葉室麟のレビュー一覧

  • 柚子の花咲く

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    郷学
    岡山藩を範として郷学を開校した日坂藩と鵜ノ島藩が舞台。
    日坂藩の郷学、青葉堂村塾教授・梶与五郎(鵜ノ島藩家老・長井兵部の三男・長井清助の変名)

    主人公は日坂藩郡方(70石)・筒井恭平
    学友で殺される勘定方(90石)・穴見孫六

    学友の青葉村庄屋・儀平、
    学友で儀平の妻・およう

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    2010年07月30日
  • 柚子の花咲く

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    少年時代に梶与五郎の薫陶を受けた筒井恭平は、与五郎が隣藩で殺害された事実を知り、真実を突き止めるため鵜ノ島藩に潜入するが――。
    人を愛すること、人が成長するということなど、人間にとって大事なものを教えてくれる感動の長編時代小説。

    主人公である恭平、その師である与五郎もさほど魅力のある人物とは言えませんが、なんとも惹きつけられた作品でした。

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    2010年07月27日
  • 柚子の花咲く

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    時代小説は苦手だと思っていたのに、読み始めてすぐに引き込まれてしまった。善悪の差はあれど、誰もが自分の信じる道を進んでいた時代が描かれる。悩み苦しみながら、懸命に生きる人達の姿は凛として清々しい。揺るぎない信念を持ち得た人間を、とても優しく温かく表現している。思わず涙…。

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    2010年07月23日
  • 柚子の花咲く

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    本当のその人の値打ち、そういうものが後から立ち現れてくる。葉室さんの物語はそういう清々しい人物が理不尽なことになる。まあ今回もそうなんだけど、、恭平の粘りで良かった良かった。

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    2010年07月03日
  • 乾山晩愁

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    室町から元禄にかけて実在した絵師達を取り上げた短編集。表題作を読むと表紙の「花籠図」がまた違って見えてきます。文化と歴史上のできごとをうまく重ねた物語は人間としての絵師を親しみやすく感じさせ、光琳と赤穂浪士の関係についての新たな考察も興味深く読みました。一冊通して読んだときの、ぐるりと巡る構成も面白い。またそれぞれの短編に「絵師とは、芸術とは」を表す力強い一文が入っていて、何回か繰り返し噛み締めて読みました。あとがきの「(光と影だけでなく)光の周りの、光を支えている存在」、そこに目を留める著者の温かさが伝わってくるような一冊でした。

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    2010年01月10日
  • 乾山晩愁

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    実力派の歴史短篇です。
    やや説明にくどさを感じますが、しっかりした構成と人物造形で読ませます。絵師の物語とはいえ、絵がそのものより、権力抗争や恋が主題に描かれています。
    葉室さんは「乾山晩愁」がデビュー作だそうですが、後に行くほど硬さが取れた感じで読みやすくなっていきます。
    読みながら、何となく作品の感じが似てるなと、白石一郎さんを思い出しました。。白石さんは古川薫氏、滝口康彦氏と九州三人衆と呼ばれ、中央文壇に巻き込まれず、九州の地から歴史・時代小説を発表し続けた人(白石一文・白石文郎さんの父親)。葉室さんも九州だそうで、どこかに繋がりが有るのかもしれません。

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    2016年08月05日
  • 暁天の星

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    葉室麟が最後に書きたかった未完の作品。
    近代日本が歩き出すにあたり、不平等条約の改正に力を注いだ陸奥宗光を描いている。
    坂本龍馬に学び、その志を継いだ陸奥宗光。魅力的な人であるだけに、最後まで読みたかった。

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    2025年12月13日
  • 実朝の首

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    私には難易度が高い作品
    鎌倉時代の人の名前、派閥、皇族等複雑に入り組んで理解できないまま読み進めた箇所が相当あったと思う
    作者の知識、調査力はこの作品でも感銘した

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    2025年10月29日
  • 乾山晩愁

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    表題の乾山晩愁を含め5作て絵師を描いている
    作者の歴史観や卓越した調査力には驚かされる
    江戸時代以前の絵師の作品を含めた生き方をこのように描ききるとは

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    2025年10月06日
  • 冬姫

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    冬姫の芯が通っていて、凛とした佇まいが美しいと感じました。

    女性には男性とはまた違った「女いくさ」があり、そちらの戦も重要な役割を果たしていたのだと知りました。

    この時代は常に緊張感のある厳しい時代だったということもわかりました。

    今まで歴史小説はほとんど読んだことがなく、歴史にはあまり関心のない方でしたが、本書を読んで、歴史小説も面白いんだなと思いました。

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    2025年08月28日
  • 風かおる

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    ひとの心には時として魔が入り込む
    先に潮騒かおるを読んでしまったので、後追いでこの作品を読んだ
    時代物の推理小説
    最後の最後でなるほどと思ったとともに、人の心は自分も含めて隙間があると再認識させられた

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    2025年08月28日
  • オランダ宿の娘

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    作者は史実を使い、このような小説を描き上げたことに驚きを隠せない
    登場人物も実在と架空の人物
    このような描き方に感銘だ

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    2025年08月20日
  • 潮鳴り

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    ネタバレ

    どん底から這い上がり悪を成敗する。わかりやすく読みやすかった。とんとん拍子に味方が増えていくのが出来すぎてると感じだけど逆に安心感があり、多くの口コミで見る通りエンタメとして楽しめた。
    作中何度もでてくる「落ちてしまった花をもう一度咲かせることができるのか」の問いを通して主人公伊吹櫂蔵の再生までが描かれているが、解説にある通り
    「誰かのために生き直そうすることが自らの再生になる」。人は人によって生かされてる。

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    2025年08月02日
  • あおなり道場始末

    購入済み

    中程度の面白さ

    単純なストリで短時間に読み終えたが期待外れ。

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    2025年07月22日
  • 月神

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    この作品を読み始めすぐに頭をよぎったのは吉村昭著「赤い人」
    視点は違うけど、舞台は同じ
    幕末の騒乱も含め読み応えがあった

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    2025年07月20日
  • 実朝の首

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     『金槐和歌集』のネーミングってそういう由来だったのか……。高校の頃、日本史で妙に印象に残って名前だけずっと覚えてたけど、今更知る事もけっこうある。




     鎌倉幕府三代将軍源実朝の暗殺から物語は幕を開ける。実行犯である公暁は討たれるが、実朝の首の行方が分からなくなってしまう。
     軈て実朝の首を巡って北条、三浦、源氏、和田の残党、果ては京の後鳥羽上皇らの利害が複雑に絡み合い、鎌倉は血で血を洗う陰謀の府と化す。

     自分が気に入っているのは、実朝のキャラクター像である。開幕早々に死亡する実朝だが、読み進めるにつれ理世撫民を旨とした優しき将軍の姿が鮮明になっていく。単なる舞台装置ではなく、死して

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    2025年05月06日
  • 秋月記

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     福岡藩の支藩を舞台に繰り広げられる藩内政争。流罪を言い渡され、晩節を汚す憂き目に遭って尚も泰然とする余楽斎の過去を描く。

     「私は逃げなかっただろうか」

     終盤の此の台詞が沁みる。今まさに落魄の最中にある人間を描いているとは思えぬほど清澄な余韻を残して物語は幕を閉じる。武士の誇りと云うものがあるのなら、本作の結末は、其の誇りの一つの有り得可き形なのだろう。

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    2025年05月05日
  • はだれ雪 下

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    ネタバレ

    忠臣蔵真っ只中だから見えてる結末にハラハラする。でもなんとかなる。どうか幸せになってください!!
    「なか」が本当に良い子でもう…囲いたいくらい好き

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    2025年05月03日
  • 銀漢の賦

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    郡方である日下部源五と、名家老である松浦将監と、農民の十蔵の3人の友情の物語。

    十蔵の死をきっかけに絶縁状態となる源五と将監。

    身分は違えど再び人生が交差し、運命が激しく動きだす。将監の脱藩シーンからものの見事に一気読み。

    男の友情は恋愛にも似てると思える作品。

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    2025年04月16日
  • 月神

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    その昔、神功皇后が征韓の船を出されたおりの先導神は月神であったという。夜明け前の月はあたかも日を先導しているように見える。つまるところ日神を先導するのが月神だ。月形家の者は夜明けとともに昇る陽を先導する月でなければならんと月形洗蔵は思った。そんなことから、本書の題名は月神だ。

    暗殺では藩論をまとめることはできない、なにより、暗い手段をとれば、人心が尊王攘夷派から離れていくと、過激な尊攘派とは、違った立ち位置であった。いつの間にか尊攘派の潤には目的のためなら手段を選ばないという風潮が蔓延している。意見を異にする相手を殺して快哉を叫ぶようになっていた。洗蔵は尊攘派の熱狂の中で孤独を深めていた。

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    2025年04月16日