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日本国存亡の危機に真の英雄現わる! かつてなき国難に立ち向かった実在の貴族の闘い! ――時は平安中期、朝廷きっての貴公子でありながら、「さがな者」(荒くれ者)と呼ばれた藤原隆家は、花山法皇や藤原道長らとの「闘乱」(喧嘩)に明け暮れる日々を送っていた。その頃、陰陽師・安倍晴明は彼にこう告げた。「あなた様が勝たねば、この国は亡びます」。道長との政争に破れ、自ら望んで任官した九州・大宰府の地で、隆家は、海を越えて壱岐・対馬を蹂躙し、博多への上陸を目論む異民族「刀伊」の襲来を迎え撃つ! 清少納言、紫式部らとも交流し、京の雅の世界にも通じつつ、かつてなき未曾有の国難に立ち向かった実在の貴族の奮闘を、豊かな想像力をからめ織り上げた、雄渾にして絢爛たる平安戦記エンターテインメント!
...続きを読むPosted by ブクログ 2015年10月14日
葉室先生がすごいってことを再認識した作品。
正直、刀伊入寇も藤原隆家も、本書で説明を読むまではほとんど記憶になかった。
隆家については「くらげの骨」の下りで「ああ、この人か!」とつながったが、殿上人である彼が外敵を退けることができるなんて、普通は考え付かないのではないだろうか。
だが、葉室先生は、そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年05月11日
謎めいた平安朝の闇を背景に、艶めいた“ファンタジー”のように展開し、後年への因縁が説き起こされる「伝奇」という趣の前半に対し、後半はこれまでの“時代モノ”で余り描かれたことがない平安時代の戦い、国内の作法が通じない、或いは無用な敵との遭遇が描かれる、何か「男っぽい」物語である…一騎当千の武者達を鼓舞...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年03月07日
エンターテインメントだから、と言って進めてくれた人がいました。たしかにそんな風なところもあり、史実にも基づいている平安時代の物語は、よくできていておもしろかったです。
主人公藤原隆家という貴族のことは知りませんでしたが、藤原道長と叔父甥の関係とわかれば、なるほどと思います。平安中期、あの『枕草子...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月17日
時は平安中期。枕草子・源氏物語等、王朝文化華やかな時代に存在した“暴れん坊貴公子”・藤原隆家の物語です。
あの有名な「元寇」よりもっと前に、刀伊(女真族)と呼ばれる異国の民が、九州に襲来していたのですね。それを迎え撃つことになる隆家ですが、物語の前半は京での権力争い(隆家は権力に執着はないので、単...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月08日
藤原道長と伊周・隆家兄弟の確執、花山院の出家後の展開。清少納言や紫式部もでてきて、高校の教科書に載っているような内容もうまくとりこみつつ進んでいく。
これまで隆家のことは扇の話しか知らなかったので、そのキャラクターや国外から進入してくる女真族との戦いから、想像力がふくらんで非常に面白かった!
どこま...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月27日
平安時代に海を渡って戦いを挑んで来た刀伊(とい)に、藤原隆家(道長の親戚)が太宰府で待ち受け、激しい闘いがあったなんて知らなかった〜。
実際にあった話を、小説だから隆家の性格とか戦い好きの貴族として面白く描いています。
終盤に起こる事件の刀伊入寇までが長くて、若い頃の隆家、伊周、道長、花山院の因縁な...続きを読む
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