葉室麟のレビュー一覧

  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    歴史小説として読むと、従来のイメージとあまりに違いすぎてえ?!となる部分が多いです。
    けれど「キリシタン」というものを筋の一本通った人として見たらこういうストーリーも全然ありだなぁ、と。
    官兵衛がかっこよすぎるんじゃないか、と微笑ましく思うところもありましたが、面白い作品です。
    表題に黒田官兵衛と書いてありますが、数多のキリシタンたちが主人公である、と捉えた方がいいかもしれません。

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    2013年06月23日
  • いのちなりけり

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    ネタバレ

    「光圀伝」と同様、水戸光圀が藤井紋太夫を刺殺したところから始まる小説と知り、読み始めた。やはりこの事件から物語がすぐに繋がるわけではなく、ひとりの男の婿入り話から始まる。
     小城藩の重臣天源寺家の娘婿になった雨宮蔵人。一見愚鈍な大男に見えるこの男を、父刑部(ぎょうぶ)がなぜ自分の夫にしようとしたのか、咲弥にはわからない。和歌に精通した夫に先立たれた咲弥は、自身にも和歌の素養がある。いかにも教養のない蔵人に、これぞと思う和歌を一首教えてくれるまで寝所はともにしないと言いわたしてしまう。言われた蔵人は、誰かに簡単に教えを請うこともせず、真面目に咲弥に伝える和歌を考えているうち、陰謀に巻き込まれる。

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    2013年05月06日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    大胆な構想を胸に策謀を巡らせる黒田官兵衛が本作の主人公ではあるが…彼と行動を共にしている修道士、そしてその修道士とぶつかって最終的に棄教する別な修道士、黒田官兵衛の家臣で武辺者の後藤又兵衛、細川ガラシャとマリアこといとの主従、彼らと関った織田秀信…更に“敵役”的な石田三成と嶋左近主従や、彼らに近い小西行長…或いは黒田官兵衛とは別箇に己の大胆な構想を胸に動こうとする毛利輝元…こう言った面々の“群像劇”という趣も在る…
    こういう「本当はこういうことだったかもしれない?」的に纏めた時代モノ…凄く面白い!!

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    2013年02月24日
  • いのちなりけり

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    重臣を手討ちにしたところから始まり、水戸黄門てこんな人だった? という興味で惹きつけられた。 一つの和歌を求め続ける佐賀鍋島家のはぐれ剣士の純愛を 綱吉の時世にうまく取り込んで小気味よく展開していく。
    ラストは 一本勝ちですっきりという感じで納得。読後感は 非常に晴れ晴れしたもの。恐れ入りましたと脱帽のストーリーです。

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    2013年02月01日
  • 風渡る

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    盛り上がりの場面さえ、淡々と描写してあり、却ってリアリティーを感じる文体だと感じた。
    他の作品も読んでみたい。

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    2012年10月01日
  • 風渡る

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    九州の地名や、地元の歴史がちらちら見えたりして、
    遠い昔の出来事を自分の知っていることと関連付けながら読むことができました。

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    2012年07月13日
  • いのちなりけり

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    骨太の時代小説で清冽な恋愛小説。余韻。
    蔵人は「天地に仕え、いのちに仕えるのが武士である。いのちに仕えるとは死すべき時に死に、生きるべき時に生きる命を受け止める。」 という武骨な武士。妻咲弥は「これこそ自分の心だと思う歌を教えろ」と迫る。
    読者は、物語の展開よりも登場人物の心理をもっと掘り下げて欲しいのに、そこは淡々と描写し読者が想像し考えるようにしていて、多少いらいらする。わざとだとすると汚いな~。
    ラストシーンは、途中から分かっているが再会では泣いてしまう。しかも、またまたあっさり描き過ぎ。北方謙三なら5ページのクライマックスにもっていくぞ!また、これが葉室麟。
    最後に、武士道を描いた『葉

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    2013年05月12日
  • 乾山晩愁

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    尾形乾山(光琳)・狩野永徳・長谷川等伯・狩野雪信・英一蝶…絵師たちを主役に歴史の動乱を書いた短編集。切り口が面白い。

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    2009年10月04日
  • 冬姫

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    清冽な読感でよかった。
    詰めが甘いと感じる部分もあるが、女性の役割が案外に大きなものであったかもしれないという一つの歴史物語として受け入れられる。魂的感応とかそういうのも当時の人の心象風景かもしれないし。

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    2026年07月11日
  • 草笛物語

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    人の命。役目。
    そこで何を残せるか。

    ままならぬことばかりの武家社会。
    勝手に令和の職員室と重ねてしまいました。
    個人的にはすごく心に響く小説でした。

    あと、江戸時代では当たり前かもしれないが、
    女性がモノ扱いされてる部分が読んでいて辛く感じた。その点について、無知な部分がおおいのでこれから学んでいかなければと感じた。

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    2026年07月05日
  • 鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)

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    初九州への旅行を控え、九州のことを知ろうとこの小説を読んでみました。不勉強のため歴史に疎く、登場人物をメモしながら読みました。宮本武蔵や柳生の名前を見て、お!知ってる名前がなんて思ってちょっと楽しくなりました。

    時代の流れを見据え忠義を尽くす栗山大膳の姿に、人々が惹きつけられ導かれていく様がとても壮大でロマンがあるなと感じました。しかし現実は美しいものでなく、時代背景として死がすぐそばにあり、過酷で残酷な時代であったことも事実で、政治と平和について考えさせられました。

    時代物に不慣れな私は読むのに時間がかかってしまいましたが、人物や闘いの描写が面白く、とても読みやすい小説でした。

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    2026年07月02日
  • 草笛物語

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    羽根藩シリーズ、第五作。第一作『蜩ノ記』の続編。読み終わって一番に思ったのは「……まさかこれで終わりのわけないよな」だった。
    案の定、次作の構想が既にあったという。「…嗚呼、やっぱりな」と。だって、ありありと続いていく様が見えるんですもの…。涙。
    もう、このシリーズの続きを読むことができないのかと思うと、ただただ哀しい…。星四つ半。

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    2026年06月28日
  • はだれ雪 下

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    ネタバレ

    勘解由の父母の自刃と切腹とが浅野内匠頭の切腹と幕府の都合で処理された境遇が似ていることで他人事ではないことを感じていた。そうした中、打ち入りを決断した大石内蔵助と遭い「大石殿とお会いして、自分が侍であることを誇らしく思えました。ありがたく存じずる」と、幕閣の都合で処理されたことへの怨念を貫くことが侍としての信念だと感じたのではないだろうか。
    大石内蔵助の言葉「なぜ、討ち入りをしなければならなかったのか。どのような思いで吉良上野介の首級をあげたのか、そのことを世の人々に知って貰えば、遺された家族たちに救いの手を差し伸べてくれる人もいるだろう」(遺すものたちのためにできることは、我らの想いを少しで

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    2026年06月23日
  • はだれ雪 上

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    ネタバレ

    人を見て、その人柄と心を目と感で読み取る。「人の情を察するのも武士の心得の一つかもしれぬ」と武士の初見の立居姿勢は鋭い感覚を持っていた。浅野内匠頭を最期に立会い、遺言も聞いたのではないかと元幕府の目付役に絡まる周りの人々の心理を読み取った記述が面白い。将軍の怒りを買った目付役に対する、流人を預かる藩内の思惑、幕府の思惑、赤穂浪士たちの心理など「遺言」と言われた言葉に翻弄される。大石は祇園で遊楽していたが、内匠頭弟大学の処分を機に決断する。同志に「大学様の処分が決まり、ご再興が望めなくなったからには、我らの取るべき道はただ一つである」と宣言。一方永井勘解由は接待役で会った後家の紗英を「苦難を共に

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    2026年06月23日
  • 影ぞ恋しき 上

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    ネタバレ

    これまで出てきた人が仲間となって加わる
    蔵人の安心できる強さと、咲弥の芯の通った強さ

    ののうの存在も面白い
    ひょうひょうとした藤左衛門との関係はどうなるのか
    下巻の展開が楽しみ

    歌で伝える文化は本当に素晴らしい
    自分はできないけど^^;

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    2026年06月11日
  • 読書の森で寝転んで

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    葉室麟が読んだり影響を受けた様々な種類の読み物について触れた本。
    巻末には「大獄 西郷青嵐賦」の続編についてふれらた箇所もあり、やはり、もっと作品を世に出してほしかったという想いに駆られた。

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    2026年05月19日
  • 実朝の首

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    北条政子がでてくる場面は小池栄子が浮かんだ(笑)
    高校の日本史を学んだレベルでは、知らない武将の名前などが沢山でてきて最初は読み進めるのが難しかった。
    でも話がとても面白く、色々な人の思惑が絡んできてドラマチックな展開でぐんぐん読めました。
    面白かったです。

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    2026年05月18日
  • 花や散るらん

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    こんな形で忠臣蔵がかかわっているとは!
    読み進めていくうちにワクワクが高まる。
    町子と斎の悲恋
    神尾与右衛門の後悔
    みんな何かを抱えている。
    上野介の表情が見えた忠臣蔵は初めてだった。

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    2026年05月08日
  • 青嵐の坂

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    災害、火災、飢饉に苦しむ地方の藩、商人と組んで私服を肥やす大老、既得権益を打ち破って藩政改革を目指す中老、一筋縄ではいかない大阪商人。時代ものには定番の役者と舞台が揃う物語に目新しさはないが、まさに今の時代だからこその悪に屈せず信念を貫いて権力に立ち向かう武士の清廉な姿が神々しくさえ思える。どっかの大統領には全く通じないだろう、彼の国には爪の垢を煎じて飲むなんて話も理解されまい。
    命懸けで立て直しを計ろうとする扇野藩は架空のものだが、このシリーズは4作目、他にもいくつもの藩シリーズがあるようなので、人気があるということだろう。それだけ義で動く武士道というものに惹かれる人は少なくない。
    勧善懲悪

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    2026年05月04日
  • 星と龍

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    鎌倉幕府の滅亡から建武の新政に暗雲が立ち出す辺りの話を、楠木正成の視点から描かれた話。
    予備知識無しで読み進めて、最後の「未完」の文字に「はぁ⁉︎」となりましたが、この作品が遺作だったんですね。残念です。
    さて、読んでて思ったのは、高校の社会で日本史選択してて良かった!の一言です。
    日本史で、この辺りの勉強してた時に覚えた人物が、出てくること、出てくること。
    メインキャラは当然ですが、夢窓疎石とか、高師直とか、「あぁ、覚えた!覚えた!」って感じで読んでました。教科書では一二行で流されてた人物が、話の中でかのように立ち回っているのは実に面白いと言うか感慨深いものですね。
    日本史勉強して良かったな

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    2026年05月03日