葉室麟のレビュー一覧

  • 散り椿

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    現実にはありえない世界なのに、心が揺すぶられ生きる勇気が出てくる。小説の舞台は江戸時代なのに、妙に現実と符合する。主人公坂下藤吾の行動が半沢直樹を彷彿とさせる。

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    2020年10月29日
  • 風のかたみ

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    ネタバレ

    時代小説というよりも、時代ミステリという作品ですね。
    上意討ちをされた家の女性たちが、白鷺屋敷という所に集められる。密室ですよね。そこへ派遣された女医の伊都子。
    そこで起こる様々な怪異、そして死者が出た時、一人の女性が疑われる。
    本当に彼女が犯人なのか?
    上質なミステリでもありましたし、今も変わらない女性の立場の悲しさを感じる作品でもありました。
    流石、葉室燐さん!

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    2020年10月15日
  • 草笛物語

    購入済み

    残念です‼️

    大好きな作家でした。新刊を楽しみに待っていました。まだ若くお亡くなりになられたときは信じられませんでした。もっともっと読みたかった。この本が「蜩の記」の続編ということなので読むことにしましたがあっという間に読み終えてしまいました。日本人の心が描かれていて私のお薦めの一冊になりました。

    葉室先生、早く輪廻転生してまた本をたくさん書いてくださるのを首を長くしてお待ちしています。あれっ、でも同級生の私の命があるうちにお願いします。

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    2020年10月09日
  • 秋霜

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    面白かった
    これは、はまった。羽根藩シリーズ第4弾。
    第3弾の「春雷」の続編なので、「春雷」を読まないとこの感動は伝わらないと思います。

    ストーリとしては、豊後羽根藩の物語
    「春雷」で語られてた欅屋敷。
    そこで孤児たちと暮らす楓のもとに、謎の男小平太が現れます。
    小平太には亡くなった多門隼人との因縁があり、
    前藩主の旧悪を隠ぺいするため、楓とその孤児たち抹殺する密命が..
    小平太は敵なのか、味方なのか?
    しかし、小平太は楓たちと暮らす中、多門の生き方、楓の生き方に感化され、楓の味方に

    しかし、様々な魔の手が楓たちに襲いかかります。
    小平太、臥雲、姜斎は楓や孤児たちを救うことができるのか?

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    2020年10月03日
  • 紫匂う

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    「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」につきる作品だと思えた。
    武士の生きざまと夫婦愛、人間愛に対する著者のブレのなさは、いのちの3部作、雨宮蔵人の生き方、人となり、夫婦関係と同様。

    主人公である澪は幼なじみの笙平に想いを残しながらも寡黙で実直な蔵太に嫁し穏やかな生活を送る中、夫の素朴な暖かさは感じる反面、武士としての美しさにかけると思ってしまい笙平と比べてしいる自分の気持ちに後ろめたさを感じている。
    が、夫婦と笙平に襲いかかる危機に立ち向かう夫に真の男、人間としての魅力を見出す。
    古い考えかもしれないが、恋愛結婚した夫婦と見合い結婚した夫婦の結婚後の人間関係の展開に似ているところはないだろ

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    2020年09月19日
  • 実朝の首

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    源実朝は頼家の息子、公暁に鶴岡八幡宮の大銀杏の前で暗殺された。文献にはその後実朝の首は行方不明になったこと、葬儀には遺髪が入れられたこと、それしか分かっていない。

    それを鎌倉幕府の中の勢力争い、公暁に実朝の暗殺をけしかけた者、時の後鳥羽上皇の京都での台頭、尼将軍北条政子、さまざまな人物が登場することで、あたかも書かれていることが真実であるように思えてしまう素晴らしい歴史絵巻が繰り広げられる。筆者の力量、歴史を見る目に感動を覚えた。そして実朝暗殺の真の首謀者は誰かという衝撃の事実も語られ、歴史の真実はどうだったか、想像力は無限にかき立てられる。

    実朝暗殺から承久の乱にかけての歴史についても大

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    2020年09月12日
  • 蒼天見ゆ

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    これは驚きました。苦手な時代小説、それも「最後の仇討ち」という実話をもとにしたカチカチのものをこんなに楽しく読めたことに驚いた。
    幼い頃に父母を尊攘派に殺され、復讐を誓って生きる主人公が仇討が禁止となった明治になって本懐を遂げるという話、というか実話。 時代小説が苦手な理由は単純にいわゆる歴史があんまり好きではないからなんだけど、巻末の解説にあるようにこの本は歴史の入門書としても機能しており、幕末から明治まで時系列に何があったかとても分かりやすく、苦手意識を解消してくれた本になりました。

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    2020年09月09日
  • 散り椿

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    9月に映画が公開されるということで読んでみたが、とても深い話で感動した。誠実に生きようと葛藤する人々に、心が動かされた。

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    2020年07月07日
  • 千鳥舞う

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     この小説の主人公は女絵師の里緒ですが、彼女と現世で縁のあった人々との出会い、別れ、絶望、悲哀、共感、励まし合いなどが上手に描かれ、読んでいて生きる力をもらって様な気がします。
     里緒が心に秘めた外記への思いは最初から最後まで続き、外記ははかなくこの世を去るのですが、外記の心からの思いは里緒に伝わり、結局二人はこの世では一緒に暮らさないことになったのですが、心の奥底ではしっかり存在し続けながら暮らしていくことになるのです。
     二人を支える周りの人々の温かさ、生きててよかったという感じです。

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    2020年06月15日
  • 古都再見(新潮文庫)

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    最後に住んでいた京都をそぞろ歩いて発見したことや、京都に関するさまざまな歴史上の人物についての滋味溢れる文章である。さすがに歴史小説家だけあって、興味深い話が満載で、非常に面白かった。ついこないだ亡くなられてしまったが、残念なことだ。芹沢鴨を始め幕末の人物がたくさん出てくるが、生きるということの深さ、悲しさを感じてしまう。江戸時代の詩人・学者の頼山陽を慕っていた弟子の江馬細香の「夏夜」という漢詩には感じ入った。
     雨晴れて庭上竹風多し
     新月眉の如く繊影斜なり
     深夜涼を貪て窓おおはず
     暗香枕に和す合歓花
    ふふ、なかなか艶っぽいでしょ。

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    2020年06月08日
  • 銀漢の賦

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    すっきりと終わって面白かった。藩の家老まで出世した幼なじみと一侍の年を経た男の友情をすっきりと爽やかに描いている。
    現在→子供時代→現在→要所要所の重要なシーンと時系列が行ったり来たりするが、直前の気になる部分の説明となっており、とても読みやすい。
    主人公二人に加え幼なじみの農民十蔵も加わって、人間関係に深みを与えている。また、悪役の行動もわかりやすく、最後はきちんと罰せられるのですっきりする。
    何年経っても分かり合える男どうしの友情。いいなあと素直に思えた。
    時代物の名手である葉室麟の小説。安心しておすすめできる良書だった。

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    2020年05月31日
  • 嵯峨野花譜

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    内容(「BOOK」データベースより)
    物語の舞台は、文政13年(1830)の京都。活花の名手と評判の少年僧・胤舜は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で華道の厳しい修行に励む。「昔を忘れる花を活けよ」「闇の中で花を活けよ」…次々と出される難題に、胤舜はまっすぐな心で挑んでいく。歴史、和歌、能の知識と著者特有の陰影を帯びた美しい物語。

    令和2年4月18日~22日

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    2020年04月22日
  • 孤篷のひと

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    小堀遠州について、知りたいと思って読んだ。
    桂離宮の造園を設計したと言われているので、どんなひとなんだろうかと。
    時代は、秀吉から徳川家康にうつり、江戸時代の初期の頃。
    小堀遠州は、秀長の小姓として仕えるときから始まる。
    秀長が、千利休と話している時に、
    小姓の遠州は、その会話の中に入ってしまう。
    弟子の山上宗二が 太閤の怒りを買うことで、処遇をどうするか
    という話で、千利休は平然と「捨て殺し」と言い茶の道のためですという。
    遠州は、その厳しさを、しっかりと刻み込むのだった。
    遠州は、古田織部に師事することになり、伏見奉行になる。
    千利休、古田織部は、太閤に切腹を命じられる。
    茶の道を全うする

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    2020年04月18日
  • あおなり道場始末

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    内容(「BOOK」データベースより)
    坪内藩の城下町にある青鳴道場は存亡の危機にあった。先代の不名誉な死と、跡を継いだ長男の権平の昼行燈ぶりから、ついには門人が一人もいなくなってしまったのである。米櫃も底をついたある日、妹の千草や弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。「父の仇を捜すために道場破りをいたす」。酔って神社の石段で足を滑らせ亡くなったとされる先代の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。三人は、道場再興と父の汚名を雪ぐため、藩内の道場の門をひとつずつ叩いていく。

    令和2年4月13日~15日

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    2020年04月15日
  • 銀漢の賦

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    最初の方は時代がいったりきたりするし、読みにくかったけど、最後の方は結末が気になって一気読み!読後感爽快!私のためではなく公のために命を使う潔さ。男3人の友情に胸が熱くなる。

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    2020年04月06日
  • 乾山晩愁

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    珍しく尾形光琳ではなく、弟の乾山を主役とした表題作から始まり、狩野永徳、長谷川等伯、清原雪信、英一蝶といった絵師達の物語が続く。安部 龍太郎の『等伯』を読むと永徳は完全に悪者だが『永徳翔天』を読むとあら、良い人じゃないと思った。
    お寺、美術館巡りがますまず楽しくなる。

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    2020年04月01日
  • 散り椿

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    ネタバレ

    久しぶりに最初からぐいぐい引き込まれる文章とあらすじに出会い、1日で読んでしまいました。
    登場人物のキャラクターもきちんと描かれていて、しかもみんな魅力的で(私は采女が好きでした)
    お話もしっかり作り込まれていて、最後まであっという間に読んでしまいました。
    でも、この間の瀬尾まいこさんの「幸福な食卓」といい
    全てがハッピーエンドではない本は読んでいてちょっと辛いです。今回も采女も亡くなり、新兵衛もまた何処かへ行ってしまい、とても寂しい気持ちが残りました。
    采女とお義母さんの和解させてあげて、できれば里美さんと采女を取り持ってあげて欲しかったなぁ。
    この先、藤吾がメキメキ政治手腕を発揮して、お殿

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    2020年03月10日
  • 墨龍賦

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    2年前に京都国立博物館に海北友松の特別展に行った時に、作品の完成した経緯や時代を勉強したつもりだったが、忘れかけていたので、この本を読んでまた興味が湧いてきた。図録を片手に読み進め、戦国時代の歴史に翻弄されながらも、自分の絵師としての感性と思いを表現する姿勢に心の強さを感じた。

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    2020年03月04日
  • 銀漢の賦

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    面白いっ!!

    時代劇で武士が出てくる物語だと、忠義がテーマとなって
    暗い話になったり、読後感がいまいちだったりと
    あまりいい印象はないのだが、この本はとってもいい。

    暗めの話題だが湿っぽくなく、難しい話もなく、
    読みやすい文でドンドン読める。
    話の展開もいい。

    そしてラスト。思わずニヤリとしてしまう爽やかな終わり方は見事。
    おすすめの本ですね。

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    2020年02月25日
  • 散り椿

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    たまたま目について買ってみました!
    舞台は江戸時代で、日本史好きの自分にとってはページをめくる手が止まりませんでした笑
    様々な人間関係が複雑に絡みあって物語が進んでいきます。
    ある場面では感情移入して涙を流しそうな時もありました笑
    少し難しい漢字もあり、携帯で意味を調べながら読み進んでいきました。
    是非お勧めしたい一冊です!

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    2020年02月23日