葉室麟のレビュー一覧

  • 恋しぐれ

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    内容(「BOOK」データベースより)
    京に暮らし、二世夜半亭として世間に認められている与謝蕪村。弟子たちに囲まれて平穏に過ごす晩年の彼に小さな変化が…。祇園の妓女に惚れてしまったのだ。蕪村の一途な想いに友人の応挙や秋成、弟子たちは驚き呆れるばかり。天明の京を舞台に繰り広げられる人間模様を淡やかに描いた傑作連作短編集。

    令和3年1月1日~3日

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    2021年01月03日
  • 蒼天見ゆ

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    あまりにドラマチックなので半分フィクションかと思いきや、実話に基づく話だった。
    山岡鉄舟、勝海舟は臼井六郎に武士の生き様を託したのだと思う。
    蒼天は秋月の空にあった。両親の仇を討って本懐を遂げたからこそ、故郷に帰って見上げることができたのではないかと思う。

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    2021年01月02日
  • 冬姫

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    織田信長の娘、冬姫のお話。

    ただ、事実を元にした歴史物語と思っていたけれど
    途中怨霊とか呪いとか出てきて、ん?
    と思ったところもありましたが、、、。
    中盤から最後に掛けては、
    伏線回収がされる感じがしておもしろかった!

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    2020年12月29日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    著者の小説は、漢詩や和歌を巧みに取り混ぜ、清冽な作品をより格調高く仕上げている。
    この小説も和歌を随所に用い、香道が加わることによって、さらに香(かぐわ)しい読み応えのある作品になっている。
    そして登場人物に
    「あなたは光を失いましたが、人の心の香りを聞くことはできるはずです。いずれ、あなたにとって大切な香りを聞くこともあるでしょう」と、語らせる。
    「仏様の教えに耳を傾けるのと同様に、香りを法の声として聴くのが香なのです」とも。
    香を人生における何者かに据えるような記述が続く。
    当該の文献を参考にしているとはいえ、著者の博識には敬意を表する。

    和歌や香道を織り交ぜながら、誇りを失わずに生き抜

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    2020年12月26日
  • 乾山晩愁

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    久しぶりに読む葉室作品。今作は絵師に焦点を当てた五編。

    表題作は尾形光琳の弟・乾山(けんざん)。初めて知った人物だが、家族が偉大だと辛いところがあるだろうと思いながら読んだ。
    しかし話は意外にも赤穂浪士の討ち入りと絡んでくる。最大の後ろ楯であった二条家から出入りまで禁じられるという窮地に…。
    表題作なのに短いのが勿体ない。乾山の紆余曲折、兄・光琳の隠し子とその母との関わりなど、読みところが多い割にサラッと流されていた。

    第二話は狩野永徳が如何にして絵師として天下を取ったのか、第三話ではその狩野派に勝負を挑んだ長谷川等伯の闘いと何故その後長谷川派は消えていったのかを描く。
    こういう、武将たち

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    2020年12月20日
  • 草笛物語

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    『蜩ノ記』の16年後の羽根藩が舞台。
    戸田秋谷の息子順右衛門は藩の中老となっている。娘薫は、秋谷の監視役でありながら彼の覚悟に接し、最期を見守ることになった庄三郎と平穏な日々を送っている。
    しかし、新藩主となった吉通を巡って、藩の実験を奪わんとする一門衆の暗躍が胎動し、それに抗する戦いが開始される。
    ある人物に、「戸田秋谷という御仁は生きていたときだけでなく、死んでからも何事かひとに語りかけてくるひとのような気がする」と言わしめる。
    その言葉のように、順右衛門たちの行動は秋谷の教えが指針となり、見事な逆転劇を果たす。
    今作の主人公的役割を担うのは、13歳の赤座颯太。それに彼と同じ年頃の少年たち

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    2020年12月09日
  • 潮鳴り

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    一途な女たちと一途でありたい男の物語。読んでいるうちに、頁をめくるスピードがどんどん速くなってくる。

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    2020年12月09日
  • 秋月記

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    ネタバレ

    人は美しい風景を見ると心が落ち着く。なぜなのかわかるか
    さてなぜでございますか
    山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。人だけが、己であることを迷い、疑う。それ故、風景を見ると心が落ち着くのだ
    私は、葉室さんの作品の魅力の1つに、作中人物の高潔さがあると思う。あの逆境のどん底で藩の経済を救いつつ、逝く、百姓娘いとのなんと高潔なことか

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    2020年12月04日
  • 秋霜

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    とても面白かった。前作から続きになっており、前作が少し物足りない感じというか、葉室麟の話としては違和感があるという感想は、この本で払拭された。前作と併せて大団円に至る感じで、前作もよくできていたことが分かってスッキリした。しかし、元々前作は本作を想定して書かれたないのではないだろうか。私はそこは分からないが、本作で前作をうまく活かしたのだと思う。とにかく葉室麟は弱者に対する考えが温かい。

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    2020年11月23日
  • 無双の花

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    戦国武将の生涯を描いた小説ながら、躍動感はあまりない。でもそれは決してマイナスではなく、淡々とストレスなく読み進められ、自然に主人公に寄り添いながら物語が追えるということ。むしろ、謹厳実直な西国無双に相応しい文体。

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    2020年11月23日
  • 風のかたみ

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    上意討ちにあった一門衆筆頭の別宅に、密命を帯びて送り込まれた女医師の伊都子が主人公。
    そこでは、奥方や嫁たちとその子供、女中たちが暮らしている。互いに何やら剣呑な雰囲気があり、やがて、この屋敷に来た男が次々と死んでゆく。
    誰の仕業なのか、その裏に何があるのか。密室ミステリー仕立てにしながら、著者は武家ゆえの運命に抗う女性たちの哀しみを描く。
    「世間では武門の者はいついかなるときでも死を決しているべきだと申しますが、わたくしは、それは殿方に限ったことだと思っています。女子は子を守り、家を守って生き抜くのが務めです。殿方は死んでしまえば努めは終わりますが、女子はいかなる艱難にも負けずに生き抜かねば

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    2020年11月23日
  • 春雷

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    3.5ぐらいの感じ。羽根藩シリーズの中では少し毛色が違う。いつもは理不尽さの中で個人が葛藤したり、がんばったりという話だが、その理不尽さが後にならないと分からない構成になっているので、何となく1人の武士の活躍の話なのかなと思えた。もちろん葉室麟の書く話なので、とても面白いし、全体としてのテーストも変わらないので面白かった。特に主人公に協力する個性的な面々は面白い。水滸伝的な雰囲気があって、個人的には楽しめた。

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    2020年11月21日
  • 秋月記

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    福岡出身の私にとって秋月は小さい頃何度か行った思い出の土地である。覚えている記憶は、紅葉と葛餅。最近では台風や水害で話題になっているが、本作は私の知っている秋月をふんだんに詰め込んだ作品だった。

    話自体は歴史物でよくある巨悪と対峙する青春一代記物。怖がりの小四郎が同年代の仲間とともに乗っ取りを狙う福岡藩と戦い、自藩を守っていく。戦いの場面や友情の話などそれぞれの要素で高揚するものがあったが、それがどれも秋月の美しい風景に根付いているのが素晴らしい。

    史実に根付いているからか、最後の悪に徹しても自藩を守ったというのが少し納得はいかなかったが、「織部崩し」の青春期から守るものが増えた「成年期」

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    2020年11月14日
  • 潮鳴り

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    羽根藩シリーズ二作目。本当に良かった。藤沢周平の本を読んでいる時の幸福感に浸れる。もっと早く読んでおけば良かったとも思うが、残りのシリーズを読めるという楽しみもある。心が洗われるような話とはこのことか。

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    2020年11月08日
  • 乾山晩愁

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    ネタバレ

    光輝くものだけが、この世に存在するわけではない。光があれば必ず、影がある。影だけではない。光の周りに、柔らかな色彩で温かみと膨らみのある存在があって、光を支えているのではないだろうか
    表題作の乾山晩愁はじめ、いずれも絵師に関わる物語だ

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    2020年11月08日
  • 風かおる

    購入済み

    「よい風」

    「風がかおるように生きなければ」
    印象的な言葉だった。
    人は人生の中で色々な感情を抱く。
    時には醜い感情に支配されてしまいそうになることもあるだろう。
    そんな時に「よい風」となってくれる人が傍に居てくれたら、または自分が誰かのそうなれたら、清々しい人生が送れるのかもしれない。

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    2020年11月04日
  • 風のかたみ

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    話はミステリーのごとく進行し、すべてが明かされたところで切なさがこみ上げてくる。葉室麟はやはり手練れだと思う

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    2020年10月11日
  • 秋霜

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    憎しみ苦しみを他者にぶつけるのではなく
    自分の中で丁寧に向き合い育て消化させていく
    喜びも悲しみもすべてが自分である
    人間の尊さを教えてもらいました

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    2020年10月08日
  • 草笛物語

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    とても面白かった。この前日譚である蜩の記をまた読みたくなった。爽やかに少年が成長する話は時代小説では珍しいのではないか。それでいて、全く違和感なく読めて楽しめた。オススメ。

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    2020年10月01日
  • 紫匂う

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    これまでの人生の岐路で選択に後悔していたり、選んだ道を疑問に思っている人。それは、恋愛や結婚の場合や、あるいは就職の際もあるだろう。
    そういう人に、是非読んでもらいたい作品である。
    実直な夫と暮らす人妻が、昔一度契りをかわした男が現れることで、男と夫との狭間で心が揺れ動く。
    通俗的な恋愛ドラマかのような設定だが、著者は夫に強靭な心を持ち度量の大きな武士を据えることで、清新清冽な作品に仕立て上げている。
    妻の危難に鮮やかに登場し、いささかも意志のブレを感じさせない夫に、妻もようやく心の在りところを見出す。
    著者は、この夫を読者にもまた惚れ惚れとさせるような漢(おとこ)に造型し、憎いばかりである。

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    2020年09月15日