葉室麟のレビュー一覧

  • 天翔ける

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    物語はペリー来航の10年後より始まり、途中から主役である松平春嶽の半生を描き出す。

    淡々とした抑揚のない文章に心惹かれる部分もある。歴史証言を山積した文脈!!!

    松平春嶽は劉備でいう伏龍と鳳雛に、横井小楠と橋本左内を挙げる。横井と橋本の描き方が葉室麟さんらしく、とても丁寧に描かれている。

    解説にもあったがこの『天翔ける』の初版発行日の3日前に葉室麟さんは亡くなられている。なんとも感慨深い作品である。

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    2023年02月23日
  • 天翔ける

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    幕末から明治の時代を生きた、松平春嶽の生き様が語られた物語。
    福井藩の松平春嶽という人物は、本書で初めて知りました。

    本書を通して感じられる春嶽は中庸の人物。
    さまざまな困難がありながらも、国益のため尽力を尽くす人物。
    とは言いながらも、「俺が俺が」というタイプの人ではなく、様々な人の意見を聞き、参謀を育て、あるべき姿を求めるリーダ像を感じさせる人物でした。

    その対比となるのが慶喜。
    「私」を捨てられず、坂本龍馬暗殺の黒幕のような描かれ方でした。それはそれで面白い。

    そして、明治維新後に西南戦争で戦死した西郷。その志と生き様も熱いです。

    そんなこんなで、幕末、明治維新を生きた男たちの物

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    2023年02月18日
  • 蒼天見ゆ

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    「最後の武士」の物語。

    裏表紙も解説も前情報を何も読まずに、読み進めて行ったら、主人公と思っていた臼井亘理が前半で殺されてしまいます。
    「え?主人公が死んじゃうの?何これ?」
    って思い、裏表紙を読むと、ここからが神髄でした(笑)
    その亘理の息子、六郎の仇討ちの物語でした。

    江戸時代には美徳とされていた「仇討ち」
    しかし、明治時代では、それは犯罪。
    それでも、本懐を遂げるべく、六郎の信念に心打たれます。
    そして、六郎が出会った人たちメッセージ、さらに六郎の周りの人たちの想いが伝わってきました。

    時代が変わり、人の考え方も変わっていく中、まさに「最後の武士」でした。

    さらに仇討ちできて終わ

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    2023年02月18日
  • いのちなりけり

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     設定が細かい、佐賀の鍋島家、龍造寺家、天源寺家、その分かれがどうのこうのと、読み終えてすぐ忘れてしまった。まあ武士というのもこんなことが一大事では、とても長くは持つまいと思う。
     うまく中身になじめなかった作品。

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    2023年01月21日
  • 風花帖

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    史実である藩の内乱をベースにしているらしいけれど、とにかく双方の企みがレベルが低くかつ卑怯過ぎる。
    新六は葉室作品らしくどこまでも一途で清廉な性格で、芯の通った行動を貫くものの、藩の上役たちの酷さに救いがないので少々興醒めしてしまった。
    常に静かな感動を与えてくれる葉室作品にしては少し残念な印象かな。

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    2023年01月14日
  • 暁天の星

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    ネタバレ

    葉室麟最晩年の作で未完。陸奥宗光を描いたものと坂本龍馬の姉を描いた短編。龍馬の姉については、司馬遼太郎も津本陽も作中に登場させているが、こんふうに活劇の中に登場するとは思いもよらなかった。未完で十分な手を入れられないまま出版せざるを得なかったことがとても残念。

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    2022年12月04日
  • 星と龍

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    ちょうどNHK大河ドラマで鎌倉幕府と北条家の争いを放送していることから割と分かりやすく入って来た。楠木正成はもう少し時代的に新しい人かと思っていたが大きく違った。
    歴史の勉強にもなった一冊だった。

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    2022年11月24日
  • 実朝の首

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    いきなり雪の鶴岡八幡宮のシーンから始まる歴史ミステリー。前半は実朝の首、後半は三寅をめぐる三つ巴の“争奪戦”がスリリング。特に三浦氏の郎党・武常晴ら“七人の侍”の活躍が痛快。暗殺の真相についても一捻りあって面白かった。ちょっと説明的に過ぎるところがあるけれど、考証のしっかりした内容で読み応えはあった。

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    2022年11月13日
  • 秋月記

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    淡々とした筋運びで、いまひとつ物語に入り込めなかった。登場人物やエピソードが多すぎて、私には消化しきれなかったのかもしれない。

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    2022年10月28日
  • 緋の天空

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    これはついていけなかった(笑)
    奈良時代、聖武天皇の皇后として生きた光明子の物語。
    この時代の歴史ものって読んだことが無いと思う...

    登場人物の名前は記憶の片隅でなんとなく覚えがあるぐらいで、この時代背景やその人物たちのなしたこと、事件など、すっかり忘却の彼方で、再び奈良時代の日本史をこの物語を通じて学び直している感じ(笑)
    なので、どこまでが史実なのかもよくわからず、日本史の教科書を読んでいるような感じになってしまいました(笑)

    本書を通じて「長屋王の変」というもものを理解しました。
    そういうことがあったのね。
    そして、それが光明子に与えた影響。
    天皇を支え、国の為に尽くす!

    葉室さ

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    2022年10月16日
  • 霖雨

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    雨になぞらえて困難を書いておりましたが、なんか無理矢理困難さをアピールしていた感じでそんなに困難に見舞われてないように思いました。
    何故に塾が流行ったのかを中心にしてくれれば本望だったなぁと勝手に感じました。

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    2022年10月12日
  • 乾山晩愁

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    戦国から江戸の絵師たちを綴った短編5編
    尾形乾山、狩野永徳、長谷川等伯、狩野雪信、英一蝶の物語。
    しかし、ほとんど名前を聞いたことがありません(汗)
    なので、この物語の面白さを自分では理解できません(涙)
    結局、作品をググって確認しました。
    これらの絵師たちの人生の悲哀や苦悩が当時の時代背景やその出来事と共に語られます。赤穂浪士ともつながっています。

    ■乾山晩秋
    尾形乾山の物語
    赤穂浪士の討ち入りとも絡んでいます。

    ■永徳翔天
    狩野永徳の物語
    信長から「天を飛翔する絵」を求められた永徳。
    そして、長谷川派との争い
    狩野派を守るための戦い

    ■等伯慕影
    長谷川等伯の物語
    等伯からみた狩野派と

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    2022年10月08日
  • 風かおる

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    将来を嘱望された藩士たちの出世争いが絡む話かと思っていたら、男女間の嫉妬が起点となった何とも姑息な所業による禍いによるものだったとは。おまけに身勝手な友情もどきの隠蔽を本人たちは正当化しているところが醜い。
    物語の中心となっている若者たちが真っ直ぐなだけに、対比によって少し後味が悪い作品で、葉室氏らしくないかも。

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    2022年09月24日
  • 実朝の首

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    文庫が出た時あたりに読んでみたが、人物関係がよくわからず、途中で断念。
    大河ドラマで大体分かったところで読んでみたら、全員とはいえないが大体わかった。
    今の時代も女性が政治をした方が戦争は起こらないんじゃないかと思う。

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    2022年09月18日
  • 洛中洛外をゆく

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    京都に居を構えた著者が、自身の小説の主人公たちについて語り、関連する洛中洛外の寺社等を解説する。
    第1章『乾山晚愁』の尾形光琳・乾山、第2章『墨龍賦』の海北友松、第3章『孤峰のひと』の小堀遠州。
    それに著者の人生論等を述べたエッセイと、澤田瞳子ほかとの対談を併録。
    葉室麟ファンには、一読の価値あり。

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    2022年09月01日
  • 嵯峨野花譜

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    言葉の美しい本でした。僧であり活け花で人の生き方や人生を表す胤舜の感性が伝わるような作品でした。活け花の深さを知る作品と同時にこの時代の人の心のありようが分かるような気がした。また、母である萩野と父である水野忠邦と難しい時代の家族のあり方のように思うと現代はどれほど自由な時代かを感じた。

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    2022年08月11日
  • 暁天の星

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    2017年に逝去された作者による、陸奥宗光が主人公の「未完の大作」。妻・亮子さんの出番も多く、薩長や欧米諸国の圧力に屈せず明治の世を闘う夫婦の物語、という見方もできます。
    まさに「俺たちの闘いはこれからだ!」のような場面で終わっているので読者としても寂しい限りです。ですが「刊行に寄せて」にもある通り、タイトルの意味&本作が目指したテーマに触れた一文を最後に書き残されています。
    個人的に、怜悧さが際立つイメージのためか、陸奥は小説の主人公としては好まれにくかったように思います。
    だからこそその生涯をどう描き切って、司馬史観の先を提示しようとしたのか気になります。

    自分なりの大局観のためにあえて

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    2023年04月12日
  • 雨と詩人と落花と

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    和歌を作品に巧みに取り入れる著者が、今回主人公に据えるのは詩人の広瀬旭荘。
    題名は、旭荘が妻のために吟じる詩の一部から来ている。
    今で言うDVも仕掛ける旭荘が、二度目に迎えた妻の理解により、次第に夫婦愛に目覚めてゆく様が格調高く描かれている。
    旭荘の詩が次々と登場し、読み下し文とともにその解釈も綴られ、漢詩の意味を門外漢にも理解することが出来る。

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    2022年07月05日
  • 神剣 人斬り彦斎

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    著者の作品の主人公はいずれも、己の信じる道を真っすぐに進み、その生き方に清々しさを感じ共感を覚える。
    しかし、本書の主人公だけにはその思いを持つことにためらいが。
    人斬り彦齋は、神の託言によって人を斬るという。
    それはすべて攘夷のためで、国を思い大義に殉じるというが、現代の目から見れば神がかり的で、どうにも納得できないのは、読書子だけだろうか。
    井伊大老を倒した桜田門外の変には、確かに歴史を転換し前に進める意義があったと思うが、彦齋の佐久間象山暗殺はただのテロとしか思えないが。

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    2022年07月02日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    平安時代に海を渡って戦いを挑んで来た刀伊(とい)に、藤原隆家(道長の親戚)が太宰府で待ち受け、激しい闘いがあったなんて知らなかった〜。
    実際にあった話を、小説だから隆家の性格とか戦い好きの貴族として面白く描いています。
    終盤に起こる事件の刀伊入寇までが長くて、若い頃の隆家、伊周、道長、花山院の因縁など説明的だけどわかりやすい。
    平安時代の、清少納言、紫式部、安倍晴明などオールスターキャストがちょっと盛り上げてくれる。

    船での戦いとかちょっと好き。

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    2022年06月27日