葉室麟のレビュー一覧

  • 千鳥舞う

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    不義密通をして破門を受けた女絵師の物語.女絵師が描く悲しみと愛情に満ちた絵を私も見たいと思った.そしていつの世も人は愛なくしては生きられない生き物なのかも.葉室さんらしい凛とした良い作品でした.
    以下あらすじ(巻末より)
    女絵師・春香は博多織を江戸ではやらせた豪商・亀屋藤兵衛から「博多八景」の屏風絵を描く依頼を受けた。三年前、春香は妻子ある狩野門の絵師・杉岡外記との不義密通が公になり、師の衣笠春崖から破門されていた。外記は三年後に迎えにくると約束し、江戸に戻った。「博多八景」を描く春香の人生と、八景にまつわる女性たちの人生が交錯する。清冽に待ち続ける春香の佇まいが感動を呼ぶ!

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    2015年01月22日
  • 千鳥舞う

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    全1巻。
    哀しい恋をしている女絵師が、
    様々な哀しさと出会う話。

    結構いい。
    葉室先生が女を書くと外れる印象を持っていたけど、
    これはよい。

    女絵師が依頼された「博多八景」。
    その一景を一章として、
    一章ごとに完結する哀しいエピソードが積み重ねられていく、
    群像劇のような構成。
    地味な話だけど中だるみ無く最後まで読ませる。
    クライマックスは結構グッと来た。

    「待つ女」なんて湿ったテーマだし、
    活かしきれていないキャラがいて少し気になったけど、
    奇麗な物語だった。
    女性が読んでも良いかも。

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    2015年01月15日
  • 霖雨

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    どうしてこんな主題にしたんだろう?
    主人公の兄弟、兄の広瀬淡窓は幕末直前に私塾の中とはいえ身分制度を廃した先覚者とされているし、弟の博多屋久兵衛は干拓事業や藩の財政立て直しに「民衆のため」という信念を持って当たった人物として描かれています。なのに物語の主題は西国郡代の私塾・咸宜園へのちょっかいとその対応なのです。何か小さい。しかもそれにドロドロとした色恋沙汰まで絡ませて。
    これが例えば弟・久兵衛の信念を主題に置いて、その伏線として兄の学識を置き、圭一郎と千世のゴタゴタを無くして千世一本に絞ってしまえば、随分すっきりとしかもスケールの大きな話になったように思います。

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    2016年05月29日
  • 霖雨

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    全1巻。
    九州の儒学者、広瀬淡窓の物語。

    ああ。
    ぽい。
    今作を読む前に「冬姫」を読んだけど、
    あっちは全然だった。
    こっちはらしい。

    大きなメリハリがある訳じゃないけど、
    まさに表題の通り、
    しっとり、じわじわ染みてくるような話。
    生きていくことの哀しさが底に漂い続ける
    藤沢周平っぽい葉室凛。
    ちょい役だと思ってたやつが重要なキーマンだったり、
    大塩平八郎と対比するアクセントだったりと、
    構成もよくできてるなあと思った。
    まあ、地味だけど。

    自分はみちのく出身なので、
    藤沢先生の暗く湿った感じは理解できるんだけど、
    カラッと眩しい九州の人間が、
    どうして藤沢先生と同じようなニオイをさせ

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    2014年11月26日
  • 随筆集 柚子は九年で

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    直木賞受賞以前から注目していた葉室麟の随筆集。
    作家としてのデビューが遅く、何度応募すれども賞に該当せず、「柚子は九年で花が咲く」の言葉に例え、10年目にやっと直木賞を受賞できたことを淡々と記している。
    著者の人柄がにじみ出るエッセイ集。
    巻末の短編小説も、著者の師事する藤沢周平の趣きがある佳作。

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    2014年11月21日
  • 無双の花

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    立花宗茂の半生期を描いた作品だ。
    戦国時代後半に活躍した大友家の家臣から豊臣秀吉によって吸収柳川に大名として取り立てられた豊臣大名の一員だ。

    基本は「義」だ。どう自分の生きざまを貫くのかが正室の誾千代との掛け合いでつわたるようになっている。

    何か一つを信じて貫く生き様が清々しい。

    それにしても史実とは随分と違う構成になっている。
    誾千代との仲や浪人中のエピソードなど人間、宗茂が成長する要因として描かれている。いい印象になるようになっているね。

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    2014年10月31日
  • 星火瞬く

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    ネタバレ

    シーボルトの息子が主人公だなんて。。。。意外すぎて、フィクションかとおもいきや、実在する人物ではあるみたい。ストーリーは日本の有名人勝海舟や高杉晋作なんかも出てくるし、臨場感があって引き込まれる。
    バクーニンを調べたら、やっぱり存在してるし。。。笑
    でも載ってた写真はイメージとは違う感じでした笑
    でも葉室さんの作品では、武士が主人公の方が好きかな。大和魂というか、日本人の感情の繊細で奥ゆかしいところを描き出すのがとても上手だと思うからです。

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    2014年10月25日
  • 秋月記

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    ネタバレ

    政治の悪役が、見方を変えると悪役では無かったり。
    自分がその立場になってみて、初めて理解できたり。
    単純ではないんだな。

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    2014年10月18日
  • 星火瞬く

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    幕末、横浜に現れたロシアの革命家・バクーニンと日本の志士たちの話。シーボルトの息子の目線で書かれる。
    読後感はそれなりな感じで、感動とか新鮮さはない。

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    2014年09月16日
  • 星火瞬く

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    全1巻。
    「シーボルト事件」で有名なシーボルトが、
    後年、息子を連れて日本に帰ってきた時の、
    息子視点での物語。
    息子がストーリーテーラーな立ち位置。

    これは結構すごいかも。

    主人公とも言うべき位置に、
    ロシア人革命家を配置。
    動乱の気配が漂ってきた日本に、
    外国人革命家が種をまく。

    幕末を、外国人目線で見るだけでも珍しいけど、
    それだけなら他にも似たようなテーマの作品はある。
    でも今作はさらに、
    維新が革命だったという事を
    改めて読者に気づかせる。
    これは結構目から鱗だった。

    勝海舟や小栗忠順、清河八郎、高杉晋作といった
    幕末のビックネームが
    ロシア人革命家に何かしらの影響を受け、

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    2014年09月03日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    ピックアップされることはたぶん珍しい、藤原隆家が、道長との政権争いを繰り広げながら、最終的には外敵襲来に立ち向かう……というテーマは面白いのですが。なんか文章が読みにくい……そして中弛む……(汗) 清少納言と紫式部の対比とかは面白かったのですが、むむぅ。

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    2014年08月07日
  • 恋しぐれ

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    蕪村とその周辺の人々の大人の恋、というより老いの恋を描く短編集。
    特に男の晩年の恋を、俳句や絵に託して作品を描く新しい試みに挑戦している。
    文体は藤沢周平を彷彿させ、淡々とした感じで良い作品でした。

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    2014年07月30日
  • 無双の花

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    関ヶ原の戦いの後、九州・柳川藩の藩主、立花宗茂を主人公にした物語。
    作中にしばしば「立花の義」と言う言葉が出てきます。ところが宗茂の行動からは余り強く「義」というイメージが涌きません。行動で示せないところを言葉で補おうとしている様に見えます。
    大きな流れでいえば、秀吉に取り立てられた宗茂は関ヶ原までは西軍に付くのですが、最終的には大坂の陣で東軍武将として働くのですから。それならば、東軍についても最後まで豊臣を存続させようとして加藤清正の方が、もっと「義」のように見えます。
    もっと小さなエピソードを積み重ねる様に「義」を描いて欲しかったなあ。そうすれば説得力が出たと思えるのですが。
    それよりも

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    2016年05月29日
  • 無双の花

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    全1巻。
    立花宗茂の半生。

    あまり知られていない地方の事件や、
    時代物のイメージが強かった著者が、
    戦国小説を書かれたのが意外。
    でも、選んだのが立花宗茂ってのは
    なんだか”らしい”と思った。

    正直特に目新しくもなく、
    立花宗茂同様、律儀な物語って印象。
    地味っちゃあ地味。

    朝鮮での活躍など、
    武将として活躍した合戦シーンは少なめ。
    でも、その分全体像がわかりやすく、
    立花宗茂を知りたいって人にはよいかも。

    ラストシーンはキレイだし、
    伊達政宗とのやり取りは結構好き。

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    2014年07月14日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    風渡るの続編。別の視点から描かれる短編集。
    キリスト教が正義とばかりに全面に押し出されるのが少し飽きてしまった。

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    2014年07月13日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    雅という一言に尽きる。
    平安中期、叔父である藤原道長と政争し九州大宰守として外敵と戦った藤原隆家を描いている。登場人物は安倍晴明、清少納言、紫式部などもおり、前半は朝廷の政争が、後半は外敵との戦いが展開される。
    平安時代なのに戦記?と思って読んでみたが、予想以上に雅だった。

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    2014年06月12日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    黒田官兵衛の話と思って読み始めたら、長政が成人後の、黒田如水キリシタンとしての部分がテーマでした。
    如水やガラシャ夫人、織田信長の孫の秀信などを取り上げた短編集のような作りで、今までとは違った視点でこの時代を考えることが出来た。

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    2014年06月04日
  • 風渡る

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    貿易風、偏西風さえも巻き込む戦国の世を吹き抜ける幾多の野望の風。傲慢の罪に取りつかれた天下人たちへの謀が楔を打ちながら、信念に満ちた軍師と修道士の交流が時代を通り渡たる。子午線をはさむガラシャとマリアのお告げのラストは続編へ誘い込む。各々の内面への深追いは無く、刻々とした読後感。

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    2014年05月12日
  • いのちなりけり

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    ひとつの和歌を追い求める剣豪と、その妻。
    話はとても面白いのだが、人物名や藩・地名などが非常に多く、丁寧であるがゆえに読み辛い印象があった。

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    2014年04月29日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    「藤原隆家の闘い」「戦う光源氏」とはちょっと違ったという印象。一つの時代を生き抜いた、“普通”とはちょっと違う男の芯のある生き方を見せてもらった感じ。

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    2014年04月29日