葉室麟のレビュー一覧
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面白かった
実在の人物、立花宗茂の半生を下敷きとした物語。
ストーリとしては、
秀吉によって筑後柳川十三万石の大名に取り立てられながらも、関ヶ原の戦いで西軍に加担したことにより、家臣とともに浪人の身に。
そこから、さまざまな苦労・苦難を乗り越え、ついに十数年後、領地に返り咲くという展開です。
Wikiによると関ヶ原の戦いで改易後、旧領を回復した武将は宗茂ただ一人とのこと。
本作のテーマは、自らの「義」を貫き通す姿。
立花の義は「決して裏切らない」ということ。
戦国から江戸の初期で、逆境に耐えながらもその義を貫き通す姿に引き込まれます。
また、それを支える家臣たち。
そして、本作では様々 -
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時代恋愛小説
激動の幕末の時代を下地にした恋愛小説です。
「この君なくば」は「この君なくば一日もあらじ」の想い。
ストーリとしては、
勤皇佐幕で揺れ動く九州・日向の伍代藩で軽格の家に生まれた楠瀬譲。その恩師の娘・栞と惹かれ合います。藩主の密命で京の政情を探るべく京に赴任しますが、そんな中、譲に思いを寄せる気丈な娘・五十鈴が栞のもとへ。
この三角関係がどうなる?っていうのが一般的な恋愛小説の鉄板ですが、時代小説では、その清冽な思いがすがすがしい。
栞や五十鈴の想い、そして譲の志が幕末の勤皇佐幕で大混乱の中、浮かび上がります。
清廉で凛とした純愛の物語です。
特に、五十鈴の想い・振る舞いが全 -
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葉室麟というと、もっとこう、骨太で固く・・言いかえるとちょっと地味なお話を書く時代小説の作家さんという印象が強かったんですが、こういうちょっと軽めのお話もあったんですね。そのあたり葉室さんをずっと好きな方とかだと酷評されたりするんでしょうか?そこまで御作を読んでない自分からしたら普段の読み応えのある重厚なお話もとても面白いですがたまにはこういうのも悪くないなあ、と。
ただまあ、長男・権平さんの「とても弱くて周りからバカにされてる」というのはどうなんでしょうね?結局のところ作中では無敗のとんでもない強さなわけで。ポンコツ感があんまりないよな。千草勘六の二人ももっとこう見せ場があっても・・・・いや -
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奈良時代の光明皇后を主人公に、長屋王の変をメインに据えた時の政争とひとびとの生きざまを描く。
葉室作品らしいまっすぐさを、殆どの人物が備えて描かれています。貫きたいものがそれぞれにあり、その為に手を汚すこともある……というような。
その中で光明皇后がつねに光たらんと生きる姿は、まさに葉室作品の女性像という感じです。
妖術使いがいたり、ややエンタメに寄っている印象を受けましたが、それは中世以降の時代物には出てくる殺陣のシーン等が描けない時代で、どう盛り上げるかのバランスだったのでしょうか。
それぞれの人物像の解釈の違い等で、もしかしたら好みは分かれるかもと思われますが、この作品において個人的 -
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ネタバレこの本を読む前に京都・建仁寺本坊方丈にある「雲竜図」その他を見てきた。
かなりの迫力に圧倒された。
この本を読んで、海北友松の作品の力強さの背景がよく理解できた。
本書では、春日局、安国寺恵瓊、明智光秀、斎藤利三(明智光秀の家臣)、織田信長、豊臣秀吉、狩野永徳等々歴史上の著名人が次々と出てくる。最後は宮本武蔵まで登場したのには驚いた。
Wikipediaで調べてみると、経歴・作品の詳細はあまりはっきりしないようだが、上記に名前を挙げた人物とは何らかの関係があったようだ。
海北友松のような戦う武士というか不満や怒りのエネルギーに満ち満ちている人物は、葉室麟の作品としては、そぐわないような感じ -
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葉室麟の本は江戸時代物が多かったが、初の明治維新後の本で知らなかった外相:陸奥宗光を描いた本。陸奥は坂本龍馬の門下生で龍馬が死しても師と仰ぎ江戸末期に押し寄せた諸外国と結んだ不平等条約の改正に尽力したとの事でその時代はイマイチ把握していなかったので色々と学べた。
当時の政治の表舞台には、渋沢栄一、通信大臣:榎本武揚、内部大臣:山縣有朋、大隈重信を追い落とした初代総理:伊藤博文らが鎮座している。井上馨は当時西洋かぶれで社交場として(鹿銘館)舞踏会を催し要人らは夫婦共々募って参加していた。陸奥も美貌を誇る妻:亮子を伴い参加するも伊藤博文は、岩倉具視の娘人妻極子に熱を上げる。この行為は伊藤自身が裏で