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二十年を経て、身分を遥かにへだてた男たちの友情は復活するのか? 江戸の寛政期、西国の小藩である月ヶ瀬藩の郡方・日下部(くさかべ)源五と、名家老と謳われ、南画の名手としても幕閣にまで名声が届いている松浦将監(しょうげん)。幼なじみで、同じ剣術道場に通っていた二人は、ある出来事を境に、進む道が分かれ、ながく絶縁状態となっていた。ともに五十歳をこえて二人の路が再び交差する時、運命が激しく動き出す。松本清張賞受賞の傑作時代小説。
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Posted by ブクログ
初めての作家の作品 三人の友人の絡み合う生き方が爽やかに描かれている 二人は武家の出身一人は農民 三人はそれぞれの立場で 向き合うことになる 一人は出世した武士 一人は武術はたつが人の良い下級武士 一人は農民ながら勉学に励み一揆の首謀者として処刑される その断を下したのは友だった出世した男 米を増産...続きを読むするために水路の工事を指示され不成功なら庄屋を桀にするとの話を聞いた下級武士はその工事に懸命に 努力する 武士らしくないと冷笑されながら それを命じたのも出世した武士 そんなこんなで絶好していた二人が 再び相まみえることになり 藩の危機を救う とても爽やかな作品 少年の頃に知り合った三人の 瑞々しい感性が文章に感じられて こっちの頭も爽やかになる 銀漢が天の川のこととは そして三人が見上げた天の川が この作品に流れている 他の作品も読みたくなった
再読。もう10年近く前になります。その時の感激が私のニックネームの元になりました。当時はまだ葉室作品をあまり知りませんでしたが、改めて読むと詩歌も入ってて葉室さんらしいですね。今回の再読では、将監より源五が主人公に思えて感情移入してしまいました。素敵な漢です。「頭に霜を置き、年齢を重ねた銀漢」、、、...続きを読む痺れます。
表題の「銀漢」という単語を知らず、それってなに?と思いながら読み始めたけれど、意味を知ると室生さんの粋なネーミングに感服! 厳しい身分の垣根がある江戸時代にありながら、幼き時の友との結びつきを根底に、各々が藩や民のためにと命をも賭して信念を突き通す様に心の琴線を激しく揺さぶられた。もちろん、この本も...続きを読む再読本に入れる。(o^^o)v
「作家読みしたい」と思う出会いとなった。予定調和でない、実際に生きている人々の人生をそのまま見ているかのような物語の展開に、引き込まれた。
大満足。とても良い話だった。心が洗われるというのは、こういう読書体験を言うのだろう。子供の頃からの親友が成長する過程で、それぞれの苦難に遭い、絶交状態になるが、最後は友情の力で乗り切ると言うサクセスストーリー。こんなに読後に満足感を覚えるのは久しぶり。時代小説を避けている人にも超オススメ。
本当に良いお話でした。絶対、一度は出会ったほうが良い作品です。 読んでいる途中はハラハラしたり、涙がでたりと、すこし忙しい感情の変化もありましたが、読み終わった後は、なんともいえないすがすがしい気持ちでいっぱいになりました。 登場人物3人の身分の違いを超えた友情が時がたっても崩れず友情は友情のまま硬...続きを読むい結びつきだったことに感動しまくりでした。友というのはこういう関係をいうのだと思い知らされました。作品の時代背景もあるかもしれませんが、3人の友情とそれぞれの人生が絡み合い、それぞれが思い描く人生の中で生き抜いていく様が、映像として頭の中に現れ、心に響いてくる感じを受けました。この時代の男同士の友情に熱くなりました。 藤沢周平さんに似ていると感じる型もいるかと思いますが、読んで見ると、また違う読後を味わえます。
すっきりと終わって面白かった。藩の家老まで出世した幼なじみと一侍の年を経た男の友情をすっきりと爽やかに描いている。 現在→子供時代→現在→要所要所の重要なシーンと時系列が行ったり来たりするが、直前の気になる部分の説明となっており、とても読みやすい。 主人公二人に加え幼なじみの農民十蔵も加わって、人間...続きを読む関係に深みを与えている。また、悪役の行動もわかりやすく、最後はきちんと罰せられるのですっきりする。 何年経っても分かり合える男どうしの友情。いいなあと素直に思えた。 時代物の名手である葉室麟の小説。安心しておすすめできる良書だった。
最初の方は時代がいったりきたりするし、読みにくかったけど、最後の方は結末が気になって一気読み!読後感爽快!私のためではなく公のために命を使う潔さ。男3人の友情に胸が熱くなる。
面白いっ!! 時代劇で武士が出てくる物語だと、忠義がテーマとなって 暗い話になったり、読後感がいまいちだったりと あまりいい印象はないのだが、この本はとってもいい。 暗めの話題だが湿っぽくなく、難しい話もなく、 読みやすい文でドンドン読める。 話の展開もいい。 そしてラスト。思わずニヤリとして...続きを読むしまう爽やかな終わり方は見事。 おすすめの本ですね。
江戸時代後期、徳川吉宗の時代。町道場で知り合った身分の異なる3人の若者は、「銀漢」と呼ばれる天の川の下で友情を誓い合う。なんとなく三国志の桃園の誓いを思い出すが、3人の生き様は劉備・関羽・張飛とは全く異なる。 時は流れ、3人は成人し、藩の不正問題に巻き込まれる。その後、1人は農民一揆の首謀者として...続きを読む死刑に処され、それをきっかけに藩の役人である2人は意見の対立から絶交。さらに年月が経ち、再び藩に不正問題が持ち上がる。 2人の死をかけて藩を救おうとする武士道が美しい。その決意を買い物でも行くかのように、あっさりと受け入れるのは、友と話し合えたからだろう。長い絶交時代があっても、幼い頃の友情はすぐにもとに戻るし、亡くなった友を笑いながら思い出せるのも友情があるから。 老いてからの友のありがたみを痛感し、清々しい読後感。
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