葉室麟のレビュー一覧

  • 風花帖

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    武骨な男が好きな女性の為に自分を捧げる姿は、読んでいるものを感情移入させる。
    このような男の生き方は出来ないが、小倉藩の白黒騒動を舞台に繰り広げられる人間の欲望を背景に、清廉な気持ちで事を成し遂げる姿は読者を小説に引き込ませる。
    葉室作品の真骨頂である。

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    2024年10月08日
  • 孤篷のひと

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    茶人、小堀遠州の生涯を、回想を上手く織り交ぜながら描いた作品。別に茶道にも日本史にもさして興味が無い自分でも、飽きること無く読み進められる不思議。伊達政宗が出てくるシーンだけはどうやっても脳内映像が渡辺謙になる病気が再発した。

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    2024年09月20日
  • 潮鳴り

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    襤褸増(ぼろぞう)などと揶揄されるほどどん底まで堕ちた伊吹櫂蔵が、人生をやり直す。
    落ちた花は二度と咲かないと言われた櫂蔵が弟の無念を晴らすため、藩の不正を暴く。
    葉室麟の作品らしい、気持ちの良い内容だった。

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    2024年09月18日
  • 孤篷のひと

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    当日の武士(権力)が茶道や庭園に大きな価値を見出してきたことは、歴史を学ぶ上でも興味深い。
    武士政権も権威が必要で、公家文化に倣う必要性があり、それが遠州のようなマルチタレント文化人が重用された背景でもあると思う。
    そのような思いが重なり、ある意味歴史の裏側で活躍した人物でもある小堀遠州のことを学びたく、本著を手に取る。

    史実を並べてみても、遠州が手がけた作庭等から、驚異的な活動量であることを知ることができ、ただ驚くばかり。
    相当に実務面でも能力が高かったのだろう。
    また、意外な人脈も新たな発見であり勉強になる。

    史実はどうかわからないが、当時のメンタリティについても触れられている点、参考

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    2024年09月08日
  • 冬姫

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    織田信長の次女冬姫の戦国時代の女の戦いを描いた小説。
    蒲生氏郷との夫婦間、お市の方、茶々との確執など、ストーリー面白くさせる。
    葉室小説によく登場する細川ガラシャとの関係など、戦国スターが散りばめられている。
    終盤は、少し尻切れ蜻蛉感はあるが、楽しく読むことが出来た。

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    2024年09月01日
  • 青嵐の坂

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    藩政改革を行う檜慶之助と檜主馬義兄弟の武士のお話。
    悪い家老と商人を撃破する。領民のため、命をかける。あー葉室作品だな〜と感じる1冊。武士は利では動かず、義にて動く。カッチョいいです。

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    2024年08月16日
  • 春雷

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    羽根藩シリーズ3作目
    1作目の蜩の記の秋谷と同じく、この作品の隼人も逃げることなく死ぬことを選ぶ。最後は同じだけれど秋谷は静の人、隼人は動の人に思える。覚悟をしてからは嫌われ恨まれることも厭わない激しい人生。隼人、大庄屋の七左衛門の己の信じるところを曲げずにむかえる死に様は壮絶です。
    隼人の「悪人」と「善人」の考え方からすると、私は善人だ。

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    2024年07月31日
  • 秋月記

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    義母からいただいたので、読みました。ジャンル的には余り読まない時代小説ですが、この本を通して人気があるというのも理解しました。生きている時代は違えど、人として武士として生き方として、とても参考になりました。

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    2024年07月28日
  • 風渡る

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    黒田官兵衛の小説は、司馬遼太郎の播磨灘物語が有名である。風渡るの小説では、黒田官兵衛とキリスト教との駆け引きで新しい世界を作っている。
    九州に初めて伝来したキリスト教が九州で根付き始めたのはキリシタン大名の存在が大きい。
    戦国時代のイエズス会のキリスト教と時の権力者との興亡を描く、視点を変えたストーリーである。

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    2024年06月26日
  • 約束

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    買った当初に途中まで読み、(著者の小説では滅多にないことだが)馴染めないままツンドクになってしまっていた。
    が、今回は一気呵成に読み終えた。
    やはり、読む適期というのは、作品あるいは読者それぞれにあるようだ。
    現代の高校生が、雷に打たれ、明治維新の直後にタイムスリップしたという、著者には珍しいファンタジー歴史小説。
    勝海舟、西郷隆盛、大久保利通、さらに桐野利秋らが、登場。
    高校生の4人は彼らと関わり合ううち、西南戦争が迫る。
    西郷隆盛の人間性に触れた彼らは、西郷の命を何とか救いたいと画策するが、歴史の壁は厚く・・・
    タイムスリップした高校生を狂言回し的に用い、幕末・明治維新の裏面史ともいえる事

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    2024年06月18日
  • 柚子の花咲く

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     いいお話だった。恩師が何者かに殺された。その真相を探りに行った友もまた。そして主人公の恭平がその真相を探るため、隣の藩に潜入する。
     師弟、友情、愛情、親子関係等の要素がちりばめられていて、時代小説ではあるけれど、現代にも通じることが描かれている。
     ラスト、青葉堂村塾の子ども達の姿が本当に純粋で健気で、「約束を守る」ということを体現している姿に感動。子ども達がそのような行動をとれたのも、恩師の与五郎の教えの賜物。

     与五郎の父は恭平の隣藩の家老で大きな力を持つ。その父親のまつりごとに対する姿勢に異を唱えることもあった与五郎は、一度素行が悪くなり勘当される。でも、再出発をするため、恭平の住

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    2024年06月08日
  • 花や散るらん

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    ネタバレ

    解説島内景二
    葉室に言わせれば、歴史には勝者も敗者もない。善人も悪人もいない。自分らしく切ることができたか、どうか、自分の心に恥じない死に方ができたか、それが問題なのだ。
    人間の心に抱かれた思想も、心に咲いた美しい花も、どちらもが永遠であり、時代を超えて、葉群の影に凛として咲き続ける。それが、葉室麟の信念である。

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    2024年06月02日
  • 不疑 葉室麟短編傑作選

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    著者が早逝して早や7年。
    しかし、いまだに初書籍化作品が読めるというのは、読者冥利に尽きる。
    しかも、短編傑作選という本書は登場人物がバラエティに富んでいて、時代小説の楽しみが味わえる。
    『鬼火』は、新撰組の沖田総司。
    『鬼の影』は、忠臣蔵の大石内蔵助。
    『ダミアン長政』は、黒田如水の息子黒田長政。
    『魔王の星』は、織田信長。
    『女人入眼』は、北条政子。
    表題作の『不疑』は、なんと前漢中国の雋不疑。
    時代も古代中国から戦国時代そして幕末へと、歴史を駆け巡るかのよう。
    著者の未書籍化作品は、まだあるのだろうか。

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    2024年05月14日
  • 潮鳴り

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    自らの性格や生き方で地に落ちた男が、弟の生き様に触れて再生をする男の物語である。勧善懲悪をベースに進むストーリーは、喜怒哀楽を散りばめられ読み応えのある作品である。

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    2024年05月13日
  • 不疑 葉室麟短編傑作選

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    短編それぞれが 力強い作品。ラストの不疑は中国の漢の時代の話。葉室さんが亡くなった後に見つかった話だそう、、、

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    2024年04月27日
  • 秋月記

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    いかにも葉室作品らしい、真っ直ぐな武士を描いた物語。義に殉じるようないわゆる武士道ではなく民衆の幸せを第一に考えて愚直に生きる主人ですが、これに立ちはだかる悪役の権力者達も決して一筋縄ではいかない面を併せ持つ。時代小説にありがちな勧善懲悪ではなく、正しく生きることの難しさを絶妙なバランスで表現されているところにいつも惹かれます。
    石橋建設に関わるエピソードはどうやら史実らしく、福岡県の朝倉に今でも残っているみたいなので、一度見に行きたいな。

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    2024年04月13日
  • 無双の花

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    関ヶ原の戦い後の立花宗茂の生き様を描いている。
    滝口康彦の乱離の風は、若き日の立花宗茂を描いているが、その続編とも言うべきものとも考えられる。
    立花宗茂が何故、柳川藩主に戻って来れたのか?小説に描かれた立花宗茂の真っ直ぐな生き様がそうさせたのか?、わからないが小説としては美化した立花宗茂の生き方は素晴らしい。また、徳川家康も徳川秀忠もいい人物として描かれている。

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    2024年04月04日
  • 嵯峨野花譜

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    ネタバレ

    「清げな」本だった。胤舜に訪れる試練は都合よく上手い具合に行き過ぎだと思われる時もあるけれど、それすら人のいのちであり、人生なのではないかと思わされる素敵な本でした。解説で初めて葉室さんが亡くなっていることを知ったんだけど、その事を知ったのがこの本であることがとても不思議だった。

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    2024年03月30日
  • 不疑 葉室麟短編傑作選

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    葉室麟の未発表作品「不疑」を含む、短編集。全六作品だが、「不疑」が一番良かった。と思うと共に、ここからの作品が読めなかったことを本当に残念に思う。

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    2024年03月30日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    刀伊の入寇。日本への侵略危機といえば元寇が有名ですが、平安中期にも女真属が九州に攻めてくるという日本の有事がありました。
    実際300人以上殺され、1000人以上拉致されるという悲惨な事件。それを追討したのが藤原道長の甥の藤原隆家。この小説は藤原隆家の生涯を書いた本なのですが、刀伊の入寇以外にも、花山天皇や藤原道長との確執の状況も描かれており、平安中期の世界観にどっぷり浸かれました。歴史的に藤原隆家はもっと英雄扱いされても良いと思うんだけどなぁ。

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    2024年03月27日