【感想・ネタバレ】風渡るのレビュー

あらすじ

秀吉の懐刀・黒田官兵衛と、日本人修道士・ジョアン。2人は、未曾有の変革の時を、時代の風を受けて生き抜いた。居場所を求めて駆け抜けた2人。信長から、キリシタン禁止令の時期を、折々にかかわりあいながら生きてきた2人。お互いの心にあるものを察しながら、時代を体現した黒田官兵衛とジョアンの交歓を、さわやかに描く。(講談社文庫)

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黒田官兵衛の小説。「神の罰より主君の罰を恐れよ 主君の罰より臣下、百姓の罰を恐るべし」
考えさせられる言葉です。因みに、続篇が『風の軍師』です。

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2014年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

別に意識したわけではないんだけど、旬な人物、黒田官兵衛が主人公の小説。
もう一人の主人公、半分架空の人物ジョアンと2つの目線から、天下統一が成されていく日本を描いた歴史小説。

今まで読んできた葉室作品よりも、時代の流れを描いてる風に読み取れ、まさに「歴史」小説。なんだか司馬遼太郎とか隆慶一郎とかを読んでるのに近い感覚だった。ただ、葉室さんにはその手法は似合わないのか、少々散漫な印象は免れなかったのは残念。

軍師:黒田官兵衛ではなく、キリシタン:黒田シメオンが織田信長や明智光秀や豊臣秀吉をどう見ていたのかが分かっていく部分は面白い。ここだけに特化した小説でも良かったような気がする。ジョアンと大友宗麟については別の物語としても良かったんじゃないか?

続編があるようなので、楽しみである。黒田シメオンは、徳川家康や石田三成をキリシタン目線でどのように見ていたんだろう。

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2013年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

司馬遼太郎の「播磨灘物語」の黒田官兵衛とはいささか様相が異なり、キリシタンとしての黒田官兵衛とジョアンという2世の宣教師が主人公。

戦国期のキリスト教の苦難の裏面史という面では良く書けているが、「本能寺の変」は竹中半兵衛の意志を継いだ黒田官兵衛が仕掛けた設定で、かつその後の関ヶ原の戦いも官兵衛の仕掛けによるとあっては、歴史小説としては、いささか無理があり、白けてしまう。
黒田官兵衛とジョアンとの関係にしても、ところどころでの接点はあるが、上手く噛み合っていない感じがする。

「乾山晩秋」「いのちなりけり」「花や散るらん」「銀漢の賦」「秋月記」「蜩ノ記」など史実から距離をおき、自由な構成で心情や生き方を描かせたら藤沢周平を彷彿させるほどの巧者だが、歴史小説(あるいはこの小説)は、従来の通説にはない独自色を出そうとした無理な解釈で、飛躍し過ぎて、そちらに軸足が移り、主人公の生き様や心情の描写等、この著者の良さが出ていない感じがする。
葉室麟への期待が大きい分だけ、裏切られた時の失望感が大きい。

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2013年08月26日

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