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Posted by ブクログ
「はだれ雪あだにもあらで消えぬめり世にふるごとやもの憂かるらん」
今作で葉室麟さんは『忠臣蔵』を創作に取り入れているというのを上巻のレビューで述べたが、「引歌」も取り入れてるんよな
もちろん『忠臣蔵』と言えば辞世の句だもんね
浅野内匠頭の辞世の句
「風さそう 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとやせん」
大石内蔵助の辞世の句
「あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし」
ねー、やっぱ使いたいよねー
そしてわいもそんなに詳しいわけじゃないけど、なんとなくさ、日本語を母語にしてれば伝わって来るものがあるじゃないそれは
内匠頭の無念さ、内蔵助の晴れやかさは伝わってくるじゃない
日本人であることを誉れに思う
そんな気持ちさせるものが、葉室麟さんが紡ぐ物語には溢れていて、だからわいは葉室麟さんが大好きなんだと思う
ありがとう麟さん
ありがとう日本
Posted by ブクログ
葉室版忠臣蔵外伝。
主人公は、旗本 永井勘解由と扇野藩の寡婦で勘解由の接待、監視役を命ぜられた紗英。勘解由は、浅野内匠頭の切腹に異を唱え、許しなく内匠頭の最後の言葉を聞きとったことが将軍綱吉の怒りに触れ、幕府目付を罷免され扇野藩へお預けとなった。
扇野藩では、勘解由の扱いに苦慮し、厳しい監視体制を敷くが、勘解由は静かに謹慎の時を過ごしていく。紗英も最初は戸惑うものの勘解由に心惹かれていく。
そんな中、内匠頭の最後の言葉を知ろうと大石内蔵助が勘解由を訪れ、お互いの胸の内を理解し合う。討ち入り切腹へと進む過程で、幕府の顔色を窺う扇野藩の重臣たちによる暗い計略もあり、ハラハラする展開が続く。
勘解由の誠を通し、何があっても乱れない落ち着いた態度、紗英の勘解由への一途な想い、そして毅然とした対応。葉室麟の描く男と女の典型的な姿がここにある。
面白いし読後感もいい作品。
Posted by ブクログ
面白かった
忠臣蔵サイドストーリ?
もののふの矜持とそれを支える女子の恋愛小説+生き様の物語
下巻です。
勘解由と苦難を共にする覚悟を決めた紗英。二人は祝言を上げることに。
そして、吉良の討ち入りを準備する大石内蔵助
結果、勘解由の立場が追い詰められることになります。
浅野の最後の言葉も明らかになり、いよいよ討ち入りです。
吉良を討ち、散っていった赤穂四十七士に対して、生きる道を選んだ勘解由は江戸に向かいます。
しかし、国を超えることができるのか?迫る追手。
勘解由はどうなる?
っと、後半はアクションものです。
生きるということ。そして、生きるための戦い
そのうちに秘める守るべきもの
熱くなります。
とってもお勧めです。
Posted by ブクログ
幕府を慮り、藩内抗争も絡み、勘解由を生かしておけぬと暗殺を企てる扇野藩の重臣たち。
さらに討ち入りが欠航された後、勘解由の措置をどうするかと決めかねる幕府=柳沢吉保。
勘解由の運命は?そして紗英は?と頁を捲らざるを得ない。
主君に忠義を尽くし武士として命がけで戦う大石内蔵助に対し、彼の志を認めながらも、「ひとは自らの心願だけで生きられるものではない。生きていることを願ってくれるひとの想いに支えられて生かされているのだ」と、生きる道を選ぶ勘解由。
武士の意地をかけて主君の仇を討たんとする赤穂藩の旧家臣を対照的に描くことによって、和歌「はだれ雪」に託し、愛する者のために生き抜くと誓った高潔な志は、より鮮やかに浮かび上がる。
Posted by ブクログ
忠臣蔵はあらすじ的な出来事程の知識しかなかったが、フィクションといえど、時代背景や立場を踏まえて、より赤穂浪士の心情に触れられた気がする。なぜこんなに度々映像化されるのかぴんとこなかったけれど、大石内蔵助らの武士としての義の深さを知れば納得。
そこに相まって、流罪となった勘解由の武人としての矜持が素敵すぎる。紗英の気持ちもわかる。
武士といえど慕う者への心遣いが出来ねば、民にも心配りができない、、とは今でもそう。身近な人を想えば他人にも優しくなれるというもの。
葉室さん、まだまだ作品を残してほしかったな。
未読だけど、映画『散り椿』はどうだろうな。
Posted by ブクログ
勘解由の父母の自刃と切腹とが浅野内匠頭の切腹と幕府の都合で処理された境遇が似ていることで他人事ではないことを感じていた。そうした中、打ち入りを決断した大石内蔵助と遭い「大石殿とお会いして、自分が侍であることを誇らしく思えました。ありがたく存じずる」と、幕閣の都合で処理されたことへの怨念を貫くことが侍としての信念だと感じたのではないだろうか。
大石内蔵助の言葉「なぜ、討ち入りをしなければならなかったのか。どのような思いで吉良上野介の首級をあげたのか、そのことを世の人々に知って貰えば、遺された家族たちに救いの手を差し伸べてくれる人もいるだろう」(遺すものたちのためにできることは、我らの想いを少しでも広く世に伝えることだけだ)と勘解由への手紙で残した。勘解由は「人は皆、さしたることでもなく、思わぬところで悲運に出会ったりする。嘆きに沈むのはやむを得ないが、何より大切なことは悲運に負けて立ち止まらぬこと。歩き続ける事ではないかと思う」「人は自らの心願だけで生きられるものではない。生きている事を願ってくれる人の想いに支えられて生かされているのだ」、勘解由の妻紗英は「諦めず、迷わず、これからも信じた道をただ一筋に歩んでいくよう励まなば」。浅野内匠頭の最後の言葉は妻への労りだった。
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