葉室麟のレビュー一覧

  • さわらびの譜

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    面白かった!
    漫画ライクな純愛+勧善懲悪ストーリ
    鉄板です。後半は熱くなります。こういうの弱いんです(笑)

    ストーリとしては、
    扇野藩重臣の有川家の長女の伊也は日置流の弓術の名手で、同じ藩の大和流の弓の名手の清四郎との純愛物語です。
    伊也と清四郎は競い合ううちに、伊也は清四郎に惹かれていきます。しかし、清四郎には伊也の妹の初音と縁談が。
    どうなるこの三角関係っていう感じ。
    伊也と清四郎のあらぬ噂で清四郎は藩主から不興を買ってしまいます。
    結果、伊也と清四郎が弓で立ち会うことに..
    弓で撃ち合うってどういうこと?(笑)

    一方で、有川家に居候としてきた左近と伊也の父親の将左衛門は藩政を立て直す

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    2020年06月21日
  • 潮騒はるか

    購入済み

    続巻だったんだあ…

    印象に残る登場人物が次々に出てきて「ありゃりゃ、前に読んだことを忘れてまたまた買っちまったのかな」と思ってしまった。
    小生は物忘れがひどいので 二度読みはいとわない。
    読み進めると場面は移ろっていて『風かおる』の続巻らしきことがわかってきた。
    葉室ワールドにしばしひたる。

    葉室さんの作品は、手ごたえの程度がいろいろなのだけども
    とにかく、もう新作を読めないんだと思うと切ない。


    コレラの治療はこの物語の中心テーマではないけど、
    今、世の中は
    コロナが人や国の営みを大きく変え、猛威を振るっている
    医療関係者の奮闘に頭が下がります

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    2020年06月18日
  • 霖雨

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    歴史小説作家の中で特に好きな作家。そして知人の紹介もあり、手に取ってみた。

    この作品は、肥後日田で私塾・咸宜園を立ち上げた広瀬淡窓(たんそう)と、家業を継いだ弟・久兵衛が、江戸幕府西国塩谷郡代からの難題かつ理不尽な要求・要望を自分たちの進むべき道として受け入れ、邁進していく彼らの人生に広島から来た二人の塾生が絡み話は進んでいく。

    時の西国塩谷郡代は、淡窓を家臣にすることで、咸宜園の興隆を自分の手柄とするため、何かにつけて、干渉した。また、久兵衛には呉崎での開拓工事を強引進めさせる。

    この干拓工事の際、辞退を進める淡窓に対し、久兵衛が放った言葉が頭に残る。
    「私が断ったからといって、郡代様

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    2020年06月05日
  • 乾山晩愁

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    どの世界にいても自分と戦い、周りと戦う。
    それが刀でなく絵筆でも。
    どう自分らしい生きかたをするだとか、潰されない生きかたをするのかを模索していく過程が非常に面白い。

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    2020年05月22日
  • 鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)

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    「三大お家騒動」のひとつ黒田騒動を描いた歴史長編。
    藩主に疎まれながらも自らを叛臣に装い、幕府による藩取り潰しの企みを阻止するのが栗山大膳。
    さしずめ伊達騒動における原田甲斐というところか。
    本書は、歴史事件に、柳生但馬守、柳生十兵衛、宮本武蔵らを絡ませ(彼らは黒田騒動に関わったという史実は?)、一大歴史エンターテイメントとなっている。
    「武門は太平の世であっても常に戦をしておるのだ。武士が生きるとはそういうことだ」と言い切る栗山大膳。
    彼と藩主あるいは幕府との知恵比べは、ミステリータッチな展開を示し、読者さえ翻弄する。大膳の眼のさきには、藩を越えて幕府の政策への諌止も。
    黒田藩を守る秘策は、

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    2020年05月19日
  • 散り椿

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    最初からぐいぐい引き込まれる物語で、一気に読み進めることができた。
    ひとがひとを深く思う気持ちを強く感じられる作品で、それぞれのひとを思う気持ちに深く胸を打たれ、熱くなります。
    「時代小説いいなぁ」って思える、素敵な作品です。

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    2020年05月15日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    葉室麟さんの作品は大好きなのですが、この作品は読みにくかった~!
    クリスチャンネームが山ほど出てくるのでそのたびにこの人は誰だったっけなあ、になってページを元に戻る。

    信長から家康まで、戦乱の世の中の裏では日本をクリスチャンの世界にするという思いと動きがあったとする考察がこの作品の軸になっている。
    いつ果てるかもわからない戦乱の世を、未来永劫平和な国にしたいという純粋な思いが天下人をも挿げ替えようとする膨大な計画に黒田如水はことごとく関わってくるのだ。
    戦国時代の策士、名軍師としての黒田官兵衛のクリスチャンからの思いが伝わる。
    教科書で習う日本の歴史の裏にはもしかしたらこのような流れがあった

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    2020年05月10日
  • 古都再見(新潮文庫)

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    故郷の九州から京都に移り住んだ著者が、死去の前年まで週刊誌に書き綴った随筆68篇。
    読み通すと、自らの死期を間近に見通したかのような筆致が随所に見られると思うのは、思い込みだろうか。
    例えば『中原中也の京』で。
    『ひとは輝かしい光に満ちた夢のごとき何かに駆り立てながら生き急ぐ。それが「青春」かもしれないが、近頃、同じものが「老い」の中にもあるのではないかと思わぬでもない。死を予感した心のざわめきが似ているからだ』とあるが・・・

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    2020年05月03日
  • 春風伝

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    実在の人物を主人公にした、著者の数少ない本格歴史小説。
    高杉晋作は通称で、諱(本名)は春風だとは、この著で知った。春疾風(はるはやて)の別名が春風なら、疾風迅雷に時代を駆け抜けた晋作にふさわしい名か。
    尊攘派の長州藩を征討しようとする幕府軍に対する回天の戦いは、晋作の人生でのクライマックスである。
    その行動に駆り立てた要因は、師吉田松陰の影響とともに、上海での見聞だろう(上海での晋作たちの冒険的活劇は読みどころのひとつ)。
    欧米列強の植民地化に抗した太平天国軍が敗れ去ったことに焦燥の念を抱き、日本という国家を守るための軍勢を思案する。そして、封建制度の身分を撤廃して編み出されたのが、彼の代名詞

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    2020年04月18日
  • 散り椿

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    先に映画を観ていたのですんなりと読み進めることができた。人の世も心も、時が経てもそれほど変わるものではない。だが、変えていかねばならぬことはしっかりと変えていきたい。そんな風に思った。

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    2020年04月09日
  • 散り椿

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    最愛の妻をなくし、その最後の遺言の意味に気づいた時涙が止まらなくなりました。

    大切な人を想う気持ちで生きている武士達の物語です。
    時代劇を読んだことのない人にもおすすめです。

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    2020年04月01日
  • 銀漢の賦

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    ストーリー序盤にあるような幼少の頃からの身分差は今はないけれど、大人になってからの流れは現代に繋がるところ多々あり。
    通信手段がない中、お互いの思いを信じてそれを最後まで貫くところは、胸を打たれる。
    なにより文章全体の日本語が美しい。それから、女性が強いのも本作品の好きなところ。

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    2020年03月09日
  • 霖雨

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    私塾 咸宜園を開いた広瀬兄弟の歴史小説。葉室麟は「乾山晩秋」に次いで2冊目。

    「ひととして大切に思うものを大事にするという当たり前のことこそが、国の根本」の一文が残った。
    何かを成し遂げたいとき、焦らずに真心をもって、当たり前のことをしっかりやっていくことが大切なんだと諭された。

    葉室麟は、綴る言葉が美しく洗練されているから好き。
    「久闊を叙する」なんて知らなかったし、天候の描写が日本的で素晴らしかった。

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    2020年03月09日
  • 乾山晩愁

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    前に書いたレビューが何故か消えている…もう一度。

    尾形光琳はよく知っているけれど、その弟の乾山はあまり知らなかった。器が有名だよね、くらいの知識。
    その乾山を主人公に据えた話。
    語り口も端的で美しく、色々な人の思いも昔の日本的で上品で、読んでいて心が洗われるよう。内容はドロドロだけど。

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    2020年03月09日
  • 陽炎の門

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    「人生は選択の積み重ねである」と解説で述べられてあるが、人生の岐路の立っての判断ともいえるだろう。
    些細な日常でも、右か左か正か否か、読者もまた様々な局面で判断を強いられているだろう(コロナウイルス騒動の現在も)。
    過去に下した己の判断の正否が、心の重荷になっている主人公。冷酷非情に藩命を遂行し、「氷柱の主水」とも仇名されている。
    著者の小説の大概を占める清廉潔白な主人公とは一線を画する人物設定。
    事件の鍵となる落書の真相を巡って窮地に陥ると、謀計術策を駆使し、局面転回を図る。
    誰が味方で誰が敵か、ミステリアスな展開に、夫婦愛や男の友情も加わり、読者の目をくぎ付けにさせる時代小説。

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    2020年09月13日
  • 冬姫

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    権謀術数渦巻く戦国の世で、人はどのようにして人を信じ愛するのだろう。
    平和と思える現代に於いて、友情や愛や信頼はすぐそばにあって手にすることもそれ程難くはなさそうだ。時として裏切られ泣くことはあろうとも。
    けれど戦国の世で人を信じ愛する事は、その向こうに裏切りがある事を覚悟していなければならないようだ。
    裏切られて泣くのは裏切られた時の準備ができていない自分が愚かだと。
    その愚かさは言い訳もできない死に通じる。
    裏切られた、騙されたと泣いて涙で悲しみを流せる現代のありがたい事と感じます。

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    2020年02月19日
  • 恋しぐれ

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    久しぶりの葉室麟

    66歳という若さで逝ってしまわれた

    これは与謝蕪村を核に周りの人たちの恋を描く
    心の奥に降るしぐれのような

    散りばめられた俳句がピリッとしめる

    切なくて愛おしい

    ≪ 淡やかに 時雨のごとく 恋のいろ ≫

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    2020年02月06日
  • おもかげ橋

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    ネタバレ

    葉室麟さんの作品は初めてだったが、文章もすっきりとしていてとても読みやすかった。

    悪者退治を話しの軸に、弥市と喜平次の過去と現在の揺れ動く恋心にちょっと切なくなった。二人がいい男なだけにふらふらしていて、どっちつかずの萩乃の良さがよくわからなかった。美人は得ですなぁ。弥市が大福餅の弥生さんを選んでくれてよかった!

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    2020年02月03日
  • 霖雨

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    道うことを休めよ他郷 苦辛多しと
    同袍友有り 自ずから相親しむ
    柴扉暁に出ずれば 霜雪の如し
    君は川流を汲め 我は薪を拾わん

    ぼんやり覚えていた漢詩と
    歴史上の一人物として
    なんとなく知っていた広瀬淡窓さんが
    ようやく姿かたちを
    私の中でとらえることができたような
    そんな一冊になりました

    歴史の教科書に
    ゴシック体で書かれた事柄や人が
    動き始める
    時代小説を読む
    楽しみの一つですね

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    2020年02月02日
  • 孤篷のひと

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    茶人であり武人であった小堀遠州を取り巻く人々と関わりを描いた短編集。
    淡々と語られる内容に、気持ちが落ち着きます。

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    2020年01月28日