葉室麟のレビュー一覧

  • 恋しぐれ

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    かみしめるぅ。

    ゆっくりとしか、読み進めなかったん、ですが。
    味わえましてぇ。
    そ、して。
    コレはいい‼︎今後、何度でも手にとりそうな気配。

    散りばめられている俳句。
    蕪村、応挙。呉春。
    また、見方がかわりまするぅ。

    船毎に 蕎麦呼ぶ月の 出汐哉
    花守は 野守に劣る けふの月

    白梅に あくる夜ばかりと なりにけり

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    2015年09月01日
  • おもかげ橋

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    あらすじ(背表紙より)
    剣は一流だが道場には閑古鳥の鳴く弥市。武士の身分を捨て商家に婿入りした喜平次。十六年前に故郷を追われ江戸で暮らす二人の元に初恋の女が逃れてくる。だが、変わらぬ美しさの裏には危うい事情があった。一方、国許では化け物と恐れられた男が返り咲き、藩を二分する政争が起きていた。再会は宿命か策略か? 儘ならぬ人生を描く傑作時代小説。

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    2015年08月13日
  • 冬姫

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    史実とフィクションとを織り交ぜながら、女人の観点から織田豊臣時代を描いた歴史スペクタクルといえようか。
    信長の二女で、蒲生氏郷に嫁いだ冬姫が、従者の助けを借りながら、敵対する勢力と、「女いくさ」を仕掛け、自らの運命を切り開いてゆく。
    どこまでが史実で、どこからがフィクションか、それを楽しみながら、時代小説の面白さと、歴史小説の醍醐味を味わえる。

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    2015年08月04日
  • 風の軍師 黒田官兵衛

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    大河ドラマを見て興味を持ち、異なる切り口の物語を期待して手に取った一冊。

    面白かった。
    キリシタン、キリシタン大名の視点で策をめぐらす如水。
    宗教で繋がる外国との遠謀策略が絡む。

    飄々としているが筋を通す武士、後藤又兵衛。
    明智光秀の娘のガラシャの態度。

    本編後の短編が歴史のもの悲しさを追加している印象だった。

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    2015年07月23日
  • おもかげ橋

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    この物語のまえのお話をどこかで読んだ気がするのに、題名を思い出せなくて‥‥二人の武士の幼い時からの恋心が今になってどう変わっていくのかが少し面白かった。

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    2015年06月20日
  • いのちなりけり

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    葉室さんの本は2冊目。
    そのせいか時代背景や人物の説明の把握がなかなか
    難しく感じた。
    キリシタン。水戸光圀。綱吉。助さん格さんの
    「控えぇ」は気持ちがホッとしたけど何度もページを
    戻っては確認しつつ読み進めました

    蔵人の人となりは読み進めるほど応援したくなる
    咲弥の蔵人への思いの変化に嬉しく思う
    17年経ちお互いを思う気持ちが絆が強くなり
    心が寄り添えて良かった

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    2015年04月13日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    カッコいい男達を読みたくて、読んでみた。
    期待通り。まっすぐに生きる人たちに共感しました。
    スカッとしました。
    これまで時代小説はあまり読まなかったが、こういうのだったら他の作品も読みたいと思う。

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    2015年03月05日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    「第二黒田騒動」とも呼ばれる筑前福岡藩の実際のお家騒動に絡めた物語。
    まず思ったことは、この方の描く話の登場人物はみな「覚悟」を知っているな、ということです。
    「腹を括る」ではなくて「覚悟」。
    貫く為に、例え理不尽に謗られ妬まれ疎まれようとも、動じない静寂の力強さ。それは己が定め決めた事の顛末に対して不服を持たない力強さでもある。
    主人公の卯乃が失明したときに預けられた家の姑りくは、香を聞くことを教えて、「ひとは匂いです」という。この表現には、権利主義や唯物主義になりがちな世に対して、表層のその奥に大事なものがある、と言われているようで、ぐぐっときました。
    あと毎度ですが、美術工芸品の描写がさ

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    2015年02月22日
  • 千鳥舞う

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    ネタバレ

    博多に住む江戸時代の女絵師。江戸の時代に絵を描くということと女であることの生きにくさはどれほどだろう。それでも江戸に住む想い人を胸に秘めて自分の道を進む春香は眩しい存在に感じる。

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    2015年02月15日
  • 恋しぐれ

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    蕪村が主役のお話。
    やっぱりキャラが立っているし、口調もお上品な町人っぽい感じで、何より俳句がたくさんで渋い魅力満載でした。
    色んな恋が描かれているけれど決して恋が中心とは言い切れなくて、俳句がいいスパイスになっている。
    月渓さんも円山応挙もお梅もいい味だしてる。
    葉室さんのおかげで初めて時代小説にこんなにはまっています。
    心の機微が本当にすてきに描かれていると思います。

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    2015年02月07日
  • 実朝の首

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    ネタバレ

    今まで読んだ葉室麟の小説は2種類あり、史実をベースに歴史の流れの中で敵味方となり切り結ぶ運命の中にありながらも己の忠義にしたがって謀略を突くし、そして戦う男(女)を描いた作品、かたやその流れの傍らで描かれる人々のドラマ。後者が「川あかり」「蜩の記」とすれば、今作は前者に当たる。
    殺害された実朝の首が紛失したことにより、鎌倉の将軍家の後釜を巡って、世継ぎ、朝廷、など様々な史実の人物の利害が重なり反発しあって三つ巴の戦いが起きる。史実に疎いので前半は矢継ぎ早に登場する人物に戸惑ったが、後半俄然物語が面白くなり一気に読み終わった。史実に詳しければ、はるかに面白く読めただろうに!残念。

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    2015年01月15日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    最後!最後は一体!?
    と自分の中でハッピーエンドを書いてほしい、はっきり書いてほしいとの願望がわき出た状態で終了。でもよくよく考えたら、この話は決して恋愛小説ってわけじゃなかったんだなよな、と。
    当たり前ながら漢字も多く読み方も複雑。でもそれが気にならないくらい、読むにつれてぐいぐい引き込まれました。

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    2015年01月11日
  • 霖雨

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    題名の「霖雨」とは、幾日も降り続く雨とのこと。
    次々と襲い掛かる艱難辛苦を例えて。
    しかし、雨に象徴されるように、しっとりと味わい深い作品。
    作者は、大塩の乱と対比させることにより、一層主人公を際立たせる。淡窓はいう。
    「・・・人の心を動かすのは、つまるところひとを生かしたいとの想いなのだ」
    そして自らに言い聞かせる。
    「・・・たとえ霖雨の中にあろうとも進むべき道を誤ってはなるまいと」
    主人公の姿勢、生き方、見習いたい(無理かなあ笑)。

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    2015年01月09日
  • 秋月記

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    組織のために貧乏くじを引くということ。
    じぶんたちは正しいことをしていると思っていても、大局から見るとどうなのか、反対派からするとまた違う思いでよかれと思って動いていたりするぞ、と。よく分かる。
    しかしこれってさ、男社会、おっちゃんルールじゃないのか?と思わなくもない。この伝統的ルールでずっと闘うわけ?(これは本の感想ではないのだが)

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    2014年12月28日
  • いのちなりけり

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    朴訥に咲弥を思う蔵人がいい。
    春ごとにはなのさかりはありなめどあいみることはいのちなりけり
    出会いは命・・・どちらも大切にしなければと思う。

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    2014年12月25日
  • 恋しぐれ

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    ネタバレ

    葉室麟なのでそれなりレベルの作品であろうと期待して読んだとは言え、予想してたよりこれはかなり収穫モンの短編集だった。

    まさかの良質な恋愛小説。そういや作者には「いのちなりけり」という傑作があったのを忘れていた。油断したぁ(いや、まぁ構えて読む必要はないにせよ)

    下手なヤツが書くとつまらない連続ドラマの小説版にたいになる大人の恋、それが葉室燐の手にかかると儚く侘しくも凛とした綺麗な小説になるんだから、小説ってのは罪作りなものだなぁ

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    2014年12月18日
  • 橘花抄(新潮文庫)

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    福岡藩の第二黒田騒動が舞台として、人としての生き方を改めて問う。
    吉川英治、藤沢周平などの時代小説の系譜に筆者も位置付けられるであろう。

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    2014年12月07日
  • 随筆集 柚子は九年で

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    葉室麟の始めての随筆集。
    その中の「柚子の花が咲くとき」の中で、
    「社会人になって原稿を書く仕事をする傍ら、たまに文學界や群像などの文芸誌が主催する新人賞に応募したこともあった・・・(略)・・・しかし五十歳になった時、『このままでいいのだろうか』とふと思い直した。若い頃に抱いた夢や思いを何ひとつ成し遂げることなく、いたずらに歳月は過ぎ去っていく。自分の残り時間を考えた。十年二十年あるだろうか。そう思った時から歴史時代小説を書き始めた。老いを前にした焦りかとも思ったが二度とあきらめたくはなかった。書き続けるうちに、懸命に過ごせば、移ろい過ぎる時は豊かさを増す事ができるとわかるようになった。時間は

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    2014年11月14日
  • 恋しぐれ

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    憎からぬ思いを抱く芸妓を弟子にし、亡き愛妻を彷彿とさせる女に横恋慕する。本書における与謝蕪村先生は何とも人間臭く、他の登場人物も俗物的で親近感を覚える。そんな人々が繰り広げる豊かな人間ドラマが蕪村の句と結びついて味わい深い。

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    2014年11月01日
  • 秋月記

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    秋月藩は福岡藩の支藩であるため、福岡藩からの藩政介入が絶えなかった。これに抵抗する主人公の玄界島流刑までの人生。

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    2014年09月21日