葉室麟のレビュー一覧
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ネタバレ前作「いのちなりけり」を読んで、ふたたびこのふたりに会いたくなって買った本。
いろいろあってやっと本当の夫婦になれた雨宮蔵人と咲弥。ふたりのあいだに娘もいるようで、無骨な蔵人の子煩悩振りも微笑ましい。と思っていたところが、事件に巻き込まれ、この娘に物語の鍵があり……。
このシリーズの好きなところは、愛情を軸に物語が動いていくところだ。それは男の女への情であり、友情であり、主君への忠誠である。
雨宮蔵人の咲弥への溺愛っぷり。そして右京(清巌)がいまだ咲弥への想いを秘めながら身を挺して守る姿。悪役であったはずの神尾与右衛門や吉良上野介でさえ、その最後の散りざまに泣けてくる。自らの信念を貫け -
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ネタバレ「光圀伝」と同様、水戸光圀が藤井紋太夫を刺殺したところから始まる小説と知り、読み始めた。やはりこの事件から物語がすぐに繋がるわけではなく、ひとりの男の婿入り話から始まる。
小城藩の重臣天源寺家の娘婿になった雨宮蔵人。一見愚鈍な大男に見えるこの男を、父刑部(ぎょうぶ)がなぜ自分の夫にしようとしたのか、咲弥にはわからない。和歌に精通した夫に先立たれた咲弥は、自身にも和歌の素養がある。いかにも教養のない蔵人に、これぞと思う和歌を一首教えてくれるまで寝所はともにしないと言いわたしてしまう。言われた蔵人は、誰かに簡単に教えを請うこともせず、真面目に咲弥に伝える和歌を考えているうち、陰謀に巻き込まれる。 -
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骨太の時代小説で清冽な恋愛小説。余韻。
蔵人は「天地に仕え、いのちに仕えるのが武士である。いのちに仕えるとは死すべき時に死に、生きるべき時に生きる命を受け止める。」 という武骨な武士。妻咲弥は「これこそ自分の心だと思う歌を教えろ」と迫る。
読者は、物語の展開よりも登場人物の心理をもっと掘り下げて欲しいのに、そこは淡々と描写し読者が想像し考えるようにしていて、多少いらいらする。わざとだとすると汚いな~。
ラストシーンは、途中から分かっているが再会では泣いてしまう。しかも、またまたあっさり描き過ぎ。北方謙三なら5ページのクライマックスにもっていくぞ!また、これが葉室麟。
最後に、武士道を描いた『葉 -
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初九州への旅行を控え、九州のことを知ろうとこの小説を読んでみました。不勉強のため歴史に疎く、登場人物をメモしながら読みました。宮本武蔵や柳生の名前を見て、お!知ってる名前がなんて思ってちょっと楽しくなりました。
時代の流れを見据え忠義を尽くす栗山大膳の姿に、人々が惹きつけられ導かれていく様がとても壮大でロマンがあるなと感じました。しかし現実は美しいものでなく、時代背景として死がすぐそばにあり、過酷で残酷な時代であったことも事実で、政治と平和について考えさせられました。
時代物に不慣れな私は読むのに時間がかかってしまいましたが、人物や闘いの描写が面白く、とても読みやすい小説でした。 -
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ネタバレ勘解由の父母の自刃と切腹とが浅野内匠頭の切腹と幕府の都合で処理された境遇が似ていることで他人事ではないことを感じていた。そうした中、打ち入りを決断した大石内蔵助と遭い「大石殿とお会いして、自分が侍であることを誇らしく思えました。ありがたく存じずる」と、幕閣の都合で処理されたことへの怨念を貫くことが侍としての信念だと感じたのではないだろうか。
大石内蔵助の言葉「なぜ、討ち入りをしなければならなかったのか。どのような思いで吉良上野介の首級をあげたのか、そのことを世の人々に知って貰えば、遺された家族たちに救いの手を差し伸べてくれる人もいるだろう」(遺すものたちのためにできることは、我らの想いを少しで -
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ネタバレ人を見て、その人柄と心を目と感で読み取る。「人の情を察するのも武士の心得の一つかもしれぬ」と武士の初見の立居姿勢は鋭い感覚を持っていた。浅野内匠頭を最期に立会い、遺言も聞いたのではないかと元幕府の目付役に絡まる周りの人々の心理を読み取った記述が面白い。将軍の怒りを買った目付役に対する、流人を預かる藩内の思惑、幕府の思惑、赤穂浪士たちの心理など「遺言」と言われた言葉に翻弄される。大石は祇園で遊楽していたが、内匠頭弟大学の処分を機に決断する。同志に「大学様の処分が決まり、ご再興が望めなくなったからには、我らの取るべき道はただ一つである」と宣言。一方永井勘解由は接待役で会った後家の紗英を「苦難を共に