葉室麟のレビュー一覧
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承久の乱で処刑された公卿はWikiだと一条信能、葉室光親、源有雅、葉室宗行、高倉範茂ら(作家葉室鱗はいかなる思いが交錯したか)
※答え→別に(´・ω・`)
ネタバレ的感想
上皇に唆され源頼茂は実朝暗殺に公暁を使い、首をはねる。
物語を巧みにリードするのが朝比奈三郎義秀という伝説の武人に与する和田朝盛とその仲間たち。公暁が持ち去り見つからぬ首をめぐり、和田合戦のリベンジ目論む一統が弔問使の怪しい伊賀局(上皇の愛人亀菊)交野八郎(上皇が使う元盗人)そして幕府北条義時の三つ巴で派手に展開。
承久の乱ですべての伏線が回収される会館を味わえる作品です。
読むべし -
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ネタバレ弘前藩2代藩主・津軽信枚に嫁した二人の室、徳川家康の養女・満天姫と石田三成の三女・辰姫、時には反発しながら時には友情を育み信枚を支えた二人の物語。
敵対した徳川と石田両家から、津軽氏へ二人の室が嫁していたのを知らなかった。
その二人が反発することはあっても決して敵対するわけではなく、信枚のためになすべきことをなし、お互いそれぞれのことを尊重しているのが素晴らしい。
元々は辰姫が正室で、後から満天姫が正室を奪った形ではあるのだが、お互いそのことは気にせずむしろ二人の正室然と振る舞い、最後は義理立てというわけではないのだろうが、辰姫のお子を後継者にすることを約束した満天姫の心意気もとても清々 -
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無骨ながら歌を愛する蔵人という主人公には似合わない表紙でびっくり。これでもいいのかと思ったら脳内イメージが吹っ飛んだ。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
いのちなりけり (上下)
葉室麟さんの小説には(読んだ限りですが)厳しい時代の中にも何か甘い抒情が漂っていてほっとするところがある。読みやすいのでつい何冊か手を出す。
続編「花や散るらん」があるそうでまた休日用に積もうかな。
備前小城藩ゆかりの咲弥は才色兼備の評判の女性だった。藩内の変事の後、佐々木宗淳(通称介三郎・・助さん)の後見で水戸藩江戸屋敷に預けられていた。光圀の側 -
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羽根藩シリーズ第2弾。
続編ともいうべき『秋霜』を先に読んでしまった。
そのため、鬼隼人とも称される主人公の最期がわかったまま読み進めることになった。
それでも、主人公の覚悟を秘した行動に最後まで引き付けられた。
「世のためひとのために尽くした者は、それだけで満足するしかない。この世で、ひとに褒められ栄耀栄華を誇るのは、さようなものを欲してあがいた者だけだ。ひとに褒められるよりも尽くすことを選んだ者には、何も回ってこない・・・」
そんな思いと覚悟を持った者は、現代に果たしているだろうか。違和感なく描けるのが時代小説であり、だからこそ我々は時代小説に惹かれるのだろう。 -
購入済み
周辺人物の話が面白い
書きつくされたテーマであるだけに、主役の信長.光秀以外の周辺人物の話が面白い。
特に意外な視点から描かれた宮本昌孝の作品が気に入った。 -
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面白かった
筑前黒田藩での物語
これも、実際の黒田家のお家騒動を下敷きとした物語。
両親を亡くした卯乃は黒田藩の藩士・立花重根に引き取られます。しかし、父の自害に重根が関与していたことを聞き、失明してしまいます。
失明した卯乃は重根の弟・峯均のもとで母親のりくと暮らすことに。
ここで「香道」を学び、さまざまな香を聞くことで、心が静まっていきます
しかし卯乃の周りにさまざまな出来事が..
卯乃の出生の秘密も明らかになり、お家騒動に巻き込まれていきます。
そして、前藩主が亡くなると、粛清が始まります。
立花一族は、減封、閉門、配流されていきます。
そんな中、苦境を受け入れて暮らす立花一族。
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面白かった!
どこまでが史実でどこからがフィクションなのかわからない物語(笑)
天領の肥後日田で、私塾咸宜園を主宰する広瀬淡窓と家業を継いだ弟・久兵衛の物語です。
二人に対して、塩谷郡代からの執拗な嫌がらせが続きます。
さらに、大塩平八郎の乱が絡む中、権力の横暴に耐え、清廉とした生き方を貫く兄弟の物語です。
あとがきにはその子孫の大田県知事の広瀬氏と葉室さんの対談が掲載されています。
ググってみると、咸宜園で教えていたことは、小説で描かれている内容がそのままだったりします。
さらに塩谷郡代も実在の人物。
そんな設定の中、ここがフィクションと思われますが、臼井佳一郎とその義姉・千世の咸宜園 -
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ネタバレ作事奉行としての造園家・小堀遠州は知っていたが、利休~織部と続く茶道を受け継ぎ、「天下一」の茶人として名を成したというのは、恥ずかしながら知らなかった。
主人公が晩年に、茶席で過去を振り返りながら、何らかの影響や強烈な印象を受けた人物を語る形で描かれる。
それぞれの人物を語る各章の小見出しは、「茶道具」で名付けられている。
(例)「肩衝」では、肩を張った茶入れの壺「肩衝」に、石田三成の孤独な姿を重ね合わせている等。
各章毎に語られた人物とは、千利休、古田織部、沢庵、石田三成、徳川家康、伊達政宗、後水尾天皇、本阿弥光悦、金地院崇伝・・・
ただそれらの人々は戦乱の世を生き抜き、個性の強い人物ば -
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内容紹介
下士上がりで執政に昇り詰めた桐谷主水。執政となり初登城した日から、忌まわしい事件が蒸し返され、人生は暗転する。己は友を見捨て出世した卑怯者なのか。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。自らの手で介錯した親友の息子・喬之助が仇討ちに現れて窮地に至る主水。事件の鍵となる不可解な落書の真相とは――武士の挫折と再生を切々と訴える傑作。 (解説・大矢博子)
著者史上、最上の哀切と感動が押し寄せる、直木賞作家・葉室麟の傑作! 峻烈な筆で武士の矜持を描き出す渾身の時代長編。
下士上がりで執政に昇り詰めた桐谷主水。執政となり初登城した日から、忌まわしい事件が蒸し返され -
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面白かった!
羽根藩シリーズ第3弾!
帯にある通り、「鬼」の生きざまを通して「正義」を問う物語。
羽根藩って藩主に恵まれないのね。それが共通点な気がしてきました(笑)
ストーリとしては、
豊後羽根藩の多門隼人は「覚悟」を秘し、藩主を名君となすため、「鬼」となって、苛烈な改革を断行しています。ついたあだ名は鬼隼人。鬼隼人に対する怨嗟渦巻く中、さらに厳しい黒菱沼干拓の命をうけることに。ひと癖もふた癖もある大庄屋の「人食い」七右衛門と学者の「大蛇」臥雲を召集し、その難工事に着手します。一方で、城中では、反隼人派のさまざまな謀略が..
そうした中、使命を果たすための隼人の行動には心打たれます。
本当