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Posted by ブクログ
最近読んだエッセイ本の中では、一番良かった。コロナ禍に執筆されたようだ。
本書のテーマはずばり、食べもの。食というのは誰にも共通のトピックで、だからこそ著者のテイストが表れやすい。
多忙なビオラ奏者の母に育てられた著者は、14歳で欧州を一人旅し(!)、17歳でイタリアに留学する。その後イタリアで未婚で出産し、帰国してテレビでイタリア料理を紹介したり、イタリア語を教えたりした。14歳年下のイタリア人の夫と息子と世界各地で暮らし、数年前に漫画がヒットした。
そんな激動の人生を歩む著者の、各地での食べものにまつわる思い出や現在思うことが綴られている。文章に嫌味がなく、同じく外国生活が長い私は妙に共感できた。
食うや食わずの貧乏学生時代に食べたもののありがたみ。お腹が空いていれば、どんなものでも美味しく感じることができる。若さゆえの逞しさ、そしてどこでも現地の人とうまくやっている様子が頼もしい。イタリア人が食べているものの描写がとても美味しそうで、またイタリアに行きたくなった。お金をかけたお洒落な料理もいいが、シンプルなサンドイッチやピザで十分なのだ。著者にとっての「おふくろの味」とは、そして息子にとっての「おふくろの味」とは。
彼女の他のエッセイも是非読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
書店で平積みされているのをたまたま見かけ、イタリア人のマッシさんが紹介していた本だなと手に取ってみたら、数日前に読んだ「ラテン語で世界はできている」の著者ラテン語さんと対談していた方だと気づく。実は「テルマエロマエ」の作者さんであるということも知らなかった。
イタリア人が食に強いこだわりを持っているのは知っていたが、自分たちの食文化に誇りを持っているがゆえに、実は食に対してかなり保守的だというのは意外であった。これはイタリア人に限ったことではなく、私の知る限りではトルコ人も似た傾向にあるように思う。食わず嫌いが多く、少しの味見も怖くて試したがらない。なお、過去最も怖がられ不評だったのは海苔。
そう考えると、日本人も食への執着が強いが、外国の食べ物にも積極的に挑戦し、自宅で作ってみたり企業も商品化したり、時には一大ブームにすらなったりと、かなり寛容なのだなと気づかされる。
しかし、異文化食に対する姿勢がこれほど違っていても、ゴージャスで洒落たお高い料理よりも慣れ親しんだシンプルな家庭料理が一番おいしいという認識は、イタリア人も日本人も同じなのが面白い。むしろこれは世界共通の認識ではないかなと思う。
おなかがすいていれば、なんだって特別なご馳走になる。安上りでも、手が込んでいなくても、シンプルな料理をおいしいと感じられるのは実はとても幸せなことなんだなと思う。人生って食べることなんだなぁ。
Posted by ブクログ
P236
あとがきより
貧乏だからといって、まずいものしか食べられないということはない。味覚というのは想像力の力を借りさえすれば、いかようにでも美味しさという幸福感を与えてくれる。
イタリアでのド貧乏学生時代は、お金も食べるものも、無くなり絶望的な状況に陥ったことが何度もあるが、そんな時にやっとありつけた食事の美味しさだけは克明に覚えている。
安寧の中でいただくミシュランの星付きレストランでのゴージャスな食事もいいけれど、私にとって美味しさとは、空腹と食欲という本能の容赦ないアグレッシブさがあってこそ、極みをもたらしてくれるものなのである。
以上あとがきより
このエッセイを集約していることばだと思います。
この本は貧乏でも美味しく食べられたイタリア料理(何も具材が入っていないけど凄く美味しそうなパスタ他)から始まり、美味しそうなものがたくさんでてくるエッセイです。
ヤマザキマリさんは地元北海道のテレビ番組で料理コーナーに出演されてイタリア料理を教えていらしたこともあるほど。
レシピ本出して欲しいと思いました。出してください!!
イタリアの美味しいものは、パスタ、ピザはもちろん健康にもよい青魚、オリーブオイル、大豆、蜂蜜、トマト、メロンetc。
最近年を経てからは日本のデパ地下の魅力。
又、イタリア人の夫は、日本の牛乳が一番美味しいと言い、栗饅頭が大好きだそうです(モンブランに似ているから)。
身近なところでは日本の旅館の和朝食。私が食べたことがないものでは中国の火鍋が美味しそうでした。
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