葉室麟のレビュー一覧
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葉室麟さんの作品は短編入れると4作品目です。
読むたびに、作中に出てくる人物達に感銘を受け、読んでる最中は背筋がピンと姿勢を正されている気分になります。
悪者はともかく、主人公をはじめ、わきを固めるキャラ達も皆筋が通っていてカッコいいのです。
今作もそうでした。主人公の新兵衛を含む四天王と呼ばれた4人も立場は異なれど、皆愚直なくらい真っすぐでした。
こういった人物の生きざまを読むと読後は「自分ももっとちゃんとせねば!!(何を?)」と、襟元正されているような気分になります。
その一方で、藤吾の生き延びるためには誰に付くのが正解なのか?と考え悩む姿も、現在のサラリーマンに通じるものがあったではと。
今作は、王道な勧善懲悪な内容に加えて、話の展開が読めない内容でした。展開が二転三転、ホント最後まで結末が読めなかった・・・。
この作者の作品にミステリー的な要素なんて期待してなかったので、なんか得した気分です。
散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの・・・・残る椿とは新兵衛のことと、最初の方はそのように解釈して読み進めていましたが、違いましたね。新兵衛もまた散る椿だったんだなぁ‥と最後まで読んでしみじみと余韻に浸らせて頂きました。
・・・・・私の中では映画化決定!!と、キャスティングを脳内で行ってましたが、もうすでに映画化されてたんですね。モントリオール映画祭で賞も取ってるとは!!こちらもぜひ見たいです。
岡田准一が新兵衛ですか・・・これはこれで有りかな?(私の中で新兵衛は別所哲也、藤吾は岡田将生でイメージしてました・・ちょっと年取りすぎ?) -
Posted by ブクログ
幼馴染が大人になり地位格差(群方vs家老)で心を揺るがせる。それは「主命である。否やは許されぬ」と大人の醜い戦いから父親を刺殺された息子と、藩主の贅沢三昧生活の犠牲で母を亡くした息子同士の「忠義と情」の葛藤となる時代小説だ。時代は悪事に偏った主命であろうが家臣とし全うしなければならない「君主への忠義」優先なのだ。現代で言う「どうしようもない上司の命令」を誰も止めようともせず悔しさと我慢を虐げれらる部下の様と似ているかもしれない。またその上司も己の心意を殺しその上役の命令に従うしかない。背くことは左遷、もしくは降格、転籍されるのは世の常である。よってこれからの組織は「良い上司」を選び、仕える事が出世に繋がり、業績もよくなるはずだ。出なければ早々に退職した方が良い時代となった。 本書で気になる言葉は:「銀漢声無く玉盤を転ず」(楽しいことは永久には続かない)「人も花も同じで生まれ持ったものは尊いがそれを美しくする為には自ずを切らなければならない。花は鋏を入れるが、人は勉学や武術で鍛錬して自分の心を美しくするのだ」「武士は恨みで刀を抜かぬ、義によって斬る」「有限を持って無窮を追う事なかれ。限りある身で永遠を求める事など愚かなことだ。限りがるからこそ命は尊いものかもしれん」
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「はだれ雪あだにもあらで消えぬめり世にふるごとやもの憂かるらん」
今作で葉室麟さんは『忠臣蔵』を創作に取り入れているというのを上巻のレビューで述べたが、「引歌」も取り入れてるんよな
もちろん『忠臣蔵』と言えば辞世の句だもんね
浅野内匠頭の辞世の句
「風さそう 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん」
大石内蔵助の辞世の句
「あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし」
ねー、やっぱ使いたいよねー
そしてわいもそんなに詳しいわけじゃないけど、なんとなくさ、日本語を母語にしてれば伝わって来るものがあるじゃないそれは
内匠頭の無念さ、内蔵助の晴れやかさは伝わってくるじゃない
日本人であることを誉れに思う
そんな気持ちさせるものが、葉室麟さんが紡ぐ物語には溢れていて、だからわいは葉室麟さんが大好きなんだと思う
ありがとう麟さん
ありがとう日本 -
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これは秀逸。
戦国時代の脇役の心理がわかる。作者によって見方が少しづつ変わるのも面白い。作品の並びも素晴らしい。秀吉の朝鮮出兵が与えた武将らの心持ちが、それ以降の人生を変えていく様もしゆういつ。
・人を致して、伊藤潤
人に致されてきた家康、今回も三成が取り除きたいと考えた武将に絡む策に乗る。
・笹を噛ませよ、吉川永青
敗軍の将につかい続けた槍の名手可児歳三、とった首には笹を噛ませる。一番槍を横取りした味方の井伊直政を追う。何のために戦うかを学んだ才蔵、直政の配慮。
・有楽斎の城、天野純希
信長の13歳下の弟、父信秀の11番目の男子として生まれた。武芸よりも芸事。武運にも見放され茶の湯にハマる。武将らからは蔑まれるものの兄の威光で本能寺後も配慮される。その有楽の心の動きを一人称で追う。
・怪僧恵瓊、木下昌輝
恵瓊は元々武田の一棟、安芸の武田。信長や秀吉の行先を予言。父が毛利に殺された恨みは忘れてはいない。毛利に恨みと感謝、どのような策を練るのか。吉川広家を主人公に展開。
・丸に十文字、矢野隆
島津維新義弘、激情の男。家康の依頼に意気を感じたものの、また三成は三成、急激に冷めた心を、また、燃え上がらせたものは。
・真紅の米、冲方丁
小早川金吾中納言秀秋、子どもの頃から必要なものは全て与えられてきた。食としての米、財政としての米、を知り、朝鮮出兵の総大将も経験。三成の所業に不満。こだわった米に毒。
・狐狼なり、葉室麟
三成は誤算ではなく、自ら計算づくでこの結果を導いたと言う。これは無理あるんちゃう?と思いました。すいません。 -
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「散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていけるのだ」
。゚(゚´Д`゚)゚。
みんみんの本棚から
気づいたら葉室麟さん全部★5やないか!( ゚д゚ )クワッ!!
いやもう本作も、読み始めてすぐに傑作だと分かっちゃいました
分かっちゃうの
わい分かっちゃうの
なんならもう最初の二文字で分かっちゃったもの
…
「目次」
お遊びはここまでだ!(キラーン☆)
もうね
散る椿よ
そして残る椿よ
どっちも悲しいのよ
どっちも悲しいけれど、そこに確かな絆があるの
確かな絆があるから、残る椿も散る椿も美しいのよ
美しき武士たちの物語に刮目せよ!(ババーン!) -
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ネタバレ関ヶ原で、家康は勝ちましたが、得たものは、さほど多くはござらん。なぜなら、関ヶ原で戦ったのは、徳川勢ではなく、豊臣子飼いの大名だったからでござる
又兵衛ら牢人衆の働きもあって、大阪方は頑強な抵抗を続けた。家康はこれに業をにやすと12月16日、オランダ商人から買い入れた大砲3門で大阪城の天守閣を打ち砕かせ、淀殿はじめ大阪城の女御堂の肝を冷やさせて講和に持ち込んだ
解説 湯川豊
棄教と殉教。キリストの行く末を2つながら描いて、戦国家のドラマの最後に置く。誠に心にくい構想力である。私たちもその構想力の中で、歴史と小説の壮大なドラマに遊ぶことができた
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ネタバレ時は、江戸5代将軍綱吉の治世。側用人柳沢吉保が権勢を振るっていた。
赤穂浪士討ち入り後、彼らに切腹の沙汰を下した一方、吉良上野介から家督を継ぎ、討ち入り時も奮戦し、傷を負った吉良左兵衛は、諏訪に送られ、治療も虚しく死期を悟り、上野介の血を引く、雨宮蔵人と咲弥の娘(義理)の香也に一目会いたいと願う。
蔵人は、香也を伴い諏訪に向かう。蔵人と香也は、左兵衛から吉良家の再興を託される。また、香也を家臣である冬木清四郎と婚約し、2人で再興をして欲しいと願う。その後、左兵衛は、亡くなるが、清四郎は吉良家の仇討ちを果たすため、江戸に向かう。同じ頃、蔵人は、江戸に向かう先の関白近衛基煕の護衛に同行することになった。基煕は、天皇譲位と桂昌院一周忌にあわせ、赤穂浪士の子供たちの大赦を幕府に持ちかけようとしていた。
一方、柳沢吉保は吉良家の監視に女忍のののうを使ったり、本流ではないが柳生一門の柳生内蔵助を使い、近衛基煕の下行を阻止するため手を尽くす。
実は、将軍家は継嗣問題として、甲府藩主徳川家宣(西ノ丸)が継嗣に決まっていた。家宣には、間部詮房や新井白石など有能な家臣がおり、綱吉の後、家宣が将軍宣下を受ければ、柳沢吉保は立場が危うくなるのは明白で、少しでも立場を保つことを考えていた。
中院通茂に依頼を受けた、咲弥は、大石内蔵助の妻りくと息子大三郎を鞍馬の自宅で匿ってくれと依頼をうける。しかし、蔵人は江戸におり、そこに柳生内蔵助が襲ってくるが、ののうの千代や清四郎の助けを受け、蔵人もギリギリで助けに来る。蔵人の活躍、清巌(蔵人の従兄弟)の助けで、内蔵助達を追い払うが、家を焼かれてしまう。
一方で、仇討ちが誰なのかを明かさなかった清四郎であるが、さまざまな手を使い大奥に入り、綱吉を暗殺する。さらには、柳沢吉保をも襲うが、本懐は果たせず、今度は柳沢吉保の家臣柳生内蔵助に追われる身に。
しかし、清四郎は、吉保の正室町やののうの望月千代に助けられ、京都島原まで来ることができた。
そこには、蔵人がおり、柳生内蔵助と一体一で狭い茶室での勝負をかける。
柳生内蔵助を倒した、蔵人だが急所は外していたが、一緒にきていた京都所司代松平信庸に留めを刺され事切れる。内蔵助が、色々知り過ぎていたため、吉保から京都所司代に殺せと命令されていたのだ。
内蔵助は、清四郎を、追いかけ鞍馬へ向かう。
史実の中に、主人公達、架空の人物を組み込んで物語を展開させる作者の技術に感心します。
また、紀貫之や中院通茂などの美しい和歌が出てきたりするのが素晴らしいです。
さらに、京都島原の由来や綱吉の死の謎など知らなかった事も知れて、勉強になりました。
早いうちに下巻も読みたいと思います。