葉室麟のレビュー一覧

  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    葉室麟さんの作品は大好きなのですが、この作品は読みにくかった~!
    クリスチャンネームが山ほど出てくるのでそのたびにこの人は誰だったっけなあ、になってページを元に戻る。

    信長から家康まで、戦乱の世の中の裏では日本をクリスチャンの世界にするという思いと動きがあったとする考察がこの作品の軸になっている。
    いつ果てるかもわからない戦乱の世を、未来永劫平和な国にしたいという純粋な思いが天下人をも挿げ替えようとする膨大な計画に黒田如水はことごとく関わってくるのだ。
    戦国時代の策士、名軍師としての黒田官兵衛のクリスチャンからの思いが伝わる。
    教科書で習う日本の歴史の裏にはもしかしたらこのような流れがあった

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    2020年05月10日
  • 古都再見(新潮文庫)

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    故郷の九州から京都に移り住んだ著者が、死去の前年まで週刊誌に書き綴った随筆68篇。
    読み通すと、自らの死期を間近に見通したかのような筆致が随所に見られると思うのは、思い込みだろうか。
    例えば『中原中也の京』で。
    『ひとは輝かしい光に満ちた夢のごとき何かに駆り立てながら生き急ぐ。それが「青春」かもしれないが、近頃、同じものが「老い」の中にもあるのではないかと思わぬでもない。死を予感した心のざわめきが似ているからだ』とあるが・・・

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    2020年05月03日
  • 春風伝

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    実在の人物を主人公にした、著者の数少ない本格歴史小説。
    高杉晋作は通称で、諱(本名)は春風だとは、この著で知った。春疾風(はるはやて)の別名が春風なら、疾風迅雷に時代を駆け抜けた晋作にふさわしい名か。
    尊攘派の長州藩を征討しようとする幕府軍に対する回天の戦いは、晋作の人生でのクライマックスである。
    その行動に駆り立てた要因は、師吉田松陰の影響とともに、上海での見聞だろう(上海での晋作たちの冒険的活劇は読みどころのひとつ)。
    欧米列強の植民地化に抗した太平天国軍が敗れ去ったことに焦燥の念を抱き、日本という国家を守るための軍勢を思案する。そして、封建制度の身分を撤廃して編み出されたのが、彼の代名詞

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    2020年04月18日
  • 散り椿

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    先に映画を観ていたのですんなりと読み進めることができた。人の世も心も、時が経てもそれほど変わるものではない。だが、変えていかねばならぬことはしっかりと変えていきたい。そんな風に思った。

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    2020年04月09日
  • 散り椿

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    最愛の妻をなくし、その最後の遺言の意味に気づいた時涙が止まらなくなりました。

    大切な人を想う気持ちで生きている武士達の物語です。
    時代劇を読んだことのない人にもおすすめです。

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    2020年04月01日
  • 銀漢の賦

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    ストーリー序盤にあるような幼少の頃からの身分差は今はないけれど、大人になってからの流れは現代に繋がるところ多々あり。
    通信手段がない中、お互いの思いを信じてそれを最後まで貫くところは、胸を打たれる。
    なにより文章全体の日本語が美しい。それから、女性が強いのも本作品の好きなところ。

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    2020年03月09日
  • 霖雨

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    私塾 咸宜園を開いた広瀬兄弟の歴史小説。葉室麟は「乾山晩秋」に次いで2冊目。

    「ひととして大切に思うものを大事にするという当たり前のことこそが、国の根本」の一文が残った。
    何かを成し遂げたいとき、焦らずに真心をもって、当たり前のことをしっかりやっていくことが大切なんだと諭された。

    葉室麟は、綴る言葉が美しく洗練されているから好き。
    「久闊を叙する」なんて知らなかったし、天候の描写が日本的で素晴らしかった。

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    2020年03月09日
  • 乾山晩愁

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    前に書いたレビューが何故か消えている…もう一度。

    尾形光琳はよく知っているけれど、その弟の乾山はあまり知らなかった。器が有名だよね、くらいの知識。
    その乾山を主人公に据えた話。
    語り口も端的で美しく、色々な人の思いも昔の日本的で上品で、読んでいて心が洗われるよう。内容はドロドロだけど。

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    2020年03月09日
  • 陽炎の門

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    「人生は選択の積み重ねである」と解説で述べられてあるが、人生の岐路の立っての判断ともいえるだろう。
    些細な日常でも、右か左か正か否か、読者もまた様々な局面で判断を強いられているだろう(コロナウイルス騒動の現在も)。
    過去に下した己の判断の正否が、心の重荷になっている主人公。冷酷非情に藩命を遂行し、「氷柱の主水」とも仇名されている。
    著者の小説の大概を占める清廉潔白な主人公とは一線を画する人物設定。
    事件の鍵となる落書の真相を巡って窮地に陥ると、謀計術策を駆使し、局面転回を図る。
    誰が味方で誰が敵か、ミステリアスな展開に、夫婦愛や男の友情も加わり、読者の目をくぎ付けにさせる時代小説。

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    2020年09月13日
  • 冬姫

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    権謀術数渦巻く戦国の世で、人はどのようにして人を信じ愛するのだろう。
    平和と思える現代に於いて、友情や愛や信頼はすぐそばにあって手にすることもそれ程難くはなさそうだ。時として裏切られ泣くことはあろうとも。
    けれど戦国の世で人を信じ愛する事は、その向こうに裏切りがある事を覚悟していなければならないようだ。
    裏切られて泣くのは裏切られた時の準備ができていない自分が愚かだと。
    その愚かさは言い訳もできない死に通じる。
    裏切られた、騙されたと泣いて涙で悲しみを流せる現代のありがたい事と感じます。

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    2020年02月19日
  • 恋しぐれ

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    久しぶりの葉室麟

    66歳という若さで逝ってしまわれた

    これは与謝蕪村を核に周りの人たちの恋を描く
    心の奥に降るしぐれのような

    散りばめられた俳句がピリッとしめる

    切なくて愛おしい

    ≪ 淡やかに 時雨のごとく 恋のいろ ≫

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    2020年02月06日
  • おもかげ橋

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    ネタバレ

    葉室麟さんの作品は初めてだったが、文章もすっきりとしていてとても読みやすかった。

    悪者退治を話しの軸に、弥市と喜平次の過去と現在の揺れ動く恋心にちょっと切なくなった。二人がいい男なだけにふらふらしていて、どっちつかずの萩乃の良さがよくわからなかった。美人は得ですなぁ。弥市が大福餅の弥生さんを選んでくれてよかった!

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    2020年02月03日
  • 霖雨

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    道うことを休めよ他郷 苦辛多しと
    同袍友有り 自ずから相親しむ
    柴扉暁に出ずれば 霜雪の如し
    君は川流を汲め 我は薪を拾わん

    ぼんやり覚えていた漢詩と
    歴史上の一人物として
    なんとなく知っていた広瀬淡窓さんが
    ようやく姿かたちを
    私の中でとらえることができたような
    そんな一冊になりました

    歴史の教科書に
    ゴシック体で書かれた事柄や人が
    動き始める
    時代小説を読む
    楽しみの一つですね

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    2020年02月02日
  • 孤篷のひと

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    茶人であり武人であった小堀遠州を取り巻く人々と関わりを描いた短編集。
    淡々と語られる内容に、気持ちが落ち着きます。

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    2020年01月28日
  • 実朝の首

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    承久の乱で処刑された公卿はWikiだと一条信能、葉室光親、源有雅、葉室宗行、高倉範茂ら(作家葉室鱗はいかなる思いが交錯したか)
    ※答え→別に(´・ω・`)
    ネタバレ的感想
    上皇に唆され源頼茂は実朝暗殺に公暁を使い、首をはねる。
    物語を巧みにリードするのが朝比奈三郎義秀という伝説の武人に与する和田朝盛とその仲間たち。公暁が持ち去り見つからぬ首をめぐり、和田合戦のリベンジ目論む一統が弔問使の怪しい伊賀局(上皇の愛人亀菊)交野八郎(上皇が使う元盗人)そして幕府北条義時の三つ巴で派手に展開。
    承久の乱ですべての伏線が回収される会館を味わえる作品です。
    読むべし

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    2020年01月26日
  • 津軽双花

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    ネタバレ

    弘前藩2代藩主・津軽信枚に嫁した二人の室、徳川家康の養女・満天姫と石田三成の三女・辰姫、時には反発しながら時には友情を育み信枚を支えた二人の物語。

    敵対した徳川と石田両家から、津軽氏へ二人の室が嫁していたのを知らなかった。

    その二人が反発することはあっても決して敵対するわけではなく、信枚のためになすべきことをなし、お互いそれぞれのことを尊重しているのが素晴らしい。

    元々は辰姫が正室で、後から満天姫が正室を奪った形ではあるのだが、お互いそのことは気にせずむしろ二人の正室然と振る舞い、最後は義理立てというわけではないのだろうが、辰姫のお子を後継者にすることを約束した満天姫の心意気もとても清々

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    2020年01月20日
  • 暁天の星

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    初めて陸奥宗光という人物を意識した。そして、何故日清、日露と続いたのかも分かりかけてきた気がした。坂本龍馬の意志を継いでいるのも初めて知った。乙女姉さんも改めて好きになった。今更ながら、再度、葉室麟に興味を持った。次は「蝶のゆくへ」を読んでみようか。しかし、これで何度目だろうか、偶然に手に取った本が遺作だなんて。それも読み終わって気付くなんて。

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    2020年01月11日
  • いのちなりけり

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    無骨ながら歌を愛する蔵人という主人公には似合わない表紙でびっくり。これでもいいのかと思ったら脳内イメージが吹っ飛んだ。


    ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

    いのちなりけり (上下)

    葉室麟さんの小説には(読んだ限りですが)厳しい時代の中にも何か甘い抒情が漂っていてほっとするところがある。読みやすいのでつい何冊か手を出す。

    続編「花や散るらん」があるそうでまた休日用に積もうかな。

    備前小城藩ゆかりの咲弥は才色兼備の評判の女性だった。藩内の変事の後、佐々木宗淳(通称介三郎・・助さん)の後見で水戸藩江戸屋敷に預けられていた。光圀の側

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    2020年01月02日
  • 実朝の首

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    あまりよく知らない鎌倉時代の話ということで最後の展開が分からず、一気に読み切った。
    登場人物の描写が上手く、個性がよく伝わった。最後がちょっと端折った感じで、あれだけ浮世離れした後鳥羽上皇の最後があっけなく感じたのがちょっと残念。

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    2019年12月20日
  • 冬姫

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    武家の女は、槍や刀ではなく心の刃を研いで戦をせねばならないのです。
    と、いう言葉が、とても、印象的でした。

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    2019年12月01日