葉室麟のレビュー一覧
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ネタバレ面白かったです。ただ、天正の世、国を創るために何を為したのか。そこが結局よく分からずで蒲生・織田の生き残り史にのようにも感じられる。まあ、女のいくさが怖いものだと言うことは判り申した!怖い怖い
信長に関わりの深い女たちの物語
帰蝶、お市、茶々、細川ガラシャ、五徳、お鍋の方…
信長の娘である冬姫を中心に戦国を生きる女のいくさが描かれます
昔から戦国武将に纏わる話は好きな方でして…信長関連の創作物は特に惹かれます
しかし、側室がお鍋の方で、子どもの幼名が酌て...
流石、第六天魔王。ネーミングセンスも破壊力抜群
比べると冬姫は良い名ですな
さぞ、贔屓にされた子だったのかとも思いますが実際はどう -
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副題「新撰組 篠崎泰之進 日録」
葉室麟さん去年の12月にお亡くなりになってしまいました。
実は本の貸借する友人が好きで読んだのを貸してくれるのと、
夫が作者初期の頃好み、家に本があったりで、かなり読んでいます。
(たしか、わたし葉室さんはもういい、といったような 笑)
でも、もう作品は増えないのですね。
司馬遼太郎さんような強い個性ではなく、臭みがないというのでしょうか、
さわやかな人間観察なのにちょっとおかしみのある描写、真摯な筆はこび。
この本の解説(朝井まかて)によると
葉室さんも司馬さんに啓発を受けていらっしゃったそうです。
「新撰組」という、映画に芝居に超 -
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作年12月に亡くなった葉室麟さんの二冊目の随筆集(一冊目は「柚子は九年で」)。
西日本新聞に連載された随筆の数々からは、彼の作品執筆に対する裏側が読み取れていいし、「書物の樹海へ」と題した項目で取り上げられた数々の本に寄せた解説文も素晴らしい。
ただ、「日々雑感」としてまとめられた中にある「健康への出発」は、亡くなる5か月ほど前に書かれたものだけに切ない…。
それだけ自覚していたのなら、もっと早く実行に移していればいいのに、との思いを禁じえない。
※「書物の樹海へ」で取り上げられた作品…
早乙女貢「奇兵隊の叛乱」山本兼一「おれは清麿」「修羅走る関ヶ原」青山文平「伊賀の残光」安部龍太郎「レオン氏 -
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戦国時代から江戸時代初期にかけての女性、特に「妻」の姿・生き方を描いた短編7作。
仙台藩から柳川藩に嫁いだ鍋姫の目を通して伊達騒動を扱った『牡丹咲くころ』が、特に印象深い。
伊達騒動については、従来悪役とされていた原田甲斐を主人公に、深謀遠慮で仙台藩を守った忠義の人とした山本周五郎の『樅の木は残った』が有名である。
葉室麟は、鍋姫と原田甲斐とのほのかな交情を描きながら、姫の婚姻も仙台藩を守るための、甲斐の画策によるものだとしている。
他の作も含めて、どこまでが史実で、どこからが著者の構想によるものかは、判別しがたいが、いずれにしても人の心の美しさ・真情を想起させてくれる物語となっている。