【感想・ネタバレ】風渡るのレビュー

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Posted by ブクログ 2012年10月01日

盛り上がりの場面さえ、淡々と描写してあり、却ってリアリティーを感じる文体だと感じた。
他の作品も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2012年07月13日

九州の地名や、地元の歴史がちらちら見えたりして、
遠い昔の出来事を自分の知っていることと関連付けながら読むことができました。

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Posted by ブクログ 2023年04月08日

黒田官兵衛とイエズス会の日本人修道士ジョアンを主人公とした歴史小説。切支丹の視点から官兵衛を掘り下げている。黒田家は目薬を売って財を成した家であった。官兵衛は「武士というより商人のような気分がなにより、身になじんでいた」。民間感覚を持っていた。

官兵衛は卑怯を嫌う。「同じ謀叛でも、信長が昼間、安土...続きを読むから京へ向う途中を襲えば、乱世だけに信長の油断も咎められるのだ。しかし、寝ていたところを襲ったとなると、いかにも卑怯と思われる」。

軍師と言えば陰謀家のイメージがあるが、だまして陥れる卑怯者とは一線を画す。正直さを持っているために荒木村重に正面から会いに行って幽閉されてしまうこともあるのだろう。

織田信長は海外進出を考えていたとする説は多くみられる。それでは豊臣秀吉の朝鮮出兵のような泥沼の侵略戦争に陥る。『信長のシェフ』の明智光秀も、それを予見して避けようとする。これに対して『風渡る』の信長は秀吉のような大陸侵略ではなく、海洋国家を志向していた。『信長のシェフ 34』の信長は、さらに進めて外交交渉による海外進出を考えていた。『信長のシェフ』の信長が多くの作品の信長の中でも最もカッコいいという声があるが、それに恥じない思想である。

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Posted by ブクログ 2021年12月27日

一般的に知れ渡っている歴史上のストーリーに対し、武人であることとは別にキリシタンとしての官兵衛の野望、竹中半兵衛との画策を歴史の裏として加えたことなど、この作品のオリジナリティが強く感じられ、司馬遼太郎の播磨灘物語などとも比較しながら興味深く読めた。

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Posted by ブクログ 2021年02月23日

キリシタンを軸に、黒田官兵衛の戦国時代の生き方を再構築したような作品。
これまでの戦国時代を描いた時代小説の中では異質な作品で、とても興味深く読んだ。
キリシタンとしての考え方や、戦略などがストーリーの肝であるため、戦国時代の中心の合戦の描写が少ないので、抑揚がない所は好みが分かれるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2015年10月20日

前回読んだ『風の軍師・黒田官兵衛』とは違い、登場人物たちに血の通いも感じられて、視点の面白さを十分に堪能することができた。
「本能寺の変」や松永久秀の謀反の影にあの人物がいた、というのは、なんというか、言いえて妙だ。
うがった見方なのは重々承知だが、案外、官兵衛やキリシタンたちも、結局彼の掌の上にい...続きを読むたのかもしれない。
黒田官兵衛は天下人から恐れられたほどの人物だけれど、早世でありながら彼と並べられる「今張良」、もう一人の「兵衛」、よほどすごい人物だったのだろう。

しかし、今回の話、黒田官兵衛が主人公のような文句だが、読んだ印象としてはむしろ日本人修道士であるジョアンの方がそう呼ぶにふさわしい気がした。
歴史上ではほとんど語られていない彼にこれほどまでの色彩を与えたストーリーテラーぶり、流石の葉室先生だ。
それにしても、好きな歴史的人物はより好きに、それほどでもない人物は好きに、嫌いな人物さえ愛おしくしてしまうのが葉室先生、という気がしていたのだけれど、今回もまさにその通りだった。

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Posted by ブクログ 2014年07月13日

キリシタンとしての黒田官兵衛に焦点を向けた作品。
これまでの官兵衛像と少し違った印象だけれど、暗躍しすぎて人物としては好きにはなれない。

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Posted by ブクログ 2014年04月19日

順番が前後してしまったからか、思うように読み進まなかった。
ちょうど大河のあたりですよね。しっかりとみてるわけではないけど、これで幾分か楽しめそうです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年01月30日

黒田官兵衛の小説。「神の罰より主君の罰を恐れよ 主君の罰より臣下、百姓の罰を恐るべし」
考えさせられる言葉です。因みに、続篇が『風の軍師』です。

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Posted by ブクログ 2022年01月29日

物語が淡々と描かれているのと、あちこち人物に飛ぶので、なかなか入り込めなかった。黒田官兵衛ということで、期待しすぎたかもしれない。

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Posted by ブクログ 2016年05月25日

この方の作品は初めて読みました。人物描写が素晴らしくキリシタンの目線から描く戦国時代モノはとても新鮮でした。

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Posted by ブクログ 2015年02月23日

しみじみとした町人の情感や清廉なる生き方を貫く武士など、人間味あふれる歴史物を描く作家にとって戦国時代の軍師は、この作家にとって描くべき対象だったのだろうかとさえ思う。キリシタンということを歴史の中のポイントとするなら、ややこしい戦国時代の大名や武士の戦い、策略、覇権といったことを追っていくことはな...続きを読むかったのではないか。

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Posted by ブクログ 2014年05月12日

貿易風、偏西風さえも巻き込む戦国の世を吹き抜ける幾多の野望の風。傲慢の罪に取りつかれた天下人たちへの謀が楔を打ちながら、信念に満ちた軍師と修道士の交流が時代を通り渡たる。子午線をはさむガラシャとマリアのお告げのラストは続編へ誘い込む。各々の内面への深追いは無く、刻々とした読後感。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年10月05日

別に意識したわけではないんだけど、旬な人物、黒田官兵衛が主人公の小説。
もう一人の主人公、半分架空の人物ジョアンと2つの目線から、天下統一が成されていく日本を描いた歴史小説。

今まで読んできた葉室作品よりも、時代の流れを描いてる風に読み取れ、まさに「歴史」小説。なんだか司馬遼太郎とか隆慶一郎とかを...続きを読む読んでるのに近い感覚だった。ただ、葉室さんにはその手法は似合わないのか、少々散漫な印象は免れなかったのは残念。

軍師:黒田官兵衛ではなく、キリシタン:黒田シメオンが織田信長や明智光秀や豊臣秀吉をどう見ていたのかが分かっていく部分は面白い。ここだけに特化した小説でも良かったような気がする。ジョアンと大友宗麟については別の物語としても良かったんじゃないか?

続編があるようなので、楽しみである。黒田シメオンは、徳川家康や石田三成をキリシタン目線でどのように見ていたんだろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年08月26日

司馬遼太郎の「播磨灘物語」の黒田官兵衛とはいささか様相が異なり、キリシタンとしての黒田官兵衛とジョアンという2世の宣教師が主人公。

戦国期のキリスト教の苦難の裏面史という面では良く書けているが、「本能寺の変」は竹中半兵衛の意志を継いだ黒田官兵衛が仕掛けた設定で、かつその後の関ヶ原の戦いも官兵衛の仕...続きを読む掛けによるとあっては、歴史小説としては、いささか無理があり、白けてしまう。
黒田官兵衛とジョアンとの関係にしても、ところどころでの接点はあるが、上手く噛み合っていない感じがする。

「乾山晩秋」「いのちなりけり」「花や散るらん」「銀漢の賦」「秋月記」「蜩ノ記」など史実から距離をおき、自由な構成で心情や生き方を描かせたら藤沢周平を彷彿させるほどの巧者だが、歴史小説(あるいはこの小説)は、従来の通説にはない独自色を出そうとした無理な解釈で、飛躍し過ぎて、そちらに軸足が移り、主人公の生き様や心情の描写等、この著者の良さが出ていない感じがする。
葉室麟への期待が大きい分だけ、裏切られた時の失望感が大きい。

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Posted by ブクログ 2013年06月09日

黒田官兵衛を主人公に、戦乱の世におけるクリスチャンとしての武将の生き様を描いた作品。史実に則った展開なのだろうが、乱世に生きる人々の葛藤と宗教が織りなす内なる揺らぎが全編にわたって響きドラマを盛り上げる

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Posted by ブクログ 2013年06月02日

 秀吉の懐刀・黒田官兵衛と、日本人修道士・ジョアン。2人は、未曾有の変革の時を、時代の風を受けて生き抜いた。居場所を求めて駆け抜けた2人。信長から、キリシタン禁止令の時期を、折々にかかわりあいながら生きてきた2人。お互いの心にあるものを察しながら、時代を体現した黒田官兵衛とジョアンの交歓を、さわやか...続きを読むに描く。

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Posted by ブクログ 2012年09月24日

黒田官兵衛を主人公にした長編には、司馬遼太郎の「播磨灘物語」があるが、葉室氏のこの作品は、虚構の主人公ジョアンを絡ませ、キリシタンにして智謀の軍師、黒田官兵衛の活躍を違った視点から描いており、興味深く読んだ。読み始めは、取り付きにくかったが、読み進むにつれ物語に引き込まれていった。「本能寺の変」の黒...続きを読む幕には、諸説あるが、葉室氏は、官兵衛黒幕説を採る。そして、さらにその後ろに、半兵衛を介した秀吉を見据えている。戦国末期から、信長、光秀、秀吉、そして家康へとたどる歴史には、様々な形で、キリスト教および宣教師が、時代の流れに関わっていることが読み取れる。

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Posted by ブクログ 2016年07月23日

手を出すべきか、最初は一寸迷ったのです。
安土・桃山時代を舞台とした小説は司馬遼太郎さんが多く手がけ、私はそのほとんど読んでいます。司馬さんの人物造形は秀逸で、時代背景の中で生き生きと行動し、いかにも「見て来た様な」リアリティを感じてしまうのです。ですから、他の人が同じ主人公で作品を描くと、読みなが...続きを読むら何故か「ウソだろう」なんて気持ちになってしまうのです。
この本はと言うと。。。  さほど違和感を感じませんでした。
ただ、逆になんだか主人公の人物像がぼんやりしている気がします。基本的にはキリシタンとしての官兵衛を描こうとしているのですが、どうも信仰心が曖昧と言うか。。。
中で出てくる歴史の新解釈も面白いのですが、書き込みが足らない所為か現実感が乏しい気がします。
悪くは無いが、さほど光るものも感じない。そんな小説でした。

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Posted by ブクログ 2012年05月18日

全1巻。
黒田勘兵衛とキリシタンの通訳の2人生き方を通して、
戦国時代をキリシタンの視点から見るお話。

きちんと書くタイプの著者だし、
史実ベースなので、
背景説明などが多く、堅い。
ぐあっとした盛り上がりはあんま無く、
手に汗握る展開も無い。
けっこう淡々と事実を重ねていく印象。
終わり方もホワ...続きを読むッとしてる。

ただ、信長の神観や、目指した国の形、
竹中半兵衛の造形などは
個人的に目新しく、おっと思った。


大枠はきちんとまとまり、
きちんと目新しいんだけど、
盛り上がりとメリハリに欠ける。
黒田勘兵衛の歴史ミステリーなのか
キリシタンから見た戦国史なのか、
少しボンヤリした印象の物語。

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