葉室麟のレビュー一覧
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購入済み
「よい風」
「風がかおるように生きなければ」
印象的な言葉だった。
人は人生の中で色々な感情を抱く。
時には醜い感情に支配されてしまいそうになることもあるだろう。
そんな時に「よい風」となってくれる人が傍に居てくれたら、または自分が誰かのそうなれたら、清々しい人生が送れるのかもしれない。 -
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これまでの人生の岐路で選択に後悔していたり、選んだ道を疑問に思っている人。それは、恋愛や結婚の場合や、あるいは就職の際もあるだろう。
そういう人に、是非読んでもらいたい作品である。
実直な夫と暮らす人妻が、昔一度契りをかわした男が現れることで、男と夫との狭間で心が揺れ動く。
通俗的な恋愛ドラマかのような設定だが、著者は夫に強靭な心を持ち度量の大きな武士を据えることで、清新清冽な作品に仕立て上げている。
妻の危難に鮮やかに登場し、いささかも意志のブレを感じさせない夫に、妻もようやく心の在りところを見出す。
著者は、この夫を読者にもまた惚れ惚れとさせるような漢(おとこ)に造型し、憎いばかりである。 -
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幕府を慮り、藩内抗争も絡み、勘解由を生かしておけぬと暗殺を企てる扇野藩の重臣たち。
さらに討ち入りが欠航された後、勘解由の措置をどうするかと決めかねる幕府=柳沢吉保。
勘解由の運命は?そして紗英は?と頁を捲らざるを得ない。
主君に忠義を尽くし武士として命がけで戦う大石内蔵助に対し、彼の志を認めながらも、「ひとは自らの心願だけで生きられるものではない。生きていることを願ってくれるひとの想いに支えられて生かされているのだ」と、生きる道を選ぶ勘解由。
武士の意地をかけて主君の仇を討たんとする赤穂藩の旧家臣を対照的に描くことによって、和歌「はだれ雪」に託し、愛する者のために生き抜くと誓った高潔な志は、 -
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傍流的に忠臣蔵を扱った作品として、著者には『花や散るらん』があるが、本書は忠臣蔵そのものが題材となっている。
浅野内匠頭の切腹直前に最期の言葉を聞いたとされる永井勘解由が扇野藩に配流される。
その接待役に命じられたのが、紗英。
勘解由に赤穂浪士が訪ねてくることを監視する役目を負うが、浅野家旧家臣に賛同し命を捨ててもいいという彼の挙措や武士としての覚悟を見るうちに、いつしか心を寄せるようになる。
そういった意味で、紗英と勘解由との恋愛小説ともいえる。
が、やはり本筋は内匠頭の最期の言葉は何かというミステリー性を縦糸に、勘解由と赤穂浪士とを対照的に、武士として人としての生き方を問う歴史小説ではない -
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面白かった
時代小説ながらもミステリー
ミステリーとして読むと、ちょっといまいちなところはありますが、最後のどんでん返しもあって、楽しめました。
ストーリとしては
下士あがりで執政に昇り詰めた桐谷主水が主人公。
初登城では四面楚歌。親友を見捨てて出世した卑怯者として、周りから疎まれます。
10年前、主水の親友綱四郎が前藩主を中傷する落書を書いたとして疑われ、主水はその筆跡が綱四郎と証言。結果、綱四郎は切腹、介錯は主水が行うことに。
出世のために親友を見捨てたとみなされます。
そして、その娘を妻に迎えて暮らしてしますが、綱四郎の息子が10年前の事件の犯人が綱四郎ではないという証拠をもって、仇討 -
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面白かった!
漫画ライクな純愛+勧善懲悪ストーリ
鉄板です。後半は熱くなります。こういうの弱いんです(笑)
ストーリとしては、
扇野藩重臣の有川家の長女の伊也は日置流の弓術の名手で、同じ藩の大和流の弓の名手の清四郎との純愛物語です。
伊也と清四郎は競い合ううちに、伊也は清四郎に惹かれていきます。しかし、清四郎には伊也の妹の初音と縁談が。
どうなるこの三角関係っていう感じ。
伊也と清四郎のあらぬ噂で清四郎は藩主から不興を買ってしまいます。
結果、伊也と清四郎が弓で立ち会うことに..
弓で撃ち合うってどういうこと?(笑)
一方で、有川家に居候としてきた左近と伊也の父親の将左衛門は藩政を立て直す -
購入済み
続巻だったんだあ…
印象に残る登場人物が次々に出てきて「ありゃりゃ、前に読んだことを忘れてまたまた買っちまったのかな」と思ってしまった。
小生は物忘れがひどいので 二度読みはいとわない。
読み進めると場面は移ろっていて『風かおる』の続巻らしきことがわかってきた。
葉室ワールドにしばしひたる。
葉室さんの作品は、手ごたえの程度がいろいろなのだけども
とにかく、もう新作を読めないんだと思うと切ない。
コレラの治療はこの物語の中心テーマではないけど、
今、世の中は
コロナが人や国の営みを大きく変え、猛威を振るっている
医療関係者の奮闘に頭が下がります
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歴史小説作家の中で特に好きな作家。そして知人の紹介もあり、手に取ってみた。
この作品は、肥後日田で私塾・咸宜園を立ち上げた広瀬淡窓(たんそう)と、家業を継いだ弟・久兵衛が、江戸幕府西国塩谷郡代からの難題かつ理不尽な要求・要望を自分たちの進むべき道として受け入れ、邁進していく彼らの人生に広島から来た二人の塾生が絡み話は進んでいく。
時の西国塩谷郡代は、淡窓を家臣にすることで、咸宜園の興隆を自分の手柄とするため、何かにつけて、干渉した。また、久兵衛には呉崎での開拓工事を強引進めさせる。
この干拓工事の際、辞退を進める淡窓に対し、久兵衛が放った言葉が頭に残る。
「私が断ったからといって、郡代様 -
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「三大お家騒動」のひとつ黒田騒動を描いた歴史長編。
藩主に疎まれながらも自らを叛臣に装い、幕府による藩取り潰しの企みを阻止するのが栗山大膳。
さしずめ伊達騒動における原田甲斐というところか。
本書は、歴史事件に、柳生但馬守、柳生十兵衛、宮本武蔵らを絡ませ(彼らは黒田騒動に関わったという史実は?)、一大歴史エンターテイメントとなっている。
「武門は太平の世であっても常に戦をしておるのだ。武士が生きるとはそういうことだ」と言い切る栗山大膳。
彼と藩主あるいは幕府との知恵比べは、ミステリータッチな展開を示し、読者さえ翻弄する。大膳の眼のさきには、藩を越えて幕府の政策への諌止も。
黒田藩を守る秘策は、