無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
日本国存亡の危機に真の英雄現わる! かつてなき国難に立ち向かった実在の貴族の闘い! ――時は平安中期、朝廷きっての貴公子でありながら、「さがな者」(荒くれ者)と呼ばれた藤原隆家は、花山法皇や藤原道長らとの「闘乱」(喧嘩)に明け暮れる日々を送っていた。その頃、陰陽師・安倍晴明は彼にこう告げた。「あなた様が勝たねば、この国は亡びます」。道長との政争に破れ、自ら望んで任官した九州・大宰府の地で、隆家は、海を越えて壱岐・対馬を蹂躙し、博多への上陸を目論む異民族「刀伊」の襲来を迎え撃つ! 清少納言、紫式部らとも交流し、京の雅の世界にも通じつつ、かつてなき未曾有の国難に立ち向かった実在の貴族の奮闘を、豊かな想像力をからめ織り上げた、雄渾にして絢爛たる平安戦記エンターテインメント!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
葉室先生がすごいってことを再認識した作品。
正直、刀伊入寇も藤原隆家も、本書で説明を読むまではほとんど記憶になかった。
隆家については「くらげの骨」の下りで「ああ、この人か!」とつながったが、殿上人である彼が外敵を退けることができるなんて、普通は考え付かないのではないだろうか。
だが、葉室先生は、そこを見事な視点で結びつけている。
冒頭で隆家の呟いた「どこかに、強い敵はおらんものかな」という言霊が、彼と共に百鬼夜行を見た乙黒法師が、至る所にちりばめられた伏線が、「刀伊入寇」に収束していく。
謎でしかなった藤原隆家が奮闘した理由、「雅の解し方」も、頷かずにはいられないものだった。
本当に、葉室先生、すごい。
Posted by ブクログ
謎めいた平安朝の闇を背景に、艶めいた“ファンタジー”のように展開し、後年への因縁が説き起こされる「伝奇」という趣の前半に対し、後半はこれまでの“時代モノ”で余り描かれたことがない平安時代の戦い、国内の作法が通じない、或いは無用な敵との遭遇が描かれる、何か「男っぽい」物語である…一騎当千の武者達を鼓舞し、彼らの上に立ちながら、先頭に出て自ら弓や太刀を手に戦う場面も在る藤原隆家が凛々しいのだが、或る意味で「卓越した指導者?」を問うような風も在る…
「学校の授業」で漫然と名前を聞いているような人達が、喜怒哀楽の表情を持つ「時代モノの劇中人物」として、「伝奇」的な劇中世界で活き活きと動き回っていることに新鮮さを感じながら、遥かな昔に藤原隆家や九州の武士達が「護ろうとしたもの」を考えさせられる後半に入っていく…非常に愉しい!!
Posted by ブクログ
エンターテインメントだから、と言って進めてくれた人がいました。たしかにそんな風なところもあり、史実にも基づいている平安時代の物語は、よくできていておもしろかったです。
主人公藤原隆家という貴族のことは知りませんでしたが、藤原道長と叔父甥の関係とわかれば、なるほどと思います。平安中期、あの『枕草子』の清少納言や『源氏物語』の紫式部なども登場するのが、なお親しみがわくというものです。
藤原氏というのは権力争いを身内一族でやっていたのですね。その世界は『源氏物語』から『平家物語』までおなじみですね。
しかし、この物語はそれだけではなく異民族の日本襲来という、今日的な課題がもされている点が珍しくも面白くもあり、普遍性を醸し出していますね。そして主人公は藤原隆家という貴族らしからぬ、むしろ武士台頭の前兆のような人物像です。
ただ勇ましい人物や闘争のみでなく。葉室麟らしい情緒もたっぷり、空想も自由自在。わたしはこの一冊が葉室麟さんの作品では一番好きになりました。
Posted by ブクログ
時は平安中期。枕草子・源氏物語等、王朝文化華やかな時代に存在した“暴れん坊貴公子”・藤原隆家の物語です。
あの有名な「元寇」よりもっと前に、刀伊(女真族)と呼ばれる異国の民が、九州に襲来していたのですね。それを迎え撃つことになる隆家ですが、物語の前半は京での権力争い(隆家は権力に執着はないので、単に権力者に盾突く感じ)に明け暮れていたのですが、後半太宰府に来た後は「美しいものを守りたい」という心意気がとても清々しく、カッコイイのです。
枕草子に描かれているエピソード(くらげの骨・香炉峰の雪など)が自然に挿入されているのも、趣きがあって雅な気持ちになりました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。