葉室麟のレビュー一覧

  • はだれ雪 下

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    ネタバレ

    忠臣蔵のサイドストーリーとして、浅野内匠頭に
    殿中刃傷沙汰の真意を聞いた旗本が綱吉の機嫌を
    損ねて扇野藩に流罪(預かり)となったために、
    扇野藩の思惑や赤穂浪士の想いがもつれ動きに合
    わせて深刻な危機が降りかかるのだが、その状況
    下に於いて武士とは・想いを寄せる者への気配り
    (後に妻となる)それぞれの立場への配慮などを
    淡々とであるが劇的な状況を描きだし見事なラス
    トへつなげる・・・葉室麟先生の筆力は凄まじい

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    2022年04月15日
  • はだれ雪 上

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    ネタバレ

    若くして亡くなられた葉室麟先生の作品
    氏の創作された架空の扇野藩を舞台に忠臣蔵の
    外伝が抒情的にも淡々と描かれている
    この作品で武士の有り方や夫婦(恋愛)の生き
    方の模範となるやり取りが見られる

    ※個人的に喧嘩両成敗の原則とか万葉集の素養
     を持つ武士とかが違和感があった(´・ω・`)

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    2022年04月15日
  • 墨龍賦

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    2022.3.30完了
    武将でない人の視点はおもしろい。
    きっとこんな人もいたろうなと考えさせられる。
    葉室氏らしい読み易さもあって’良い’。

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    2022年03月30日
  • 青嵐の坂

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    重く暗い話が最後まで続く。
    藩の改革に強権を使って邁進する中老の父が、重臣たちの奸計に嵌って切腹させられる。恨みに思った息子が復讐を誓って藩に戻ってくる。父と息子は離反していたが、これには秘密があった。また、切腹に伴い妹が遠縁に預けられるが、預け先の主人も中老に薫陶を受けていたが、重臣たちの悪巧みで妹と結婚させられ、重臣たちの意を受け表向きの改革を求められるが反発する。改革をめぐって、藩御用達の商人達も参戦する。
    幾つもの闘いと敵になったり味方になったり、最後は幕府に訴えられて絶対絶命のピンチ。改心した兄が最後のキーとなる。
    複雑に絡み合い過ぎて、先が気になりあっという間に読み進めてしまう。た

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    2022年03月28日
  • 千鳥舞う

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    面白かった
    10作からなる短編連作の物語
    博多八景を描く過程で出会った人々の悲哀の物語

    比翼屏風(びよくびょうぶ)
    濡衣夜雨(ぬれぎぬやう)
    長橋春潮(ながはししゅんちょう)
    箱崎晴嵐(はこざきせいらん)
    奈多落雁(なたらくがん)
    名島夕照(なじませきしょう)
    香椎暮雪(かしいぼせつ)
    横岳晩鐘(よこたけばんしょう)
    博多帰帆(はかたきはん)
    挙哀女図(こあいじょず)
    からなる物語

    主人公、女絵師の春香(里緒)は豪商亀屋藤兵衛から「博多八景」の屏風絵を描く依頼を受けます。
    しかし、3年前、里緒は杉岡外記との不義密通により、破門。外記も3年後に迎え来ると、江戸へ。
    離ればなれになりながらも外

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    2022年03月27日
  • 風かおる

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    面白かった
    ミステリー仕立ての物語。
    暗いテーマながらも、主人公たちの軽い掛け合いでそれをカバーしています。
    「潮騒はるか」の前編です。
    誠之助、千沙、菜摘が長崎に移り住む前の物語。

    ストーリとしては、
    鍼灸医の菜摘のもとに10数年ぶりに現れた養父佐十郎。
    佐十郎は妻敵討ちの旅にから戻ってくるも、戻ってきたのは、妻敵討ちをそそのかした人物との果し合いのため。
    しかしながら、佐十郎は病に侵され、余命いくばくもない状態。

    そんな中、果し合いなどできるのか?

    菜摘の弟の誠之助
    菜摘を姉のように慕う、男装をしている千沙
    3人は、果し合いの相手を探るとともに、それをやめさせようと東奔西走します。

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    2022年03月27日
  • 津軽双花

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    徳川家康の姪である満天(まて)姫は、津軽家四万七千石の津軽信牧(のぶひら)に嫁ぐことになった。信牧の正室は石田三成の娘であり高台院(秀吉の正室北政所)の養女である辰姫。2人の姫は敵味方の立場に置かれながら、心を通わせる。津軽家を舞台とした時代小説に触れるのは珍しいので読んでみたが、初めて知る歴史的な事実も多かった。徳川政権が発足して間もない頃に、大名が家を残すためにいかに気を配り神経質になっていたかがうかがえる。
    あとがきによると、作家諸田玲子氏が著作「梅もどき」で、脇役の一人として関ヶ原の戦いで大阪城を出て高台院に庇護されるまでの少女時代の辰姫を描いている。

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    2022年03月17日
  • 嵯峨野花譜

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    京都・大覚寺の胤舜は、感情を上手に表す事ができない少年僧であった。
    師であり、未生流二代目である不濁斎広甫は、他者の為にはなを活ける修行を課す。

    胤舜は、二年前に母親に去られた過去があった。
    しかも、父親は、西ノ丸老中・水野忠邦。生まれたすぐに、父親からは、捨てられた。
    父親の愛情を知らず育った胤舜。

    「昔を忘れる花」
    「弟の一周忌に、心の裡にある弟のような花」
    「暗闇に咲く花」
    「西行法師の桜」
    「母上を守る花」

    数々の課題を通じて、自身を取り巻く、世の悲喜交々を感じ受け止め、成長していく姿を描いた。

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    2022年03月14日
  • 恋しぐれ

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    与謝蕪村を取り巻く人々の絵や俳句に込めた想いを綴った物語、歳の離れた小糸との恋も
    純粋で蕪村の心情が伝わった内容だった。
    蕪村の家は京都の仏光寺近くとある。休みの日にでも行ってみたい。

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    2022年03月09日
  • あおなり道場始末

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    葉室作品には珍しい明るくてどこかユーモラスなトーンで、かつ必殺技の存在もらしくないかな。
    でも家族の絆を軸に真っ直ぐ生きる三兄弟の姿は微笑ましいです。

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    2022年02月26日
  • 大獄 西郷青嵐賦

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    西郷さんが、薩摩藩が、なんかブラック…薩摩は勝ち組から見れば正義の味方みたいに書かれがちですが、政治ってどどちら側も結構汚いことやってたのね。

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    2022年02月23日
  • 神剣 人斬り彦斎

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    幕末の4大人斬りだそうだが、熊本ということもあるのか他の3人ほど知られていない。「るろうに剣心」のモデルだそうだが、全くこの本を読むまで私も知らなかった。坂本龍馬、西郷隆盛と他の人斬り3人は絡んでいるので、他の本でも良く見かける。
    人斬り彦斎は神託で占って相手を斬ったり、維新後も尊王攘夷の意思を変えずにいる。それが他の人斬りと違うところであるが、頑迷過ぎて読んでいても息苦しくなってくるほど。明治維新のゴタゴタもあり、スッと読むのが難しい。

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    2022年02月18日
  • 風渡る

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    物語が淡々と描かれているのと、あちこち人物に飛ぶので、なかなか入り込めなかった。黒田官兵衛ということで、期待しすぎたかもしれない。

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    2022年01月29日
  • 嵯峨野花譜

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    面白かった
    少年僧 胤舜が花を活けることを通して成長していく短編連作ストーリ

    10作の短編からなり、それぞれの章で華道のお題が出されます。そこで明らかになる哀しい事実だったり、暖かい想いだったり..そんな経験を通して、胤舜が成長していきます。

    さらに、胤舜の生まれにかかわる事件に巻き込まれる中、周りの人にも助けられ、母を想い、父と対決していく姿に心打たれます。

    ぶっちゃけドラマ(実写)で見てみたい(笑)

    お勧め

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    2022年01月22日
  • 墨龍賦

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    安土桃山時代の物語
    実在の人物で建仁寺の「雲龍図」を描いた海北友松の生涯の物語。
    その「雲龍図」は知っていましたが、作者のひととなりは知りませんでした。
    これまた、どこまでが史実なのか分かりませんが、特に後半部分はワクワク楽しめました。

    ストーリとしては、
    武士の家に生まれながら仏門に入ることになった友松。しかし、実家・海北家は滅亡し。武士に戻りたくとも戻れず、葛藤を抱きつつ絵師として生きていくことに。
    そこで、狩野永徳、安国寺恵瓊、斎藤利三、明智光秀達と出会い、この時代に大きくかかわっていくことになります。
    とくに、後半、本能寺の変の裏側について描かれており、その内容は面白かったです。さら

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    2022年01月22日
  • 月神

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    正直いまいち
    幕末の物語ですが、主人公に思い入れできる感じでもなく、教科書を読んでいるような感覚でした。

    ストーリとしては大きく2つ
    幕末、尊王攘夷派の中心となって、福岡藩を尊攘派として立ち上がらせようとする月形洗蔵の章
    尊王攘夷と藩主との間で苦悩しながら、薩長を結び付けようと尽力。しかし、最終的には維新の直前で刑死してしまいます。

    後半は洗蔵の甥の月形潔の章
    新政府の命をうけ、北海道で集治監を作り、その看守となり、北海道の開墾を務めます。
    北海道の極寒、その過酷な自然環境下で囚人たちを監視し、環境を切り開いていく物語

    激動の明治維新の中で己の信念をかけた二人の物語です。
    しかしながら、

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    2022年01月22日
  • 潮騒はるか

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    残念、「風かおる」の続編とのことでした。
    そっちを先に読むべきかなと。

    幕末の長崎の物語。
    ストーリとしては、
    蘭学を学ぶ夫の亮を追って、弟の誠之助と誠之助を慕う千沙とともに、鍼灸医の菜摘は長崎に移り住みます。
    そんな中、千沙の姉の佐奈が不義密通、夫の毒殺、福岡から脱藩してきて長崎に投獄されている状況。さらに、佐奈は子供を身ごもっています。
    佐奈にはいったい何があったのか?
    本当に夫を殺したのか?
    4人がその真実を追います。

    ミステリー要素がちょっと強いかな
    幕末ということで歴史上の人物が多く出てきますが、色々出てきて、心震えるようなところまでは至らず..ちょっと残念。

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    2022年01月16日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    官兵衛を題材にした作品が数多くある中で、他の作品と一線を画すストーリー展開は、狙いとしては意欲的と思うが、読み手としては、良し悪しの感じ方はさまざまかと思う。

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    2022年01月09日
  • 玄鳥さりて(新潮文庫)

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    吾が背子と二人し居れば山高み里には月は照らずともよし、主人公の圭吾をどんな時も支える六郎兵衛の心が綺麗過ぎた、衆道という言葉も玄鳥という言葉も初めて聞いた。
    圭吾の生き方に自分が重なるような気がした。

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    2021年12月20日
  • 緋の天空

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    光明皇后がメインの話。
    幼少期の安宿媛(あすかべひめ)から没年まで。

    光明皇后の名の通り、光を照らしたような人物だった。
    そして、長屋王の息子の膳夫(かしわで)との
    恋とは言いがたい、ほのかな気持ち。
    聖武天皇(首皇子)との国を思う気持ち。
    光明皇后もいろんな思いを背負って、
    政をしてたんだなぁー、って思ったよ。

    個人的には、頭の中が「天上の虹」での設定に
    なってるので、
    「長屋王は、こんなに悪いやつじゃない!!」ってなったー笑

    天武天皇や持統天皇、穂積皇子、但馬皇女、大津皇子など
    もぅ、たくさん名前が出てきて、
    私にとっては幸せ過ぎましたー!!
    が、きっと、知らない人が読めば「?」だと

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    2021年12月08日