、人は足元にある小石は気にならなくなるから。もう先に進むしかない。

 私も、まだまだ一か所にとどまる気はありません。
 人間は動く生き物なんだから、移動するのが当たり前。旅をするのも当然のこと。
 生きているからには、感動したいんです。感動は、情熱のガソリンですから。ガス欠になると途端に頼りない人になっちゃうので、まだまだ動きますよ。どこまでも!

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Posted by ブクログ 2022年11月23日

人間なんて、地球なんて、ちっちゃいちっちゃい。
そう、再認識させられた本です。
私もなんども、動物になれたらなぁ、友だちになれたらなぁ、なんて思ったり、地球から人間がいなくなったほうが、地球にとってはいいんじゃないかと思ったりしていました。
わかる、わかるよ、と頷きながら読み進めました。

わたしも...続きを読む、地球に愛される生き方がしたい。

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Posted by ブクログ 2022年09月14日

すごい人だなあ。漫画家といえば、締切に追われて仕事場に缶詰になっているイメージなのが、覆された。世界のあちこちで暮らし、何物にも縛られない破天荒な生き方をしている。歴史にも文学にも造形が深いが、理屈ではなく全て自分の経験と感性に裏付けられた、力強い自分の言葉で語っている。場所にも人にも縛られず、時空...続きを読むまでもこえた、「囲い」の外で生きている。圧倒された。

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購入済み

地図のサイズを変える

2015年06月10日

地図のサイズを変える、っていいね。スケールが大きい。

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Posted by ブクログ 2024年03月11日

「仕事にしばられない生き方」を読む前に、この本を一通り読んでおくことで、ヤマザキマリさんの幼少期から現在に至るまでを知ることができ、他の書籍へと進みやすい。
「テルマエ・ロマエ」で有名な漫画家だけど、こんなにも芸術や文学に詳しく、文章でも知的に分かりやすく表現される方だとは知らなかった。

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Posted by ブクログ 2023年11月01日

すごく面白かった。
お母様の生き方、子育て方針が爽快で、参考になりました。
たくさん、言葉をかきとめました。

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Posted by ブクログ 2023年08月19日

旅行ではなく、一度は日本を出て外国から日本を見ることは私もすごく賛成派。価値観が180度変わる。一度も傷つかず、挫折せず、経験せず、失敗を恐れて安全圏にいると、年を重ねて問題にぶち当たった時そこから脱出する術をなくして壊れてしまう。芸は身を助くとはいうけれど、絵の描ける人は本当に羨ましい。何処へ行っ...続きを読むてもそこから会話が生まれるから。

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Posted by ブクログ 2023年08月03日

ヤマザキマリさん、こんなに面白い人だと知らなかった!!!
とにかく視野が広くて本当に国境のない生き方。囲いの外に出てのびのび生きるまでには色んな苦労も悲しみもあっただろうけど、教育や教養や知識と経験で、「知らない、わからない、やったことない、聞いたことない」も全部吹っ飛ばすように受け入れて楽しんで生...続きを読むきているのが最高にタフで素敵でした。

「生きてりゃいいんだよ」「生きてていいから生まれてきたんですよ」なスタンス、めちゃくちゃ好きだなあ。

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Posted by ブクログ 2023年05月16日


何度かTVでお見かけしたことがあるヤマザキマリさん
失礼ながら何ひとつ作品を読んだことがなくテルマエ・ロマエも映画をチラっとTV放映で観た程度なのであるが…
この方のコメントを聞いていると、間違いなく自分の好きなタイプの女性であることがわかった
そのうち、この方はどんな人生を歩んで形成されたのか...続きを読むしら?と好奇心が沸々
…とタイトル的に非常に惹かれるこちらを読んでみることに

「私をつくった本と旅」こちらが副題だが、もうハッキリいってこれがすべて
そう、本と旅で出来上がった人であった(笑)

指揮者であったお父上は病気で他界されており、シングルマザーのヴィオラ演奏者の母親と妹の3人家族であったマリさん
ミッションスクールに通う深窓令嬢だったお母様にヴィオラで人生に転機が!
北海道交響楽団に初の女性団員として(両親から勘当同然の身で)縁もゆかりない地へ降り立つことに
そしてマリさんは北海道の大自然と本で育つ

◆お母様の生きる姿勢から得たこと

~見えない壁を突き破る
世界がどんな広いか
自分のいた場所がどんな場所だったか
世界はこんなにも美しい
生きるのは喜びであり、情熱である~
身をもって教えてくれたお母様

さらに続きがある
~他人の目に映る自分は自分ではない
人からどう見られようと
自分が志しを持って生きているなら十分やっていける
想像力とは孤独の賜物、個性の源泉~
(ふぅ、素晴らしすぎますねぇ 私は全く逆に育っているため、羨ましい限り)

◆海外留学で得たこと

母の代理で14歳(!)一人ヨーロッパ旅行
そして絵の勉強のためイタリア(フィレンツェ)留学した17歳
暗黒の青春時代だったそうな
ライフラインを止められる、その日食べるものにありつくが精一杯の貧乏な留学時代
そんな中、文壇のサロンが拠り所となる
メンバーには亡命者も多い
貧しいながら、文学の話を延々と語り合う仲間たち
時には喧嘩もしながら、自分の意見を言い対話の醍醐味を思う存分味わう
イタリア式アウトプットにより、人と人が限りなく近づくための寛容性を身につける
~膨大な知識量、教養はひけらかすお飾りではなく、現実を生き抜くための具体的な力、進むべき道を切り開くための飛び道具~
(頭でっかちになってはいけないのです 知識はため込むものではなく使うためのものですね)

飄々ともがき続ける
もがき苦しむ自分に酔うことなく
自分が体験した不条理な出来事を、どこか哄笑し、突き放してみせる
(こうありたいなぁ カッコいいなぁ)


◆「本」について
ちょっと脱線するが、私も大好きなガルシア・マルケスの「百年の孤独」が登場
あの本の凄さを言語化していただけているので紹介したい
~生まれては消える泡のようにはかない
しかしながらその人は確かに生きてそこにいた…という実在感が迫る
すべてを俯瞰してみせることで、人間の最も本質的なものをこんなにも生々しく浮かび上がらせることができるなんて!
剥き出しの人間そのもの、前も悪もない、人がこう生きるしかないという原初的な姿がありのままに描かれている~
(おおお、私が体感したことを代わりに言語化してくださる人がいるとはなん素晴らしいことだろう)

たくさん本を読むだけではダメ
見て読んで知ったら言葉に転換していく
アウトプットすることで教養に経験を積ませていく
教養をブラッシュアップして深化させていく
(これねぇ、なかなか周りの本好きがいないと難しい が、それをいかにアウトプットするかを考えることって大切でワタクシ只今模索中)


◆人生最悪の時から得たこと
息子を出産した27歳
毎日の借金取り立て、そして死さえ考えた時期

失敗はダメージポイントじゃない
失敗が増えるほど自分の辞書のボキャブラリーが増える、経験が増える
傷ついて、転んでは立ち上がるうちにカサブタは分厚くなり、たくましくなる
そして薄皮が一枚一枚剥がれるみたいに余分なものがとれていく
経験と時間がいる、点が線になり…腑に落ちるときがくる


いや~哲学だ
それなのにスカッとします
傷つきながら迷いながら悩みながら…自分の足で大地をしっかり歩いた人のご意見は心に響く
失敗続きで落ち込んでいる人、人生に迷いがある人、勇気が足りず悩んでいる人、テンションが上がらない人、
(わたしのように)省エネで生きているあなた(笑)…そんな人たちにおススメ
そして、読んだら何かを得ます
前向きになれます
何よりも元気と勇気が出ます
(省エネモードをオフにしよっと)

安部公房「けものたちは故郷をめざす」、三島由紀夫「豊饒の海」、小松右京「日本沈没」読まなきゃ
チェ・ゲバラに関する本も…
ワクワクするなぁ



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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月24日

ヤマザキマリさんの自由な発想、自由な発言が好きだと思っていましたが、この本を読んで、どうやって今のヤマザキさんが育まれたのか、少しわかった気がした。

特定の国ではなく、地球の住人として、世界地図を標準に考えたり動いたりする、そのパワーも考え方もステキ。
そういう考え方ができれば、人は小さなことで悩...続きを読むんだりしないですむ。

14才の娘を1人でヨーロッパに行かせるヤマザキさんのお母さんもスゴイが、様々な苦労も全ては将来の糧だと考えられるポジティブ思考はそのお母さん譲り。
型にはまらない生き方、万歳!

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Posted by ブクログ 2023年02月23日

閉塞感を感じたら、とりあえず移動してみる。
旅をしてみる。
これは私たちが生きて行く上でも有効だと思う
どこかに行けば、今抱えている問題が解決するとは思わないけど、自分が何に囚われていたのかに気づくことはできる。

生きることが、大好きな人。
生きるのはこんなにも楽しいことなんだ
生きるのは喜びであ...続きを読むり、情熱である

スティーブ・ジョブスのように
自分が否応なく持たざるを得なかった寂しさであり、孤独であり、どうしようとない弱さと、とことん向き合って、戦い抜いた結果、
こんな変な人になっちまいましたというような
抜き差しならないもの
自分らしさ、という枠なんかに収まらない

彼らにとって教養っていうのは、
単にひけらかすためのお飾りじゃなく
現実を生き抜くための具体的な力、
進むべき道を切り開くための飛び道具みたいなもの

自分の鏡じゃなくて、人の鏡に自分を
写そうとするしかないなんて、まるで
ピーテルブリューゲルの絵画盲人の寓話
のようです

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Posted by ブクログ 2023年01月30日

ヤマザキマリさんの作品を色々読書中。
こちらはヤマザキさんのユニークな生い立ち〜現在に至るまで、そしてそれが故の思考、色々と驚かされる。
他にも色々と読んでみたいと思った。

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Posted by ブクログ 2023年01月27日

ヤマザキマリ(1967年~)氏は、東京生まれ、北海道育ちで、イタリア在住の漫画家、随筆家、画家。
私は著者とほぼ同世代で、これまで著者について、イタリア人と結婚し、イタリアとの関わりが深い書き手である程度のことしか知らず、何となく気にはなりつつも、漫画を含めて作品を読んだことはなかったのだが、昨年1...続きを読む2月に、NHK番組「趣味どきっ! 読書の森へ 本の道しるべ」で紹介され、その本や読書に対するスタンス、更に言えば、生活や人生に対するスタンスに惹かれていたところ、新古書店で偶々本書を見つけて入手した。(NHK番組で取り上げられた本の大半は、本書にも出てくる)
本書は、著者の半生を、そのときどきに身近にあった本を含めて振り返った、所謂自伝で、若い人を読者として意識しながら書かれたものである。
著者のこれまでの歩みは(それが、本書に詳しく書かれているのだが)、ヴィオラ奏者を母に、指揮者を父に東京で生まれる(父は幼いうちに亡くなる)→北海道の大自然の中で育つ→14歳のときに1ヶ月間ヨーロッパを一人で旅する→17歳で絵の勉強をするためにイタリアに留学する→フィレンツェで文壇サロン「ガレリア・ウプパ」に入り浸る→イタリア人詩人と出会う→27歳で息子を出産する→イタリア人詩人と別れ、息子と二人で日本に帰国する→漫画家を含めて10足のわらじで仕事をする→イタリアを再訪したときに出会ったイタリア人比較文化研究者と35歳で結婚する→シリア、ポルトガル、アメリカで暮らす→イタリア在住、というもの。
読み終えて、実に多様な体験が、現在の著者を形作っていることがよくわかった。それは、単に世界の各地を移動したということに留まらず、個性的で情熱的な母親、様々な場所・機会における人々との出会い、数々の読書体験。。。そこには、普通なら望まないようなこともあれば、望んでも普通には実現できないようなこともある。(尚、1980年代のフィレンツェの文壇サロンでの体験は、著者も書いているのだが、1960年代に須賀敦子がミラノのコルシア書店で過ごした日々と二重写しになって、須賀敦子ファンにはたまならい)
私は伝記・半生記が好きで、幅広い分野の人々(芸術家、科学者、作家、実業家、アスリート等々)のそれをよく読むのだが、それは、伝記・半生記が書かれるような一芸に秀でた人の人生・体験には必ず何らかの魅力があり、(当然ながら)その人の人生を丸ごと真似ることはできなくても、様々な刺激が得られるからである。そういう意味では、本書も例外ではなく、実に刺激的な内容である。
印象的なセンテンスはいくつもあるのだが、特に挙げるなら以下の3つだろうか。
「私の中には、人が後天的に押しつけられた制度とか文化とか価値観を取り払うことで、人間の普遍的で、本質的なものを見極めたいという気持ちがものすごくあります。・・・私は、その手立てのひとつが「教養を身につけること」ではないかと思っています。何かを矯正されそうになった時に、「でもこういう考え方もある」「まだ、こういう見方もできる」と、「ボーダー」を越えていく力。」
「生まれたからには、命をもっと使えばいいと思うんですよ。傷つかないように、大事に守ってるだけじゃなくて、もっともっと使わないと。省エネで生きることは、結局、その人にとって損ですよ。」
「みんな、持っている地図のサイズを変えてみたらいいと思うんです。基本にする尺度を変える。自分が暮らしている町でもなく、国でもなく、自分が生きているこの地球、この地球で生きているありとあらゆる生き物、そういうすべてをふくんだ宇宙、そこまで地図を広げていったら、ものの考え方や見え方も変わるんじゃないか。単純に地球があって、太陽があって、この環境の中で生きていける生命体として、私たちは命を授かったのだから、まず「生きてりゃいいんだよ」。これが基本。生きてていいから、生まれてきたんですよ。それなのに、なぜ生きていくのかとか、仕事がどうとか、人間関係がどうだとか、・・・」
(2023年1月了)

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Posted by ブクログ 2022年12月09日

まさに本と旅の「本」でした。ヤマザキマリさんが100分de名著に出演されていたのを拝見し、本書を手に取りました。同世代の人間として、同じ人生の時間だったはずなのに、濃い生き方をされているし、エネルギッシュですね。少しマネてみようかと思いました。

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Posted by ブクログ 2022年11月28日

audiobook の聴き放題プランに来ていたので聞いてみた。
ヤマザキマリさんについては「どこかで名前を見たことがある…」と思っていたら、そうかテルマエ・ロマエの作者さんか!と少し遅れて思い出した。

漫画家の方の書くエッセイ…ということで興味を持ちながら読んだ(聞いた)。

するとびっくり。ただ...続きを読むの漫画家じゃない、というか、すごいバックグラウンドを持っている。
音楽家の家庭に生まれ、10代でヨーロッパに留学したり、イタリアで詩人と交際したり。さらに帰国後も、温泉の旅番組にテレビ出演したり。
自分が知らないだけでけっこう有名な方だったのか〜

本書の内容については、面白い部分もありつつ、☆5というほどではないかな。
ヨーロッパ滞在時代の哲学や文化の話は、関心・素養が無い読者にとっては少し眠くなるように思えた…笑
まぁでも半生に関するエッセイってそういうもんだよね、とは思いつつ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月07日

テレビで見るヤマザキマリさんは面白く、軽いイメージだったが、本書に触れて全くイメージが変わった。

若かりし頃のイタリア留学。
我々日本人が想像する、衣食住に困らない整備された留学とは全く違う。

身一つでイタリアに行き、食べることにも困る生活。
日本にいた頃からあったような、人と違う、自分を持って...続きを読むいて人と馴染まない性格に、孤独の中、イタリアで向き合った体験。それらの思想に同調させるように、親和させるように手に取られた書物の数々。

ヤマザキマリさんのような人生素敵!と今だけ見たら思うが、このような生活は他の人には耐えられないであろう。

若かりし頃から絵の勉強で単身イタリアに行くが、美術を勉強すると言うより、イタリアでの処世術であるような詩集や小説を読んで議論を戦わしたり、自分の意見を主張することを第一に学ぶ。

本書の中で印象的だったところ。

◯「教養とは何か。
教養とは、人を本来の姿に導いてくれる。それも自然なのだと思います。」

日本では、人と議論を交わすことをよしとしない。日本には素敵な文化があり、争わないことこそが私達日本人と言う民族である。海外から人が入る以前はそれこそ、大きな争いがない穏やかな民族と言えるが、主義主張を飲み込んで言わなかったりするのは、もしや、私達日本人が平和ボケし過ぎて、教養がないからではないだろうかと思った。自分自身がまさにそんな大人になってしまっている。


◯孤独。誰とも分かち合えない気持ち。
自分の中で周りの人と分かち合えない寂しさのようなもの、漠然としたその気持ちを本と対峙することで自分と語り合うことができる(私なりの要約)。

本を読むことの重要性を感じた。昨今の人々は世界中、SNSに傾倒しがちで、自分のもやもやした気持ちを誰か代弁してくれないかと、その場凌ぎで検索してしまう。でも、大切なことは本を通して、他人の気持ちや経験を追体験し、自分自身と対峙することではないかと思うようになった。そうしないことが、キレることに繋がったり、日頃の鬱憤を晴らすために著名人や芸能人を貶める行為に走る人がいる。

孤独ってなんだろう?私は今は家族や友達に恵まれているから孤独ではない、と思っていた。でもいつの時も、この気持ちは誰にも話せないとか、この怒りは私にしかわからないと言う部分は少なからずあるわけで、それを孤独というのかもしれない、と思った。


兎にも角にも、私が嗜んだことのない本が沢山紹介されていて、昔読んだけど忘れた「砂の家」や、自分の世代にはそこまでファンがいなかった三島文学に触れてみようと思った。

マリさんの世代はバブル期に若い時代を経験しており、そこが自分とは感覚が違うと思っていたが、日本のバブルを外側から見ていた人であり、そういう側面でも興味深かった。

何か息苦しい、同じことを繰り返している、ここのやり方を強制されることに飽きた、と思ったら、渡鳥のようにどこかに渡って行こう。生きていさえすれば、それで良いのだ。

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Posted by ブクログ 2022年07月08日

ラジオを聞いていて、対話なのに自分の話ばっかりする人だなぁとあまり良い印象なかったけど、この本読んで印象変わった。

彼女のような青春期をおくった人は一握りだろう。
どのエピソードも信じられないと思いつつ、メディアで拝見する彼女のイメージとリンクしていくからあぁ、リアルなんだな、この人は本物の文化人...続きを読むだなと感じる。だから言葉ひとつひとつがとても響く。

情熱はいいですよ、情熱は自分を助けてくれると言う言葉が好き。

また定期的に読みたい。未来の子供にも読ませたいぐらい良作。


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Posted by ブクログ 2022年06月20日

テルマエ・ロマエのイメージが強い山崎さんだけど、イタリアに詳しいなと思っていたら、こんなにスゴい方だったなんて。
井の中の…という言葉を思い出さずにはいられない。ほんと自分を高めて感動のひだをオンにしておかないと、せっかくのチャンスも素通りしてしまうものかもしれない、人生とは。
こんなにぶっ飛んだ人...続きを読む生真似できる人は少ないけど、居心地のいい井戸の中で満足しないように、心がけたいものです。

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Posted by ブクログ 2024年03月02日

著者が読んだたくさんの本の紹介と生き方がザーッと書いてある

共感できるところもできないところも

読んでみたいと思う本もたくさんあった

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Posted by ブクログ 2023年07月31日

14歳でヨーロッパに一人旅に行ったからか、筆者は考え方が壮大だった。出会った人々や本から自分の価値観に磨きをかけており、なんだか私も囲いの外に出ていろんな人と考えを共有したくなった。

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Posted by ブクログ 2023年01月02日

漫画の『テルマエ•ロマエ』の作者ヤマザキマリさんの本を読むのは3冊目。
ラストの「生きてていいから、生まれてきたんですよ。」というフレーズは、単純でかつ力強い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年12月17日

人生について、すごい自信をもって語っている。野生のカンを働かせながら、地球規模で自分の身ひとつで生きてきたら、こんな風に自然に自信が持てるんだろうな〜と思う。

「私にとって失敗は、ダメージ・ポイントじゃないんですね。失敗が増えれば増えるほど自分の辞書のボキャブラリーが増える…」

これらの言葉も、...続きを読む別に口先だけじゃなくて、過去の経験が有機的に結びついてできた代表作が、実際に証明しているならカッコいい。

タイトルを見たときから、「自分とは別のタイプの人のはなし」程度に構えて読み始めた。でも読み進めるうちに、このままでいいのかなんて焚きつけられる部分もあった。
いま海外で暮らすのは現実的ではないけど、国境に限らず、自分の限界と思っている範囲をを少しずつでも広げていきたいなと思えた。

そして、、著者以上にお母さんに魅力を感じてしまった…またお母さんにフォーカスした作品も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2022年08月23日

(個人的にです) 少し難しかった。というか、知らない本の名前や用語が結構出てきて、頭になかなか入ってこなかった。 ヤマザキマリさん本人、母親、恋人など、周囲の人間の活発な行動力にはただただ圧倒された。今の自分は、おそらく、異なる文化に衝突して、混乱しているのだろう。 もう少し時間が経てば、頭の中がク...続きを読むリアになって、面白いと思えるのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2022年08月09日

二度目だと思うけどまた読んでみた。
前にいつ読んだのかも謎だけど、多分テルマエ・ロマエの流行っていた頃だと思う。

省エネな生き方はするな、が心に響いた。最近は暑いので何かと省エネしてるしなぁ。これではいかん!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月01日

地図を地球サイズで生きてみよう。

ヤマザキマリさんの自伝であり人生論。どのような経験をしてきたのか、どのような本を読んできたのかが語られている。一言でいうと波瀾万丈。このような経験をしてきた人はなかなかいない。

本から吸い上げた思想と、人と出会って語り合って時に傷付いて得た考えと。どちらも大事で...続きを読むあり、人間を深くするものだと思う。海外に行く経験は、たとえ著者のような破天荒なものでなくても、大きく人を変える。

ワクワクする本だった。自分はおそらく遊牧民タイプではないけれど、人と出会って語り合う機会には積極的に飛び込んでいきたい。

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Posted by ブクログ 2022年07月17日

ヤマザキマリさんの波乱?の人生、一緒に旅をしている気分で読めました。物事に疑問を持ち、深く考えることの積み重ねが、人生の危機に生かされるような気がしました。国境を越え、一歩踏み出したくなる本。

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