葉室麟のレビュー一覧

  • 月神

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    ネタバレ

    福岡藩の月形姓をもつ主人公が2人。2つの視点から維新前(中)と維新後の日本を描いた歴史小説。

    視点が2つにしたことで、ボヤけてしまう部分があるのは否めない。洗蔵はともかく潔がボヤけて冴えない。任務の重圧に潰されかけた可哀そうな役人を描写しただけの話に読めてしまう。

    1つの作品にせず分けた長編でも良かったのではないか、せめて上下巻にするとか…。

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    2019年04月24日
  • 花や散るらん

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    ネタバレ

    忠臣蔵の話の陰に朝廷や幕府の陰謀があった、というのは説得力があっておもしろいと思った。
    内蔵助の死ぬのが怖いけど、誰もが避けられないのだから、それなら生きたいように生きるしかない、という言葉が印象的だった。

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    2019年04月19日
  • 決戦!関ヶ原

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    同時刻で起こったことが、様々な作家からの視点で、書かれている。もっと立体的になるかと期待して読んだ。新しい説での展開は良いが、ちょっとしっくりこない印象であった。

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    2019年04月06日
  • 冬姫

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    ネタバレ

    面白かったです。ただ、天正の世、国を創るために何を為したのか。そこが結局よく分からずで蒲生・織田の生き残り史にのようにも感じられる。まあ、女のいくさが怖いものだと言うことは判り申した!怖い怖い

    信長に関わりの深い女たちの物語
    帰蝶、お市、茶々、細川ガラシャ、五徳、お鍋の方…
    信長の娘である冬姫を中心に戦国を生きる女のいくさが描かれます

    昔から戦国武将に纏わる話は好きな方でして…信長関連の創作物は特に惹かれます
    しかし、側室がお鍋の方で、子どもの幼名が酌て...
    流石、第六天魔王。ネーミングセンスも破壊力抜群
    比べると冬姫は良い名ですな
    さぞ、贔屓にされた子だったのかとも思いますが実際はどう

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    2019年05月04日
  • 花や散るらん

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    うーん、面白かったような気がするけど、あまりにも有名な出来事に絡めているので、ちょっと白けてしまった。

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    2019年03月13日
  • さわらびの譜

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    エンタメ小説
    悪役は悪役らしく、ヒーローはヒーローらしくわかりやすい。
    安心して読めるけど、1回読めばいいや。

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    2019年02月28日
  • 風かおる

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    ネタバレ

    楊梅というのが誰なのかはかなり前から薄々わかったものの、ミスリードさせるための言い回しがサスペンスものとしては稚拙だったかな。亮がまるでスーパーマンのように現れてちょっと笑えたけど、こういった演出嫌いじゃない。核となる部分があまりにも陰湿で辟易したけど、最後は明るく終わって良かった。

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    2019年02月14日
  • 無双の花

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    関ヶ原以降どうやって復活したか詳しく描写されているのが良かった。ただ、真田幸村や伊達政宗の登場のさせ方がやや強引。

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    2018年12月20日
  • 影踏み鬼 新撰組篠原泰之進日録

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    副題「新撰組 篠崎泰之進 日録」

    葉室麟さん去年の12月にお亡くなりになってしまいました。

    実は本の貸借する友人が好きで読んだのを貸してくれるのと、
    夫が作者初期の頃好み、家に本があったりで、かなり読んでいます。

    (たしか、わたし葉室さんはもういい、といったような 笑)
    でも、もう作品は増えないのですね。

    司馬遼太郎さんような強い個性ではなく、臭みがないというのでしょうか、
    さわやかな人間観察なのにちょっとおかしみのある描写、真摯な筆はこび。

    この本の解説(朝井まかて)によると
    葉室さんも司馬さんに啓発を受けていらっしゃったそうです。


    「新撰組」という、映画に芝居に超

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    2018年10月10日
  • この君なくば

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    幕末の激動のなかを生きる武家の譲と、檜垣鉄斎の娘栞の恋愛小説。とはいえメインはどちらかというと、幕末の読めぬ時勢と栞の強さか。今作は架空の人物も多いようで、設定もどこまで史実に基づいているのかわからないが、面白かった。
    幕末はあまり詳しくないのだが、日本が大きく変わった時代。まさに国造り。国の形を作っていくのは、大変だが、ものすごく面白い仕事だったろうな。

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    2018年09月10日
  • 風かおる

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    妻敵討ちの旅から帰ってきた佐十郎は、余命幾ばくもない身で、真の敵に決闘を挑もうとする。若き優秀な4人に若者たちが、どうして不幸な運命に巻き込まれてしまったのか。
    妬み、イジメが、もたらすもの。ほんのすこしの勇気、きっかけ、新たな風が吹けば、運命は変わったのかもしれない。

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    2018年06月15日
  • 決戦!本能寺

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    ついつい読んでしまうシリーズだ。
    最初の感動程はないがやはり面白い。

    一つの戦いに関わる人物達を別々の作家が書いている為に、事柄や登場する人物の捉え方がこの1冊の本の中でも全く異なってくる。
    本当はどうだったのだろうかが分からなくなるシリーズだ(笑)。

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    2018年06月09日
  • 決戦!大坂城

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    このシリーズは間違いがないと思う。
    例えばこの「決戦! 大阪城」で言えば、秀頼、淀殿、真田信繁は知っていてもその他については全くと言っていいほど知らなかった。何万人もの人々がこの戦いに絡んでおり、その何万人ものストーリーがあるのだとも思った。
    一般的の史実を分かっているとフィクションの部分も楽しめて面白みも感じる。

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    2018年05月15日
  • 河のほとりで

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    作年12月に亡くなった葉室麟さんの二冊目の随筆集(一冊目は「柚子は九年で」)。
    西日本新聞に連載された随筆の数々からは、彼の作品執筆に対する裏側が読み取れていいし、「書物の樹海へ」と題した項目で取り上げられた数々の本に寄せた解説文も素晴らしい。
    ただ、「日々雑感」としてまとめられた中にある「健康への出発」は、亡くなる5か月ほど前に書かれたものだけに切ない…。
    それだけ自覚していたのなら、もっと早く実行に移していればいいのに、との思いを禁じえない。
    ※「書物の樹海へ」で取り上げられた作品…
    早乙女貢「奇兵隊の叛乱」山本兼一「おれは清麿」「修羅走る関ヶ原」青山文平「伊賀の残光」安部龍太郎「レオン氏

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    2018年05月04日
  • 緋の天空

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    聖武天皇の皇后、光明子の話。長屋王の変を中心に大仏建立までの奈良時代を、藤原不比等の娘がどうやって生き抜いたか。ひとりの女性の成長譚。葉室麟のなかでは異質な話だったが面白かった。

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    2018年04月09日
  • 乾山晩愁

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    尾形乾山のことを調べていたら、辿り着いた小説。
    乾山だけではなく、江戸時代の絵師を題材にした五編からなる本書は、読みながら江戸時代にタイムスリップしたような感じをひしひしと感じる臨場感がたまらない。

    狩野派や土佐派などをはじめ、名前は聞いたことがあっても、長い江戸時代においてその関係性は意外と知らないことが多い。こういう物語形式で展開されると相関関係がわかりやすくていい。

    直木賞作家だった葉室さんという初めて知った作家。。。これからの作品も過去の作品ももう少し読んでみたいなと思わせる異才!

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    2018年04月04日
  • 山桜記

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    戦国時代から江戸時代初期にかけての女性、特に「妻」の姿・生き方を描いた短編7作。
    仙台藩から柳川藩に嫁いだ鍋姫の目を通して伊達騒動を扱った『牡丹咲くころ』が、特に印象深い。
    伊達騒動については、従来悪役とされていた原田甲斐を主人公に、深謀遠慮で仙台藩を守った忠義の人とした山本周五郎の『樅の木は残った』が有名である。
    葉室麟は、鍋姫と原田甲斐とのほのかな交情を描きながら、姫の婚姻も仙台藩を守るための、甲斐の画策によるものだとしている。
    他の作も含めて、どこまでが史実で、どこからが著者の構想によるものかは、判別しがたいが、いずれにしても人の心の美しさ・真情を想起させてくれる物語となっている。

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    2018年03月31日
  • 恋しぐれ

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    江戸中期、京都に住む俳人の与謝蕪村を中心とした短編集。
    蕪村は芸者の小糸に老いらくの恋をするが、門人に反対され別れさせられるところから、最後はやはり小糸に終わる。
    全篇が恋の話で、所々に蕪村の読んだ句が挟まれたつくりになっている。
    現代では芸者という職業がどうの不倫がどうのとやかましいのだろうが、それはそれ。
    当時の京都の住民の人情話を読んだ、みたいな感覚。
    「牡丹散る」で見せた円山応挙の男ぶりがッコイイ。ラストの「梅の影」もよかった。

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    2018年02月26日
  • 河のほとりで

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    昨年の12月突然亡くなってしまった、遅咲きの時代小説家でした。「蜩ノ記」で直木賞を受賞したのが、ついこの間のようです。まだまだ、書いて欲しかった作家でした。

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    2018年02月14日
  • 決戦!大坂城

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    寄せ集めてもストーリーにはなりえないのだが、それでも各作家の特徴は良く出ていると思う。
    司馬遼太郎、池波正太郎、松本清張はとても詠みやすいし、安部龍太郎、火坂雅志は短いながらも濃厚。

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    2018年02月11日