葉室麟のレビュー一覧
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重く暗い話が最後まで続く。
藩の改革に強権を使って邁進する中老の父が、重臣たちの奸計に嵌って切腹させられる。恨みに思った息子が復讐を誓って藩に戻ってくる。父と息子は離反していたが、これには秘密があった。また、切腹に伴い妹が遠縁に預けられるが、預け先の主人も中老に薫陶を受けていたが、重臣たちの悪巧みで妹と結婚させられ、重臣たちの意を受け表向きの改革を求められるが反発する。改革をめぐって、藩御用達の商人達も参戦する。
幾つもの闘いと敵になったり味方になったり、最後は幕府に訴えられて絶対絶命のピンチ。改心した兄が最後のキーとなる。
複雑に絡み合い過ぎて、先が気になりあっという間に読み進めてしまう。た -
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面白かった
10作からなる短編連作の物語
博多八景を描く過程で出会った人々の悲哀の物語
比翼屏風(びよくびょうぶ)
濡衣夜雨(ぬれぎぬやう)
長橋春潮(ながはししゅんちょう)
箱崎晴嵐(はこざきせいらん)
奈多落雁(なたらくがん)
名島夕照(なじませきしょう)
香椎暮雪(かしいぼせつ)
横岳晩鐘(よこたけばんしょう)
博多帰帆(はかたきはん)
挙哀女図(こあいじょず)
からなる物語
主人公、女絵師の春香(里緒)は豪商亀屋藤兵衛から「博多八景」の屏風絵を描く依頼を受けます。
しかし、3年前、里緒は杉岡外記との不義密通により、破門。外記も3年後に迎え来ると、江戸へ。
離ればなれになりながらも外 -
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面白かった
ミステリー仕立ての物語。
暗いテーマながらも、主人公たちの軽い掛け合いでそれをカバーしています。
「潮騒はるか」の前編です。
誠之助、千沙、菜摘が長崎に移り住む前の物語。
ストーリとしては、
鍼灸医の菜摘のもとに10数年ぶりに現れた養父佐十郎。
佐十郎は妻敵討ちの旅にから戻ってくるも、戻ってきたのは、妻敵討ちをそそのかした人物との果し合いのため。
しかしながら、佐十郎は病に侵され、余命いくばくもない状態。
そんな中、果し合いなどできるのか?
菜摘の弟の誠之助
菜摘を姉のように慕う、男装をしている千沙
3人は、果し合いの相手を探るとともに、それをやめさせようと東奔西走します。
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徳川家康の姪である満天(まて)姫は、津軽家四万七千石の津軽信牧(のぶひら)に嫁ぐことになった。信牧の正室は石田三成の娘であり高台院(秀吉の正室北政所)の養女である辰姫。2人の姫は敵味方の立場に置かれながら、心を通わせる。津軽家を舞台とした時代小説に触れるのは珍しいので読んでみたが、初めて知る歴史的な事実も多かった。徳川政権が発足して間もない頃に、大名が家を残すためにいかに気を配り神経質になっていたかがうかがえる。
あとがきによると、作家諸田玲子氏が著作「梅もどき」で、脇役の一人として関ヶ原の戦いで大阪城を出て高台院に庇護されるまでの少女時代の辰姫を描いている。 -
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安土桃山時代の物語
実在の人物で建仁寺の「雲龍図」を描いた海北友松の生涯の物語。
その「雲龍図」は知っていましたが、作者のひととなりは知りませんでした。
これまた、どこまでが史実なのか分かりませんが、特に後半部分はワクワク楽しめました。
ストーリとしては、
武士の家に生まれながら仏門に入ることになった友松。しかし、実家・海北家は滅亡し。武士に戻りたくとも戻れず、葛藤を抱きつつ絵師として生きていくことに。
そこで、狩野永徳、安国寺恵瓊、斎藤利三、明智光秀達と出会い、この時代に大きくかかわっていくことになります。
とくに、後半、本能寺の変の裏側について描かれており、その内容は面白かったです。さら -
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正直いまいち
幕末の物語ですが、主人公に思い入れできる感じでもなく、教科書を読んでいるような感覚でした。
ストーリとしては大きく2つ
幕末、尊王攘夷派の中心となって、福岡藩を尊攘派として立ち上がらせようとする月形洗蔵の章
尊王攘夷と藩主との間で苦悩しながら、薩長を結び付けようと尽力。しかし、最終的には維新の直前で刑死してしまいます。
後半は洗蔵の甥の月形潔の章
新政府の命をうけ、北海道で集治監を作り、その看守となり、北海道の開墾を務めます。
北海道の極寒、その過酷な自然環境下で囚人たちを監視し、環境を切り開いていく物語
激動の明治維新の中で己の信念をかけた二人の物語です。
しかしながら、 -
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残念、「風かおる」の続編とのことでした。
そっちを先に読むべきかなと。
幕末の長崎の物語。
ストーリとしては、
蘭学を学ぶ夫の亮を追って、弟の誠之助と誠之助を慕う千沙とともに、鍼灸医の菜摘は長崎に移り住みます。
そんな中、千沙の姉の佐奈が不義密通、夫の毒殺、福岡から脱藩してきて長崎に投獄されている状況。さらに、佐奈は子供を身ごもっています。
佐奈にはいったい何があったのか?
本当に夫を殺したのか?
4人がその真実を追います。
ミステリー要素がちょっと強いかな
幕末ということで歴史上の人物が多く出てきますが、色々出てきて、心震えるようなところまでは至らず..ちょっと残念。 -
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光明皇后がメインの話。
幼少期の安宿媛(あすかべひめ)から没年まで。
光明皇后の名の通り、光を照らしたような人物だった。
そして、長屋王の息子の膳夫(かしわで)との
恋とは言いがたい、ほのかな気持ち。
聖武天皇(首皇子)との国を思う気持ち。
光明皇后もいろんな思いを背負って、
政をしてたんだなぁー、って思ったよ。
個人的には、頭の中が「天上の虹」での設定に
なってるので、
「長屋王は、こんなに悪いやつじゃない!!」ってなったー笑
天武天皇や持統天皇、穂積皇子、但馬皇女、大津皇子など
もぅ、たくさん名前が出てきて、
私にとっては幸せ過ぎましたー!!
が、きっと、知らない人が読めば「?」だと