葉室麟のレビュー一覧

  • 決戦!本能寺

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    緊急事態宣言の中、令和二年のGWに読んだ歴史小説です。何も活動のできなかったGWでしたので、読書だけが楽しみでした。

    この本は有名な本能寺の変を題材にしていますが、7人の武将の立場から見た形でストーリーが展開しています。新しい歴史小説の形で楽しいです、事件現場の空から中継を見ている感じです。

    以下は気になったポイントです。

    ・源頼朝の鎌倉幕府も、足利尊氏の室町幕府も、どちらも憎悪と野心をたぎらせた親族と家臣達が互いに憎しみ合いながら敵と戦っていた。だからこそ彼らは幕府を開けた(p67)

    ・肩衝(かたつき)とは肩の部分が尖った茶入れで、楢柴は初花肩衝、新田肩衝と並び「天下三肩衝」と称され

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    2020年12月30日
  • 蒼天見ゆ

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    ネタバレ

    時代が変わりゆく中、時代の先を読んで自分達の藩の生き残りをかけた武士が妬まれて非業の死を遂げる。しかも、自分の同じ藩から…武士道ならぬ殺され方。どの時代にもこんな人達はいるもんだ。出る杭は打たれて、お調子者が世を大きな顔をして世を渡っていく世界。
    時代が変わっても、信念を通す息子の姿は親の仇を討ちに行く本物の武士…強い様に見えるが悲しい運命…時代に翻弄された男は、この時代には沢山いたのだろうな。実話なのが凄い…

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    2020年12月30日
  • 決戦!本能寺

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    本能寺に関わる人の話ではあるけど、なんか距離が遠い。もっと、本能寺そのものを色んな視点から描くと面白いと思う。

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    2020年12月14日
  • 決戦!新選組

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    幕末ものや新撰組を描いた小説は度々読んでしまうもののひとつ。 どの本も、新撰組に対する見方や人物の性格・背景の描写が異なり、真実は定かになるものではないけれど、それゆえにどれも想像力を掻き立てられてまた他の本を探したくなる。 このアンソロジーは沖田総司、近藤勇、藤堂平助、永倉新八、斎藤一、土方歳三それぞれの視点から描かれている。 ひとつの目的に向かって、でも思いは各々の胸の中に…というのは、読んでいて歯痒くもあり美しくもあり。 そしてどうしてもNHK大河の新選組!のキャストを思い浮かべてしまうワタシ…。

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    2020年11月16日
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い

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    ちょっといまいち
    平安時代の刀伊入寇を下敷きにした物語
    刀伊入寇という史実は恥ずかしながら初めて聞きました。
    元寇よりもずいぶん前にそんな事件があったんですね

    大陸の異民族である悪役「刀伊」に対して、主人公「藤原隆家」がどんな戦いを繰り広げるか?
    「村上海賊の娘」のような物語かと思いきや、その辺のくだりは後半の最後のほうだけ、それもわりとあっけなく終わってしまいます。
    前半は伝奇ふくめた平安の政権争い。
    といったところで、ちょっと想定と違いました。

    清少納言や紫式部、安倍晴明なども出てきますが、正直とってつけた感じ(笑)

    とはいうものの、ページ数が少ないながらも、刀伊の悪役っぷりに対して

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    2020年10月24日
  • 風のかたみ

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    武家社会のなかで己の家だけを守ろうとする男たち
    それを実現化するために才知を使い働く女たち
    確かに女性の方が視野が広く懐が深い
    武家のあり方として読み始めたが
    食うか食われるか女の駆け引きはサスペンス要素もあり
    面白く拝読した

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    2020年10月18日
  • 孤篷のひと

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    歴史小説で茶道経験者には是非読んで見て貰いたい。読み応えのある作品。
    どこまでがフィクションか分からないが、なかなか面白かった。

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    2020年10月07日
  • 孤篷のひと

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    面白かった
    戦国時代での茶の道を主題とした物語
    千利休、古田織部と異なり、「泰平の茶」を目指した小堀遠州の物語です。
    やはり、どこまでが史実でどこからがフィクションなのかわかりませんが、遠州が目指そうとしていたものが伝わる物語でした。

    ストーリとしては
    戦後乱世の時代、武人でもあり茶人でもある小堀遠州の生涯を語るもので、茶道具にまつわる章立ての、短編連作となっています。
    各章で、遠州のもとに訪れる様々な人との会話から、自らの過去の出来事を振り返る形で、石田三成、伊達政宗、藤堂高虎などとのエピソードを語っていく形です。
    茶道具に秘められた想い、一つ一つのエピソードがしっかり語られ、その中で、遠

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    2020年10月03日
  • 冬姫

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    面白かった
    織田信長の二女、冬姫の数奇な生涯を語る物語
    どこまでが史実でどこまでが創作なのか、自分の知識不足のため、相変わらずよくわかりませんが(笑)、エンターテイメントとして楽しめました。

    ストーリとしては
    織田信長の二女の冬姫は蒲生氏郷の妻になり、戦国時代の中
    、その覇権を競うため、「おんないくさ」を仕掛けあうというもの。

    「武家の女は槍や刀ではなく、心の刃を研いでいくさをせねばならないのです」

    と育てられ、さまざまな女たちが闘うことになります
    信長の妹お市の方をはじめ、淀君、鍋の方、五徳、ガラシャ、築山などなど
    心の刃とは言いますが、実際には諜報戦ともいえます。
    冬は「もず」と「又

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    2020年10月03日
  • 風花帖

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    ネタバレ

    登場人物の名前を覚えるのが大変だが、それを踏まえても流れるように読める本。一晩で読みました。一途な想いの描き方が綺麗。冒頭に悲しい結末を先に書いているので、どうしてそうなってしまったのかを解き明かしながら読んでいくことになるのだが、冒頭に知らせてあるだけに、悲しいとか残念とかいう気持ちが起きず、美しく終わる印象。
    この死生観や美しさが理解できるのって、日本人だけなんだろうなぁ。

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    2020年09月18日
  • いのちなりけり

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    惚れた女のために、ひとりの武士が十七年に渡って、求め続けた答えとは.......
    幕府と朝廷に翻弄され、引き裂かれてしまったふたりの行方は、どうなってしまうのか。
    いのちとは、男とはどうあるべきかを問うた作品。

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    2020年08月23日
  • 銀漢の賦

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    時代小説。役職が違えた友の少年時代や、今の話を美しい風景と共に繰り広げられる。江戸時代特有の役職の違う身分がまた小説を盛り立てていた。
    ぶっきらぼうな二人が最後に協力し合うのは感動した。

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    2020年07月12日
  • 決戦!新選組

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    ネタバレ

    戦国時代の小説は好きだが、幕末はそれ程は興味が無かった。
    正直、思想が色々とあってどれが正しいのかが分からない。
    時代が大きく変わるのであるから仕方ないとは思うが、この時代に死ななくてもいい若者を多く失ったのが何とも惜しい。

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    2020年07月02日
  • 山桜記

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    戦乱の時代の中、女性が主人公の武士の妻の覚悟を感じられる7作の短編物語


    「汐の恋文」
    朝鮮出兵で半島にわたった夫へに届かなかった恋文。それが結果的に秀吉の手に。秀吉からの呼び出しに応じた菊子は秀吉に対峙します。秀吉は、菊子の身代わりとして夫の帰国を命じる。夫は帰ってくるのか?
    とても強い夫婦の絆を感じる物語。

    「氷雨降る」
    キリシタンの大名の晴信は大八に騙され、結果家康に言上するも、晴信も処罰されることに。
    その最後に立ちあった妻と埋葬の日に起きた出来事

    「花の陰」
    関ヶ原の戦いの前後で、屋敷に火をかけられたときに、逃げずにその場で果てた細川忠興の正室ガラシャ。一方で、ガラシャを置いて

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    2020年06月27日
  • 暁天の星

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    不平等条約の改正に取り組んだ『剃刀外相』こと陸奥宗光の半生を描いた葉室さんの絶筆。

    未完と知らずに読んでしまったので、結末をどう描かれるのか分からないままなのは残念。勿論、一番残念なのは作家さんご本人だろうが。

    陸奥宗光というと、先に書いたように外相として不平等条約改正に取り組んだことと、奥様の亮子夫人が大変な美人で『鹿鳴館の華』の一人として活躍したことくらいしか知らなかったので、それまでの彼の人生は興味深く読んだ。
    特に坂本龍馬との関わりがこれほどあったとは全く知らず、この作品では坂本龍馬ならどう世界と渡り合うのか、坂本龍馬のように欧米に臆することなく交渉するためにはどうするのかというこ

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    2020年06月25日
  • 暁天の星

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    葉室麟さんは、新聞連載の『紫匂う』を読んだきりだが、いずれしっかりと読んでみたい作家だった。逝かれてのち、未完の作が発刊され、陸奥宗光というこれまでほとんど存じ上げなかった人物を取り上げておられ、新たな視点で描かれる維新後の近代を興味深く読む。伊藤博文、板垣退助など、かつてのお札の人物像がなんとも人間臭くて面白いというのか、どうなのよというのか。しかし、ここで終わるのかと残念だが、著者こそが無念であったろう。

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    2020年06月16日
  • 孤篷のひと

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    利久、織部ののち、太平な世の中になる江戸初期まで活躍した小堀遠州の茶人として生涯を名物を段落に見立てて、その名物の所以より生き様がありありと描かれている。時代の移り変わり、価値の移り変わりに、過去を敬い、自分の価値を茶道を通して世の中に伝えた人物として畏敬せずにはいられない。一服の茶に込められた、遠州好みを堪能できる一冊。

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    2020年06月09日
  • さわらびの譜

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    最後までハラハラした物語でした。
    その後、姉妹はそれぞれどんな風に過ごしているのか、みてみたいなぁと思いました!

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    2020年06月04日
  • 乾山晩愁

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    時代もテーマも雰囲気も異なる短編5篇、共通するのはいずれも絵師が主人公であり、絵画と政治は深く繋がっていて、その関係が絵師の人生を翻弄するという点。「絵師とはな、命がけで気ままをするものだ。」(探幽)

    好きな作品は『雪信花匂』。狩野家の政争に巻き込まれた雪の人生。愛を選び、誰かを想い絵を描く。想いと葛藤に苛まれながらも強い意思と共に名を轟かせていく一人の女流絵師の美しい叙情的作品。中でも兄の彦五郎のキャラクターが深みを出している。放蕩息子でありながら妹と親友のために動くことができる。その後の事件を経て、次の『一蝶幻景』に登場した時は胸熱だった。悲劇ではあるものの結果的に恋は成就している本作、

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    2020年06月03日
  • 天の光

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    ひさしぶりの葉室麟さん
    今回の求道者は仏師の清三郎さん

    うーーん
    いつもの葉室節に乗り切らせてもらえず
    なぜか中途感が漂ってしまった

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    2020年05月09日