葉室麟のレビュー一覧

  • 銀漢の賦

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    三人の男の友情を清冽に描いた良作です。

    源五、将監、十蔵。それぞれ身分や立場も異なり、年を重ねるにつれて疎遠になってしまったり、結果的に友を死に追いやってしまう事になったりしつつも、根底に流れるお互いへの思いが清々しく爽やかな気持ちにさせてくれます。

    銀漢とは天の川の事であると、本書に出てきます。そして主人公の源五は“頭に霜を置き、年齢を重ねた漢(おとこ)も銀漢なのかもしれない”という思いを抱くのですが、そういう解釈がなんとも素敵だな、と感じました。

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    2019年03月13日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    エンターテインメントだから、と言って進めてくれた人がいました。たしかにそんな風なところもあり、史実にも基づいている平安時代の物語は、よくできていておもしろかったです。

    主人公藤原隆家という貴族のことは知りませんでしたが、藤原道長と叔父甥の関係とわかれば、なるほどと思います。平安中期、あの『枕草子』の清少納言や『源氏物語』の紫式部なども登場するのが、なお親しみがわくというものです。

    藤原氏というのは権力争いを身内一族でやっていたのですね。その世界は『源氏物語』から『平家物語』までおなじみですね。

    しかし、この物語はそれだけではなく異民族の日本襲来という、今日的な課題がもされている点が珍

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    2019年03月07日
  • 風かおる

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    若き日の出世を争う怨念と、女性を巡る嫉妬とに、絡めとられながらの人生は、悲劇に終わる。
    そんな哀しい人々を描いた時代小説。
    それらの人たちと対置する人物を配することによって、著者はこの物語を叙情性あふれる終わり方にさせた。
    「何だかよい風が吹くような気がしたのだ。・・・悲しい出来事をわたしたちが吹き飛ばした方がいいと思う」
    「風がかおるように生きなければ」
    題名にもなっている『風かおる』、この言葉によって爽やかな読後感となっている。

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    2019年03月06日
  • 潮鳴り

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    『蜩の記』に続き、葉室作品二作目。羽根藩シリーズ、第二弾。時代もので初めてのシリーズ読み。去年の読書で一番の収穫は時代小説の面白さを知れたことでした^^ その一端を担ったのが葉室さんだした!前作も面白かったんですが、こちらも負けず劣らず…でした。男性キャラたちも勿論良いのですが、女性キャラ、特にお芳さん。一本筋が通っていて素敵な方でした…。次作『春雷』もストックしておりますw 第四弾『秋霜』もそろそろ文庫化しそうだし、楽しみだなぁ。星四つ。

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    2019年03月01日
  • 花や散るらん

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    「いのちなりけり」の続編
    今度は忠臣蔵に絡めてのストーリ展開です。
    前作よりも知っている登場人物が多いせいか、少しは読みやすかった(笑)

    テーマはやはり「いのち」「いきざま」そして「人間の情」
    どのようにいのちの花を咲かせ、どの様に生き、散らせるか?
    悪人のように思われる吉良上野介や神尾与右衛門も最後は見事に散っていく様がある意味美しい!

    ストーリとしては、京の郊外にひっそりと暮らす蔵人と咲弥、そして娘の香也。幕府、朝廷、大奥の暗闘、思惑に巻き込まれていきます。
    将軍綱吉の母桂昌院が生きているうちに、従一位を朝廷から授かるよう画策する柳沢保明と吉良上野介。
    一方でそれを阻止しようとする大奥

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    2019年02月10日
  • いのちなりけり

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    面白かった!
    もののふの純愛物語!
    けど、読みにくくて、なかなかページが進まない!(笑)
    登場人物が多く、入れ替わり立ち替わりで、登場人物の名前が読めず、さらに年とともに名前が変わっていくので、人間関係がつかみにくい。
    しかし、その中でも、主人公 雨宮蔵人の生きざまは熱く感じることが出来ました。

    ストーリとしては、水戸光圀が藤井紋太夫を殺害するシーンから始まります。
    ググってみると、これは史実なんですね。その殺害の真相は不明とのこと。本書では、この事件に絡んで雨宮蔵人と咲弥の純愛の物語が語られていきます。
    咲弥に好きな和歌を聞かれて、答えられなかった蔵人。
    そこから、二人は夫婦ではありながら

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    2019年02月10日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    時は平安中期。枕草子・源氏物語等、王朝文化華やかな時代に存在した“暴れん坊貴公子”・藤原隆家の物語です。

    あの有名な「元寇」よりもっと前に、刀伊(女真族)と呼ばれる異国の民が、九州に襲来していたのですね。それを迎え撃つことになる隆家ですが、物語の前半は京での権力争い(隆家は権力に執着はないので、単に権力者に盾突く感じ)に明け暮れていたのですが、後半太宰府に来た後は「美しいものを守りたい」という心意気がとても清々しく、カッコイイのです。
    枕草子に描かれているエピソード(くらげの骨・香炉峰の雪など)が自然に挿入されているのも、趣きがあって雅な気持ちになりました。

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    2019年01月17日
  • 山桜記

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    武家社会の夫婦の姿を描いた、7作の短編集です。
    どの作品も、「人の心の美しさ」が感じられる良作ばかりで、解説の澤田瞳子さんも「この作品の感想は“、ああ、美しいなあ”という詠嘆である。」と書いていらして、まさにその通り。と思いました。
    個人的には、「ぎんぎんじょ」「牡丹咲くころ」が好きでした。

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    2019年01月01日
  • 銀漢の賦

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    清々しい気持ちになれる物語。
    第十四回松本清張受賞作。

    身分の違う三人の友情の物語です。
    月ヶ瀬半の郡方の日下部源五、名家老と謳われ幕閣まで名声が届いている松浦将監、数十年前に処刑された農民の十蔵。
    この三人の幼少のころからの付き合い、思い、志が熱く感じられる物語でした。

    そして、本書のタイトル「銀漢」は三人の男たちの友情のシンボルとして扱われています。
    ちなみに「銀漢」は天の川のことで、本書の表表紙に3人と一緒に描かれていますが、本書の中では、さらに別なメッセージとしても語られています。

    ストーリとしては、幼いころから仲良く、支えあっていた3人。
    大人になると、十蔵は農民一揆を指導する

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    2018年12月22日
  • 冬姫

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    ちょこちょこ俗っぽさを感じたんだが気の所為だったかもしれない。
    葉室さんの女性は、お姫様でもなんでも、ヒーロー感あってかっこよい。

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    2018年12月18日
  • 随筆集 柚子は九年で

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    五十でデビューした著者ならではの
    人生観が中年に沁みる。

    藤沢周平や山本周五郎も
    読み返したくなった。

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    2018年11月17日
  • 決戦!大坂城

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    決戦シリーズを初めて読みました。同じ出来事でも、当然ながら作家さんにより解釈が違うので面白いですね。大阪に移住したので読んでみようと手を伸ばしましたが、より大阪を好きになれた気がします。他の決戦シリーズも読んでみたいです。

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    2018年11月15日
  • いのちなりけり

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    続編の「花や散るらん 」の方を先に読んだので、蔵人と咲弥がずっと離れ離れで、しかも初めの頃は咲弥は蔵人に、かなり塩対応をしていたのは、意外でした。
    藩、幕府、朝廷の思惑等、背景が複雑なので、“政争モノ”の色が強いですが、蔵人の咲弥に対する一途な思いがグッときますし、ラストで咲弥の前に満身創痍で蔵人が現われる場面を読んだときに、“ああ、これはラブストーリーだなぁ”としみじみ思いました。
    葉室さんは、時々ハッとするほど美しい描写をされるのですが、本書で個人的に好きだったのは、醍醐寺の桜吹雪の中で、蔵人と清厳(右京)が語り合う場面です。美しい情景が目に浮かぶようでした・・。

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    2018年11月12日
  • 花や散るらん

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    続編だという事を知らずに読んでしまった本書。

    幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれてしまう、主人公・雨宮蔵人とその妻子。果てには、あの赤穂浪士の討ち入りにも関わる事になってくるという、興味深い展開です。
    “この世で最も美しいのは人への想いかもしれない”という、羽倉斎の台詞にもあるように、話の至るところに垣間見える、人の心の切なさが胸を打ちます。
    前作の「いのちなりけり」を、是非読んでみようと思いました。

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    2018年11月04日
  • 柚子の花咲く

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    柚子の花の香りの如くなんとも爽やかな時代小説。
    あまり巧いという感じはしないのだが読後感が清々しい。

    師と徒、男と女、友と友、親と子・・・いろいろなかたちのひとがひとを想うこと、が描かれる。

    そしてまた、良き教育者とは-を再び考える。
    自らも苦悩を抱え、ぱっとしないが、たいせつに思ってくれる、成功の暁には全身で喜んでくれる、それだけでいいのだ。

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    2018年10月18日
  • はだれ雪 下

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    忠臣蔵はあらすじ的な出来事程の知識しかなかったが、フィクションといえど、時代背景や立場を踏まえて、より赤穂浪士の心情に触れられた気がする。なぜこんなに度々映像化されるのかぴんとこなかったけれど、大石内蔵助らの武士としての義の深さを知れば納得。
    そこに相まって、流罪となった勘解由の武人としての矜持が素敵すぎる。紗英の気持ちもわかる。
    武士といえど慕う者への心遣いが出来ねば、民にも心配りができない、、とは今でもそう。身近な人を想えば他人にも優しくなれるというもの。
    葉室さん、まだまだ作品を残してほしかったな。
    未読だけど、映画『散り椿』はどうだろうな。

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    2018年10月07日
  • 散り椿

    Tod

    購入済み

    散り椿

    人生の最終コーナーをどのように生きていくかは普遍的な問題だと思います。それを自分の思いとは違っていても振り返ればあれでよかったと思うようなことができる人生は素敵だと思います。主人公やそれを取り巻く人たちにとって後悔のない人生を送りたいという気持ちが素直に心に響きます。映画化しやすい小説と思いますが、どんな風に映像化されるか興味がわきます。

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    2018年09月13日
  • 散り椿

    購入済み

    読んでいて久しぶりに、
    時代小説の面白さを実感しました。登場人物の相手への思い、武士としての、意地、
    現代人であれば、そんな意地で、友や思い人を失うようなことはしないだろうにな、と思いながら、最後まで一気に読んでしまいました。

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    2018年09月13日
  • 冬姫

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    信長の娘、冬の生涯を描く作品。清廉で優しく、しかし自分を曲げない強さを持つ冬が、周囲の人をなんだかんだで味方につけながら「女いくさ」を続けてゆく。娘(身内)から見た信長というのもなんだか新鮮な感じだし、冬をまもるもずと又蔵も魅力的。
    Wikipediaによると、冬は実在の姫であるのだが、冬について書かれた部分は「冬に嫁いだ姫」という意味であり、出家前の名前はわからないそう。それがなおさら、神秘的さ、魅力さを増している。

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    2018年09月01日
  • 葉室麟 洛中洛外をゆく。

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    ネタバレ

    大好きな作家さん。
    エッセイ、触れられて満足。
    カラー写真も、で。良かった‼︎
    地図や年表や、関係図も。わかりやすかった。

    『乾山晩愁』尾形光琳・乾山
    海北友松は京都に観に行きましたぁ。
    建仁寺の紅しだれ桜は愛でたい‼︎
    『孤篷の人』小堀遠州

    シリーズ物
    とくに、まだまだ読みたかったぁ。

    巻末エッセイで。
    澤田瞳子さんとで。葉室麟の【若冲】あったかも⁉︎に。
    さらに、残念な気持ちで、いっぱいに。

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    2018年08月29日