葉室麟のレビュー一覧

  • 橘花抄(新潮文庫)

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    葉室麟にはずれなし。今回も本当に面白かった。史実とフィクションが入り混じり、昔の人が活き活きと生活している気配が強い。この本では最後の闘いがいつもよりも長く劇画調だったが迫力満点。大満足だった。相変わらず主人公の女性がとても魅力的で、読み終えると爽やかな気分になる。はずれなし。

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    2024年03月22日
  • 潮鳴り

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    ネタバレ

    落ちた花は二度と咲かないとひとは言う。だが、もう一度、花を咲かせようと櫂蔵は思う。そして、咲いたとすれば、わが胸の奥深くに咲くお芳の花でございます。わたしが生きてる限りは、お芳の花は枯れずに咲き続けることでありましょう。
    そのために生きるのです。ひとはおのれの思いのみ生きるのではなく、ひとの思いも生きるのだと。それゆえ、落ちた花はおのれをいとおしんでくれたひとの胸の中に咲くのだと存じます。
    お芳と弟の新五郎を想い、仇を取るために紛争する櫂蔵。最後は、潮鳴りが、いとおしい者の囁きがきこえる。
    人を想い生きる事は、どんな事があらうが、生き抜かねばならない。そんなふうに感じた小説でした。

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    2024年03月13日
  • 決戦!新選組

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    新撰組のアンソロジー。
    剣で斬り合うのは決して好きではない。
    なのに惹かれる新撰組。
    時代が移ろう中で、自分の信念を生きる姿に惹かれる。
    馴染みの隊士のイメージがちょっと違ったりして、
    そんなところも面白かった。

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    2024年01月26日
  • 散り椿

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    瓜生新兵衛は、かつて上役の不正を訴えたが認められずに、藩を追われた。
    妻の死に際に、新兵衛に対して故郷に戻ってして欲しい事があるとお願いする。正反対の願いであったが、新兵衛に生きて欲しいとの気持ちからの願いであった。
    散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていけるのだ。
    まさに名作である。

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    2023年12月27日
  • 山月庵茶会記

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    ネタバレ

    日本語が美しい。季節を感じる季節風景描写。息子嫁が主人公の亡き妻に感情移入しすぎて霊まで見えるのは...と思ったけど、当時ならさもありなんとも思う。

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    2023年12月11日
  • 影ぞ恋しき 下

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    蔵人と咲弥の口から語られる武士として、夫婦として、人としての生き方は、あまりに気高いだけに聞いた人に最初は戸惑いや嘲りを与えるものの、彼らが本当にその言葉通りの生き方をしている姿を見て改心とまではいかないが微妙に影響されていく様子が良い。
    人は皆このように生きるべきだと葉室氏からの最後のメッセージをいただいたように感じました。

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    2023年11月11日
  • 実朝の首

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    実朝の首(葉室麟/角川文庫)
    鶴岡八幡宮で公暁に暗殺された源実朝。
    「吾妻鏡」には、実朝の首が見つかったという記述はなく、棺の中に入れられたのは髪だったということが記されています。本書は「蜩の記」で直木賞を受賞した葉室麟さんが、実朝の首を巡って朝廷、鎌倉幕府、武士たちの闘いを描く娯楽時代伝奇小説の傑作です。面白く一気読みしました。
    人物描写が秀逸。特に「鎌倉殿の13人」が好きな方は必読と思います。

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    2023年11月11日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    叔父藤原道長との政争を経て太宰府に赴いた隆家。
    そこに異民族刀伊が襲来する。
    戦いは最後だけで、生い立ちから詳しく。
    道長花山院、一条天皇から紫式部、清少納言等平安オールスター登場。
    「神々もご覧あれ、われこの国の雅を守るために戦わん」

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    2023年10月29日
  • 山月庵茶会記

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    葉室麟にハズレなし。今回は茶室が舞台ということで触手が伸びなかったが、とても面白かった。ミステリー感は数ある葉室麟の本の中でも相当高い。謎解きの面白さがある。いつも思うのだが、葉室麟の話はハッピーエンドなのがとても良い。安心して没頭できる感じだ。オススメ。

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    2023年09月22日
  • 神剣 人斬り彦斎

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    四大人斬りの中でも、唯一政治思想を持つ人物であったとされる河上彦斎については、幕末維新の表舞台に立つ人物とは別に、史実の大事件と直結しながら暗の部分を浮き上がらせる人物として、また、『るろうに剣心』のモデルと言われていることからも、興味を抱く人物であった。
    個人的に史実を忠実にトレースする作品を好むが、本作品は彦斎の動向を史実の出来事と時系列を合わせながら、新撰組の近藤や沖田との対決などのフィクションが絶妙に絡められ、非常に面白く読んだ。

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    2023年09月21日
  • 花や散るらん

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    雨宮蔵人と咲弥の生き方を通して忠臣蔵を描くという珍しい構成です。
    今でも桜や紅葉の名所として美しい姿を残している六義園ですが、綱吉と柳沢吉保が出てくるとどんな作品でも薄汚く感じてしまいますね。
    それはさておき葉室氏が描く武士道は本書でも健在で、忠臣蔵でさえ単なる主君の汚名を晴らすだけの忠義物語に留まらず、大奥における公家のプライドや尾形光琳や荷田春満といった絵師や国学者の観点まで絡めて非常に多面的かつ奥深い作品でした。

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    2023年09月10日
  • 潮鳴り

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    仕事な人生で挫折を経験し、やさぐれた生活をした人が再起を図る勇気をもらえる本。周りの人の信頼、支えのありがたさを改めて感じるきっかけになる。

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    2023年08月27日
  • 銀漢の賦

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    再読。もう10年近く前になります。その時の感激が私のニックネームの元になりました。当時はまだ葉室作品をあまり知りませんでしたが、改めて読むと詩歌も入ってて葉室さんらしいですね。今回の再読では、将監より源五が主人公に思えて感情移入してしまいました。素敵な漢です。「頭に霜を置き、年齢を重ねた銀漢」、、、痺れます。

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    2023年08月08日
  • 潮鳴り

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    やはり私は葉室さんの作品に触れると心が熱くなり、涙も出てしまいます。とんでもない悪党がいる一方、主人公とその周りの人たち、その人達が強くもあり弱くもあって人間らしい一方、お互い感化されていく。哀しい話には違いありませんが、希望、明るい希望のある最高の読後感でした。特に、お芳、染子といった女性がまた素晴らしいです。優しくて、そして芯から強くて。。。

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    2023年07月29日
  • はだれ雪 下

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    葉室版忠臣蔵外伝。
    主人公は、旗本 永井勘解由と扇野藩の寡婦で勘解由の接待、監視役を命ぜられた紗英。勘解由は、浅野内匠頭の切腹に異を唱え、許しなく内匠頭の最後の言葉を聞きとったことが将軍綱吉の怒りに触れ、幕府目付を罷免され扇野藩へお預けとなった。
    扇野藩では、勘解由の扱いに苦慮し、厳しい監視体制を敷くが、勘解由は静かに謹慎の時を過ごしていく。紗英も最初は戸惑うものの勘解由に心惹かれていく。
    そんな中、内匠頭の最後の言葉を知ろうと大石内蔵助が勘解由を訪れ、お互いの胸の内を理解し合う。討ち入り切腹へと進む過程で、幕府の顔色を窺う扇野藩の重臣たちによる暗い計略もあり、ハラハラする展開が続く。
    勘解由

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    2023年07月25日
  • 蝶のゆくへ

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    集英社のキャンペーンで購入。こういうのがないと出会わない本がある。
    てっきり単なる相馬黒光の伝記かと思ったら、彼女を通じて明治の文豪の恋愛模様を描き、ちゃんと最後は自身と子らの話に繋ぐという凄い本だった。中村屋の歴史も単に流行を先取りしただけじゃないんだなあ。

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    2023年07月17日
  • 辛夷の花

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    葉室麟の女性を主人公に描いた傑作の一つだと思う。面白い。
    離縁された志桜里が迷い惑いながらも自分の信じる道を歩んでいく姿が本流にあるのだが、物語の展開は昭和の時代劇ドラマのよう。悪家老たちに追い詰められる殿様、殿様の命を受け悪家老たちの過去の不正を探る勘定奉行の志桜里の父 澤井庄兵衛、澤井家の隣に越してきて志桜里と澤井家を助ける「抜かずの半五郎」と呼ばれる剣の達人、などなど善も悪も多彩な人物が登場して息をつかせぬ展開が続く。
    志桜里と半五郎の煮え切らない関係もヤキモキさせる。
    解説に、「清廉な男と凛とした女、葉室麟が描き続けた理想の人々がここにいる」とあったが、まさにそんな作品だと思う。

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    2023年05月13日
  • 山月庵茶会記

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    黒島藩を舞台の三作目であるが、それぞれ別個の作品でシリーズ性はない。作品の紹介を見る限り、茶室を舞台にした心理戦のような流れかと思ったが、さにあらず、葉室麟らしいダイナミックな展開が待っていた。
    元二大派閥の一方の領袖であった柏木靭負は政争に敗れ藩を去った後、茶人として名をなして国に戻ってきた。目的は、不義の噂を立てられ靱負に問い詰められて何の言い訳もせずに自刃した妻、藤尾の真実を知るためであった。
    家督を譲った養子の妻、千佳が、靱負の世話を焼きながら、ありし日の藤尾の真の姿を明らかにしていく助けとなる。千佳の視点で描かれた作品と言ってもいい。
    やがて明らかになる驚愕の真実とは。実に面白かった

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    2023年04月30日
  • 銀漢の賦

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    表題の「銀漢」という単語を知らず、それってなに?と思いながら読み始めたけれど、意味を知ると室生さんの粋なネーミングに感服! 厳しい身分の垣根がある江戸時代にありながら、幼き時の友との結びつきを根底に、各々が藩や民のためにと命をも賭して信念を突き通す様に心の琴線を激しく揺さぶられた。もちろん、この本も再読本に入れる。(o^^o)v

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    2023年04月29日
  • 散り椿

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    「散り椿」という題名に惹かれて葉室さんの時代小説を初めて手に取った。 長く世間を渡るほど、世の中は綺麗ごとばかりではないと身をもって知ることになる。 ずいぶん昔にどこかへ置いてきしてしまった主人公の一本気な生き方が清々しい。 「散る椿」の意味を知ることになる結びに胸が詰まる。 再読本に入れる。

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    2023年04月29日